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 ■2008.09.21(sun)
 
  ゲル

  昨日、サッカーチームソレッテ大阪?のメンバーの企画でゲルを建てました。
  ソレッテのメンバーと「ゲルが人生を狂わせた」と自らおっしゃる建築家の味方さんにご指導いただきながら
  約20人で組み立てました。
  ご存知の方も多いと思いますが、ゲルとはモンゴルの遊牧民の移動式の家です。
  風の強いモンゴルでは、大地に穴があいたりすると風で草がめくれて草原がなくなってしまうため
  大地を傷つけることなく、組立ててただ置くだけでいいように考えられているそうです。まさにエコ建築。
  
  ゲルの組み立ても内部空間も始めての体験でしたが、非常に有意義なものでした。
  モンゴルの生活や風土から考えられたものですが、土地に根付かず、無駄なものは一切もたない
  遊牧民の生き方からくる(軽さ)は、普段目にする形だけの軽さとは全くちがうもであることを
  淀川河川敷という場所でも強く感じました。
  仮設性、スケール、構造(工法)、皮膜…全てが現代的な居心地につながっています。
  本当に(軽い}建築を久々に体感しました。
  
  建てた後は、羊肉のバーベキューや羊肉のスープ、モンゴル酒で盛り上がりました。
  参加してくださったモンゴル人の方のホーミー(遊牧民族の歌)も聞き、
  モンゴルの草原気分に大いに浸ることができた気持ちの良い一日でした。


     
   
    軽トラ1台に全てが載ります          入口を決めてから壁になる格子状のハナを組み立て

     
   
  バランスを取って垂木を時計回りに取付けていく            上棟

     
   
  上棟時の内部。2本の柱は構造的には不要         日本の気候に合わせた布を取付

     
   
    モンゴルではこの布は厚手のフェルト     河川敷にゲル出現!風を通すため下部の布はめくっています

      
   
      直径約5mの内部。抜群の心地良さ      ゲルの横でバーベキュー


 ■2008.09.10(wed)
 
  レミノ9月号

  8/8にこの日記でお伝えしたOCTの情報誌
レミノにソレッテ大阪?の2回目の記事が紹介されました。
  前回に引き続き是非ご高覧ください。


 ■2008.08.29(fri)
 
  大阪府立総合青少年野外活動センター

  先週末、合同のゼミ合宿で大阪の最北端にある大阪府立総合青少年野外活動センター(1964−74/
  設計:坂倉建築研究所)に行ってきました。コルビジェの弟子である坂倉準三の事務所の作品ですが、
  担当である西澤文隆色が強い作品です。
  能勢の山中に本館と7つのキャンプ場、体育館、天体観測場などの施設が点在し、全体を見て回るだけで
  半日は要する広さです。
  実はこの施設も橋本知事の財政再建施策により平成22年度に施設そのものが廃止される方向で
  進んでいます。今のうちに建築を再度見ておこうということで7年ぶりに学生18名、先生6名、2泊3日で
  ワークショップ課題を行ってきました。
  建築と環境、涼しいさわやかな気候にまるで北欧にいるような気分になれました。
  
  建築はもちろんすばらしいですが、やはり施設は老朽化し、ましてや山中に点在しているので
  多額のメンテナンス費用は想像に容易いですし、それと共に少子化が進み、利用者も当然減少していく。
  経済性から見れば、廃止されるのは当然といえば当然のことであるかと思います。
  一方で、このような施設が現在の子供達の教育に必要かどうかという議論も当然あるのですが、
  そこはあまりマスコミ発表からは見えてきません。
  
  この施設ができた40年前は、凄まじい経済成長の中で子供達まで巻き込みながら、
  社会がひとつの全体性をもって突き進んでいた、まさしく僕ら世代が生きてきた時代です。
  今とは、全く違う時代ですし、子供達の人と人との関わり方は、間違いなく変わっています。
  来ていた多くの子供達の顔は、そんなことは関係なく本当に楽しそうに見えました。
  山や池で遊び、自分達でのカレー作りやキャンプファイヤーなど多くの子供達にとって
  楽しい体験になったと思うのです。
  
