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NYへ〜メトロポリタン美術館

 


MOMAからセントラルパーク編からの続きです。

翌日その日も一日フリーで観光モードでしたが、オプショナルツアーでメトロポリタン美術館の見学を3人で入れてありました早速身支度を調えるとロビーで集合し、それからツアーの集合場所であるヒルトンホテルロビーへと向かいます

↓世界の本社見学シリーズ(?)ニューズコーポレーション
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集合場所に到着すると、やがてツアー参加者計10人弱と日本人ガイドの方も現れて、点呼の後に出発となりましたちなみにガイドさんは現地で活動されている芸術家の方で初老の男性。立派なヒゲを蓄えて、ベレー帽を被ればいかにも芸術家、というような風貌です

ヒルトンホテルからメトロポリタン美術館への移動には、公共のバスを利用するとのこと私は今まで海外旅行で公共のバスに乗ったことは無かったのでちょっとワクワクただそのバスの乗り場まで少し離れているので、皆でゾロゾロ歩いて行くことに街を歩きながらガイドさんが目に止まるものを色々と案内してくれます

↓見え辛いですが、5th avenueに飾り付けられたクリスマスのスター
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すると突然ガイドさんが立ち止まり「見てくださいアル・ゴアが居ます」と指さしますその指の先には、高級ホテルの1階にあるカフェの窓際の席で朝食をとりながら、誰かと熱心にしゃべっている白人男性が居ました。アル・ゴアはクリントン政権時の副大統領で、著書「不都合な真実」で環境問題を訴えノーベル平和賞を受賞した人物です

我々が「本当に?そっくりさんじゃないの?」と訝しんで聞くと、ガイドさん曰く「NYに30年以上住んでいる私が言うんだから間違い無いですよ」と自信満々。

我々が近寄るとアル・ゴアは怪訝そうに「なんだこいつらは?」といった態で謎の日本人集団を一瞥すると、少し居心地悪そうに向かい側の男性と会話を続けていました。動物園の猿状態でしたが、有名人だから見られるのには慣れているのではないかと

で、その後スマホで確認してみると、確かにこんな顔していました高級ホテルのロビーで朝食とっているので、確かに信憑性は高いですねしかしさすがマンハッタン、至近距離で有名人と大勢出くわしますさすがに失礼なので写真は撮りませんでしたが
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%82%A2

それから更に少し歩いてバスの停留所に到着数分待っているとバスが間もなく到着して、我々は乗り込みました

 

バスの車内ではガイドさんと隣同士になったので世間話それで私が「投資助言の仕事をしているのでアメリカの経済動向などを調べに来た」と言うとガイドさんも(まだ利上げが行われる前だったので)「今利上げがあるかどうか注目だからねぇ」と。私は芸術家の方が経済に関心がある、というのは正直意外でしたさすがに金融の街NYというところでしょうか

なので私もスイッチが入って、あれこれ今の経済環境の話から、ひいては人工知能の話までべらべらとしゃべり続けましたそれを芸術に結びつけて「人工知能が価値を作り出せない分野の一つが芸術である」というような論調。

するとガイドさんが意外そうな顔をして「あなたの話を聞いていると人工知能はまるで敵のようだね」と返されたことが印象的でした。

なるほど、私の考え方は人工知能に対する脅威論が強すぎて、それとの共存性やメリットをあまり意識していなかったのかも知れません。むしろ芸術家の方が理解がある感じ。こんなところで妙に諭されて、個人的にはハッとする移動時間でもありました

そんなこんなで10分程の移動時間を経てバス停に到着そこから歩いてすぐのところに、目的地メトロポリタン美術館に到着しました

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すいません。私メトロポリタン美術館は名前だけ知っていたのですが、ぶっちゃけ行くまで予備知識がせいぜい漫画「ギャラリーフェイク」の主人公フジタの出身地である、またNHK「みんなのうた」で大貫妙子がかつて歌っていた場所、というくらいしか認識がありませんでしたNYにあるからとにかく大きな美術館で色々あるんだろうなぁ、という程度。

↓子供の頃見て、恐いのでトラウマになったと評判(?)の歌


エントランスから入ると、ガイドさんがまず我々にパンフレットを渡してくれます「とてもじゃないですが展示物が多すぎで全部案内しきれませんから、まずこれを見てどうしても見たいものをリクエストしてください」と言われました。えっ、こんなに広いのパンフレットを見て衝撃を受ける私この時、私は初めてこの美術館の懐の深さを知ったのでした

 

