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NYへ〜グランド・ゼロからウォール街

 

タイムズスクエアからブルックリン編からの続きです。

 

翌朝その日は午後からロウァーマンハッタンで予定が入っていたので、午前中は観光モードやはり行っておかなければいけないのが、何と言ってもグランド・ゼロです。

9.11の歴史的なテロから14年。今でも世界中の人々の記憶に鮮明に残る大事件の跡地です地下鉄で「Fulton St」駅で降り、そこから歩いて数分まずツインタワーの崩壊に巻き込まれて全壊→14年に再興した「4 World Trade Center」がそびえ立っています。

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そこを過ぎてすぐのところにありました。あのツインタワー崩壊の跡地「メモリアルパーク」です。今はプールとなっていて「North Pool」「South Pool」の二つがそれぞれノースタワー、サウスタワーがあった跡地に造られています。外周から水が滝のように流れ落ち、そして中心の穴に注ぎ込まれる構造となっています。

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外周のブロンズ製の壁には、このテロ事件の犠牲者およそ3,000人の名前を彫り込んだプレートが刻み込まれています。中には「○○ AND HER UNBORN CHILD」と、妊婦さんのお腹の中の子供まで。非常にいたたまれない気分になりますパリのテロがあった直後ということもあって、フランス国旗も差し込まれていました。

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↓そびえ立つ1ワールドトレードセンター
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↓9.11の崩壊でも生き残った木(サバイバーツリー)。復興の象徴でもあるだけに、警備員が配置されていました。
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周辺にはメモリアルグッズを販売する屋台があちこちにあり、やはり全般的に厳かな感じで、子供ですら騒いだりするような雰囲気でないと空気を読むような場所になっていました。

 

一通りメモリアルパークを散策し、まだ時間があったので「9/11メモリアルミュージアム」に入ってみることにしました入館料は一人24ドル正直国が国威発揚目的で運営するのでもう少し安いと思っていたのですが、案外強気の価格設定ですね

入館するとまずはやはりしっかりと金属探知器などでボディチェックがなされますやはりまたテロの標的になりかねない場所ですからね

その後エスカレーターを通じて地下に施設の大部分は地下にあります。そこでまず目に飛び込むのはワールドトレードセンターの鉄骨。このミュージアムそのものがワールドトレードセンター跡地に造られているので、残った鉄骨がそのまま展示されています。

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それにしても、このミュージアムには本当に「9.11」に関する全てのものが展示されていました。当時の映像や実際の通話記録などは元より、気象状態や風向き、その日の新聞、更には相手方のテロ組織の情報まで、全方位的に網羅されていました。

当時の行方不明者の情報を求めるポスターから、亡くなった方のパーソナルな情報まで全て網羅されています。誕生日から出身地、勤務先も全てデータベース化されており、当時の肉声が残っていたらそれも呼び出せるようになっていました。勿論、遺族が望まない場合は展示されないのですが、ほとんどの人が公開に応じているようでした。

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中には日本人も複数人含まれていて、特に金融機関が多くこのビルに入っていたものですから、勤務地が金融系の会社になっている人がほとんどでした。若い人が多く、この世界の金融の中心であるNYにまで派遣されているわけですから、将来を嘱望された優秀な人たちだったのに・・・と思うと余計に無念の思いが大きいのでしょう

現場で巻き込まれた消防車から掘り出された出てきた携帯電話や時計、ドル紙幣まで。そんな当時の状況を余すことなく再現していますから、14年前から時が止まってしまったように錯覚します。ですから涙ぐむ人用に随所にティッシュとゴミ箱が設置されているのも特徴的。

↓倒壊に巻き込まれた消防車
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↓ひしゃげた鉄骨が事故の壮絶さを無言で雄弁に物語ります
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↓未だに行方不明者がこの壁の奥に居るということで、展示に賛否があった壁。
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実は師匠も当事者の一人。何と01年9月11日に当時の勤務先がツインタワーの上階にあったということで、9時からアポイントメントをとってあったそうです。それで7時過ぎに受付を済ませて、まだ時間があるから近くの喫茶店で朝食をとっていたいた際、一機目がまず8:46に1ワールドトレードセンター(ノースタワー)に激突。ものすごい爆発音と衝撃を感じて喫茶店を飛び出すと、ビルから煙がもうもうと上がっていたということ。

