子育てスタート その1からの続きです
家で生活するにあたり、まずは諸々アイテムを揃えないといけません。ミルクと紙おむつをドラッグストアでしかしミルクって案外高いもんなんですね
1缶2,3千円します
よく「子供のミルク代を稼がないといけない」とか言いますが、案外本当なんですね・・・
正直もっと安いと思っていました
嫁は「母乳が出ればわざわざミルクを買わなくても良いのに・・・」と変に自分を責めたりしていましたが、こればかりは仕方ありません
ともあれミルクは今は飲む量が少なくて良いですが、次第に量が増えていきます
一缶で今のところは2週間くらい持ちますけれど、そのうち1週間くらいで無くなってしまう計算
となると大人の食費と変わらないレベルになりますね
紙おむつも一週間分くらいで千円くらいおかげでドラッグストアのポイントは貯まりまくりですが「ここのドラッグストアは何曜日と何曜日がポイント3倍だけど、本体価格はいつもこちらの方が安いから・・・」などと作戦を立てながらやりくりしています
うーん、父ちゃんしっかり稼がないと
そして改めて見てみると種類も豊富体重に応じて細かく分かれていたりします。株式市場でも「インバウンド需要の爆買いで・・・」などとありましたが、実際にドラッグストアでも「お一人様○点まで」というようなことが中国語で貼られてあったり。今まで自分に関係ない分野でしたが、なるほど、特に紙おむつは店内の結構なスペースを取って在庫も貯め辛いですから、店側も難儀するのでしょうね
ネットで「アレがいい、コレは産婦人科売上No.1」などと色々な口コミがありますが、私は基本ネットの口コミは一切信用しません。無責任なステマが多いですからね。
また、嫁が入院中にも提携している関係で「森○のミルクのご案内にやって参りました」などと売り込みに来ましたけれど、私は向こうから来るセールスは信用しません相手側からやってくる情報は相手にとって都合の良いものしかないですからね。
そんな人間不信(?)な私はミルクに関しては成分をあれこれ見比べながら、おむつに関しては体型に合って漏れが少ないものを確認しながらチョイスしました
実家に来てからは毎日が戦い(?)の日々ですやはり3時間おきの授乳が一番大変で、夜中も3時間おきに起きないといけないというのが、寝覚めの悪い私と嫁の最も不得手な部分
今までの生活のペースがガラリと変わりました
前にも書いたように授乳にすごい時間がかかり、長い場合で1時間くらいかかりますそれだけやっていると赤ちゃんも疲れてしまうだろう、ということなのですが、ともあれ慣れない当人達はそれぞれ必死
一日大体8回授乳する計算ですが、授乳だけで最大8時間とられてしまうことになり、つまり一日の1/3を授乳に費やします
しかしこうして考えてみるとシングルマザーは無茶苦茶大変だなと痛感とても働く時間なんてないですし、精神的にも体力的にも経済的にも相当追い詰められると思います
書類上のシングルマザーとなる人も居るのでこの辺り見極めが厄介ですが、何とか社会でサポートする仕組みはできないものですかね
近所付き合いが希薄化する前の社会なら何とかなりそうですが、都会だとまず無理っぽいですけど
ともあれその間隙を縫って、我々自身の食事やら風呂やら、その他の仕事やら睡眠やら、やることが盛り沢山姉ちゃんはもう少し簡単にこなしていたような気がしますけれど、実はこんなに大変だったとは・・・
私ももう少し若ければ、ここまできつくはないのでしょうが
ところで帝王切開の嫁は一ヶ月くらいお風呂禁止ということなので、当面シャワーのみ。そんなシャワーあがりの嫁のお腹を見ると、まだ妊娠しているようにポッテリしています。お腹から出したからといって、途端に引っ込むわけではないんですね。まあ急激な変化は皮膚にも良くないでしょうし、人間の体ってそういうものなんでしょう
それはそれとして、ここで買って良かったアイテムシリーズのご紹介。まずはニトリのLEDランプ(ホルン)シリコン製のハンドライトなのですが、夜中に授乳で起きた時、手元を程々に照らすことができます
