日経平均は続伸。朝方から買いが先行して36000円を上回りましたが、為替が円高方向に振れると買いが続かず上値が重くなる展開に。加藤財務相が「ベッセント財務長官との会談で為替の話は全く無かった」と週末に出たドル安円高誘導発言の火消しが行われましたが全く効果なし。中国株が始まると36000円を下回る推移となり、前場は安値圏での引け。
後場は一段と上げ幅を縮小。14時以降は円安に反転しても35800円を割り込むところまで売られましたが、最後はいつものパターンで後場寄水準に戻して引けました。売買代金は4.6兆円台とTOPIX浮動株比率のリバランスが引けで行われて活況。REIT指数は反発。
投資判断は「やや売り」。トランプ大統領の支持率は下がってはいるものの、まだ1期目の1年目にあった40%割れまでは下がっていないので、まだ「落ちしろ」がある感じとも言えます。そう考えれば、また中国相手に無茶なことをやってくる可能性はありますけれど、ともあれ追加関税90日間延期分はまだ時間的猶予があります。
順調に戻りを続ける世界の株式市場ですが、そろそろ二番底を意識し始める展開になっていくのではないかと思っています。ただ、アメリカ株は4月安値を割り込む可能性があると思っていますが、日本株に関しては現状二番底を警戒している私でも、ひとまず4/7の安値は割り込まずに済むのではないかとやや楽観的ではあります。ただ戻りも限定的で、猶予期間終了が近づく6月下旬から夏場にかけて暴落リスクは残っているという考えています。
ここからは段々と決算が意識されてきます。国内は2月期決算は内需株中心なので、むしろ円高メリットなどが有利でしたが、ここからは日本の外需企業が出てきます。特に市場では企業が今期見通しを示さない「ガイダンスリスク」が警戒されています。
ただ、これまで企業が今期見通しを示さないケースが多かったのはリーマンショック時とコロナ時のみ。今回の混乱はそれら程には匹敵しないとみられています。ただ各企業の説明を聞くと、大抵「トランプ関税の影響は折り込んでいない」ということなので、出されたとしてもそれが信用できるかどうかは別問題。経営者がそうであるように、投資家も判断が難しいところです。
指数のチャート的には結局昨年8/5の令和のブラックマンデー後と似たような戻り局面を示しています。勿論4/7までの急落も相当酷く、信用の投げ売りなどもありました。ただ昨年8月の記憶が投資家にあり、皆が押し目買いに動いた感じ。その裏側で、4/7の売買代金(7兆円弱。8/5は8兆円超)や高値からの下落率(日経平均は権利落ち前の高値から前者19.4%に対して後者27.6%)が当時に比べて中途半端になっているような気もします。
ドル建て日経平均は権利落ち直後の水準を回復。ドル円の円高が重石になっているのですが、ここがアメリカ株離れしてきたことで、日本株は底堅さを出しています。日経平均のEPSはまた低下してきているのですが、気にされていません。
なお、このドル建て日経平均も昨年8月の際には安値からものの2週間で一気に急落前の高値を抜き去りました。今回はそこまでのスピードでは戻っていません。まあ昨年8月と比べアメリカ株が弱っているので、仕方無いかもしれません。
https://nikkei225jp.com/data/dollar.php
一般投資家の場合は必ずしも日本株の中で資金が循環させる必要性はないのですが「日本株ファンド」といった何かしらの日本株を買うことに特化し必要性がある場合は、安全セクターに資金を移動させることになります。
ともあれ為替は、トランプ政権が望んでいることでもありますが、順調にドル安が進んでいます。今回のパウエル議長への解任騒動も、ドル安誘導の一環だったのかもしれませんね。
まだそれが転換するような材料もないことから、まだしばらくドル安が続きそうです。となると、やはり円建て日経平均はいつまでも上値の重い状態が続くでしょう。そうこうしている間に、トランプ政権は株価も金利も落ち着いてきたし、また強気のコメントを出し始めるかもしれません。各国の交渉もまだ何も成果が出ていませんし。
先々週末時点の信用倍率は前週8.6倍→6.6倍に低下。買い残はほぼ横ばいも、売り残が増えました。先週は大きく上昇した週でしたから、大体予定通りの改善。足元市場の売買代金が細ってきましたが、まあ信用界隈は悪くありません。
新興市場は「中立」。本日のグロース指数は続伸。特にCore指数が2.2%の上昇となって牽引しました。
タイミー(215A)が7%超の急騰となったことなどが牽引しました。グロース指数はドル建て日経平均同様に、権利落ち直後の水準になっています。グロース市場の場合は単に下落率が大きかった分、投げ売りが進んで値動きが軽くなった面が強そうです。
【注目銘柄】
SHIFT(3697)は大幅高。正直何きっかけでこんなに大きく買われたのかは謎ですが、価格帯出来高が薄いゾーンで需給的な戻りやすさはあった模様。ここは4/11に配信した有料メルマガでも取り上げましたが、基本的には生成AIの有効利用というところで買われて然るべき銘柄だと思っています。
AREHD(5857)は大幅安。先週末に決算を発表。金関連株ということで、金価格の上昇から好決算ではありましたが大きく売られる形になりました。確かに金価格の上昇は既に折り込まれていますから、出尽くしになりやすい下地はありました。同じような金関連株も注意が必要でしょう。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお、上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。