当時は単なる事故だと思われていました。なのでもう一つのサウスタワーの館内放送で「避難の必要は無い。皆自分のオフィスに戻るように」という放送が流れたそうです。それが結果的には次の航空機激突での被害を大きくしたのですが、誰もそれを責めることはできませんね。まさか2機目が突っ込んでくるとは思いません。幸い師匠の会社の人々は皆念のため避難して、全員無事だったそうです。

そんなギリギリのところで奇跡的に生き残ったという思いは、この事件を直接的に体験した人々には等しく感じるところがあるのでしょう。そんなわけで師匠も感慨深そうに一つ一つ丁寧に見学しておられました。

 

↓建設中のワールドトレードセンター駅建設費用2.25億ドル(250億円超)ということで、新国立競技場ばりにデザインに凝りすぎてやっちゃった感満載です
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「9/11メモリアルミュージアム」を跡にした我々は、今度は私の今回のツアー大本命であるウォール街へと向かいます。ウォール街はご存じ日本で言うところの兜町。NY証券取引所を始めとして様々な金融系の公的機関が集まるところですこのワールドトレードセンターからは徒歩で5分程度の至近距離にあります

というわけで遂にやってきましたよ、NY証券取引所これでドバイ、シンガポールに続いて3取引所目制覇ですちなみに私、東証と至近距離の場所で数年間勤務しておきながら、一度も東証に行ったことがありません(大証はあります)。

まあ制覇・・・と言っても、今のご時世どこの証券取引所もセキュリティが厳しくて部外者は立ち入り禁止入り口では強面の警備員が複数人チェックを行っています昔は誰でも見学自由だったそうですが、テロ以降厳しくなったそうですまして前日にパリでテロがあったばかりで、師匠の力を持ってしてもダメでした私の会社「ラディッシュ・リサーチ」の上場申請でもすれば中に入れてもらえたのでしょうけれど、当然個人事業は上場できません・・・

↓パリのテロ直後であったため半旗に
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↓証券取引所近くの像。誰かと思ったらワシントンでした
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↓証券取引所の脇の小道が本当の「ウォールストリート」。何も無い通りです
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というわけで記念撮影だけすると、お昼を食べようということになりました相変わらずの時差ぼけで全然食欲のわかない私は「何か軽くサンドイッチだけ食べられるようなお店が良い」とリクエスト。すると証券取引所の向かいのビルの一階にファーストフード店がありました丁度お昼時で金融マンたちが賑わっていましたが、行列が出来ている程でもないのでここに決めました

中に入るとガヤガヤと騒がしく、いかにも秒単位で争うビジネスマン達の戦場という感じ少しでも早く昼を食べて、すぐに持ち場に戻らないと、その隙に秒単位で何万ドルものお金が動いたりしますからね。NY株式市場はお昼休み無いですから

私もそんな一流の金融マンになった気分で颯爽と店に入った・・・までは良かったのですが、店の注文ルールや仕組みがよくわかりませんメニューはマクドナルドみたいな感じでカウンターの上に大きく出ているのですが、その下の説明が文字が小さいのもあって、なかなか理解不能です

とりあえず私はその中のピザトーストを注文しようと決めました。ただ値段を見ると「2taste half」と書いてある方が安くなっています。どうもサイズは小さくなるけれども、2種類の味を半分ずつ選べるようなので、それをチョイスバーベキュータイプと、普通のチーズタイプを注文。

すると女性の店員から「多分あなたはそんなに大きいのを食べられないよ違うサイズにした方が良い。あとスープも選んでくれ」と言われました。じゃあ「バーベキューと、本日のおすすめスープで」と注文し直しました。

