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 ■2008.06.30(mon)
 
  ワークショップ@湊川パークタウン

  ソレッテ大阪のメンバーであるT君が参加した神戸芸術工科大学のワークショップに行ってきました。
  神戸の新開地にある湊川パークタウンというショッピングモールの店舗を提供してもらい、
  学生の企画・設計・施工によって小さな図書館「まちとしょ」をつくっています。
  「まちとしょ」は、約1万本のペットボトルでつくられています。
  ペットボトルは、このショッピングモールで回収したり、回収ボックスを設置して街の人に協力してもらって
  集めたそうです。(この数を集めるのは大変だったでしょうね)
  置かれた本も同様に、近くの幼稚園でいらなくなった本をもらってきたり、
  街の人に持ち寄ってもらい集めたそうです。
  ペットボトルや本といった日常にあるモノを介して、さまざまな人の関係性を仕組み、
  商店街という開かれた環境に対して、社会性のあるプログラム(図書、ペットボトル回収)が
  有効に機能しています。
  ペットボトルが吊るされたファサードから奥に入ってみると平面的なスケールや
  ペットボトルによるスクリーンの配置によって、居心地の良いスペースがつくられていました。
  コトを仕掛けるだけに終わらず、またモノの作り込みにはまってしまうのではなく、
  両方が良いバランスであるように思いました。
  今後は、この場所での絵本作りなどいろんな企画を考えているようですので是非見てあげてください。
  場所は、阪急新開地駅下車、東口改札を出て「湊川パークタウン」2階です。
  パークタウンの上が公園になっていたり、パークタウンが面している商店街もなかなか楽しめます。

     
    
    右側が「まちとしょ」

     
    
    おばあちゃんも休憩中             ペットボトルを介した関係が心地良い

     
          
立体商店街                  左側がパークタウン


 ■2008.06.27(fri)
 
  ピッコロ

  たまに立ち寄る梅田にあるカレーショップ「ピッコロ ホワイティ梅田店」
  2.5m四方くらいの店内に厨房と6人が座れるカウンターだけの小さなお店です。
  (ピッコロのチェーン店は基本小さいが、ここは特に小さいように思う)
  ここのカウンターは、ちょっとすさまじい。
  狭いスペースの中で機能的にまとめられた厨房とお客の移動空間の間の残された隙間がそのままカウンターと
  なってデザインされています。
  厨房側にも客席側にも動かすことができない究極のミニマムデザインです。
  丸みを持たせた石の小口やジョイントもお客さんのことをきちんと考えてデザインされていて
  行く度にここのカウンターには感心させられます。
  インテリアは、40年前にどちらかの芸大の先生がされたそうで、その当時と全く変わらず現存し、
  そんな歴史を持っているのは周辺では、現在このお店だけだそうです。
  20年前にもテナントビル側から改装の話があったそうですが、オーナーが断ったということでした。
  実は、阪急百貨店の改装に伴い、ここのお店も改装工事に入るため、このカウンターは無くなってしまいます。
  先日、久々に食べに行ったときにその話をお店の方からお聞きし,写真を撮らせてもらいました。
  6/29をもってこのお店での営業は終了します。
  このカウンターを体験をしたい人、ラストチャンスです。
  もちろん、フレンチ風のカレーもおいしいですよ。

     
    
  カウンターに導かれるように奥へ          コックピットのような厨房

   
     
微妙な角度も座れば納得

 

 ■2008.06.20(fri)
 
  奈良〜大阪芸大〜藤井寺

  先週末、ソレッテ大阪とレアル・マドリドウ?、京都ケマリクラブの3チームによるサッカーの練習試合が
  大阪芸大グランドでありました。
  毎年7月に開催されるA-cup(今年は7/5,6)に今年も参加するのでそろそろ本気モードで練習しています。
  午前中、奈良東大寺境内に面する敷地でM先生のオープンハウスがあり練習試合に行く前に拝見しました。
  東大寺の緑を背景にしっとりとした良いお宅でした。
  お昼は近くの水門町にあったそば処「よし川」でおろしそばをいただきました。
  細めのそばと辛み大根でやや二日酔い気味の体がピリッとしました。

     
     
