前日のNYは3指数揃って軟調。FOMCを控えて長期金利が4.17%に上昇して売られました。マグニフィセント7はマチマチ。最先端GPUのH200を中国向け出荷容認と伝わりNVIDIAが1.7%の上昇。引け後にトランプ大統領が「売上の25%を政府に払う」ことで正式に承認され、時間外でも2%超の上昇に。SOX指数は1.1%の上昇。WTI原油先物は59ドル割れ。
投資判断は「中立」。先のアメリカの投資情報誌バロンズに書いてありましたが、00年のITバブル時にシスコシステムズのPERは130倍でしたが、当時の高値78ドルを先月ようやく回復。つまり25年かかりました。今回も「確かに将来的には全てがAIで当たり前の時代が来るだろうけれども、時間もかかる」という現実目線に移ってくることで自然にバブルが萎むのだろうと見ています。
結局、どんなにハードが高性能になっても、それを動かす電力が追いつかないというところに焦点が当たりつつあります。巨大なデータセンターを動かすために原発をドンドン作らないといけないが、その建造に時間がかかる他、大量の電力をどう捻出するのか。電気代高騰により地元住民の反対などもあって、建設が思うように進まない、というリスクも出てきています。それが先のコアウィーブの決算などで表面化してきた感じです。
https://bloomo.co.jp/learn/library/company-focus/2510_crwv/
アメリカのマグニフィセント7の中では地殻変動が起きています。時価総額最大のNVIDIAから資金が他の銘柄に循環している形なので、あくまで限られた範囲内での地殻変動なのですが、これまで生成AI開発で後手に回っていたGoogleがAIでもチップでも総取りになりつつあります。
ともあれNVIDIAを売るための良い材料が出てきたのは間違いありません。今年50%以上上昇した世界一の時価総額銘柄を、年末に向けてリバランスして手仕舞いしたい、そして後は年末まで休暇としたいトレーダーも多いでしょう。そういった売り需要も足元のNVIDIAの売りに繋がっているとみられます。
しかし孫社長は折角NVIDIA株も売ってOpenAIに全フリしたのに、一転攻守交代。NVIDIA全株売却が判明した時には「さすが孫さん」という評価だったのですが、今やすっかり逆神扱いに。やはりAIはこれだけ多くの競争相手が雨後の竹の子のように出てきて、勝者はほんの一握りが総取りの厳しい世界ですね。いつどこで突然ゲームチェンジャーが出てくるのか予測が難しい世界です。ちなみに今は「さすがバフェット」という評価ですが、いつ変わるやら。
そういう状況ですから、やはりSOX指数はバブルであり、循環取引になっている部分に連鎖的な怖さがあります。先日もAmazonがアメリカ国内のDCに500億ドル(7.8兆円)投資と伝わり、マグニフィセント7は活況でしたけれど、最近は投資の額が積み上がる程に怖くなってきました。
ただいつもの繰り返しですが、投資家心理はとっくに「恐怖」になっています。またMMFの残高も過去最高。あくまで下がるのはここまで過剰に買われ過ぎたAI関連株に限られ、(とはいえポートフォリオの毀損からある程度の下落は免れないものの)その他の銘柄に関しては影響は限定的であると見ています。
https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed
その裏側で進行しているのが12月利下げはどうなる問題。出てくる経済指標は悪く無いVS雇用環境は悪い、という二律背反の中で、FRBの中でも意見が真っ二つになっています。足元の市場の感じでは12月利下げ確度は87%まで上昇していますが、利下げがあったとしても以前程株価の押し上げ効果は無いように思います。更なる利下げはしばらく難しいでしょうし。
日本の長期金利上昇や止まらない円安が日本売りに繋がっている面も見ておく必要があります。アメリカも日本も隙あらばトリプル安症状になる不安定な相場が続いていて、今の高市政権は「日本のトラス」と評する記事が目立ってきました。つまり財政懸念で大規模な財政出動が頓挫し、わずか1ヶ月半で辞任したイギリスの女性首相を重ねる見方です。
一応、私はこの見方は否定的です。日本は確かに借金は多い反面、大量の外貨準備があり、多少の無理はできます。ただその外貨準備(=米国債)を簡単に換金できないのが問題なのですけれど・・・。一方で日銀に金利を上げさせずに財政出動しようというのは虫が良すぎるので、日銀の利上げと共に行う財政出動であれば、理屈的にはブレーキとアクセルを両方踏むような形で効果が落ちるのですけれど、市場的には受け入れられやすいと思います。
新興市場は「中立」。昨日のグロース指数は続伸。先週末とは逆にCore指数は下落しましたが、バイオ株中心に買われました。売買代金は1259億円と最近の中では平均並。引き続き上値が重い印象もあり、とにかく弱いグロース市場。12月に入って節税目的の損出し売りも出てくる地合です。
【注目銘柄】
三菱地所(8802)は昨日大幅反発。金利が上昇している中で不動産株が強いのですが、同社が野村の目標株価引き上げで買われた影響が大きい形。他もそれに引っ張られるような形になりました。逆にREIT指数は順当に下がっている格好です。
イオン(8267)は大幅続落。10月以降やたら強かった国内最大手小売株ですが、12月に入った途端に売られています。ブラックフライデーセールが終わったら出尽くし、ということでしょうか。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
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