  一緒に来ていた先生からこんな話を聞きました。今年の夏、子供が臨海学校に行ったそうですが、
  その宿舎の状況をネット配信で家にいる親に中継していたとのことでした。
  それだけでも驚いてしまったのですが、ひとりの子供がタンクトップ姿で寝ている姿を
  家でパソコンを見た親から「風邪をひきますから、シャツを着させてください」との電話が速攻で
  入ったそうです。こっちがちょっと寒くなりました。
  目の前の出来事だけが見えて、その先にある大切なコトや意味は吹っ飛んでいく。
  「山に行っても危ないから斜面で遊ばせないでください!」てなことになるのかも・・・
  自分も子供達と一緒に楽しみ、こういったところに連れて行ってくれる大人がいなくなっていく。
  そんな状況にしているようにも思います。
  
  
     
   
   本館ホールのアアルトのような階段           本館食堂

     
         
第3キャンプ場食堂           食堂内部の木造トラス

     
            
体育館

     
         
森の中に点在するロッジ           山中での学生ワークショップ


 ■2008.08.08(fri)
 
  レミノ8月号

  非常勤講師をしていますOCTの情報誌
レミノにソレッテ大阪?が紹介されました。
  今までの経緯や考え方など今回と次号の2回で掲載されます。
  是非ご高覧ください。


 ■2008.07.30(wed)
 
  M's House売却

  Worksにある
M's Houseが売却されました。
  オーナーに出した今年の年賀状が宛名不明で戻ってきて、気になっていたのですが、
  なかなか訪ねることが出来ないままになっていました。
  少し前に若い建築家のS君が近くに行ったときに足場が出来ていたと写真とともに知らせてくれました。
  先日、時間をつくってお伺いしました。裏手の喫茶店が解体されて以前は見えなかった南側に
  足場が設置されていました。狭い路地に面した北側の玄関側に周って見ると、ガルバリウム鋼板の外壁が
  当初の色より少し光沢のある紺色に塗装されていました。
  どうやら足場は、外壁の再塗装のためのようです。
  インターホンを鳴らしたのですが、お留守のようでした。2軒隣の工事の時に顔見知りになった奥さんが
  路地に出ておられたのでお話をうかがいました。
  M's Houseには、高齢のお母さんと身障者の息子さんが住まわれていましたが、
  高齢者であることの諸事情や息子さんのお世話のことなどがあり、1年前に娘さん家族が引き取られ、
  家も売却されたそうです。

  M's Houseは、自分の中でも竣工したときから現在まで満足感を感じている作品のひとつです。
  路地に面した狭小住宅の中に高齢のご夫妻と身障者の息子さんのためにホームエレベーターを設置し、
  エレベーターをガラス張り、トップライトを設置することにより、エレベーターという移動装置を
  空間装置に置き換え、エレベータが移動する度に内部の光が動き、空間に変化を与えています。
  長屋を切り取った下町という環境でプログラムから導かれた空間コンセプトが計画から細部まで
  一気に成立した当時の記憶が今も残っています。

  現在は、3世代6人家族が住まわれているということです。
  売却されたことは、やはり寂しいですが、売れる家で良かったというのが正直な気持ちです。
  特化し過ぎた計画やデザインで流通にものらない住宅ではなく、
  良い意味で一般化された住まいであったのではないかと考えています。
  このことを報告したS君からも「対応力のある住まいという意味では非常に羨ましく思います」という
  メッセージをもらいました。
  住まい手の変化や環境の変化に対応できる自由度や軽さを持った住まいでありたいと
  今の時代だからこそ強くそう思います。
  

   
    
周辺の環境や佇まいは当時のまま


 ■2008.07.23(wed)
 
