音 | 楽 | こ | ぼ | れ | ば | な | し | 2016 |
12月17日、久喜総合文化会館小ホールにおいて、コール♪シャンティの第2回コンサートが開かれました。この合唱団は11年前に音楽仲間が集まって結成されました。
2014年に行われたファーストコンサートには、グランツが賛助出演し、シャンティと一緒に混声のステージも歌いました。今回はシャンティだけのコンサートで、3ステージ構成でした。とくに指揮者を置かずに演奏します。
第1ステージ
*ホームソングメドレー<アメリカ編>
懐かしの我がケンタッキーの家/夢路より/峠の我が家
*萩原英彦女声合唱曲集
かいがらからから/こんやはおつきみ/ゆうやけ/クリスマスのよるだから
第2ステージ
Let It Go~ありのままで~/365日の紙飛行機/糸/ひとつ/未来へ/Tommorow
第3ステージ
*クリスマスソング
アメイジング・グレイス/讃美歌より/もみの木/O Holy Night/赤鼻のトナカイ/サンタが町にやってくる/ウインター・ワンダー・ランド/すてきなホリディ
最後のステージでは、来場者全員に配った小さな鈴を振ってもらい、会場と一緒になって盛り上がるという和気あいあいのコンサートでした。
この合唱団は1973年、その名のとおり<第九>を歌うことを目的として設立されました。以来年末には<第九>を、夏にはその他の合唱曲を取り上げて演奏してきています。今年の<第九>は44回目の演奏となりました。少しずつメンバーが入れ替わっていますが、超ベテランも健在です。
合唱指導は常任指揮者の田尻桂さんと副指揮者の浅子元さん、ピアニストは渡邊宏美さん、ボイストレーナーは前常任指揮者であった宮寺勇さん。
11月から開始し、指揮者合せやオケ合せを含めて全10回の練習でステージに臨みました。マエストロ下野達也さんは、これまでの指揮者と解釈がやや異なっていますが、基本はベートーヴェンの書いた楽譜に忠実にしたがって演奏したいというタイプです。何回歌っても新しい発見があるから、もう一回ちゃんと譜面を見るようにとの指示が出されました。
・埼玉第九合唱団 第85回演奏会 ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調《合唱》
指 揮: | 下野達也 |
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ソプラノ: | 吉原圭子 |
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メゾソプラノ: | 小林由佳 | ||
テノール: | 錦織 健 |
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バリトン: | 宮本益光 | ||
管弦楽: | 日本フィルハーモニー交響楽団 |
男声合唱団コール・グランツのメンバーでもある石川正さん(左)はバスで歌いました。
8月26日、作曲家・下總皖一を記念する音楽賞の平成27年度受賞者によるコンサートが彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールにおいて開催されました。今回は、特別に編成された武蔵野音大と栗友会合同の合唱団の演奏でした。
下總皖一(しもふさ かんいち1898–1962)は、「野菊」 「花火」 「スキー」 「ほたる」 「たなばたさま」 「ゆうやけこやけ」 など数多くの童謡や唱歌で知られる埼玉県出身の作曲家。
1920年東京音楽学校(現東京藝術大学)で作曲を信時 潔に師事し首席で卒業。後ドイツのベルリン芸術大学でパウル・ヒンデミットにも師事。1942年同校教授、1956年東京藝術大学音楽学部長を歴任しています。
下總皖一は、多くの校歌の作曲も手がけており、総作曲数は1000曲以上にものぼります。藝大門下には團伊玖磨、石桁真礼生、佐藤眞、芥川也寸志らの諸氏がいます。また、男声合唱団コール・グランツ前指揮者の鎌田弘子先生も下總皖一の教室で指導を受けたお一人でした。
下總皖一音楽賞は、音楽文化の向上に貢献している埼玉県ゆかりのプロの音楽家、すなわち作曲家、音楽理論家・評論家、音楽教育家、演奏家に与えられる賞です。平成27年度の受賞者は、音楽評論家の國土潤一先生と合唱指揮者の栗山文昭先生のお二人でした。
