M-129


第3回 全日本男声合唱フェスティバル in 岡山



加 藤 良 一



2014年12月6日




 



初めて男声合唱の全国大会が開かれたのは2010年、宮崎県宮崎市(15団体参加)でのこと。1年おいて2012年には福島県会津若松市(25団体参加)で開催、そしてまた1年おいて今年で3回目となりました。

 20141129日~30日の二日間、岡山県岡山市(岡山シンフォニーホール)に、北は北海道から南は九州まで25団体、それに個人参加も加えた540人以上が集い、盛大に開催されました。参加団体は、北海道1、福島2、埼玉1、東京2、京都2、大阪2、兵庫1、岡山7、鳥取2、島根1、広島1、山口1、香川1、宮崎1

 東京より北が6団体、南が19団体、主催県岡山が7団体、四国九州はそれぞれ1団体と、分布バランスがいまいちの状況でした。もう37回を数える 「全日本おかあさんコーラス大会」 のように、県大会⇒支部大会⇒全国大会という選抜の流れがあればそれなりに地域のバランスもとれますが、男声合唱は残念ながらまだそこまでいっていません。それでもようやく2015年からは毎年開催に変わりますので、流れが変わることも期待されます。

 岸信介・全日本合唱連盟理事長は、いずれ 「紅白」 のような合唱合戦を開きたいとあいさつされました。そうなると参加団体はかなり絞られると思いますが、楽しそうな企画です。ぜひ実現させたいものですね。


今回の合同演奏は、清水敬一教室(138人+αクレーの絵本 第2 から(三善晃作曲)高嶋昌二教室(178人+α)「つぶてソング 第1 から(新実徳英作曲)山脇卓也教室(220人+α)「こころようたえ & くちびるに歌を(信長貴富作曲)の三つがあり、そのうちから一つ選んで参加します。

 われわれ男声合唱団Vive la Compagnieヴィヴ・ラ・コンパニーは、山脇卓也教室を選びました。「くちびるに歌を」を選んだ理由は、この大会直前の111日、埼玉で開催した<彩の国男声コーラスフェスティバル2014の合同演奏に山脇卓也さんをお呼びして講習会と演奏を行いましたので、特別な練習をしなくてもよいという台所事情もありました(^_-) 。



合同演奏は、大会前日の土曜午後2時から3時間練習を行い、翌日の本番に備えます。教室ごとに別の場所で同時進行で行われました。合同練習のあとはお待ちかねの交流会、会場の岡山グランドホテルへ直行です。交流会はなんといっても、全国に散らばっている合唱仲間と久し振りに会える機会です。旧交を温めるのもさることながら、いつもはfacebookでしかお会いできないような方々にリアルでご対面できる機会でもありますし、そこから横に広がって新たに仲間が増える機会でもあるのです。







 

演奏順

都道府県

出演団体名

1

岡山県

男声合唱団メンネルコール

2

鳥取県

国立米子工業高等専門学校合唱部

3

山口県

男声合唱団メールソレイネ

4

東京都

Goldbächer Männerchor

5

大阪府

大阪府立淀川工科高校グリークラブ&メンズ・ウィード

6

東京都

Musica Nova Consort

7

福島県

いわきメンネルコール

8

岡山県

音羅(Onra)ヴォーカル・アンサンブル

9

岡山県

晴れの国男声合唱団

10

北海道

北海道男声合唱団

11

兵庫県

男声合唱団銀河

12

広島県

男声合唱団HIROSHIMA

13

岡山県

コール・ロチェアーノ

14

岡山県

倉敷男声合唱団

15

京都府

合唱団京都エコー

16

岡山県

岡山大学男声合唱団コール・ロータスOB会

17

岡山県

岡山大学男声合唱団コール・ロータス

18

島根県

男声合唱団FREIE KUNST

19

埼玉県

男声合唱団ヴィヴ・ラ・コンパニー

20

京都府

京都男声合唱団

21

香川県

グリークラブ香川

22

福島県

會津高校OB合唱団

23

鳥取県

男声合唱団Camel

24

宮崎県

スターウィンド~男声アンサンブル・ウィザード~

25

大阪府

大阪メールクワィアー

 




