●アクティベーションを深く知る
そもそもOSにおいては、Windows Me、Windows 2000までは「アクティベーション」という構造は存在しなかった。
しかし、違法コピー、あるいはライセンス範囲を逸脱してOSを利用するユーザー(OSを1つしか所有しないのに、複数のマシンで使うなど)が多発したため、「1つのOSを1つのマシンで使う」というライセンスを遵守させるために、以後のマイクロソフト製のOSや一部のアプリケーションで「アクティベーション」という構造が開発、採用されるようになった。
ちなみにこのアクティベーションは、単に「1つのOSを1つのマシンで使う」という制限を行うシステムではなく、実をいうとかなり複雑なシステムである。
ここでは、アクティベーションを深く知るためのポイントを紹介しよう。
・1つのパッケージ=1つのマシンとは限らない
マイクロソフトのアクティベーション構造を持つソフトウェアは、「1つのパッケージを購入すると1つのマシンで使える」という訳ではない。
たとえばWindowsのDSP版は「DSP版を購入したときに組み合わせたパーツ(マザーボードやCPU)」にライセンスされる。つまり、あくまでパーツにライセンスされており、この組み合わせたパーツを変更することはできない。
また、マイクロソフトオフィスの場合、一本のパッケージでデスクトップPC+ノートPCでの使用が許されており、必ずしも1パッケージ=1マシンとは限らないことを知っておいた方がよい。
#Windowsのパッケージ
※同じWindowsでも、アップグレード版、DSP版などでライセンス範囲が異なる。このライセンス範囲を理解していないと自作マシンにおいて、パーツ構成を変更したときに「そのマシンに手持ちのOSを利用できない」等という事態に陥る。
◎Windows XPの「ライセンス」
=============================
・パッケージ版の場合:
1つのOSで1マシンを守る限り、どのマシンに入れてもよい。
・DSP版(OEM版)の場合:
OS購入時に組み合わせて買ったパーツと常に組み合わせて使う必要がある。
=============================
・アクティベーションの情報
アクティベーションは通常のソフトウェアパッケージがユーザー登録で行うような情報を登録しているわけではなく、あくまでも「マシンのハードウェア情報(ある特定の10デバイス、詳しくは次項参照)」が登録情報になる。
逆の言い方をすれば、アクティベーションにおいて「個人情報(住所や氏名)」はマイクロソフトに送信しないということだ。
・アクティベーションは恒久的ではない
「一度ライセンス認証を行えばOK」と思われがちなアクティベーションだが、これは間違いだ。
アクティベーションは、ハードウェアの変更状況を監視して、ある一定のラインを超えてハードウェアの改変を行うと(10デバイスの内4〜6デバイス変更した場合、XPのパッケージによってデバイス変更許容数が異なる)、プログラム的に「これはアクティベーションを行ったマシンとは違うマシンだ」と判断され、再び「未ライセンス認証状態」に陥る。つまり、PCマスターのようにハードウェアのアップグレートや改変を行うものほど、この再ライセンス認証が起こりやすいのだ。
ちなみに再ライセンス認証は、基本的に電話で行うことになる。ライセンスに違反していない限り問題なく認証できる。しかし、PCマスターであればやはり避けたい事態のひとつである。
なお、最初からライセンス認証されているメーカー製マシンはこの限りではなく、いくらデバイスを変更しても再ライセンス認証は発生しないものもある。
当グリモアWebは右上の書籍
「Grimoire For Windows XP(グリモアforウインドウズ) Vol.1 システム編」
のすべての内容を掲載している奇特なWebだ。
なお、左の書籍はグリモア第二弾
「Grimoire For Windows XP(グリモアforウインドウズ) Vol.2 カスタマイズ編」はVol.1を超える670ページという膨大な紙面を割いて、XPカスタマイズを語った書籍。Vistaを導入する前に、まずXPを最大限に活用&チューンせよ!