株式投資を○○ブームなどと騒がれたことをきっかけに始めた方も多いと思います。ブームというのは過熱の結果ですから、必ず終わります。そして何となく周りが株をやっているから買ってみようと簡単に口座を開いて始めてしまい、ビギナーズラックであれ何であれ勝っている間は良いですが、損が膨らんでしまうと「あぁ、やっぱり株は怖いものだ」と止めてしまい、周りにも「株は怖いもの」という印象をふれ回ってしまいます。そういう誤解が生じやすい恐れがあるのです。
楽して金が儲かると勘違いしてはいけません。私は株というものは研究して努力した者程報われるものだと思っています。やっぱりセンスも必要ですけど。始める前に必ず投資する銘柄について研究して欲しいと思います。大切な資産を託すわけですからね。
ところで周りからよく言われるのが「今から株をやろうと思うけど、何を買ったら良い?」という質問。これは自分の推奨している銘柄を伝えればそれで良いと思われがちですが、実は質問の主体に色々な要素が欠けているので私はいつも「うーん」と口籠もってしまいます。皆さんわかります?
何が欠けているかというと、まずどれくらいの資金力があるのかということ。そしてリスク許容度はどれくらいかということ。更に投資の期間にどれくらいをみているのかということです。
資金力の大小によって買える銘柄が異なるのはご承知の通り。一単位数百円で買える株から百万以上する株まで色々あります。まずは元種がいくらあるのかわからないとスタートできません。
リスク許容度はどれくらいまで損失に耐える勇気があるかです。100万円が5万円損したらショックで弱ってしまうのか、ゼロになっても何ともないのか。本人の覚悟と資金余裕度を計る必要があります。
そして投資期間です。私は実はこれが一番計り辛いと思います。つまり明日1万円儲かる株を求めているのか、それとも数年後に何倍にもなっている株を求めているのかです。
私の先輩に気象予報士がいて、同じことを言われました。「皆明日の天気はどうなるの?とか簡単に聞いてくるけど、それには条件がある。どの地域のどの時間帯のことを指していっているのかを条件に入れないと教えようがない」と。確かにその通りです。
以前にも書いたように私は長いトレンドで実態株価からのブレ(乖離)を修正する過程で値幅(利ざや)を取る投資スタイルですから、明日の株価が上がろうと下がろうと、最終的に自分の目標株価に達成するものを教えます。
ですから面倒臭いですが、一々条件を聞き出し長期保有のものならコレと教えます。そしてだいたい次の日に「もう、この銘柄良いって言ってたのに下がっちゃったじゃん」と非難されますが、だから長期でって言ったじゃんといつも思いうんざりします
そもそもそういう質問をしてくる初心者に短期トレードは無理でしょうし、短期で簡単に稼げると思ったら大間違いです。
というわけで、株式市場に参加する人数が増えてきたら、今度はその投資家が長く市場と向き合えるように株式の先輩として啓蒙していくのが大事だなーと思います。そしてせっかく新人投資家が増えてきたところに○○ショックが株取引の恐怖感を植え付けてしまい、また人気が離散しないように祈るのみですね。