本体のどこでも適当に押し込めば点灯し、明るさも押す度に調整できるので便利です
価格は2000円程度
実は最初無印良品の「LED持ち運びできるあかり」を嫁が買おうとしていたのですが、値段を見てビックリ7000円近くもするではありませんか
正直、この程度のものは高くても3000円が相場だろう、と思ったので、一旦待ったをかけて色々調べました
確かに無印のは全般的におしゃれですが、充電のために一々スタンドに戻さないといけません。また、明るさを調整するのもボタンを押す必要があるようで、その辺りが地味に面倒臭そうニトリのは乾電池ですが、まあLEDなら電池はそんなに簡単に無くならないでしょうし、使うのも大体授乳期間の1年間だけでしょうから、これで十分
ミルクを作る時に必須アイテムはタイガーの「わく子」。まあ似たような瞬間湯沸かし電気ケトルはT-falでも何でも出ていますからどれでも良いとは思いますが
ミルクの用法を見ると「一旦沸騰したお湯を使うこと。一旦70℃以下にまで下がって2時間以上経過したものを絶対使うな」と書いてあります
「絶対」というところに怖さを感じますね
というわけで、毎回作る前に沸かす必要があります。
ただ一々少量のお湯をチマチマとガスで沸かすのも七面倒くさいので、ここで「わく子」は便利私、こんなに瞬間的に沸くとは知りませんでした
世の中便利になっているもんですねー
特に夜中なんかは頭がボーっとしているので、変に火を使わなくて済むのが助かります
あとは加湿器を買いました病室に加湿器が据え置かれていて、やはりあった方が良いのかなと。近所のケーズデンキに行って「超音波式」だの「気化式」だの色々タイプの説明を受けましたが、それぞれメリットデメリットがあり甲乙付け難し。店の人に聞いても「好みですから・・・
」と明確な回答は得られず、結局中間の「ハイブリッド式」にしました。
逆に買わなくて正解だったなと思うのが、紙おむつ用のゴミ箱で、カードリッジ式になっていて一つ一つの紙おむつを包むタイプのやつ。ウンチなどの臭いを一つ一つシャットアウトできる優れものかも知れませんが、カードリッジの価格が結構するので、我々は普通の蓋付きゴミ箱にしましたけれど、これで十分です余程気になるならウンチの時だけビニール袋に包めば問題ありません
他にもまた色々あるとは思いますが、とりあえずはこんなところです
そんな感じで出産後は、私の実家でしばらく生活することになったのですが、子供子供で過ぎていく毎日そもそも子供ができたことによる大きな環境の変化と、また住むところの環境の変化、うちの母に対する気苦労などもあったのでしょう。嫁は週に一回くらいの割合で気持ちが大きく沈むようになりました
いわゆる産後鬱の症状
特に嫁を落ち込ませたのが母乳が出ないこと。入院中もそれで苦労していましたが、何とか飲ませようとおっぱいに娘を押しつけるような格好になると、娘も「ギャー」と咳き込む勢いで大声で泣きます
何度か繰り返しているうちに渋々おっぱいを吸い始めますが、2、3回ちゅぱちゅぱ吸っても、すぐに止めてしまいます
止めた後は2パターンで、まずは泣き出すパターン泣いてしまうと飲ませるどころではないので、落ち着くまで一旦待ちます
もう一つは寝てしまうパターンその場合は頑張って起こさないといけないのですが、背中をコチョコチョするか、足の裏をギュッと押すのが良いと病院で教わりました。そんなわけで足の裏をギュッと押すと、また泣き顔になって目覚めます
そして寝ぼけ眼をまたおっぱいに押しつけるという感じ
こうなってくると時間もかかりますし、終いにゃ娘もある種条件反射的に泣き出す始末娘に嫌われている、という感覚が特に嫁を深く傷つけていました
そんな悪戦苦闘が続いて一週間が経過し、産婦人科での補講と言いますか、病院に途中経過を診せに行く日となりましたそこで娘の体重がどれだけ増えたか計ってみたり、おっぱいの吸わせ方を看護士さんに見せて助言を貰ったり。
