シャクナゲ園の環境

 愛知県の東部、北設楽郡設楽町、町花はシャクナゲ。 町の木は「ブナ」。
 この地方を代表する山、段戸山、鷹ノ巣山とも呼称されています(標高:1152.3m)の山麓、標高870mのところに、段戸山シャクナゲ園は有ります。2,000uの山斜面に山の家とビニールハウスがあり、周りには各種のシャクナゲが地植えしてあります。
 ハウスは200鉢程のシャクナゲの幼苗、接ぎ木等を圃場(ホジョウ)として用いて、樹高1メートルくらいになると地植えしています。 愛知高原国定公園、段戸高原県立自然公園に指定されている地域なので植生には注意しなければなりません。シャクナゲ園には樹齢100年を越すシャクナゲが(段戸本シャクナゲ、5花弁ピンク)数本あり、20mほどの紅ドウダン数本、初夏には紅ドウダンの花が落ち、辺り一面が紅の絨毯になります。ブナの古木もあります。勿論、山菜は豊富です。
 数年前シャクナゲの日当たりの具合で、山林仕事の人に木を切り倒してもらった中に大きなブナの木があり、倒した後で「ブナの木は伐ってはいかんぞな、ここはブナの南限だからのう」と言う話で、まだあったブナの木はそのまま残した、ということがありました。私有地とはいえ植生には気をつけなければなりません。  5月には自然生えの100年もののシャクナゲの周りには実生のシャクナゲの赤ん坊が数十本顔を出しますが、下草刈りの際にきれいに刈られてしまいますので、ポットに採集し、シャクナゲ愛好家に差し上げています。 気候状況は、「弁当忘れても傘忘れるな」といわれるほど気象変化の激しいところで、夏は28度以上にはあまりなりません。冬は―10度から7.8度。時に―20度を寒暖計が指すこともあります。
 雪が多くて5月の連休直前まで残雪があったこともあります。秋の紅葉は見応えがありカメラマンガ多く訪れ、春になると山菜採りの人々が訪れます。家の前にはプライベート渓流があり、本流の段戸川から釣り人が上って来る人もいます。
 ビニールハウスの水やりは、山の中腹に穴を掘りパイプを差し込みフォースで500Lのポリタンクに集め、そこから自然高低差の圧力でハウスに引き込んでの水やり。11月下旬から凍りだすので3月中旬まで水やりはなし。鉢もシャクナゲも凍っている。春、秋は週に1回の水やり、夏7,8月は週2回。
 なにせ自宅から1時間20分。夏場の週2回の水やりは大変でーす。人に頼めばいいように思いますが、頼んでみたら大切なシャクナゲの穂を折られてしまってガックリという経験。ここにも「水やり3年」の諺が生きていました。 地植えのものは自然に任せています、というと格好いいのですがほったらかしというのが本音。でも、施肥は年2回はします。