メトロポリタン美術館はNYCにあるくらいですから、フランスのルーヴル、ロシアのエルミタージュと並んで世界三大美術館の一つそんじょそこらの美術館とはレベルが違いますここに来れば、どの時代のドコの国の文化遺産でも実物が見られるという、よくよく考えるととんでもないところそんな貴重な一品を、MoMA同様に写真がOKで、バシバシ撮ることができます

しかも、入館料に目安(一般人25ドル)はあるものの、基本はドネーション(寄付)制で、タダで入ることができるのだとかうーん、物価が高いくせにこういうところは案外懐深すぎですねただ今回はツアーなので、私の分はガイド料+恐らく正規の入館料が自動的に支払われているのだと思います。

ガイドさんからチケットと合わせて、数字の書かれたシールを受け取りますそれには今日の日付が入っており、胸の辺りにペタッと貼っておくと、その日は一日出入り自由なのだとか入館証明書(チケット代ちゃんと払ったよって意味?)になっているわけですね

それで私はとりあえず「エジプトのミイラが見たい」とリクエスト。周りの人達から「えぇー、そのチョイスは無いわ。趣味悪い」みたいな視線を受けましたが、見て見ぬふりをして流します

他の方からも何点かリクエストが出て、ガイドさんは「それではエジプトの方から廻りましょう」と先導広大な美術館を地図も見ずに、我が庭のように早足でサササッと最短距離で向かいますさすが慣れていらっしゃる

間もなく「エジプト館」に到着エジプトはご存じのように何千年も前から文明が栄えた土地柄で、当時の王族がミイラとして残されています。

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↓ミイラが入っていた棺
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で、ガイドさんが色々熱をこめて身振り手振りを交え説明してくれたのですが・・・すいません、詳細はすっかり忘れてしまいましたとにかくこのメトロポリタン美術館ツアーは時間との戦いなので、正直説明も早口です本当にじっくり堪能されたい方は、ボイスレコーダーなどで録音させてもらって、後でまたツアー後に実物を見ながら聞き直してみると良いのかも知れません。

まあ私は実物だけ見られれば満足しかし何千年にも前に生きていた人の亡骸が残されているなんて、やはり不思議な感じがします。しかしここまで来ると、もう呪う力もへったくれも残ってないような感じがしますが・・・

ひとしきりめぼしいものを見て説明を受けると、また早足気味に歩いて次の場所へと移動します次はデンドゥール神殿を移築して復元した場所。広大な室内プールでも設置できるような空間に、ドンと神殿が出来上がっています。

デンドゥール神殿は紀元前15年頃にエジプトを占領した時のローマ皇帝アウグストゥスによってナイル川のほとりに建てられたものだそうです。それをアメリカ人医師が大金を払って買い取り、アメリカに持ってきたのだとかその寄贈した医師の名前がプレートに刻まれて入り口にありました。うーん、神殿そのものを持って行こうなんて、発想がアメリカン

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しかし以前は「世界各地から文化遺産をコレクトして、何か先進国の傲慢さを感じる」とも思いましたが、今となってはISが貴重な文化遺産を壊したりしていますし、こういう形で保管し、人々の目に触れさせるのも結果的には良かったのかなぁと思ったりしました

 

エジプトの次はアジア美術中国や日本といったオリエンタルなものは2階の一画にまとめて展示されています。まずは中国3000年の歴史ということで中国美術を見学ただぶっちゃけ、中国の方はそんなに印象に残るものがありませんでした何点か説明を受けながら写真は撮りましたが省略。あしからず

その流れで次は日本の方へここには葛飾北斎から戦国時代の茶器、屏風、掛け軸、そして森英恵(ハナエ・モリ) のドレスまで、本当に色々な年代のものが色々展示してありました古代から現代までを網羅する一覧性と言いますか、雑多性と言いますか。まあ皆様の興味のあるものを選んでじっくり見てくださいね、というようなコンセプトでしょうか

↓最初に「何じゃこりゃ?」と目を引く現代美術のビーズアートの鹿細胞一つ一つを表現されているということですが、正直気持ち悪いと思いました・・・
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↓森英恵のドレス
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↓瀬戸黒茶碗「鉄槌」影はiPhoneで写真を撮ろうとしている私の手です
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というわけで、日本美術もそこそこに、お次はご当地アメリカゾーンここからは絵画ゾーンがメインになってきて、最も美術館らしい(と私が勝手に思っている)部分になってきます。

