大きな土壁のアンティークハウス－桑橋の家

本計画は、ご自身で工務店を営み、代々大工という、生粋の職人気質のご主人を中心に、お子様と奥様、３人ご家族の将来の拠点となる住まいづくりです。
和風住宅を得意とするご主人自らが陣頭に立ち、詳細を詰めながらの設計作業となりました。

200坪という恵まれた敷地は、以前設計させていただいた「草深の家」のご主人所縁の土地で、「運命の巡り合わせ」といえる、幸福な再会での幕開けとなりました。

「平屋で、瓦屋根の和風家屋。３台分の屋内駐車場及び簡単な執務スペース。分離可能、独立した子供部屋と水廻り近くに寝室を」というかなり具体的な要望と、奥様が考えられたプランをもとに、機能的・合理的に平面を整理していきました。

駐車・執務空間は居住空間と分け、陸屋根を掛け上部を広いバルコニーとして開放しました。

基本的には平屋ですが、子供スペースのみ２階に設け、大屋根の小屋部分有効利用と共に隠し部屋的な屋根裏空間を楽しめる構成としました。

軒は前面に２ｍ程張り出し、民家の深い軒の出をイメージさせ、夏涼しく冬暖かいパッシブソーラー的機能を加味しました。小屋組は、無駄なく美しい組み方に腐心し、野地板と共に「現し」とすることで、天井仕上げの手間を省き、力強い木組み空間を目指しました。

外壁は白壁、軒は登り梁・野地板現し＋黒塗装、全体としてモノトーンを基調にシックにまとめ、アプローチのアクセントカラーで華やかさをを演出した。

屋根は、南向きの大きな「へ」の字切り妻で、燻し瓦を大きく掛け、「草深の家」同様、ガラス瓦によるスリット開口を採用、暗くなりがちな居室の中央部分を明るく採光しました。

内壁は漆喰、床・柱は桧、登り梁は尺寸の杉、建具は全て木製、白壁と木をバランスよく配置し、どこか懐かしい職人テイストの強い住まいに仕上がりました。

概要
所在地千葉県印西市
延床面積　287.36㎡
構造　木造軸組　２階建て
施工梶山工務店