  A−cup 2008 B

  7/6(日)は、
A-cup当日。今年の大会は、24チーム総勢600人を超える人が集まりました。
  朝8:30からの開会式に引き続き9:00から試合開始です。
  
ソレッテ大阪?は、開会式後すぐの試合、相手は日大チームAC578です。
  相手を見てみると体格の良いメンバーが何人かいてなかなかやりそうな雰囲気がムンムン。
  試合開始のホイッスル!こちらはベンチから応援です。
  試合開始から相手チームに攻め込まれます。なかなかやるなーと思いつつ
  あれ?何だかうちのメンバーが固い。いつもの動きや連係がぜんぜん出来ていません。
  攻め込まれ続けています。まずいーと思っている間に続けて2点も決められてしまいました。
  A-cupは、1日で決勝まで行なうため15分ハーフいう短い時間で試合が行なわれます。
  前半終了時点で0−2は、かなりまずい。
  5分のハーフタイムのミーティングでコアメンバーから指示や確認がありました。
  後半開始。前半と違い、声もよく出ているし、少し落着いています。
  5分が過ぎ、こちらも少しあせり出したときソレッテのTU君ゴール!
  相手も守りに入っているのか、前半のような攻めのサッカーが出来ていません。
  そして残り5分を切ったとき、コーナーキックにディフェンダーのM君が飛び込んで同点ゴール!
  ベンチは大騒ぎです。
  オフ感覚で楽しみながらとわかっていても、ついつい熱くなってしまいます。
  そのままPK戦になり、3−2で逆転勝利で1回戦突破です。
  いやあ、すごい試合でした。(この時点でもう涙)
  次は、みかんぐみの竹内昌義さん東北芸術工科大学チーム。
  こちらも、お互い相譲らず0−0のままPK戦になり、3−2で勝利。
  準々決勝は、いつも練習試合をしている宮本佳明さん大阪芸大+大阪市大チーム(レアル・間取り・どう?)
  ここまで来て当たりたくはなかったですが、これまたPK戦で4−5で負けてしまいました。
  そのままレアルは、勝ち進み優勝しました。
  
  今年のA-cupは、中心を作らず、数人の学生コアメンバーがチームをまとめてくれました。
  それぞれの立場でソレッテという環境を考え、学校、建築、サッカーを通して本当に良い環境が出来ました。
  試合に出てがんばった人だけではなく、日陰の無い猛暑の中で応援やサポートなどみんながそれぞれ
  楽しめたのではないかと思います。
  学校や年齢、地域という枠を飛び越えて建築とサッカーでつくるフラットな環境としてのソレッテ大阪?。
  普段の環境を飛び越えるからこその刺激、つながり、自分の立ち位置の確認です。
  卒業して社会人になってからも参加してくれる居心地の良さは、ソレッテならではのものです。。
  それは、普段の学校生活や仕事にきちんと軸足を置いていることを前提に成立しなければなりません。
  環境や関係をつくるということも要は自分の問題としてどうとらえるかということです。
    
  大会次の朝、T君からうれしいメールをもらいました。
  ソレッテの環境を次につなげるために、今後はもっと学生達の手によってさまざまな企画やアイデアを
  皆で考えていくという内容でした。本当に嬉しい提案です。
  今年のA-cupをきっかけとして、ソレッテ大阪?は進化しました。
  今年も感動をありがとう!
  

   
         
応援するメンバー


 ■2008.07.14(mon)
 
  A−cup 2008 A

  7/5(土)は、朝8:30に千川駅に集合し、ソレッテのスポンサーである
TH−1にご挨拶に伺いました。
  この日記でも何度か書きましたが、TH−1は建築家の故朝倉則幸さん設計による都市住宅で
  現在は、朝倉夫人が主宰されている工務店(建築雑誌にもよく登場する非常に優秀な工務店です)の事務所に
  なっています。住宅作品としてのTH−1は、美しいコンクリートのBOXの上に白いテント(屋根)が架けられ、
  全体をつなぐスキップフロアとエッジの効いたコンクリートに白いテントから柔らかな光がふりそそぎ、
  僕が今まで体験した都市住宅の中でその居心地の良さは際立っています。

  その後、4つのグループに分かれてそれぞれが見学へ。
  僕は、オーバーエイジの方々と7,8人の学生を連れて、上野にある東京芸大美術館で催されている
  
バウハウス展 へ。
  本当に見ごたえのある展示内容でしたが、今の僕にはバウハウスは,あまり心揺さぶられるものではありません。
  皇居前のパレスビルのビアレストランで遅めのランチをとり、東京国立近代美術館で催されている
  
建築が生まれるとき−ペーター・メルクリと青木淳展へ。
  建築家・青木淳のひとつの住宅のエスキース(計画をまとめる行為)を模型とコメントにより時系列で
  展開する展示は、ひとつひとつの模型を読み解いていくと計画がジャンプした時の発見や
  まとまりつつあるものをあえて壊していく(捨てる)潔さなど作家としてのプロセスが見えて興味深いですが、
  一般の人には少し難しいかもしれません。同じ建築展でも
石山修武展とは、全く違ったものです。

