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   「日常」に「ハレ」の空間を


 「この家は別荘だと思えばいいんだわ。」
住宅の完成も間近にせまったころ、あるクライアントの奥様にこう言われました。
一瞬、どういう意味なのだろうと思いましたが、奥様の表情は、特別な家で暮らすことをリアルなものとして受け入れ、心を動かされたのだと語っていました。
気に入って頂けた、設計がうまくいったのだ!と胸の中で小さくガッツポーズした瞬間でした。
建築家にわざわざ設計を依頼するということは、日常生活の機能の充足は勿論、何か「特別で贅沢な気分」が味わえる、いわば「ハレ」の空間を求めていることだと考えるのです。
奥様はこう続けました。
「私が求めていたのは、‘空間’だったのよ。」
このとてもピュアな言葉が、「設計を頼む」ということの真髄のように思われました。
毎日の生活のなかで、「感動」を身近に感じられる魅力的な空間を提供する、建築設計とはまさにそういうことではないでしょうか。




    土地の記憶の再構築


敷地は、ふたつの固有のコードをもっています。
ひとつは敷地の形状、高さ、前面道路、隣地状況などの物理的コードです。現代の法規に適合させ、敷地を最大限有効に利用しながらまとめていくことは、まさに設計の基本といえます。
敷地を考える上で、もうひとつ大切なコードがあります。
土地の歴史・風土や、周囲の環境・景観などの文化的コードです。
現代の設計は、敷地の形状さえ合致すれば、どこにでも建てられる手法が多く見受けられます。ときに風景と屹立させることで、新しい文脈を景観に生み出すことに成功しているものもありますが、ほとんどの場合、経済性優先で文化的サイドの考察は皆無です。
土地に足を運び、土地が語る言葉に耳を傾け、会話しながら、「ここにしかない」という答えを探っていきたいと考えています。




   建築の「社会的」耐用年数


一般的に「建築の耐用年数」というと「物理的」な意味を考えがちです。これに対応するためには、構造や、仕上げ、断熱方法など、日進月歩の技術に目を利かせ、また、古き知恵からも学ぶ姿勢が大切だと思います。
一方で、忘れてはならないのが「社会的」耐用年数なのです。多くの新築の建物は、建ったときにはそれなりにきれいに見えますが、10年もすると薄汚れた古い感じになり、まわりから取り残された雰囲気になって、愛着がもてなくなってしまうのが実情です。「社会的」存在価値が希薄になってしまうのです。
この一番大きな要因はデザインの問題です。
その土地に合った固有の景観を模索したり、住む人のライフスタイルを見つめ、個性を活かしたたたずまいを追求してこなかったために、ファサードは勿論のこと、平面のプランニングまでが、建った瞬間から古びてしまうように感じられるのです。
しかも、意匠や平面形には流行りすたりがあります。これに人が合わせてきたために、古さに加速度がつき、ますます寂しい建物になってしまったのです。
「時間とともに味わいがでる」素材を選択してこなかったことも一要因です。サイディングに代表される現代の一般材料は、物理的にはよく検討されていますが、何ともいえない薄っぺらな感じと、画一感は否めません。表面パターンにも流行があり、最新のものが「よりよいもの」であるような商業ベースの戦略が感じられます。
時を経ることで、美しい景観に育っていくような建築、少しづつ手を入れながら長く住み続けたい建物を作っていきたいと強く考えるのです。




       「和」+「モダン」


モダニズムの原点はコルビジェの「住宅は住むための機械である」という言葉に集約されています。
これはドイツのバウハウスの思想にも共通していますが、人間の生活行動様式を中心に考え、工業化社会の到来によって、機能的で快適な居住空間を、誰にでも安価に供給していこう、という概念です。この運動が現代の建築の基礎をつくりました。
モダニズムは数々の名作も生み出しましたが、特に日本では、経済第一、利潤ばかりが追求されたために、工業化による量産が、良質で低コストの住宅生産には結びつかず、凡庸で薄っぺらな家を増やし、まちの景観はどこも似たり寄ったりになりつつあります。また、建築家サイドもこの例に漏れず、均一化された、どこでもOKの家を作ってきてしまったように思えます。これは、日本固有の風土や文化を疎かにしてきたツケでもあります。
この弊害が顕著になった今こそ、「和」の概念を問い直し、地域に根ざした方法論に切り替える時期ではないでしょうか。
古くからの素材的なアプローチや、伝統的な工法の見直しなど構造的アプローチ、平面解析、空間構成の解釈などによる人文的アプローチなど、さまざまな方法を駆使して、「和」の美を追求しながら、「モダニズム」を実現していけたなら、と考えています。

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