受賞記念コンサート第1部は、國土先生による、山田耕筰の 「赤とんぼ」 をどう歌うかというワークショップ・コンサート。日本人なら知らぬ人はいない
「赤とんぼ」 ですが、詩の意味にまで遡り、ではどう歌うのがよかろうかと、聴衆が一緒に歌いながら曲に迫るという形のワークショップでした。詩の意味を知って歌い直すと見違えるように曲が変わってゆきました。
第2部は、栗山文昭指揮、武蔵野音楽大学+栗友会の合同合唱団のぎくによる4ステージの合唱コンサートでした。
第1ステージ:下總皖一作曲、野口雨情の詩による 春の雪/日ぐれの花/雉子が啼く
第2ステージ:寺嶋陸也編曲 花の街/野菊/荒城の月
第3ステージ:信長貴富編曲 無伴奏混声合唱のためのアニソン・オールディーズより
第4ステージ:三善晃編曲 『唱歌の四季』 朧月夜/茶摘/紅葉/雪/夕焼小焼
1ステでは、下總皖一の作品のうち、野口雨情の詩によるあまり演奏されることのない珍しい曲でした。私自身初めて聴く曲ばかりです。2ステは、寺嶋陸也編曲の馴染みのある曲集、3ステの、信長貴富編曲のアニソン・オールディーズでは振り付け(?)というか小コントみたいなものがあって大いに客席が沸きました。そして最後の4ステは、日本人の心象風景『唱歌の四季』でしっかりまとめられていました。
圧巻は、アンコールに演奏された「あかとんぼ」、みごとなピアニッシモというかピアニッシシモといってよいほどの静謐さが心に染み入りました。紛れもなく一級品の演奏でした。
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●佳枝yoshie :Vocal+Piano |
Ⅰ TOMOKO’S STAGE G.H.Haendel作曲:Lacia cio pianga他 まどみちお作詞、吉岡弘行作曲:組曲『虫の絵本』 Ⅱ YOSHIE’S STAGE A.Scribine作曲:Etude 8-2 Haward Blake作曲、佳枝yoshie編曲『The Snowman』~Walking in the air~ Ⅲ STAGE WITH THE SPECIAL GUEST G.U.Faure作曲:PIE JESU U2作曲:WITH OR WITHOUT YOU ADEIMUS作曲:世紀を超えて~Beyond The Century~ |
第2ステージでは、yoshieちゃんがこれまで温めてきた『スノーマン』(The Snowman:雪だるま)を自分なりに編曲して自ら歌うオリジナルステージでした。ストーリーの流れに合せてピアノを弾きながら歌いつないでいきます。
お客さんは、あらすじが書かれたプログラムを見ながらスノーマンの世界へと引き込まれてゆきます。プログラムのあらすじには順に番号が付いていて、ピアニストが番号を書いたシートをめくるたびに場面が展開してゆくというものです。まるで紙芝居のような雰囲気で手作り感満載です。やり方をもっとスマートにもできたはずですが、それが行き過ぎてはyoshieちゃんの狙いとはちがってしまいます。もちろん本人ももっと音楽の完成度を上げ、記録に残せるような形にしたいとさらに構想を温めています。
『スノーマン』は、1978年に出版されたレイモンド・ブリッグズの絵本です。それがアニメーション作品にもなっています。この作品にはセリフが一切出てきません。画面には文字もまったく出てきません。すべて絵だけで描写しています。つまり、世界のどこの国の人でも絵と音楽だけでアニメーションを楽しむことができるのです。唯一ことばが出てくるのは、少年と雪だるまが空を自由に飛び回る場面で歌われる主題歌「Walking in the air」だけです。ここは英語で歌われますが、とても印象的なものです。
Yoshieちゃんは、昔から『スノーマン』に魅せられ、今回のコンサートに向けて半年以上かけて編曲と脚色を進めてきました。音楽と絵本の世界とのあいだを行き来しながら、創り上げた音の絵本です。
『スノーマン』の詳しいことはこちら★をご覧ください。
最初のステージ、ソプラノの中村ともこさんは、ヘンデル、スカルラッティ、ブラームスなどの古典的な名曲を歌ったあと、合唱曲にもなっている『虫の絵本』でテントウムシやチョウチョウなど小さな虫の世界を澄んだ声で爽やかに歌い聴衆を楽しませてくれました。
今回のテーマである<音と絵本>の世界を、
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