窓から見える緑が東大寺境内              そば処「よし川」正面が東大寺

  その後近鉄電車で奈良から橿原神宮経由で南大阪線の喜志駅まで移動しましたが、むちゃくちゃ遠かった!
  乗り継ぎも悪かったのですが、12時半に奈良を出て喜志に着いたのは2時半でした。
  ちょっとしたひとり旅気分を味わいました。

  1時から始まっていた試合に合流。今年のソレッテは、昨年まで環境つくりからサッカーまで学生寄りで
  がんばってくれていたS君が、独立をしたこともあって今年は参加していません。
  そのことがきっかけで今年は中心を作らず、学生達の数人のコアメンバーがネットワークの中で
  ソレッテをより良い環境にするために建築とサッカーの両方でさまざまなミーティングや企画を行なっています。
  彼らの一生懸命な姿を見ていると本当に頼もしく、うれしいです。

  帰りにチームメイトで建築家の吉井歳晴さんの車に山隈直人さんと同乗させてもらって市内に向かう途中
  山隈さんが「何だ?今大きな角が見えましたが・・・」 
  全員が気になって近くまで行ってみると住宅地の中に巨大な船が突如出現!ものすごい威圧感と頭の中が???
  建物は、「アイセルジュラホール」という藤井寺市立生涯学習センターで図書室やアトリエ、
  屋上にはゲートボール場がある公共建築でした。
  説明によると藤井寺市で出土した古墳時代の巨石運搬用轌(ソリ)をモチーフにしたらしいです。
  轌を隠喩で使うのではなく、そのままの形でしかも大きな基壇の上に載ってしまっています。
  それにしても公共建築でのお金の使い方がおかしいです。
  出来上がったモノは笑ってしまいますが、こんなモノが出来上がってしまうコトには笑えません。
  アイセルジュラホールは、藤井寺市民に愛されているのでしょうか?


     
   
    古代轌をイメージした外観           轌の後ろを見上げる。デカスギ!


 ■2008.06.18(wed)
 
  モーリス・ベジャール・バレエ団

  昨夜、大阪厚生年金会館であったモーリス・ベジャール・バレエ団の公演を観てきました。
  モーリス・ベジャール振付による「
ボレロ」を見るのが目的です。
  「ボレロ」は、多くのバレエ団が踊っていますが、その本家本元です。
  舞台の上に設けられた直径4m程の円卓の上でラヴェルの名曲ボレロに合わせて1人のダンサーが踊り始め、
  そのまわりで36人ものダンサーが次々に踊り出します。
  20分を超えるダンスは、観るものを釘付けにする美しさでした。
  円卓の上で踊り始めたエリザベット・ロスは、トランポリンでも使っているかのように軽く、
  まるで鳥が翼をゆっくり動かして大空を飛んでいるかのように見えました。
  身体を極めることで得られた部分(体形、動き)とその配置で生まれる全体性の美しさは、
  (身体)と(技術)が人を感動させる根本であることを本当に実感しました。

  昔観た映画「
愛と哀しみのボレロ」をもう一度観てみようと思います。


 ■2008.06.04(wed)
 
  「世界のナベアツ」の社会性?

  3の付く数字と3の倍数のときにアホになります。今やおなじみの世界のナベアツ。
  先日、友人の建築家が「30代にもっとしっかり考えておけば・・・今から思えばホンマにアホやった」と
  自嘲気味に言っていました。建築家の30代、独立し、良い作品を創ることにフルスロットルで走っているとき。
  若いからこそのバイタリティーを持って、まだまだ若いことも忘れて突っ走っていたように思います。
  
  一般的に考えてみると3歳で物心がついてきて、6歳は小学校1年生、9歳小学校3年で廻りとの関係が見え始め
  12歳は中学へ、15歳は高校へ、18歳で大学進学や就職、21歳は大学生も終わり、もう働かないと。
  24歳就職して2年、そろそろ辞めたい。27歳廻りは結婚?、
  30歳もう三十路、ちょっとショック。30代バリバリ働くでー・・・60歳で定年し、第2の人生のスタート。
  
  そう、人生で3の付く数字と3の倍数の歳には、肩に力が入りがち。
  多少アホになって肩の力を抜いていきましょう!
  世界のナベアツはそう説いているのかもしれません。
  
  今、僕は40代。4の付く数字でアホになっているのか?オーモロゥー!


