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防衛大学校物語 校友会

 

防衛大学校物語 成長からの続きです

 

GWも過ぎて色々なことが一巡してくると「校友会」の勧誘が熱を帯びてきます「校友会」とはクラブ活動のことで、課業が終わった16時頃〜18時頃までの間活動します1学年の中にも少しずつ校友会に参加できるような時間と心の余裕ができる時期であると同時に、もう1学年で辞める人間が減ってくる時期なので、勧誘が無駄でなくなるからでもあります

基本、学生は運動系の校友会に一つ所属する必要があります校友会は一般大学のサークルのように生やさしいものではなく、真剣にやるクラブ活動他の一般大学に混ざって、大学対抗試合に出場したりします

防衛大学校だから体力があり、どのスポーツにおいても強く常に上位校に顔を出す・・・というわけでもありません勿論強い部もありますけれど。基本的に練習時間が限られたりするのと、他の大学のようにスポーツ推薦で採ったりとかありませんし、そもそも学生の絶対数が少ないので

最も勢力が強い(人数が多い)のはラグビー部。次いでアメフト部というところで、この辺り体育会系らしい感じです他にも柔道や剣道、空手など色々あります特徴的なのは短艇委員会で、先述のカッターをクラブとして年中やっています。ここも結構過酷な割には人数は多いですその他、銃剣道というのも防衛大学校ならではですね。
https://www.mod.go.jp/nda/cadetlife/extracurricular.html

自分が高校までに何らかのスポーツをずっとやっていたのであれば、そのまま入れば良いでしょうし、敢えて違うスポーツに挑戦するも由。対番に勧誘されたり、別の2学年が部屋に突然やってきて「ラグビーに興味無い?」とか誘ってきたりします。

1学年を勧誘するのは2学年の仕事でもあるのですが、優しく接してくるラグビー部の勧誘を断ったら、後日手のひらを返すようにシバきのターゲットにされたという嫌な思い出もありますまあ、それはあくまでその人の資質の問題ですけどね勿論そういう人は「地」がそうなので、元々嫌われるタイプです

 

 

防衛大学校には色々な校友会がありますが、これまでに挙げた他、特殊なところでは応援団があります。応援団はまあ早稲田にしろ慶応にしろ、学ラン(制服)で硬派な感じは共通しています。

が、やはり防衛大学校の応援団は一層特殊です。対番などからも「応援団だけはやめろよ」「危険だぞ」「変人の集まりだ」などと色々と警告されます(応援団の方すみません・・・)。昨年の開校祭で見た現在の応援団も、目が「いってる」感じで、やはり十分異様さを感じましたが、その集団に遂に女子学生が入って居たのは皆ビックリしていました時代ですね・・・

後日わかってくることですが、基本的に校友会の上下関係は隊舎の上下関係に比べると全然緩いです。やはり上級生も同じ校友会だと別の仲間意識みたいなものも働いてきます

話が逸れますが県人会というのもあって、活動は年に一回集まるくらいしか無くてほとんど動きが無いのですが、同郷は特に仲間意識が強いですね富山県人会なんて全学年で10人くらいしか居なかったので、仲間意識は特に強いですが、数が少な過ぎるので効果は薄いです・・・他方、福岡県人会は無茶苦茶多かったので、逆に仲間意識が薄かったかも知れません

一方、校友会は自由に選べるわけなので、中には「シバかれないために敢えて○○さんと同じ校友会に入った」とかいう不純な(?)動機もあります同期のG君もそのパターン。つまり応援団の上級生にシバかれないようにするために応援団に入った、と。

G君は元々「こいつ応援団の見込みアリだな」と思われたのもあったでしょう。ある日、部屋に帰るとG君の机の上に突然ケーキが置いてあったのだそうです同部屋に聞いてみたら「応援団の○○さんが「G君、食べて」と置いていった」と。G君はその禁断の果実を食べてしまったがために、応援団への入団が決まりました(もっとも、どうせ断れなかったのでしょうけれど・・・)。

入団すると応援団の練習は過酷です常にグラウンドを黒い独特の衣装(練習着)を纏いながら大声を張り上げつつ走っている印象しかありませんその対価としてシャトレーゼのケーキ1個はあまりにも軽過ぎる・・・というのは、第三者の素直な感想