  新宿に15:30集合し、いよいよバスで波崎へ出発。途中コンビニで買出しなどして18時くらいに波崎着。
  宿泊は、いつものハワイに一番近い宿「ミンションやまさき」です。
  食後、24チームが集まった抽選会。今年は、吉井歳晴ソレッテ会長がくじを始めて引きました。
  1回戦の相手は日大チームです。なんだか強豪そろいのゾーンに入ったようです。
  入浴をすませて明日の試合のミーティング。
  缶ビールを人に見立てて、考えていたフォーメーションをT君からみんなに向けての説明と確認。
  大盛り上がりの中にも真剣さがあり、みんなのまとまりをつくる毎年貴重な時間です。
  その後、数人の学生が持参してきた集合住宅課題を建築家、構造家がエスキースチェック。
  こんなところまで模型を持ってきた学生もエライ!ソレッテならではの光景、良い感じです。
  おじさんは、明日のことを考え、午前1時前に就寝です。

     
 
       みんなでTH-1の見学             テントからの光と陰影

     
          パレスビル遠景                パレスビルキャノピー


 ■2008.07.10(thu)
 
  A−cup 2008 @

  7/6(日)に建築とサッカーを愛する人のサッカー大会 A−cupが開催されました。
  今年も茨城県神栖市波崎まで総勢約30人で参加しました。ソレッテ大阪での参加は今年で4回目です。
  例年のようにサッカーをするだけではなく、建築見学なども行うためにみんな東京へは前日入りします。
  僕は、一足早く金曜の授業が終わってすぐに新幹線に飛び乗りました。
  閉館1時間前に世田谷美術館で催されている
石山修武展へ。
  12のプロジェクトの模型やドローイング、たくさんのスケッチなどが展示され、
  建築展の形式としては、目新しくは無かったのですが、ひとつひとつのプロジェクトは興味深いものでした。
  それらの中で「世田谷村分室」として石山事務所が開設されて、石山さんご本人もおられ、職人さんと
  木組みの打合せをされていました。
  (建築)の社会への開き方をいつもの石山さんらしい方法で行なっています。
  その場でのライブな行為自体が建築=展示ということでもあるのでしょう。
  事務所の廻りをうろうろしていると石山さんから声をかけていただき、少しお話をさせていただきました。
  おまけに図録にサインまでいただき、しかもこの場でデザインしていた線香立ての試作品(ベイマツの模型)
  までプレゼントしていただきました。
  
  その後大学時代の友人Yの設計事務所へ。
  ゼミの仲間で設計事務所を主宰しているのは、彼と愛知の豊橋市のNと僕の3人だけです。
  事務所で彼のスタッフ共々少し話したあと彼が設計した和食のお店で久々にお酒を飲みながら
  ゆっくり話をしました。大学を出てから約25年間のそれぞれの環境やそこでの建築への関わり方の違いなど
  いろいろ感じるところがありましたが、根の部分は変わっていないと感じました。

  2次会は、彼が良く行くというフォーク酒場「落陽」へ。
  このお店は、お店の名前からもわかる通り、吉田拓郎ファンのマスターがされています。
  小さなライブハウスのようなお店で、お客さんがステージに立って生伴奏で唄えます。
  マスターのアコースティックギターと常連のお客さんがリードやベースをバックに
  拓郎はもちろんのこと陽水、かぐや姫、ビートルズなどのメジャーからコアなフォークソングまで
  どんな曲にでも応えてくれます。しかもそれがかなり上手い。
  お客さんによっては、マイギターをお店にキープして自ら弾き語りをします。
  少しタイムスリップした感じを受けながら、僕も数曲唄わせてもらいました。
  カラオケとは全く違うライブな気持ち良さがあり、高校時代の文化祭を少し思い出しました。
  そんなこんなでホテルに帰ったのは午前1時を過ぎていました。
  Yありがとう。


     
     
「落陽」のお客さんのマイギター               唄う友人Y

2008.04-06 2008.10-12 PAGE TOP HOME