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そして父になる

 

 

我々は結婚してからこれで9年目ですけれど、残念ながらこれまで子宝には恵まれてきませんでした。ここ数年は私の年齢もいよいよ40に近づいてきて、嫁の方も30代後半となってきたものですから「何故出来ないんだろう?」という焦りが次第に強まってきました。

まずやはり医学的にどこか問題があるのではないか、ということで、3年前に産婦人科に二人で行ってみて、双方それぞれ検査を受けてみました。結果「精子が1/3程しか正常に動いておらずそれが気がかりだけど、一応それぞれ問題は無いレベル」ということではありました。

ただその後も結果が出なかったので、私は飲み会などの度に、同世代で最近子供が生まれた人に色々とアドバイスを求めたり、精子を作ると言われる亜鉛のサプリメントを飲んだり。

それでもなかなか上手くいかず、毎月今回もダメだったとわかる度に、お互い表面上は「しょうがないよね」と言いながらも、内心落胆する日々が続いていました。

嫁は自然妊娠にこだわりますが、私は最終手段としては人工授精などの手段もやむなしではないかと考えていました。女性の年齢が上がっていくにつれて加速度的に妊娠率は低下し、妊娠したとしても流産や障害を持つリスクも高まっていきます。手段を選んでいる場合では無いだろう、と。

医者にも「もう年齢的にドンドン可能性が低くなっていくんだから、あらゆる手段を試してみるべき」と言われ、一度産婦人科で排卵誘発剤も勧められて飲んだりしたのですが、身体がだるくなったり、その他あまり多用すると当然副作用もあるようなので、結局1度きりで止めてしまいました。また排卵日検査薬なども買ってみたものの、なかなか成果はありませんでした。

その焦りがお互いが真剣に考えていないのではないか、認識が甘いのではないか、というすれ違いを蓄積して喧嘩することも度々。ギクシャクを生み出す原因にもなっていました。こんなすれ違いがいつまでも続くくらいなら、私が40の誕生日を迎えるまでを期限として、もう子作りは諦めてしまおうか、ペットでも飼って代替する人生を考えようかとすら思いました。

 

私は折角この世に生まれてきた以上、好奇心旺盛に積極的に色々なことを経験してみたいと思っています。そのうちの最たるものが子育て。そしてこればかりは自分一人の意思で出来ることではないですから、パートナーと同じ目標を共有しないといけません。半分は伴侶の遺伝子が入ってくるわけですし、誰との子供でも良いわけでもありません。

確かに男性側は60歳になっても父親になることはできますが、女性側は高齢出産の例はあるものの、一般的に40代が限界。そうなると時間的な猶予はもうあまりありません。世の中では不妊治療を続けて頑張っている夫婦もたくさんいるというのに。

我々も結婚して8年間出来なかったのに、例えばこれからもう8年間かけたらできるのか?出来る保証があるなら、焦ったりする必要は無いのですが。

期限とした私の40歳の誕生日を過ぎた頃、そういう気持ちからまた喧嘩となりました。私の必死さに比べて、嫁がのんびりしているように見えるのが、もどかしかったので。

すると嫁が「私だって何人も子供を連れたお母さんを街で見かけたりすると、何で自分にはできないのか、と羨ましさと辛さがある」と真剣に訴えてきました。この時初めて嫁も嫁なりに真剣に考えているのだと、認識を共有できた感じがしました。私も自分達より後に結婚した同級生にドンドン子供が産まれていくのを見て、羨ましさが募る日々を過ごしていました。

それが確認できたので、諦めきれない我々はもう少しだけ子作りを続けてみようと思いました。

 

そんなこんなで4月の終わり頃に引っ越しをすることになり、その3ヶ月後に嫁の妊娠が発覚することになりました。こうして考えてみると、この生活環境の変化が一番良かったのかも知れません。前の家がお城の堀の脇だったので、淀んだ水の気が悪かったのではないか、と案外真剣に思ったりしています。

そして気配を感じた8月の頭。まずは市販の妊娠検査薬を買って調べてみることにしました。その日、病院に呼び出されて父の様子を見に行っていたのですが、容態が思わしくないと言われて重い気持ちで帰宅したところでした。

すると嫁が「陽性だった」と言うのです。私はにわかに陽性がどっちを示すのかわからなかったので「ということは?」と聞き返すと「妊娠してるってこと」と返しました。なので精神的なブレ幅が大きく、最終的に喜びの感情に変わるまで、ややタイムラグがあったと思います(正直、よく覚えていません)。