 ■2008.05.14(wed)
 
  GW

  今年のGWに春鰹を食べに和歌山の田辺に行きました。
  そのときに見たものをいろいろ紹介します。

  ○熊野古道なかへち美術館(設計:妹島和世+西沢立衛)
   竣工すぐに行っていたのですが、休館日であったため内部を見れずにいたので新緑を楽しむドライブがてら
   行ってきました。僕は、桜よりも新緑好き。この頃のこの辺りの山々は、もくもくと新緑が沸き立つ
   感じになり、「山が笑う」という表現を使うそうです。
   川の横の敷地に無造作に置かれたような小さな美術館です。強い全体性を感じさせないように計画された
   さりげない建築です。ゆったりとした敷地の残された部分が周辺環境と建築をつなぐ心地良い場所に
   なっています。内部からガラスを通してみえる風景は、抽象化されて映像のようでもあり、当時の環境との
   新たな関係の試みが見て取れます。環境がダイレクトではなく、内部に浸透してくるようなイメージです。
   地方の公共建築+妹島建築のメンテナンスの危うさも正直感じました。
   偶然にも2年前に卒業した学生とも会いました。

     
   
       エントランス前                     川側の空地

     
   
川側の交流スペース(暑い!)        建物外周を巡る回廊から見る風景


  ○長嶋雄一クリニック(設計:千葉学)+???
   千葉さん設計のクリニックに行きましたが、当然のごとくお休みで外観からのみ見学。
   長嶋院長のご自宅も千葉さんの設計で、以前千葉さんがおられるときに見学させていただきましたが
   そのときに初めて住宅における都市のスケールを感じました。それは、いわゆる概念的都市ではなく
   空間体験的な都市を感じた貴重な体験で、千葉さんの凄さを肌身で感じました。 

   クリニックからふと目をあげると、ん?投入れ堂?
   崖の中にすっぽりとおさまったお寺のような、神社のような建築を発見。
   近くまで行こうといろいろ道を探しましたが結局行けず。残念!今でも気なって、気になって・・・。

     
        
長嶋雄一クリニック                 田辺の投入れ堂?


     
   
   イベント会場の上で泳ぐ鯉のぼり            この鰹をいただきました


 ■2008.05.08(thu)
 
  元ゼミ生

  2年前に卒業したゼミ生が実施図面を描いた賃貸住宅が完成し、内覧会があるので見てくださいとの連絡があり
  今日の午後に行ってきました。神戸の山手にある外人向け賃貸住宅(戸建て8棟)でした。
  先日も昨年卒業のゼミ生が遊びに来たときに担当した住宅の竣工写真を見せてもらいました。
  まだまだ駆け出しで一生懸命にやるだけの中で彼女らが関わったものを見るのは、少し早過ぎる感じもしますが、
  うれしい限りです。
  今回からは先生としてではなく、プロとしての意見を話させてもらいました。
  そうした関係になっていくことが何よりうれしいことです。
  
     
    

     
   
途中、小原流家元会館・豊雲記念館(設計:清家清)へ。御影石を使った擁壁と陶器ブロックが美しい


 ■2008.05.01(thu)
 
  I'M NOT THERE

  ボブ・ディランを描いた映画「
アイム・ノット・ゼア」(監督:トッド・ヘインズ)を見ました。
  ディランは、僕がギターを始めた中学生の頃(1970年代)から聞いています。
  ディランほど時代との距離に幅のあるアーティストはいないのでないだろうか。
  今回の映画では、6人の俳優がキャラクターの違うディランを演じています。
  ドキュメンタリー映画ではなく、6人の俳優が演じるさまざまなディラン(放浪者・詩人・アウトロー・
  映画スター・革命家・ロックスター)が時代も事実とも無関係にディランの音楽にのせて写し出せれていきます。
  そうした手法と編集が秀逸で、ディランの人間性や時代との関わりが全体性を持ってイメージできます。
  6人のディランの多面性は、時代を発見できた(見損ねた)ディランだから、或いは彼が詩人だったから生まれた
  ものなのでしょうか?
  僕が引っかかったひとつは「(自分に)無いものは無い」というセリフ。
  それは、逆説的には多面性を演じる中で無いものをさがすことだったのかもしれません。 
  「無いものは無い」それを自覚し、そこから始めることが出来ればと・・・
  それが、なかなか出来ないのです。