ヴィヴ・ラ・コンパニーは、埼玉に因んだ曲をということで 旅立ちの日に の男声版と木下牧子作曲「」の二曲を演奏しました。「旅立ちの日に」 は、元埼玉県合唱連盟の理事・坂本浩美さんの作曲によるもので、埼玉県秩父市立影森中学校で教鞭をとっていた1991年に発表されました。以後、全国に広がり、卒業式で 「仰げば尊し」 などに代わって盛んに歌われるようになった人気の曲です。もともとピアノ付きの混声版だったものを、同じく埼玉県在住の井川(いかわ あかし)さんに無伴奏男声合唱版へと編曲して頂いた曲です。ピアノ演奏の部分を男声パートが受け持ちながら、原曲のもつ良さを生きいきと表現しています。けして難易度が低いわけではありませんが、ていねいに歌うことを心がけるとよい演奏になると思います。

 いっぽう、「鴎」 の男声合唱版は今でこそ出版されていますが、まだ出版されていなかった2008年、男声合唱プロジェクトYARO会の第3回ジョイントコンサートでぜひ歌いたいからと木下牧子さんにお願いし、直接頂いたものです。「鴎」 は一見やさしそうにみえてけっこう難しい曲です。アンサンブルを整えるのに苦労しました。

 ヴィヴ・ラ・コンパニーの演奏に対する清水敬一高嶋昌二山脇卓也の三講師の講評は以下のとおりです。恥を忍んで紹介(順不同)します。

 

■皆さんが参加して下さって本当に心強い限りです。ありがとうございました。YARO会精鋭のアンサンブル、重ねたアンサンブルの妙が良く出て、難しい「鴎」のハーモニーも完璧。
埼玉発の 「旅立ちの日に」、大事に発信していこうという皆さんの心意気を感じました。これからも大切に歌い継いで下さい。これからも埼玉の男声合唱、応援しています!

■「鴎」 バランス良いアンサンブルですね。歌心があるのでメロディーが生き生きと届いて来ます。
「旅立ちの日に」 私が若い時にはなかった曲ですが、今、良く歌われるのが納得できる良い曲ですよね。大人が歌っても味わい深いと思うので、この男声合唱で歌える編曲はとても意義深いと感じます。曲の良さがしっかりと伝わる演奏でした。

■人数を感じさせない充実した響き。時々ハーモニーが乱れて残念。経過音が不安定です。メロディーを歌う時、音階を意識して下さい。
シンプルな名曲がアカペラで難曲になりましたね。自分の声しか聴いていない人がいそうです。指揮に合せるというより、お互い聴き合いましょう。

次回、第4回大会は20157月京都コンサートホールで行われる予定です。夏の京都でどのような男声合唱の祭典が繰り広げられるか、大いに期待しましょう。



 

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【関連情報】<音楽/合唱 欄>
2013年8月「天井から雨が… 関東おとうさんコーラス大会 in いずのくに 」(M-114
2012年12月「関東の男声合唱事情」(M-113
2012年12月「2回 全日本男声合唱フェスティバル in ふくしま トリオ・ザ・ケイイチ」(M-112
2012年9月「23 回関東おとうさんコーラス大会 in にいがた」(M-111
2011年9月「22 回関東おとうさんコーラス大会 in いばらき」(M-99
2010年8月「真夏の男の祭典 第21回関東おとうさんコーラス大会 in かながわ」(M-92
2009年8月「20回関東おとうさんコーラス大会 in ちば」(M-86
2008年8月「19回関東おとうさんコーラス大会 in ぐんま」(M-78
2005年8月「16回おとうさんコーラス大会」(M-62
20058月「夏の秩父」(M-60
2004年8月「渋滞は忘れたころにやってくる」(M-48
2003年8月「14回おとうさんコーラス大会 in 秩父」(M-33
2002年3月「秩父の山々に響け! 男声合唱」(M-2

(以下は、音楽/合唱欄の下のほうにあります)
200293日「関東おとうさんコーラス発祥の地 サッポロビール埼玉工場閉鎖
2002811日「関東おとうさんコーラス大会 in 小出郷」




      

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