M-99
 今年の関東おとうさんコーラス大会はじつに難産でした。というのも、会場である茨城県の日立市シビックセンター音楽ホールが東日本大震災の被害を受け、開催そのものが危ぶまれたからです。開催日は8月6日、参加申し込み期限は4月21日でした。しかし、震災後の復旧めどがはっきりしない中、ほんとにやれるのだろうかという心配が先に立っていました。そんなことも手伝ってか、埼玉では期限までにエントリーする団が一つも出て来なかったのです。
 埼玉から茨城の日立市へは意外と交通の便がよくありません。南北に常磐線が走っていますが、東西には単線の水戸線があるくらいで、あとは道路網しかないのです。けっきょく埼玉からは貸し切りバスに相乗りして行き、それに乗れない人は自家用車に分乗しました。東北道を加須インターから入り、北関東道を経て常磐道で日立中央インターへ向かいました。常磐道へ向かうルートが直前に復旧していたので大いに助かりました。おまけに震災の復興支援で、高速料金が無料になったのもうれしい誤算でした。もっとも、この支援策はトラックなどによる復興目的ではない便乗使用が頻発したため8月31日をもって打ち切りとなってしまいましたが…。われわれの利用は大きくいえば復興支援にちがいないと思っています。日立市シビックセンターでの開催は、平成10年の第9回大会以来2度目です。前回の時は本大会がまだ関東支部に拡大する前の埼玉が中心になって運営していた頃です。
 参加団体は、群馬1、山梨3、新潟2、神奈川1、静岡2、千葉3、栃木2、埼玉3、そして主催県茨城が6(主催県はアドヴァンテージがあります)の計23団体でした。初出場の団体から連続22回の出場記録を更新中という団体までさまざまでした。初出場といいながらアンサンブル・ド・イモ(茨城)は40年前に日立電線合唱団の中に生まれたという老舗でもあります。また22回すべてに出場し記録更新中なのはいわずと知れた我がコール・グランツで、ギネスブックへの登録を検討中です。
 メンバーがもっとも若かったのは、新潟大学医学部合唱団男声「煌星」(きらぼし)で、ふだんは新潟薬科大学との合同で混声合唱を歌っている男声陣ですが、今回のおとうさん(?)コーラス大会のために特別に編成した合唱団というわけです。彼らはまだ学生ですから、おとうさんと言われても困るでしょうが、とりあえず諦めてもらうしかありません。信長高富編曲「故郷」と松下耕編曲「とう坂みる坂」を柔らかな表現としっかりしたハーモニーで演奏しました。
 Vive la Compagnie の母体は5団体からなる男声合唱プロジェクトYARO会ですが、今回は、男声合唱団ドン・キホーテを除く男声合唱団コール・グランツ、男声あんさんぶる「ポパイ」、男声合唱団イル・カンパニーレ、男声合唱団メンネルA.E.Cの4団体有志が結集しました。曲は、前のジョイントコンサートでも歌った木下牧子作曲の「鴎」でした。
 


関連情報<音楽/合唱 欄>
2010年8月「真夏の男の祭典」(M-92) 第21回関東おとうさんコーラス大会 IN かながわ
2009年8月「第20回関東おとうさんコーラス大会 IN ちば」(M-86)
2008年8月「第19回関東おとうさんコーラス大会 IN ぐんま」(M-78)
2005年8月「第16回おとうさんコーラス大会」(M-62)
2005年7月「夏の秩父」(M-60)
2004年8月「渋滞は忘れたころにやってくる」(M-48)
2003年8月「第14回おとうさんコーラス大会 in 秩父」(M-33)
2002年3月「秩父の山々に響け! 男声合唱」(M-2)
(以下は、音楽/合唱欄の下のほうにあります)
2002年9月3日「関東おとうさんコーラス発祥の地 サッポロビール埼玉工場閉鎖」
2002年8月11日「関東おとうさんコーラス大会 in 小出郷」
加 藤 良 一 2011年9月12日