というわけで、結局不妊治療や薬局とかの子宝相談などもせずに、遂に自然妊娠できました。ただ、やはり最終確認はきちんと産婦人科に行って診てもらわないと、ぬか喜びというパターンもありそうです。なので正式決定した状態で親族に公表したいと思い、まだ黙っていようと思っていました。

ところが翌8月3日の朝にまた父の病院から緊急呼び出しがあり、その時点で父の意識がほとんど無くなってしまったものですから、結局見切り発車で父の病室で母や姉、そして父に伝えることになりました。

前にも書きましたが、そこから父が多少持ち直した感じになったので、無事父には届いたと考えています。実は私自身、お腹に居る時に祖父が亡くなりました。また、父が42の時に産まれた子供であったこと(私が今41歳)など、他にも色々共通点があって、不思議な縁だと思ったりもしています。

 

それから間もなく父の葬式となり、身の回りはバタバタしていましたちなみに妊婦の嫁はお腹に鏡を巻いて参列。そんな風習があるなんて、私は初めて知りました。

父の葬儀が終わって間もなく、まだ嫁のお腹がそれ程大きくなっていない頃。姪が子供(2歳の男の子)を連れて実家に遊びにきました。そこで当然のように「生まれてくるのは男の子か、女の子か」という話題になりました。

姪が「子供は赤ちゃんのことわかるらしいよ」と言うので、ノリで「じゃあちょっと聞いてみよう」ということになりました。それで嫁の前に姪の子を連れてきて「お腹の中の赤ちゃん男の子か女の子かわかる?」と冗談交じりに聞いてみました。

すると姪の子がすかさず笑顔で「女の子」というのです。私はその断言ぶりに一瞬背筋がゾッとした程でした

でも、まだ子供だから質問を理解できず、嫁が女の子だ、と言っているのかも知れない。また「男の子?女の子?」と聞いたので、順番を逆にしてみたらまた違うかも・・・と思ったので、改めて「お腹の中の赤ちゃんは女の子?男の子?」と聞いてみました。

すると「女の子」とやはり同じように笑顔で断言するのです。私は益々ゾゾッとしました

それから2ヶ月後。産婦人科の検診で判明した性別は、見事女の子でしたまあ確率1/2だから、たまたま当たったんだろう・・・と思いたいところですが、どうもあの時の姪の子の表情、断定ぶりに圧倒されてしまい、今思い出しても不思議な感じがします

 

私は正直最初男の子が欲しいと思っていたのですが、妊娠がわかった時点でもうどちらでも良いやと思うようになってきました。むしろ世の中、男の既得権益が奪われていくような社会になっていますから、女の方が勢いがあって良いかもしれませんね(?)。生物学的にはメスの方が強いですからね。カマキリなんて、腹が減っているという理由でオスは食べられちゃいますし・・・

ただ女の子は父親に似るというので、私にあまり似て欲しくないなという不安も小さい頃は良いとして、大きくなったら「オヤジ超うぜー」とか言われたら嫌だな、とか思ったり・・・

そして肝心の名前です。私も漠然と考えてはいたのですが、名付けはとにかく揉めるだろうな、と長期戦を覚悟していました。子供の一生に関わることですから、慎重に決めないといけませんね。昔ならたくさん子供が産まれていたので、結構適当だったかも知れませんが、少子化の今のご時世、乾坤一擲の大勝負にも思えます(?)。

で、そんな重要な我々の娘の名前をどうするか、と満を持して嫁に切り出したところ「既に考えてある」とのこと。ほほぅ、ではお互いの案をそれぞれ出して、納得いくまで徹底的に議論を重ねようではないですか。

ではまず先手の嫁の意見から聞いて、相手の出方を伺おうか・・・と構えつつ聞いたら、ビックリする程キレイな着地を見せた名前で、嫁の思いも理由も一点の隙無くハッキリしており、一発で「それだっっ」と即決してしまったのでした一応キラキラネームではありません。

正直こんなにあっさり決まるとは夢にも思いませんでした。私が希望していた「ワールドワイドな世の中、だからこそ余計に純日本風の女の子らしい名前にしよう」「既にいる誰かを連想させるような、流行りの名前にはしたくない」という点もクリア。それに比べて私の考えていた名前の浅はかなこと・・・そんなわけで、私の案は披露するまでも無く、永遠に封印されることになりました

