前日のNYはレイバーデーでお休み。ヨーロッパ株は総じて小じっかり。アメリカの長期金利は時間外で4.25%に上昇。WTI原油先物も64ドル半ばに上昇。ドル建ての金も最高値更新。ドル円は147円前半で横ばい。それらを受けた日経平均先物は42400円となっており、まずは買い先行のスタートとなりそうです。本日のスケジュールとしては日銀の氷見野副総裁の挨拶があります。
投資判断は「やや売り」。トランプ大統領はクックFRB理事解任に向けて一段と圧力を強める動き。ただ大統領が解任するには「正当な理由」が必要であり、単に気に入らないから解任というわけにはいきません。今回は「クック氏が住宅ローン申請の際に書類を偽造した」という因縁をふっかけているわけですが、それを口実に辞めさせようとしています。
ただそもそもクック理事はどちらかというと政策スタンスはハト派とされています。最近のコメントとしては「雇用と物価のバランスを慎重に考慮し、どちらかといえば物価安定が不可欠」ということで、確かにやや利下げには消極的な雰囲気は出していますが、とにかくバイデン派を減らしたいのでしょうね。さすがにパウエル議長の解任は無理(ドル安が進むのを恐れて)でしょうけれど、強烈なFRBに対する恫喝になりましたね。
しかし恐らく株式市場は「精錬で理知的ではなく、もっとどぎつく俗っぽい世界」ですから、「おっ、これで利下げがより確実になるな。じゃあ株高だ!」という姿勢の方が目先強まると思います。本当に弊害が出てきた時に初めて売りで反応するようなパターンではないでしょうか。なので、純粋にアメリカ株高圧力になりそうです。とりあえずクック理事の方は法廷闘争に持ち込む勢いなので、まだ色々とありそうですが。
一方、日本にとっては円高に作用しますから、これはこれで逆風。為替に関しては元々9月上旬まで円高が続くアノマリーがありますから、もうしばらく円高圧力は続きそうです。
フランスは首相が予算削減を巡って来週に信任投票を行うと発表。野党が反対していることで、政権崩壊の危機とされてフランス国債が売られる展開(逆にドイツ国債は買われる動き)。
日本の首相は野党支持者に応援されて逆に支持率が安定している奇妙なねじれがありますが、どこもかしこも大変ですね・・・。ただまあ、所詮ヨーロッパの毎度のゴタゴタなので、特に他の国に嫌な流れが波及することはないでしょう。
日本株は個人の倍の保有比率32.4%を誇る外国人投資家が、また更にその差を広げています。こちらは今年累計4.3兆円買い越しており、自社株買いの事業法人7兆円に次ぐ買い手。ざっくりこの2者で信託銀行の売り3.3兆円などを吸収して、日本株を高見に押し上げています。
これは株だけの話ではなく、債券市場でも少しずつ外国人投資家が保有を拡げてきています。ただ債券の方は増えてきているとはいえ、外国人投資家の保有比率は未だ12%程度。超長期債では正確なものは出ていませんがその半分の6%とする調査結果もあります。一応20%を超えるまでは特に海外投資家に好き放題されないという見方もあるようなので、この辺りはまだ懸念する程では無さそうです。
逆にとっくに20%を超えている日本株の方は、外国人投資家の意向に左右されます。ですから繰り返しになりますが、海外が最高値を更新していれば日本株も業績や政局など七難があっても隠される状態。日経平均のEPSは日に日に下がっていますが、今は業績相場ではないので気にされていません。
一方、待機資金は「何かを買いたい」とうずうずしている状態。これがスタンダード市場などでの「ひと夏のアバンチュール」的な盛り上がりになっています(表現が古くてすみません)。
先月FTSEの入れ替えが発表されましたが、ビジョナル(4194)や住友ファーマ(4506)など10銘柄の採用とシップHD(3360)やレンゴー(3941)など6銘柄の除外ということですが、何と採用銘柄にあのメタプラネット(3350)が入っています。時価総額基準なので、基準日に相対評価で大きかったら無条件で入るのでしょうね。ちなみに今回日本株全体には約500億円の資金流入となるようです。
本日引け後にまた最新のものが出ますが、先々週末時点の信用倍率は前週3.4倍→3.7倍に上昇。売り残が減って買い残が増えました。まあTOPIXは0.2%の下げとはいえ、下落した週なので仕方無いですね。まだ買い残4兆円弱、売り残1兆円強ということで好需給であることには変わりありません。
REIT指数の方は日本の長期金利が17年ぶりの高水準ということですが、特に気にせず高値圏をキープ。やはりこちらも売る人が売ってしまったという意味で需給相場になっています。
新興市場は「中立」。昨日のグロース指数は後場下げ渋りましたが、トライアルHD(141A)などが売られプラス圏は回復できず。売買代金は1753億円と活況ながら、最近の中では少なめ。大型株がそれぞれ固有の問題で弱さがあった他にも、ステーブルコイン関連株がグロース市場に目立ったものが無いので、宇宙関連株などから資金が逃げて人気をスタンダード市場に取られた点もあります。
【注目銘柄】
電算システムHD(4072)は昨日大幅高。ゆうちょ銀行(7182)がステーブルコインを取り扱うと日経1面で報じられ、また関連株の刺激材料に。高値から30%超下落していたこともあって、良い反発の材料になりました。ただ、アメリカ市場がお休みの谷間の材料なだけで、あまり長続きしないような感じですね。
アドバンテスト(6857)は昨日大幅安。アリババが新しいAIチップを開発と伝わり、金曜のNVIDIAやSOX指数が3%の下落となったことが響きました。ソフトバンクG(9984)とアドバンテストだけで日経平均408円押し下げに。1.2万弱の水準が7月以降上値抵抗線となっていて、1万円を割り込むと三尊天井形成となりそうな形です。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
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