スチームパンクAFF

柔軟性あるアドバンストファイティングファンタジー(AFF)のルールを基に、 スチームパンクの世界を遊べるようにする追加ルールです。 ただしここでは便宜上ディレクターをゲームマスター(GM)と呼びます。

■目次

能力値

テンプレート

特殊技能

持ち物

ダメージ表

ゲーム展開

評価基準

背景世界

発明家

■能力値

技術点、体力点、運点はAFFと同じように決定します。

■テンプレート

スチームパンクAFFには職業の概念があります。 参加者は、職業テンプレートを選んで、それに沿った性格、技能を決めてもらいます。 同じ職業が重複してはいけません。職業にはキャラクターの性別を限定するものがあります。 基本的には19世紀末のヴィクトリア朝ロンドンをベースにしているので、 この時代で活躍できる職業を選んだ結果です。
ＧＭはカード等を用意して、プレイヤーの使用する職業を無作為に決定しても面白いでしょう。

かつては勇猛で名をはせた海の男ですが、年齢を感じて今は陸でなんらかの仕事をしています（レストランなど）。 ですが、行動力はいまだ衰えていません。
※［泳ぎ］［海の知識］（←特別な技能です）をとらなくてはなりません。

女王陛下の軍である程度の地位にいましたが、クリミヤ戦争が終結したときに一線を退きました。 国から支給される退役軍人への保証金で生活をしています。プライドは相当高いでしょう。
※［拳銃］［格闘術］［戦略］をとらなくてはなりません。

身一本で財を成した誇り高い女性です。プリマドンナと呼ばれお客も上流階級の紳士や高官などが多いのでロンドンの裏に通じています。 時代劇などに登場するきっぷのよい姉御肌の女性をイメージしてください。 客をとるシーンはないことをＧＭが約束しましょう。
※［イーストエンドの知識］［誘惑］をとらなくてはなりません。

ＰＣもしくはＮＰＣに主人を設定しなければなりません。 そそっかしい主をしっかりサポートするのが役目です。 「バットマン」や「ヘルシング」に登場する万能タイプの執事をイメージしてください。 「黒後家蜘蛛の会」のヘンリーのように推理の冴えを見せる給仕というのもよいでしょう。
※［礼儀作法］をとらなくてはなりません。

推理よりも行動派の探偵です。この時代、ロンドンには有名な探偵がベーカー街にいるので、 あなたの知名度はもうひとつです。
※［司法へのコネ］をとらなくてはなりません。

市内からロンドン大学に通う学生です。この大学は上流階級の師弟に限らず、試験で入学を決めていました。 学生は知識と紳士らしい振る舞いを学ぶと同時に、フットボールなどで荒々しさを研くこともしていました。

いつかは文豪ディケンズを夢見る無名のライターです。 絵入りニュースに載せるゴシップ記事を執筆したりして糊口をしのいでいます。 他のテンプレートの職業と比べて、やや貧乏です。

■特殊技能

AFFのルールにのっとって、下記の特殊技能リストから技能を選択します。 AFFと異なる技能についてのみ説明があります。

［格闘術］　素手で戦う術です。ボクシングが基本で、押え込みなどにも用います。

［ステッキ］　男性のみ。この時代紳士がステッキを持っているのは一般的でした。

［拳銃］　探偵か退役軍人しか持つ事ができません。護身以外の理由で銃を撃つのは困ったことになります。

［剛力］＋１の追加ダメージは拳銃のダメージには追加されません。

［泳ぎ］

［回避］

［登坂］

［軽業］

［自転車の操縦］　この時代、自転車は普及を始めた頃です。技能がなければ乗ることはできません。

［ローラースケート］　この時代流行ったローラースケートを使えるようになる技能です。

［隠蔽］

［開錠］　大学生、退役軍人など育ちのよい者は習得することができません。

［感知］

［忍び歩き］

［手技］

［変装］

［聞き耳］

［機械］　手際よく機械を扱うことができます。簡単な修理も可能ですが、限界があります。

［口先］

［言語］　外国人がなだれ込む街ロンドンでは使う機会も多いでしょう。

［礼儀作法］　社交界で振る舞う術です。

［取引］

［法律］

［治療］　この世界に回復の呪文はありません。医術の知識もかねています。

［ウエストエンドの知識］　中流〜上流の者が住むウェストエンド界隈の知識です。

［イーストエンドの知識］　育ちのよい者は決して知らないロンドンの裏世界の知識です。

［誘惑］　異性を魅了する術です。個性を持たない登場キャラクターに対してのみ有効です。

［科学の知識］　科学全般の知識に通じています。十九世紀末レベルの常識です。

［神秘の知識］　伝承や神秘学についての知識です。

［司法へのコネ］　警察などにある程度の顔が利きます。

その他・・・料理、釣り、絵など。ＧＭの許可があれば技能にできます。

■持ち物

技能のあるなしにかかわらず男性はステッキを所持していてかまいません。 ［銃］技能があれば拳銃を。 服装はその職業での典型的な衣装を持っています。

所持金は思い切って考えないようにします。
中流階級であるヒーロー達は、贅沢をしなければなんとか生活していけます。 浮浪者に渡すお駄賃や、馬車に乗るお金程度のものは常に持っていることにします。 そのため富ではなく冒険そのもののスリルが彼らを駆り立てるのです。

背負い袋はありません。怪しまれずに街を歩くにはあまり物を持たないようにしましょう。

■ダメージ表

■ゲーム展開

血沸き肉踊るファンタジー世界と違って、霧にうごめくスチームパンクの世界は勝手が違います。 GMもプレイヤーもその点に注意しましょう。 地下迷宮にもぐって戦いの連続といったことはないはずなので、戦士が３人に盗賊が最低１人は必要・・・ といった常識は忘れましょう。たちどころに傷を癒す呪文もないので、いつもよりスリリングな展開が待っているはずです。

プレイヤーは普通ロンドンに精通していません。行ける場所は常に提示しましょう。 大英図書館で調べる。王立科学協会で誰かに聞く。ニューゲート監獄で囚人に会うなどなど。 「シュルメス、君は探偵としてスコットランドヤードにコネがある。場合によっては情報も教えてもらえるかもね」といった感じです。

キャンペーンは毎回ダイナミックな話にしましょう。 スチームパンクはそう何回もできないでしょう。 誰でも知っている著名な小説にからむ話でもよし、歴史を変えてもよし。 大いに盛り上がりましょう。

■評価基準

ゲーム中、行動の評価基準がわからないと、 ヒーローたちを操るプレイヤーはどのような選択をしたらよいのかわからず、 途方に暮れることでしょう。 ヒロイック・ファンタジーの世界では、悪の魔法使いや財宝探しとすることもわかりやすいですが、 陰謀渦巻く十九世紀ロンドンではどうすればよいでしょうか。

簡単です。 AFFは「あなたと友達でファンタジー映画を撮る」がコンセプトでした。 基本的にはスチームパンクAFFも同じです。 選択に迷ったら「ハリウッド映画のようなテイスト」 でドラマを進めるようにプレイヤーたちに伝えてください。

映画にもいろいろありますが、 ハリウッド映画では、 主人公たちは波瀾万丈の冒険に進んで飛び込み、 さまざまな出会いのすえ事件を解決します。 悪い奴は滅び、悲劇はハッピーエンドで幕を閉じます。 これこそスチームパンクAFFにふさわしい結末です。