あとは漢字をどう当てるかですが、それも候補はあるものの、字画を見て決めようということになりました私は字画を非常に大事にする派です

バカルディや海砂利水魚が「さまぁ〜ず」や「くりぃむしちゅー」にして成功したように、「モーニング娘。」が名前の最後に○を付けて上手くいったように、かと思えば「つんく♂」が最後に♂を付けて以降イマイチな感じになってしまったように、「おさる」がモンキッキーに改名してサッパリになったように、字画はとにかく大事だと思います(無論本人の才覚が一番大事ですが、運も必要ですからね)。

ちなみにその辺に詳しい人曰く
「モーニング娘。はダメよ。最後に○が付くって言うのは【終わり】って意味になるから、結末がドン詰まりになるの」
あぁ、確かに彼女たちの末路は、結構悲惨なものが多いですね(失礼

ただ、字画といっても色々な本とかあって、結局どれが正しいのかなんて無いような気もしますけれど(身も蓋もない)この辺りはまだ少し揉める要素が残っているのかも知れませんちなみに私自身、身体以外の部分で親から貰ったもので一番気に入っているのが名前です何とか娘にもそう思って貰えれば良いですね

 

 

父の四十九日まで終わって、ようやく身辺が落ち着いてきた頃、図書館で出産にまつわる本を借りてきて読んだり、ネットで色々調べたりちょっとした変化も一々気にかかる毎日ではありますとにかく五体満足で元気に産まれてきてくれれば良いや、と。「戌の日」にちゃんと安産祈願にも行ってきました

一応、私が学生の頃、姉が実家に戻ってきて子供を3人産んでいるので、出産前後の妊婦の状態はよくわかっているつもりです。私が一番警戒していたのは、妊婦はすぐ機嫌が悪くなるというところ姉もイライラしていましたから。確かにお腹を気にしながら生活しないといけなくて神経をすり減らしていますし、身体も思うように動かず大変でしょうし。

お腹の子に悪影響を与えないとも限りませんから、昔はよく喧嘩していたことでも、今基本はすぐに折れて謝って収めるか、もしくは無言で距離を置き時間の流れを待つか、のどちらかで対処しています・・・というのは嫁には内緒です

一方で、妊娠初期の状態はよくわかっていませんでした。よくドラマなどにあるように、突然つわりで洗面所に駆け込む・・・というのは1度だけありましたただ漫然と気持ちが悪い、という状態は6ヶ月くらいまで続いていたようですが

気持ちが悪いということで当初食欲が無くなってしまい、これで赤ちゃんに栄養が行くのか心配でしたが、さすがに7ヶ月目の最近になってようやく大体戻ってきましたただまだ以前より食べる、というような状態にも、梅干しのような酸っぱいものを欲する、というのもありません。

「子供が出来ると、なかなか外食とか出来なくなってくるから、今のうちに行きたいとこに行っておいた方が良いよ」というアドバイスから、嫁の食欲が回復して以降、なるべく意向に沿うような形で外食したりしていますが、これもこれでお金がかかります食欲があったらあったで、悩みの種は尽きません

 

 

今行っている産婦人科では、USBメモリーに超音波検診の動画を入れてくれますそれが毎度の検診のお土産と言いますか。自宅に帰って再生し、これが目で、これが足で、これが心臓で・・・と言いながら、将来の我が子の形を想像しています

しかし、改めて医療技術の進歩はすごいと実感しますX線を使わずとも超音波でリアルタイムで透過して見れて、心臓の音まで聞くことができるんですねなおかつ3D画像で造形までして、目や耳が何となくわかるような感じになっていますまあまだ宇宙人みたいに頭の大きさと身体の小ささでバランスが取れておらず、正直なんだか気持ち悪い、という感想もありますけれど・・・

あとは段々大きくなっている嫁のお腹の写真を、隔週毎に撮影して記録を付けていますやはり最初の頃は単にちょっとお腹の出た人、でしたが、今はもう明らかに妊婦とわかる程のアンバランスさになっています。

それに合わせて、妊婦用の服も買わないといけません今まで行く機会もなかった西松屋にも行ってみたり株式をやっている人間としては「あぁ、一度店舗に入って実際に見てみたかったんだよな。こういう店の作りになっていて、出産前後に関するあらゆる商品が揃っていて、ポイントカードも無く、店内に音楽が流れていないのかー」などと、変な職業病が出てしまいますが

しかし、そんなこんなで一から揃えていかないといけませんから、お金がとにかくかかりますね一応、既に子育てが終わった友人などから、お下がりで貰えるものは貰うという話にはなっています。また、子供服に関しては、どうせすぐ小さくなって着られなくなるから、あまり無理して揃えることはない、という話も聞いているので、何とかやりくりしていこうとは思います