このアメリカゾーンで最も目を引くのは独立戦争を描いた絵画「デラウェア川を渡るワシントン」。壁一面に巨大な絵画がドンと飾られており、当時のジョージ・ワシントンが苦難の末に独立を勝ち取ったことを表現する大作です

↓壁一面に巨大な英雄譚。写真だと小さい感じなんですが、両脇の像と比較すると大きいのがわかり・・・ません?
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実際には作者のエマヌエル・ロイツェが勿論後に想像で描いたもので、川にある氷がおかしいだの、当時はまだ星条旗が無かっただの、色々と指摘されていますですがそんな細かいことはともかく「どや、すごいでっしゃろ、これがアメリカ人の魂でっせ」的な、アメリカ人のプライドを感じさせる一品となっています写真では伝わり辛いですが、実物を見るとその迫力に圧倒されること請け合いです

 

それから引き続き急ぎ足モードで美術館を廻りますサージェント作「マダムX」も遠目で見ながら「当時女性が白い素肌を晒して男性を誘惑するようなことがタブーとされていたため、非常に衝撃的な作品」とガイドさんから解説を受けます。「見たい方は解散後ゆっくり見てください」とのこと

↓遠目で見た「マダムX」(右)
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そんなこんなでアメリカゾーンを過ぎて一階に戻りますそこではステンドグラスの作品を見たり、壁画を見たりメインの作品をそれぞれ解説受けますが、また残念ながらあまり覚えていません

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そこからまた移動して、今度は「武器・甲冑」ゾーンに移りますここには全世界の武器や鎧などが各種展示されていました。確かに古来武器も美術品ではありますが、本当にココはなんでも展示しているんですね中世の騎士の鎧や槍がドンと展示してありました。元軍人の男子としては、やはりテンションは上がってしまいますね悲しい性

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しかし漫画「ベルセルク」とかで見たことはありましたが、実物を見たのは初めですで、位の高い人用のデザインなのでしょうけれど、よくよく見ると甲冑に細かい模様が描いてあります。それが正直なんか気持ち悪かったです

それにしても馬にも甲冑を着せてあって、これだけ全身鉄板でガードされていたら絶対やられないような気もしますこんなの大群で迫ってきたら絶望的ですね一方で中の人は無茶苦茶暑かったり、重くて馬がバテたりしないかとか、色々な点で余計なお世話な心配です槍もこんな長いの持っても、懐に入り込まれたら終わりじゃないか、とか

他に目を引くのはやはり日本人として日本刀。あの妖刀「村正」もありましたうーん、こんなところで出会えるとはゲーム「Wizardry」では最強の武器でした

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ちなみに「SAMURAI SWORD」と言えば、この数時間後それに絡んだ事件が発生するのですが、当時の私は知る由もありませんでした。

ともあれそんな感じに眺めているとあわや置いて行かれかけたので、慌てて皆を追いかけました

 

お次は彫刻ゾーンにまずはパッと目に飛び込んでくる後ろ姿の彫刻。初期のミケランジェロ作「Young Archer」という作品ですどうやら未だにこれがミケランジェロの作品なのかどうかは論争があるようですが、とりあえずミケランジェロの作品として紹介されました。

ですが、その彫刻は我々におしりを向けて展示されていますガイドさん曰く「これは今の若い館長のアイデアで、この彫刻は後ろ姿が素晴らしいということで敢えて逆に展示してあります。なので背後がライトアップで照らされているのです」とのことうーん、なるほどーこういう風に館長次第で作品も色々味わいが変わってくるものなんですね勿論正面に廻れば、表側から見ることは可能です。

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その他数点彫刻を見て、引き続き急ぎ足で絵画ゾーンへと向かいます

まずはクロード・モネの油絵から「ザーンダム」というオランダの風景画ですこれもガイドさんの解説によると「良く見ると河畔の木の下に女性が一人佇んでいるのがわかります。これはモネの奥さんと見られ、旦那が絵を描いている間、奥さんがずっと河畔で作品が出来上がるまで待っていたのだとわかります」とのこと。

特にモネの奥さんは長い闘病生活の末に32歳の若さで亡くなったのだとか。それ故、モネと奥さんの愛情が伝わる作品になっているようです。なるほどー、やっぱり専門家のこういう話を聞くと、また一層味わい深いものになりますね

↓急いで撮ったので若干ピンぼけ
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その他、ラファエロの「Madonna and Child Enthroned with Saints」などを見たりして、また足早に次の作品へと移動しました(つづく)