結論としては「ミルクの量を40ccに増やしましょう」ということになりました。この時期本当は80ccくらいのミルクを飲んでいても良い時期なのですが、母乳がほとんど出ていないため体重もほとんど増えずに横ばい。むしろこのままではまずいということになりました
授乳の際に寝てしまうのは、眠いというより吸う元気が無いほど体力が落ちている状況なのだそう確かに出産後間もなく撮った写真と見比べてみると頬が細くなっています
そう言われると、余計に母乳が出ないことに対して落ち込んでしまう嫁
ともあれ、また次回一週間後に病院で経過を診せることに。今回一応、多少ミルクの量が増えたので、娘も泣きが多少落ち着き、嫁も肩の荷が少し軽くなったのか元気を取り戻しました
そんな感じで子育て最初の山も無事越えた・・・と思いきや、二日間も経てばすっかり元通りまだ娘はミルクが物足りない感じでワンワン泣きますし、嫁も母乳が出ないことに対する変な罪悪感を感じてシュンとしています
本質的にお腹が減っているので、あやしてもなかなか泣き止む素振りがありません
特に難儀なのがなかなか夜に寝ないこと確実に午前2時までは目がパッチリ開いていますし、部屋を暗くするとすぐに泣き出します
抱っこしているととりあえずは泣き止んで、次第に目が細まって白目を剥いたような感じになり、そして眠りに就くのですが、布団の上に置いた途端に泣き出す始末
また泣くにしても「オギャー」と可愛く泣いてくるならまだ良いのかも知れませんけれど「ギャー
」と阿鼻叫喚の、外から聞いたらまるで虐待でもしているのではないかと疑われかねないレベルの泣き方をします
そうなると我々も慌ててしまいますし、ようやく落ち着いてもドッと疲れが残ります
もう「オギャー」と一言で済ませてくれれば十分伝わるのに・・・
よくNHKの「ダーウィンが来た」なんかを観るのですが、動物の赤ちゃんは大体産まれた瞬間から生存していくために、本能的に敵を回避する機能が備わっている動物が多いですが、何で人間の赤ちゃんはこんなにも無警戒なのか?夜中に「ギャー」なんてわめいたら、敵に見つかるだけだと言うのに・・・
その後ようやく寝ても3時間おきの授乳。嫁が母乳をやると同時に私はミルクを作りに台所へ行き、お湯を沸かして人肌まで冷まし、やり終えたらおむつを替えてほ乳瓶を洗い・・・としていると1時間近く平気でかかりますですから結果2時間くらいしか眠れず、また次の授乳タイムを迎えます
正直、これがこの先1年以上続くのかと思うと気が滅入ります一応、私は自営業ですから、多少の時間の融通は効きます。もしこれで以前いた税理士事務所のようにブラックな労働環境だったら、絶対身体壊しますね
実際、そこの上司の話ですが、やはり奥さんが産後鬱になってしまったのだけれど、自分は仕事があるので全くかまってやることができなかった。幸い子供は中学生まで無事育ったけれど、未だに奥さんに頭が上がらない要因になっている、ということでした。今、その話がよく理解できるようになりました
そんなわけで慣れない子育てに悪戦苦闘が続き、また嫁が鬱々としてきたのですが、そこでまた難しいのが、うちの母の存在。自身が子供二人育てただけでなく、これまで孫3人、そしてひ孫2人もあやしてきた歴戦の手練れ(?)だけあって、どんなにグズッても一発で泣き止ますことができるのです。
勿論、それはすごく有り難いことで助かるのですが、あまりに上手過ぎるので、嫁が自信を喪失してしまう事にもなるのでした「実の母親なのに何故娘はなついてくれないのか?」そういう思いが気持ちが鬱々としている時には余計に嫁に染みるようです
この厄介なマタニティーブルーに関して、実は「れもん、うむもん!」(はるな檸檬著)というマンガを出産前に読むほど嫁は警戒していました私なんかは「産む前からそんな心配しなくて良い
」とは言っていたのですが、心配性な性格が余計に拍車をかけているというか
ちなみにこのマンガ自体は大変面白かったので、私もついつい2回ほど読んでしまいました
というわけで私自身はその辺りを理解しているつもりなので、私自身も板挟み嫁が席を外しているうちにその辺りの事情を母に話すと、母も「じゃあどうすれば良いの?