  6人の俳優の中で、フォークの裏切り者ロックスターのディランを演じた
  ケイト・ブランシェットのカッコ良さは必見です。


 ■2008.04.24(thu)
 
  Sorette OSAKA 始動

  今年も7月の第1日曜に建築とサッカーをこよなく愛する人々のサッカー大会
A-cupの開催が決まりました。
  
ソレッテ大阪も新たなメンバーを加えて例年通り参加します。
  昨夜、今年の大会へ向けての一発目の会議がありました。
  新たなメンバーには今までのチームの経緯や大会の主旨などを再度説明し、大会に向けては担当、スポンサー、
  今後のスケジュールなどを話合いました。
  2002年から始まったこの大会は、昨年総勢650人、27チームが参加するまでに成長しました。
  それに伴いオフ感覚で建築とサッカーを考え、楽しむといった大会コンセプトの理解なしにただのサッカー大会と
  同じ姿勢で参加している人々が見受けられ、大会主催者(常任理事会)が困惑している現状もあります。
  今年は、大会コンセプトを再確認し、各チームが改めて参加資格を問われる大会になるようです。
  
  ソレッテ大阪は、メンバーがイメージとして2期目に入り、最近ではサッカーだけではなく、建築の見学や
  それぞれの学校への講評会への参加など枠組みを超えた「環境としてのソレッテ」が成熟してきています。
  5月に入ると練習試合も数多く組まれると思いますので、体調(腰がイマイチ)を整えないといけません。
  戦力として期待なんかされてませんけど、何か?!


 ■2008.04.22(tue)
 
  兄弟

  先週末に友人のYさんと友人の建築家とで四条畷にあるバー「K2Y」に行きました。
  駅から少し離れたところにあるオープンしたてのお店で、住宅街のこんなところにこんなお店がという
  ロケーションにあります。
  Yさんは、家具を中心に幅広く建築に関わるモノづくりをされています。
  以前彼に乗せてもらった車は、自衛隊のジープでした。色も形もどこから見ても自衛隊で、本人もたまに
  自衛隊と並んで走ることがあってそのときはかなり恥ずかしく、気まづい感じがしたそうです。
  今乗っている自転車も郵便配達用の自転車で、ネットで3000円で購入し、自ら塗装やランプを取り付けて
  見とれてしまう(笑ってしまう)ほどの美しさです。
  次は八百屋や氷屋が乗っていた運搬用の自転車を狙っているとのことで、
  その自転車に道具や材料を載せて現場に現れるという状況を夢見ているようです。(それはかっこいいかも)
  「自転車なのに100kgも積載できるんですよ。今乗っているミニバン(この三菱のバンもスゴイです)が
   300kgしか載せれないから、いかにすごいかわかりますよねー」と熱く語ってくれましたが
  自転車に100kgも載せたらフラフラになってまるで吉本新喜劇やんとツッコミながら聞いておりました。
  そう、彼は働く車が大好き。しかもそのこだわりや手の掛けようは半端ではありません。
  それが小さなモノから建築全般に至るまでこだわりのある良い仕事をするYさんの原点であると思います。
  実は彼の弟さんは某芸人Gっさんです。
  弟である某芸人もそのこだわりはものすごく、彼がするモノマネやコント(ネタ)の中で見せる
  人観察のリアリティは、テレビで見ていてやはり笑って(見とれて)しまいます。
  兄はモノへ、弟は人へ。向いている方向は違いますがそのこだわりの質は全く同じものであると思いました。
  その夜は、妙に納得しておいしいお酒がいただけました。
  ちなみに弟さんの「伝説のミュージシャン黒木」というネタが大好きです。

   
       bar 「k2y」


 ■2008.04.16(wed)
 
  今年のカレンダー

  一昨年度のゼミ生O君から卒業時に「俺の哲学」と題した封書をもらいました。
  その後、就職して数ヶ月後にも「俺の哲学/新入社員春もようよう編」が届けられました。
  中には、彼が日々の生活の中でしたためた自分の考えや気づきから選ばれた言葉が1枚にひとつづつ
  勢いのある書で書かれていました。
  中味を見ていくとこちらも元気になる言葉が多かったので、今年初めにそれらの言葉を入れたカレンダーを
  作りました。相田みつをのように味わい深いという感じではありませんが、日々の生活で自分自身の背中が
  のびる言葉が数多く、事務所にも貼っています。
  今週初めから今年度の授業が始まりましたので学校にも持って行き、学生と先生方の目の入るところにも
  貼らせてもらいました。
  4月の言葉は、「人生、毎日プレゼンテーション」 ほんまその通り!