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お次はフェルメールの「眠る女」写真はピンぼけで見えないのですが、頬杖をついて眠っている女性の背後には「仮面を踏むキューピッド」という絵が飾られており、キューピッドは愛を、仮面は不誠実を意味することから、この女性は失恋の悲しみをワインで忘れようとしている、と解釈されていますうーん、深いですね

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次は同じくフェルメールの「窓辺でリュートを弾く女」背景に欧州の地図が描かれており「これは仕事か何かで遠くに行ってしまった旦那(もしくは恋人)のため、帰ってきた際に聴かせるリュートを弾いて練習している姿だ」とはガイドさんの解説「こういう風に色々と想像してみるのが絵画の楽しみ方だ」と。なるほどーなので正解はありませんね

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その他色々な絵画を手短に鑑賞し、途中ロダンコーナーに寄ります。部屋全部に彫刻家ロダンの作品がズラリ展示してありましたロダンと言えば「考える人」くらいしか知りませんでしたが、当然色々な作品を残しておられます。

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「ロダンは後ほどご自身でじっくり鑑賞してください」ということでさらっと流し、また絵画ゾーンに戻りますお次はエドガー・ドガ。私の中でドガと言えば、刑事コロンボ「2枚のドガ絵」に出てくる画家さんというイメージが真っ先に来るのですが、バレエの踊り子さんを描いた作品が多いです。

↓またしてもピンぼけですがドガの「ダンス教室」
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そのうちの「ダンス教室」は先般ご紹介した「みんなのうた」の「メトロポリタン美術館」の歌で最後に主人公が絵の中に閉じ込められた、という曰く付きの作品です

それはともかく、バレエの踊り子達がそれぞれの技量を披露する中、左側にはバイオリンを手に先生が指導していますまたピアノに肘をつきながら、それを眺める謎の女性ガイドさんは「この女性は一体誰で何を言っていると思いますか?」などと我々に聞いてきます。

「雇い主の女帝」とか「今踊っている娘のお母さん」とか皆それぞれの意見を言いますが、ガイドさんは「そうかも知れませんね」とだけ一言。「では次に行きましょう」と結論丸投げで次の絵画へと向かいましたまあやはり答えなんて無く、それぞれのイメージやストーリーで楽しむことが大切だということですね

 

お次はルノワール「シャルパンティエ婦人と子供たち」ルノワールの出世作となった作品ということですまたしても学の無い私はルノワールと聞いて銀座ルノアールしか思い出さないのですが、彼の作品は全般的に楽しそうな雰囲気の絵が多く、人気がありますね

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そして有名なゴッホの麦わら帽子をかぶった自画像ですゴッホは何枚も自画像を描いていますが、そのうちの一つ。フロアの真ん中にデンと展示されていました

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実はこのゴッホの自画像の裏にもう一枚絵がありますと言うのも当時お金が無くて画材が買えなかったので、気に入らない絵の裏を再利用して描かれたそうなのですと言うわけで、ちゃんとその裏の絵も見られるように展示してあります。実物を見た人だけがわかるようになっています

↓同行者の顔が映り込んで、ほとんど見えないところはご愛敬
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そんなこんなで既に2時間近くが経過し、あっという間にガイドさんの引率は終了現地にて解散となりました。後は各々好きなところを自由に見て回るなり帰るなりお昼を食べるなり、ということで。いやー、やっぱり専門家の解説があるのは良いですね初めて見学される方にはお奨めです色々勉強になりました

ガイドさんと別れると、私は一人であちこち気になる作品をランダムに見て回りましたところどころで芸術家の卵と思われる人達が、デッサンの練習として実物を見ながら絵を描いている姿が見かけますこの中から将来本当にメトロポリタン美術館に絵が展示される人が出てくるのかも知れませんね

そんなことを思いながら、更に1時間くらい色々と見て回ったのですが、私は重要なことを改めて思い知らされます。「これ、とてもじゃないけど一日で回りきれないじゃん」ガイドさんに案内してもらったのはいわゆる「ここだけは見ておけ」的なベスト50くらいで、収蔵点数300万点と言われるこの美術の化け物の館はとても攻略できませんさっさと見ても丸3日は要するでしょう

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これら世界的な価値がある作品をじっくりと一つ一つ堪能しながら回るなんて、どだい無理な話だ、という絶望的な気持ちにお腹も空いてきましたし、土産物も物色しないといけないので、ものすごく後ろ髪を引かれつつメトロポリタン美術館から出ることにしましたさらば、まだ見ぬ美術品達よまたニューヨークに来た時は寄らないといけませんね

 


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NYへ〜セントラルパークからエンパイア・ステート・ビル編

 

 

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