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この国が戦争に突入した時から、根本的に何も変わっていないことが露呈されました。
更に、悪化して来た感があります。

戦時、国民の命は木の葉より軽かった。
今も、国民の命は、木の葉より軽く扱われています。

どうにも出来なかった自分、意識の低かった自分を猛省しています。

チェルノブイリ原発事故で強制退避地区になった死の街程の高濃度汚染地域に
日本では多くの人びとが、子供が住んでいます。

何とかしなければ、何とかしなければ。

音楽家とは何ですか?
藝術家とは何ですか?
先頭に立って社会悪と戦う者ではないのですか?
チャリティー演奏会だけして、自己満足して、へらへら笑っている場合じゃないでしょう。


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「藝術―過ぎ去りしものへのレクイエム」

人生、人間というものは悲哀に満ちている。
一人ひとり、一所懸命に生き、
悲しみや労苦を嘗めつくして、一人で死んでいく。
世界中至る所にある人間の尊厳など消し飛んでしまうほどの悲惨。
生まれてくることが果たして幸福なのだろうか。

このような思いに打ちひしがれていたある日、
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の第13番を聴いていて、
突然、直観した、
この世にはこんなにも素晴らしいものがある、
この事実だけで人間は生まれてくることに意義があるのだ、と。

* * * * * * *

時間内に生きるもの全ては過ぎ去る。
人、物、出来事、全ては別離の連続である。
子供は目覚ましく成長する。
一歳のその子供、二歳のその子供とは再び会うことは出来ない。
誰も、過去の自分に戻ることは決して出来ない。

人は老い、景色は変わり、世界が変わる。
しかし何故それがこんなにも哀しいのか。
人間はどこかで永遠なるものを求め続けているのだろうか。

永続を許されない、
存在自体の悲哀を一身に受け止める者、
受け止めることのできる者、
それが藝術家。

全てが過ぎ去る世界に在って
永遠なるものへの予感を開示するもの、
過ぎ去りしものへの鎮魂歌(レクイエム)、
それが藝術。

そしてそれは全てのものへの
愛。
じょう