」と困り顔。確かに母も良かれと思ってやっているのはわかるのですが・・・
とりあえず本当に困った時に私から母に振るので、それ以外はそっとしておいて欲しいということを伝え、その作戦でいくことになりました。
一方、私自身も姪っ子、甥っ子を見てきただけに、まあまああやすのは慣れている方なのですが、私もあまり上手くあやさない方が良いのではないかと思ったりあやしながらも内心「もう少し泣いていてくれ
」とか思ったり、心持ち手を抜いてみたりして、正直全方位的にあちこち神経を使わねばならず、この時期は一番しんどかったです
ある時、嫁が娘を抱えてほ乳瓶のミルクを与えていたのですが、娘が飲んでいる途中でほ乳瓶からパッと手を離し、ボーッと放心した感じになっていました。これはいよいよまずい、と思い、私は「ちょっと気分転換に散歩でも行ってきたら?いつも娘につきっきりで全然外にも出ないのは精神的にも良くないし、そんな状態では娘にも良い影響を与えないよ」と提案しました。
結局その後も状況が劇的に良くなるわけでもなく、毎週のペースで病院に授乳の指導を受けに行くことになるのですが、専門家の言うことを聞ければ一旦気持ちも落ち着くものの、またしばらくすると気持ちが沈み・・・の繰り返し。そんな状態が大体一ヶ月続きました。
そして一ヶ月検診が終わった頃、嫁が実家へ娘を連れて里帰りとなりました一般的には出産を嫁の実家の方で済ませて、その後こちらに戻ってくると言う順番なのでしょうけれど、嫁の実家周辺が都会の街の中なので、出産・子育てという環境においては富山の方が良いだろうということで、そういう順序になりました
一ヶ月ほど嫁の実家で預かってもらい、そこで育児に慣れてもらって、家事なども少しずつこなせるようになってもらう。そういう見通しを持っていました。生後間もないけれど新幹線に乗って良いか、と医者に尋ねてみましたが「まあ問題は無いけど人混みは避けたい」ということで、なるべく空いている時間帯をチョィス。
正直、嫁と娘が居ない一ヶ月間は寂しさよりも解放された感の方が強く、久しぶりに熟睡したり、今まで読めていなかった本を読んだり、お陰で随分と楽をさせていただきました特に精神的にきつかったですから、このままだと私自身がおかしくなってしまうのではないかと思った程でしたけれど、何とか一服することができました
無論、先はまだまだ長いですが・・・
一方、嫁も実家でご両親には好き放題言える(頼める)ので、精神的に随分解放されたらしく、勿論大変な子育てながらも、上手くやっていたようです電話をかけた時の感触も、今までの鬱々感は一掃された感じ
何より娘に生活のリズムが出来てきて、ちゃんと夜21時頃に寝るようになったのが大きい様子産まれたばかりの時は目も見えないので「夜に寝る」という習慣が身につくには1ヶ月くらいかかるとのことで、確かに1ヶ月くらい経って直りました
あともう一つ大きかったのは、娘に笑顔が出るようになったこと一ヶ月くらい経過して表情が豊かになってきたことで、接する側にも「やり甲斐」のようなものが芽生えました
丁度私が一ヶ月ぶりに迎えに行った時、対面した瞬間にニコッと満面の笑みを浮かべて出迎えてくれました「おぉ、お父さんに一ヶ月ぶりに会えて喜んでいるんだ
」と皆で言っていましたが、後日わかったのは娘の人当たりの良さ。特に初対面の人に会うとすごくご機嫌な感じです
・・・てことは、私のことも「知らないおじちゃん」と認識して笑ったのでしょうか・・・
またミルクの量も増量し、身体も赤ちゃんらしくムチムチしてきました一時は「もう母乳完全に止めてしまおう」と思ったようですが、止めようと思った途端に娘がおっぱいに吸い付くようになってきてくれたのも、嫁の精神を安定させた様子
やはり純粋にミルクの量が足りず、娘も気持ちの余裕が無かったのでしょうね
そう思いつつ、改めて産まれた直後に撮った写真と見比べてみると、当時可愛らしいと思っていた娘が、実はやせ細っていて、逆に痛々しい感じに思えてきました表現は悪いですが宇宙人のリトルグレイみたいな、目が大きくて頬がこけたような感じ
今はモッチリ、小さなお相撲さんのような顔をしています
と言うわけで、危なっかしく始まった我々の子育ては、引き続き山あり谷ありおっかなびっくり続いていますが、とりあえず最初の山を越えられたのでした(完)