ヒーローたちは、ひとりの発明家と知り合いであることにします。
発明家はレギュラーの登場人物であり、
十九世紀末の技術レベルを超えた発明品を作ってくれる貴重な存在です。
その発明品は、姿の見えなくなる薬、強化ステッキ、ジェット式ローラースケートなど携帯用のものから、
月まで行く弾丸列車や地底戦車など多岐に渡ります。
これらの発明品はGMがあらかじめ用意しておきます。
シナリオの都合やバランスで新たに増えたり、すでにある発明品が調整中という理由で使えなくなったりします。
このように発明品は普通の品物とは扱いが違いますので、
カードに名前と効果を書いておくとよいでしょう。
携帯用の発明品はその重さや、あまり持ちすぎるとみっともないなどの理由で、
ヒーローはひとり二つまでしか持てません(持とうとしません)。
ヒーローは経験点1点を費やすことで、希望する発明品を作ってもらうことができます。
手順は次のようになります。
・まず希望を発明家に述べます
・経験点を消費します
・適当な時間をおいたら発明品が完成します
便利すぎる道具には制限がつきます。持ち運びできない重さや、回数制限が適切です。
できた発明品が気に入らなくても経験点は戻ってきません。
貴重な経験点を消費するので、あらかじめどんな制限になるのか教えておいてもよいでしょう。
例)
ヒロイン“姉さん”(あねさん)はいい男を釣り上げるために、人をキャッチできる釣竿が欲しいと希望します。
登場人物を手当たり次第に釣り上げられたらゲームが崩壊すると考えたGMは、
発明家ハンソンの口を借りて「で、でも姉さん、この大きさで作るとなると動力の関係で一日に数回しか使えませんよ」
と忠告します。姉さんの答えは「いいからさっさとおし!」でした。姉さんに経験点を消費してもらい、
ハンソンは“人間釣竿キャッチマン”(技術点ロールに成功すると100m先の人間を捕まえられる。一回の冒険で三回まで使用可)を作ります。
発明品のサンプルを紹介します。 そのまま使ってもよいし、これを参考に作ってみてもよいでしょう。
名称 | 効果 | 種類 |
---|---|---|
仕込みステッキ | 取っ手のボタンを押すと三回だけ高圧蒸気の固まりを発射できる。射撃攻撃につかうなら[ステッキ]で射撃判定をする。当たれば1D6のダメージを与える。 | 携帯用 |
ハンド付きワイヤー発射装置 | 見た目はただの筒。底のボタンを押すと丈夫なワイヤーが射出される。 ワイヤーの先にはマジックハンドがついていて当たったものを掴む。 | 携帯用 |
隠れアンブレラ | 普通のこうもり傘としても使える。ボタンを押すと周囲に溶け込む保護色薬が染み出してくる。 傘をかざしてじっとしている限りは、その方向からは見えない。 | 携帯用 |
カラクリ小手(右腕) | これをつけている間は「拳・大型」になる。ファンブルすると壊れる。 また、戦闘中に一度だけ発射できる。もちろん発射後は「拳・中型」になる。 | 携帯用 |
開錠バイブル | 見た目は聖書。開くと何本かの棒が突き出している。これを鍵穴に差し込むと、錠前を15分で開けることができる。 | 携帯用 |
弾丸型宇宙船 | 宇宙空間を飛行できる四人乗り宇宙船。全長5m、直径3m。 下部は倉庫のようになっていて他の乗り物を格納することもできる。 有線ケーブル(10kmまで)のリモコンで遠隔操作もできる。 行って帰ってくるぶんの燃料しか一度に積めない。 | 乗用 |
マニピュレータ | 狭いところで細かい作業を行うための人形を操作する小部屋です。 小型馬車の客室ほどの大きさ箱の中に、座席と多数のコードに接続された帽子が用意されています。 これを被って使用します。箱からは有線が伸びていてで小型の人形につながっています。 使用者はこの人形を実際自分が動くように操作することができます。 人形が掴んだものはその感触そのままに、使用者へとフィードバックされます。 この100%のフィードバックを実現したために、副作用として、 人形が受けたダメージはそのまま使用者サイズの痛みとして受けてしまいます。 | 乗用 |
激しい戦闘などで発明品が壊れた場合は、経験点を1点払って修理してもらうことができます。 GMに都合の悪い品などはそうはいきませんが。発明家はもともと修理するよりも、 新しい発明品を作りたがるものなのです。