前日のNYはトランプ大統領がSNSで日本や韓国を始めとした各国の関税率を明らかにしたことで3指数揃って軟調。売買高は165億株と活況。長期金利は4.4%手前まで上昇。マグニフィセント7は総じて軟調。新党結成でまたトランプ大統領に反旗を翻したマスク氏のTeslaが6.8%の下落。SOX指数は1.9%、ラッセル2000は1.6%のそれぞれ下落。WTI原油先物は68ドルに上昇。
投資判断は「中立」。アメリカの貿易協議に関しては、イギリスに次いで(中国も一応挟んで)、先週ベトナムが合意。ベトナムの関税は合意したとはいえ、結局計20%かかることになりました。しかもアメリカからの輸入品は関税が0でボーイングから航空機も50機買うということですから、ほぼ全面降伏的な内容。中国の地政学的な脅威がある中で、アメリカとのつきあいを優先したのでしょうか。
日本に対するトランプ関税に関しては、一時的にも本当にかけられるかもしれませんね。ただそれが永続的に続くものではないと市場が安心すれば、株式市場への影響は限定的に止まると思っています。個人的には関税よりもトランプ減税の動向の方を心配しています。今週はまた米国債入札ウィークでもありますし(毎週なんらかありますが、10年債や30年債といった発行額が大きいところが多い)、本来金利は上がりやすい地合でもあるはずですが。
中国でさえある程度まとまったディールが成立しているのに、日本を含めた同盟国に、永続的に関税をかけるとも思えませんし、いざとなったら米国債売りをカードで出すことも可能でしょう。日本製鉄(5401)のUSS買収許可の裏側にあるとされる造船技術の提供を断ることだって可能です。日本は「タフネゴシエーター」であり続ければ良いと思います。
ところでBloombergの記事を見ると、アメリカも日本も同じように、ビットコイン、量子、ミーム(低位株など)に資金が集中しているとのこと。やはり写真相場なんですね。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-01/SYQ0PMDWLU6800
日経平均のEPSは上がっていますけれど、特に通商協議が進んでいるわけでもないですし、為替も円高方向に振れている中で上がっている理由はよくわかりません。やはり株価が上がっているので、逆算して上昇しているだけでしょうか。
https://nikkei225jp.com/data/dollar.php
本日引け後にまた最新のものが出ますが、先々週末時点の信用倍率は前週4.5倍→4.4倍に低下。買い残が3.8兆円に減り需給が改善しました。日経平均が4.6%、TOPIXも2.5%と強い上昇を示した週でしたから、まあ妥当な感じです。売り残との差し引きで買い残は3兆円割れとなっていますが、昨年2月以来の水準です。
先々週末時点の裁定残高は買い残1.5兆円に対して売り残0.1兆円の差し引き1.4兆円の買い長。前週に比べて497億円減りました。信用評価損率は前週▼7.8%→▼7.4%に改善。株が結構上がった割には改善度合いは小さいですね。
信用評価損率は、売り方の信用評価損率が20%に達していたということで、売りの多いところには買い戻しを余儀なくされたところがあるようです。また時期的には夏のボーナス支給から持ち株会の買いが入りやすい時期。大株主に従業員持ち株会のウエイトが大きいところは、結構な下支えになります。個別では、こういった需給面のアヤがあるようです。
6月第4週の投資主体別売買動向では外国人投資家は現物を3398億円の買い越し。先物は274億円の買い越しで、外国人の今年度に入ってからの連続買い越し記録は更新中。一方、信託銀行(年金)は473億円の売り越し。債券も上がってきたのでそろそろ止まるかと思いましたが、まだ売り越しが続いています。
事業法人は420億円の買い越しに縮みましたが、四半期末接近に伴う自社株買い自粛期間のため。そして個人が5917億円の大幅売り越し。なお、グロース市場に関しては外国人投資家は現物を64億円の売り越し。スタンダード市場は199億円の大幅売り越し。だから最近弱いんですね・・・。
新興市場も「中立」。昨日のグロース指数は続伸。売買代金は2068億円と活況。昨日プライム市場では規模別では大型株が売られました。一方、その分資金が小型株に回り、グロース市場を中心に比較的しっかり。やはりETF分配金捻出売りが無いのも買い安心感に繋がります。ただ本日はその反動が出そうですけれど。
【注目銘柄】
井関農機(6310)は昨日大幅反発。日経で「米の二期作拡大」と伝わり、農機メーカーに連想買いが入りました。またアメリカとの通商交渉が続く中で、やはり米の輸入拡大を迫られることになるとすると、日本の農家に対する補償などが意識されることで、やはり農機メーカーに連想買いが入ってくる形。クボタ(6326)は全然反応しませんが、小型株には優位な展開です。
安川電機(6506)は昨日大幅続落。トランプ関税の影響により先週末の1Q決算で早速減益に修正を余儀なくされる下方修正となったことで、ファナック(6954)なども飛び火。しかしそれでも日経平均のEPSは昨日微妙に上昇しており、本当に色々と謎な指標です。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
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