ある時、私は血を吐きながら鬼のような形相で走っている応援団員を見て「今から人が死に行く瞬間を見ているのではないか」とかなりドキドキしたことがありましたが、一応この人は無事でした単に叫び過ぎて喉が切れてしまっただけのようです(・・・って、十分大ゴト)。

↓そんな血の滲むような練習を続ける応援団の勇姿をご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=TqCagjqS-iQ

 

 

話が入学前まで遡りますが、私が防衛大学校入校を決めてから一枚のハガキが届きました差出人は「防衛大学校バドミントン部」。「防衛大学校に入校したら、是非校友会は我がバドミントン部へ皆でお待ちしています」と。

入学時の履歴書に「得意なスポーツ」を二つ書く欄があり、私はバドミントンと持久走と書いておきました。まあ得意といっても、単に中学時代に3年間バドミントンをやっていただけの話「強いて言えば」得意なのはバドミントンであって、それ以外のスポーツに取り組んだことが無かったからです中学時代には試合にもロクに出ませんでしたし、決して上手ではありません。むしろ下手くそ

ところが、私が住んでいる富山県高岡市と言えば、トナミ運輸(トナミHD(9070)傘下)や三協アルミ(三協立山(5932))のバドミントン部が社会人の強豪今でもバドミントンが盛んで強豪校も多く、知る人ぞ知る地域です。

というわけで「おいおい、高岡でバドミントンが強いヤツが入校してくるぞこれは是非採らなければ」とバドミントン部では大いなる勘違いで色めき立ったそうですそれで青田買いの勧誘ハガキを送ってきたようなのですね。

しかし実際来てみたら「とんでもない大ハズレクジ」だったとは、後日の笑い話そんなにも期待されていたとは当時つゆ知らず私は「勧誘ハガキも貰ったし、とりあえず校友会はバドミントン部で決まりだな。高校は帰宅部だったけど」と思っていました。

 

 

たまたま同小隊の2学年のHさんがバドミントン部だったので、入部の意向を伝えました。「じゃあ一回見学に来て」ということで、Hさんと一緒に見学に行きました。Hさんは「絶対あいつを連れてこい」と言われていたそうで、丁度良かったようです。

バドミントン部の雰囲気は悪くありません。上級生も女子学生も居て、全般的に和気藹々とした感じ上下関係も厳しく無さそうですバドミントンというスポーツはコートの中で瞬発力を常に求められる見た目以上にハードというのは当然知っていますが、何か一つ所属しないといけないのならばバドミントン部に決まりでした

その年の同期として、15人がバドミントン部に入りました。男子が12人、女子が3人。なお男子のうちタイ人が2人でした。東南アジアはバドミントンの強豪なので上級生にもタイ人が居てタイ人系列が出来ているような感じになっていました。校友会は毎日基本強制参加ですが、タイ人は固有の集会があったりするので免除されていました。単にサボってんじゃないか疑惑もありますが・・・

この校友会を通じて、初めて中隊以外の同期と交流が生まれることになります。この時、初めて他の中隊の厳しさがどれくらいなのかを知って比べ、その差に愕然としたりします(良い意味でも悪い意味でも)。

それはともかく、バドミントン未経験も何人か居たので、入部当初は私の立ち位置は「まあまあの人」でしたが、成長力が無く卒業時には「ほぼ最下位」でした・・・

 

 

ちなみに校友会は転部が可能ですただ基本的にはあまり転部しませんね。1学年のうちに転部すると様々なしがらみでまた上級生との関係がこじれる場合がありますから、転部するにしても十分な理由で円満な形が必要です上級生になるとしがらみも薄れるので転部しやすいですが、その時期まで続けられたようなら、まあ今更転部しても・・・という感じもあります

色々な校友会がありますが、これも長い防大生活を左右する重要なポイントになります何より自分に合った校友会を見つけることが一番ですが、土日や休日に練習が多いか、夏休みの合宿が長いかどうかなどなど、気にしておくべきポイントとのバランスはありますね。