ただ周りがガヤガヤ騒がしくてお互い上手く聞き取れないのと、私の英語がたどたどしいのにしびれを切らしたのか、スープに関してどうもイマイチ通じなかったみたいで、女性店員も慌ただしく次の人のオーダーを取り始めてしまいましたこの辺り日本と全然対応が違いますね雑です。

仕方が無いので、本当に大丈夫かなぁ?と思ってそのまま出来上がるのを待っていました。この後、今回のNYツアー史上最大の事件に繋がるのです

 

注文したピザトーストを待っていると、やがて黒人の店員からアルミホイルに包まれたピザトースト(らしきもの)を渡されました。それであとは「本日のおすすめスープ」が欲しいと伝えようとしたのですが、相変わらず声が届かないのか、それとも忙しいからたどたどしい英語を敢えて聞こえないふりをしているのか、とにかく無視され続けました

すると、おもむろに先ほど私の注文を聞いた女性店員と黒人店員が喧嘩を始めました女性店員に早口で怒られて、それに対して黒人店員が何やら反論手に持っていた台ふきのようなものをキッチンにバンッと叩き付けて、怒りながら店の奥に引っ込んでいってしまいました

私は何がなんだかわからないまま「もうスープ要らないから、さっさと会計して〜」と思いました。すると同行のAさんが私の持っている包みを見て「それ、注文したものと違うんじゃない?」と指摘。アルミホイルをちょっと開いてみると、確かに私が頼んだバーベキュータイプではありません私の次のお客さんも何やら店員に向かってちょっと怒っていて、現場は大混乱

私はもうパニックになって手に負えないと思い、師匠に助けを求めに行きましたすると、何故か師匠のテーブルの上に私が頼んだバーベキュータイプのピザトーストが置いてありました。師匠曰く「店員が持ってきて置いていった」とのこと。???とりあえず、私が今手に持っている包みは「mistake order」と言って、店員に返しました

そしてこの店のシステムもなかなか奇妙なのですが、その出来上がった商品を自分で会計のところに持って行ってお金を払うんですねそしてアルミホイルに包まれているので、会計の人に「それは何だ?」と聞かれて「ピザトーストのハーフサイズだ」と答えるんです。自己申告制なんです

あとはコーラを一本買って、ようやく席に着いた時には、私はもうパニックで汗だくでしたとにかくコーラを飲み干してまず一息つきます。ふぅ〜コーラの味は世界共通ですね

そしてようやくありついたピザトーストを食べながら、私はここまでのことを考えてみました。そこで至った結論として、どうも私が受け取ったアルミホイルの包みが騒動の発端だったようなんですねそれが恐らく次の人の注文したものだったのではないか、と。

で、次の人が「自分の頼んだ注文がまだできない。どうなってるんだ?」と女性店員に聞いて、女性定員が黒人店員に「あんた、さっきのオーダー作ったの?」と問い詰めたんだと思います。そして黒人店員は「作ったさ確かに渡したよ」とブチ切れしたのだと。

これらは私の想像ですが、多分そんな感じなのだろうと思いますまあこの店のシステムがオーダーを受ける人、作って渡す人、会計する人それぞれ別人なので、業務の非効率性が生み出した悲劇ですねうん、私は悪くない中身も見えないような包みで渡すし。そして皆簡単にキレすぎもっとおおらかな気持ちで生きていきたいよね。うん。

・・・と、自分を納得させて腹ごしらえすると、次の取材先に向かいました

無事取材を終えて、またウォールストリートに戻りますここにはあのニューヨーク連邦準備銀行(地区連銀)があり、その中の金融博物館なら一般の人も入れるようですというわけで見学しよう・・・と思ったのですが、どうも事前にネットで予約しないとダメなのだとか結局ここも入れませんでした。残念

↓さすがに入り口にはテロを警戒してマシンガンを持った武装警官が居ました
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と言うわけで諦めて、マンハッタンの南端にあるバッテリー公園まで歩きますここからまた自由の女神へフェリーが出ているようで、客引きから声をかけられますが、そんな悠長な時間も無かったのでお断りリバティ島を遠くに眺める場所から、夕陽を背景に自由の女神を一望するのみでした小さ過ぎてよく見えませんが