   


 ■2008.04.12(sat)
 
  こんなん出ましたけど

  犬掻きで泳ぐバス

   

   

 ■2008.04.10(thu)
 
  集合住宅見学

  先週末、大雨の中3つの集合住宅を見学しました。
  午前中、JR西宮名塩駅から一気に上がる斜面に建つ名塩ニュータウン(設計:遠藤剛生 1991年竣工)へ。
  斜行エレベーターに乗って一番上まで上がり、集住の通路や階段を使って下まで降りてきました。
  あらかじめ設計者に教えていただいていた経路を歩いていくとまるで集落のような迷路性、明暗、段差、
  抜け、人溜まりなどがあちらこちらにあって、見ごたえのある外部空間が計画されていました。
  上部が黒い鉄板で覆われることにより、スカイライン(屋根形状)が消えていくような印象になっています。
  また大きなヴォリュームもヒューマンなスケールに分節され、風景としての全体性も作り出しています。

     


     


  昼食後、ドムス香里(設計:石井修/美建設計事務所 1981年竣工)へ。
  こちらは積層型のマンションではなく、戸建住宅が並ぶテラスハウスです。
  外部空間や住戸の中庭に植えられた木々が連続して、木々が生い茂る夏には森のような環境を創り出します。
  各住戸は、3m弱ピッチで路と直角にズレながら並べられた壁の間に計画されています。
  路を歩くとその壁が木々の中でアクセントなって、住戸内へのアプローチとしてもうまく機能しています。
  
     


     


  最後は、コモンシティ星田(設計:坂本一成 1992年竣工)へ。
  道路を含めた街路計画から建築家が提案した戸建て住宅団地です。
  車道と歩道を巧みに分け、地形の勾配をうまく利用しながら各戸の距離をうまくとっています。
  当時の分譲戸建てのデザイン(形式)に対する挑戦のようにも見えたトタンのような外壁の鋼板波板や薄い屋根は
  今では建売住宅にも普通に採用され、素材や形としてのデザイン=スタイルとして一般化しています。
  逆に言うとデザイナーズと呼ばれる建築家ヴォキャブラリーとして、一般の消費者の方にはいわゆる建売住宅も
  星田コモンシティも一緒に見えるのでないでしょうか。
  そのことを建築家はきちんと理解した上で何ができるのかを考えることが大切だとあらためて思います。
  最近あらためて思うことが多いです。
    
     


     


  1980年〜1990年代初めにかけて出来たこれらの集合住宅は、住宅を増やすためだけのニュータウン開発から
  もう少し成熟した生活環境としての集合住宅への解答として、タイプや切り口はさまざまでしたが、
  どれも当時の時代を感じる力作でした。

  

 ■2008.04.01 (tue)
 
  年度始め

  今日から4月、年度始めです。
  新年ほどではありませんが、仕事や学校のことなど新たな気持ちになるのも事実です。
  
  昨日「カンブリア宮殿」というTV番組を見ました。
  村上龍と小池栄子が毎回さまざまな分野の方々を招いてトークする番組です。
  昨日は、日清食品の百田宏基社長でした。
  経営戦略や商品開発などについて話されていましたが、
  「おいしすぎると飽きられる」という言葉が印象に残りました。
  商品開発の話の中で出た言葉で、おいしく感じる=濃い味付けという意味で
  食べた時にすごくおいしいと感じられるものは味が濃く、長い間何度も食べてもらえないということです。
  僕が住宅を設計するときに考えていることに近いなあと思って聞いておりました。
  住宅は、長い間飽きないで食べられるおいしいスープであればと思います。
  キレイなだけのスタイルや生活を規定するデザインよりも
  突出して個性的なものではないかもしれないけれど、長い時間の中でじわじわとおいしいと感じられる
  住人の普通(生活)の延長にあるものであってほしいです。
  今さらですが。

2008.01-03 2008.07-09 PAGE TOP HOME