ただ妊婦のものはなかなかお下がり、というわけにはいきませんそしてこれが結構良いお値段するんですよね確かにあんまり量の出る商品ではないでしょうから、値付けとしても仕方無いのでしょうけれど・・・あぁ・・・

 

 

昨年末辺りに、市の保健センターが開催する妊婦教室に行ってきました。赤ちゃんが生まれた後の沐浴のやり方や、男性が妊婦のお腹の重さ、大変さを実感できるよう、妊婦体験ジャケットを着てみたりするようなイベントで、定期的に行われているようです。

正直、若い人ばかりで、我々のように初産が高齢出産に該当するような年齢の人ってあまりいないんだろうな・・・と思っていましたが、結構少なからず居て、我々より年上のような人さえ居ましたやはり最近は30代後半〜40くらいでもザラなんですね「将来授業参観とか行き辛いな」などと思っていましたが、妙に安心しました

そこで保育士さんから沐浴のやり方をレクチャー左腕一本で支えて赤ちゃんの耳を塞いで水が入らないようにしたり、タオルをかけて冷えないようにしたり。ただ、正直一度試してみたくらいでは、なかなか覚えられませんね何か余計に不安になりました

妊婦体験ジャケットは「赤ちゃんが3kgくらいだから、単純に3Kgの重りだろう」・・・と思っていたのですが、7.3kgの重さが付いていました。羊水などもあるので、倍くらいの重さになるのだとか

まあ一応私自身は比較的足腰鍛えているつもりなので、重さ自体はそれ程違和感がありませんでしたけれど、女性の方は確かに大変でしょうね。特に体験なんて数分ですが、ずっと鉄下駄を履いて生活しているようなものかも知れません。

あと、どちらかというとお腹が出たことで下が見えなくなる方が厄介かも知れませんね。足元を気にしながら生活しないといけません色々大変なのはよくわかりました

 

今一つ懸念なのは、未だ逆子の状態であるということ。8ヶ月目の段階で逆子であることから、いよいよ真剣に解消しないといけなくなってきました。一応、30週までに逆子の割合は20%、最終的には5%くらいの人が治らず帝王切開ということになるそうですが。

出産までに治れば良い、ということで嫁は毎晩寝る前に「逆子体操」を続けています。10分間お尻を高く突き上げる姿勢を維持し続けるのは辛いみたいですが「回れ回れ」と念じながら続けています。先日はお腹の張りが緩む薬を処方され、それで子宮の空間を拡げて回りやすくなっている・・・はずですが、未だ効果はありません結構元気に動いているのですが・・・。

そんな状態ですけれど、嫁はギリギリ産休期間まで仕事に行くということで、毎日職場までの送迎をやらされています「毎日家にいて鬱々としているよりは、仕事をしている方が精神的にも良い」ということですが、個人的にはインフルエンザとかも流行ってますし、家で大人しくしておいて欲しいところ・・・。とりあえずもう3週間くらいの辛抱です

しかし、自分もいよいよ人の親になるんだなと思うと、世の中の物の見方も変わってきます最近ニュースなどを見ていると「子供の列に車が突っ込んだ」というのが多いですが「子供の列を見ると突っ込みたくなるんか」などとテレビの前で怒っています他にも若い女性が犠牲になるニュースを見たりすると、親御さんはどんな気持ちなのか、と思ったり。

すごいマニアックな話になりますが「静かなるドン」という100巻以上続いた新田たつおの大人気マンガがあり、私はあのギャグとシリアスが入り交じったばかばかしさが好きなのですが、ダメサラリーマン兼ヤクザの大親分である主人公近藤静也が恋人(秋野さん)の親に会った時の話。厳しい父親だということで、静也も何とか認めてもらおうと緊張しながら対面します。

その秋野さんのお父さんが「娘はやれん」と頑固に拒絶する・・・のかと思いきや、子供の時の娘の写真を静也に見せ「こんなに大切に育てた娘なんだ。どうか別れてくれ」と土下座して決死の覚悟でお願いするんですね。それで静也は大ショックを受けて、秋野さん秋野さんと距離を置こうと考えます。

そのシーン、以前の私ならそこまで感銘を受けなかったと思うのですが、どうもお父さんの方に我が身を重ねて考えてしまい(だいぶ気が早いですけれど)100巻の中でも最も印象的なシーンになりました。まあ、私の方も子供と共にこれから成長していかないといけませんが、ともあれ、まずは無事生まれてくることを祈りつつ

 

 

 

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