夕飯は校友会単位で食べるところが多いです大体一緒の時間に終わりますからね。夕飯では昼食のように厳しく上下関係を徹底されることはありませんでした。むしろ後輩が「ちぃーっす」と言えば、食後にPX(購買)でシャトレーゼなどのおやつ的なものを奢らされたりします。伝統的な「奢ってください」という合図ですね

ただその後ミーティングなどがある1学年は呑気に食っちゃべっている場合ではないので、さっさと食べてすぐ帰ったりしています超優しい先輩であれば、来られなかった後輩のためにおやつを届けてくれたりしますが、果たしてそれだけ人格者の先輩がいるのか、そして先輩にそうさせるだけの可愛げがあるかどうかは、それぞれの器量に因るところが大きいですね

ちなみにラグビー部などは練習や合宿は多いものの、大所帯であることから勢力が強いですラグビー部派閥みたいなものもあり、食堂や風呂場の一角はラグビー部専用というような感じになったりします。あくまで単なる不文律なので、そこを侵したからといって何か言われるわけではなく、単に自分の居心地が悪くなるだけなのですが

いわゆる「楽勝」な校友会とみなされるところに所属していると、何となく格下に見られる感じはありますねまあ実際にはどこの校友会もそれなりに大会や行事があって、大変ではあるのですが。

 

 

色々と怖いことばかり書いてきましたが、防衛大学校の最大のメリットは何と言っても経済面給料が貰え学費もかかりませんし、食事も出て家賃や光熱費の負担もありません隊内の医療機関にかかれば医療費すらかかりません極論を言えば休日に敷地から一歩も外に出なければ、1円も使わずに暮らすことが可能です。勿論、そんな強者は見たことありませんし不健全だと思いますが

身分は特別職の国家公務員の自衛隊員。ただ猫の手も借りたいような有事があれば、学生であろうがなんであろうが徴収される責務を負っています。まあ実際そういう状況になったとして、入りたての若者が現実問題使い物になるかどうかですが・・・

それで肝心の給料ですが、当時の話ですけれど手取りで月8万円半ばくらい。バイトしているようなものでしょうか。しかし何より大きいのは公務員なのでボーナスが年3回出ます。まあ3回目の春のボーナスは0.5ヶ月分で、3回合わせて3.5ヶ月分。年収にすると150万円超くらいだったと記憶しています(細かいところは覚えてません)。

これは学年毎によって違うわけではありません。ただ厳しい上下関係の裏返しで、先輩は後輩に対して「奢らなければならない」的な不文律があるので、一緒に食事に行ったりした場合は全部支払いは上級生が見る、という感じになっています。ですから、上級生が下手に外出先で可愛がっている下級生などに捕まると、財布の中身が寂しくなりがち・・・下級生の方がお金を持ってます。

その他、校友会の活動費を取られたりしますし、外出したら一般人よりお金を使わざるを得ないので(先般も書いたように、町に出るための交通費や下宿代、また自販機を使えないなどといった制約のため割高になりがち)、案外お金貯まりません公務員ですし勿論副業・バイト禁止私なんて当時パソコンが高かったというのもありますが、共済組合でお金を借りましたから

まあこの辺の話になると「羨ましい」「税金泥棒」などと言われ、実際制服姿で町を歩いていると見知らぬおじさんに絡まれたりした経験もあります当時はまだ自衛隊に対して批判的な人が多かったということもありますが。いずれにせよ、こちらが言い返せない立場であることをわかっていて言ってくるのですから、かなりの卑怯者だと思いますけれど

そんなに羨ましいならあなたも受験すれば良かったのに。何も人種や家柄で入校が制限されるわけではなく、等しく受験の権利があって、等しく努力すれば入れたでしょうから。内心そう思いながら、黙ってひたすらグッと堪えていました

ただ誤解を恐れずに言わせてもらえば、青春を売ってお金に換えているようなものなので、ある意味売春です。青春謳歌している一般の大学生が羨ましかったですし、そもそも経済的な恩恵を受けているのは親の方。学費がかからなかったので、実家に帰ったら冷蔵庫が新しくなっていましたし、父親は投信を買って○和証券の言うとおりに売買して退職金をすっからかんにしました(つづく)

 

 

防衛大学校物語 指導

 

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