しかし子供の時にテレビにかじりついて一緒に「ニューヨークに行きたいかオー」なんてやっていたウルトラクイズを思い出し、成田のジャンケンから一気に決勝にまで来た気になりましたよそんなウルトラクイズは私が高校生の時に終わってしまいましたがあぁ、1度は参加してみたかった・・・

↓中央の突起が自由の女神。前日のブルックリンよりは近づきました
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それから駅の方に戻る途中、トリニティ教会に立ち寄ります1846年に建てられてニューヨークでは歴史のある教会ですが、9.11のテロの際にはワールドトレードセンターから多くの人がここに避難してきた、ということでした。マンガのジョジョの奇妙な冒険第7部「スティール・ボール・ラン」レースのゴール地点としても有名ですね。

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正直、その教会自体はよく見かけるタイプの大きな教会でしたが、脇の小部屋に何やら不思議なものが展示してありました透明なアクリルの薄い板状の箱に、赤黒い液体が入ったものが立てかけてあります。説明文を読むと「同性愛者の輸血が認められないことに抗議して、実際の血液を満たしたアート作品」ということだとかゾゾゾーっこ、怖い〜逃げるようにその教会から立ち去りました

↓さすがに写真は撮ってこなかったので、見たい方は下記のリンクで。若干閲覧注意
http://www.advocate.com/art/2015/10/14/new-york-sculpture-made-lgbt-blood-going-church

そうこうしている間にだいぶ辺りも暗くなり。地下鉄に乗ってホテルの最寄り駅まで戻りました途中、大きな公園ではクリスマスシーズンということで何やらイベントをやっているようで、出店がたくさん軒を連ねていましたその中でオーナメントを売っている店を見つけた同行のAさんが、本場の様々なオーナメントをクリスマスツリー用に物色し、買い込んでいました

私はそういったことにトント興味が無いので、その間ベンチに座って周りを見渡していました。すると街のアチコチでもよく見かけたのですが、クリスマス特有の赤いバケツのチャリティ募金をやっていました救世軍(The Salvation Army)というやつで、私はバーナンキ前FRB議長の風刺画で初めて知ったのですが、音楽をかけながらベルをひたすらリンリンとかき鳴らしていますずっとやってて手が疲れないか心配になるくらい

↓当時金融緩和をしてもお金が市中に出回らないので、バーナンキFRB議長がタダのお金として配るけれども皆見向きもしないという風刺画。
http://editorialcartoonists.com/cartoon/display.cfm/64331/

まあでも色々と問題の多いアメリカも寄付文化の国で、自分が貧しくても人に寄付しようという気質の人が多いことは素直に素晴らしいと思います日本ではすぐに「偽善」と決めつけ、自分が寄付しないことの後ろめたさを正当化しようとする人がいますが、見習わないといけませんね。そういったアメリカの風物詩を眺めながら、Aさんの買い物が終わったら我々はホテルに戻りました

 

ホテルに戻った我々は、一旦部屋に戻って小休止夜は近所のスペイン料理屋で取材をかねてお食事とスケジュールが決まっていましたスーツから普段着に着替えて30分ほど休むと、またロビーに皆集合の段取り。そして皆でスペイン料理をお腹いっぱい食べて、ホテルに戻りました。

そんなこんなでニューヨーク3日目も無事終了3日目にもなればさすがに眠れるだろう・・・と思ったのですが、相変わらず出発前に起きた嫌なことが頭の中に引っかかって眠れず加えてその日起きた色々な出来事が去来して、余計に寝れなくなっていました

そこでふと気付いたのが「羊が一匹、羊が二匹・・・と数えているから眠れないんであって、アメリカにいるのだからone sheep,two sheep・・・と数えるべきではないのか」と思い、やってみたら案外本当に寝れましたまあsheepがsleepに似ているからこの説があるのであって、本来羊が一匹と数えても意味はありませんね

てな感じで3時間くらい浅くは寝たのですが、結局また寝不足のまま翌朝を迎えることになりました(つづく)

 

NYへ〜国連からハーレム編

 

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