E-106

「すみだ第九」プラスアルファ



荒 川  滋


2016年3月19日


 


 2016
228日、「歌おう第九 伝えよう感動」をテーマに、「32nd国技館すみだ5000人第九」が行われました。かつて、セカンドテナーに在籍された今は亡き大靏さんと初めて参加したのをきっかけに、今回で続けて13回目の参加です。

 前日のリハ、当日の本番の合間に、いつものように「ぶらり歩き」をしてみました。


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 225日(木)
国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑(千代田区) 関連サイト
 4ヶ月ぶりに千鳥ヶ淵へ。静寂の中、今も南洋に眠るであろう従兄と義父へ白・黄菊を献花。

青山霊園(港区) 関連サイト
 こちらも10月以来の青山霊園で髙田三郎先生、髙木兼寛先生・先賢お二人のお墓参り。 

◎知人と歓談(千葉県我孫子市)
 いつもは都内で会う二人、今回は執筆に多忙な知人を夜、千葉県へ訪ね時事放談。


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 226日(金)
原爆の図 丸木美術館(埼玉県東松山市) 関連サイト
 丸木位里・俊夫妻による「丸木美術館」を1年ぶりに再訪。この「原爆の図」は、敗戦後の1950年~1953年にかけて、その一部がヨシダ・ヨシエ氏等による国内での巡回展があり、百万人に近い人々が参観。西日本巡回展として、19533月に宮崎県内でも宮崎・都城・日南で開催され、参観者は宮崎市20,000人、日南市15,000人、都城市1,700人とのこと。

箭弓(やきゅう)稲荷神社(埼玉県東松山市) 関連サイト
 優勝には程遠いが、プロ野球ひいきのセ・パ2チームの必勝を祈願して、野球ならぬ「箭弓稲荷神社」へ参拝。 

わだつみのこえ記念館(文京区) 関連サイト

 なげけるか いかれるか はた もだせるか きけ はてしなき わだつみのこえを

 194310月、徴兵猶予制度を解き文系学生を在学のまま徴兵した、いわゆる「学徒出陣」で、還らなかった若者たちの遺言集。私も約半世紀も前に読み、映画も観た「きけ わだつみのこえ」。
 将来にわたって平和への営みを続ける現在、あの時代の再来を危惧する。

東京大空襲・戦災資料センター(江東区) 関連サイト
 戦争の惨禍を風化させず、次代に伝えるとともに、学びあう場として活動しているこの施設。今回訪問の収穫として、
 些少ながら初めてセンター維持の年会費を納めることが出来た。館長・早乙女勝元氏ほか40名の戦争体験「語りつごう あの日 あの頃」(20159月初版発行)をいただく。

◎埼玉の男声合唱グループと交流(中央区) 関連サイト
 恒例になった、埼玉で活躍中の4団体「男声合唱プロジェクトYARO」のみなさんと6名での音楽談義。今年の会場は、大間まぐろの高値入札で名の通った、築地の㈱喜代村「すしざんまい 奥の院」。埼玉&宮崎の合唱界の情報交換に時間の経つのも忘れる。


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 227日(土)
恐竜公園(江戸川区) 関連サイト
 中国残留孤児帰国者の子供たちは、日本語が不自由なため授業について行くのが困難で、学校では差別やイジメを受けていたと聞く。彼らは寂しさを紛らすため、夜ごとここ恐竜公園に集まった。当初は暴走族まがいのグループが、やがては総勢数百人の「怒羅権(ドラゴン)」を組織し、暴力団も恐れる関東一の集団と化した。
 怒羅権とは、「日本人に対する怒り、団結、権利」を表す。先日、NHK-TVで当時の中心メンバーが、服役を経た過去を公園の現場で振り返るシーンを観る。今は「こども公園」として管理されている。

◎すみだ第九国内交流委員会(墨田区)
 国技館内の審判部屋で開催の「すみだ第九国内交流委員会」に参加。交流紙「パスカル」を通じて、各地からの参加者百数十名と情報を交換。その後、第九のリハ。

◎岩手の男声合唱グループと交流(墨田区)
 今年も第九に参加した岩手のグループに招かれて、18時から14名、両国「花の舞」で歓談。来年7月、青森の八戸で開催の「じゃむか八戸」に話が弾む。
 じゃむか八戸(青森県八戸市) 関連サイト  


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 228日(日)
国技館すみだ第九を歌う会本番(墨田区) 関連サイト

 指揮:松尾葉子、S:小林沙羅、A:増田弥生、T:山本耕平、B:福島明也
 合唱指揮:栗山文昭、北川博夫
 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

 増田さんと福島さんは、かつて宮崎県で開催された時の第九に来演あり。今回は外国からの合唱参加者は20名。
 第一部として、すみだ少年少女合唱団・カルメン合唱団、管弦楽 トリフォニーホール・ジュニアオーケストラによる歌劇「カルメン」があり、「ハバネラ」のソロを菅有実子さんが聴かせた。

在京穆佐(むかさ)と交流(墨田区) 関連サイト
 終演後、今年も会場へ聴きに来てくれた穆佐会のメンバーと6名で両国の「日本海」で交流。ふるさと懐かしメンバーと話は尽きない。在京穆佐会とは、関東地区における宮崎県高岡町穆佐地区出身者の親睦会。


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 229日(月)
宮澤賢治旧居跡(文京区)  関連サイト
 かつて、岩手県の男声合唱団「コールM」の定期演奏会を聴きに盛岡へ行った折、花巻市に宮澤賢治の生家を訪ね賢治の甥にあたる宮澤和樹氏(林風舎代表)と会った際に聞いた話で、「賢治がある時期東京に住んでいた」とのことを思い出し、本郷三丁目を歩く。急な坂のある街を歩き回り旧家跡を確認。

山田洋次ミュージアム(葛飾区) 関連サイト
 「身につまされるような作品」、「他人事ではないような作品」を制作の基本に置き、最近では「母と暮せば」や「家族はつらいよ」などの作品を世に送り出している監督・山田洋次氏の世界を再確認するため1年ぶりに再訪。

寅さん記念館(葛飾区) 関連サイト
 柴又は寅さん一色、帝釈天に通じる参道の街角や石垣の間から、ひょいと例の姿が現れそうである。折から麗らかな春の日差しを浴びて、江戸川沿いの堤防に暫し憩う。

障害者雇用施設「柴又まちの駅 ファンタジア」(葛飾区) 関連サイト
 昼食は「ファンタジア」。受付・配膳などに手際よく生き生きと従事する障害のある人たち。マスターに施設の運営状況などを聞く。


 合唱を通じて、北海道や沖縄など各地の最近の状況を知り、自分の来し方を振り返るひとときはとても有難いことです。お互いに健康に留意し来年の再会を約して、おかげさまで天候にも恵まれた5日間を過ごしました。

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 【管理人よりひとこと】
 荒川滋さんは、宮崎県の「フルトン男声合唱団」に所属しながら、全国いたるところに出向くほど合唱を楽しんでおられます。2005年2月、男声合唱プロジェクトYARO会が埼玉で開催した「多田武彦合唱講習会に宮崎から参加して頂いたときから交流が始まりました。その後、2010年11月、第1回全日本男声合唱フェスティバルが宮崎で開かれた際には、YARO会から関根盛純さんと私(加藤良一)の二人がフルトンメンバーとして潜り込んで出演させて頂きました。そんなお付き合いの中から、荒川さんが毎年「すみだ第九」を歌いに来る機会に仲間を呼んで一献傾けるのが恒例となっています。




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