観劇記録のページ
宙組 TAKARAZUKA 1000days劇場公演
「望郷は海を越えて」/
「ミレニアム・チャレンジャー!」
望郷は海を越えて | 谷 正純 作・演出 |
ミレニアム・チャレンジャー! | 石田 昌也 作・演出 |
観劇日 | 2000年11月19日 |
観劇時刻 | 午後3時30分の部 |
観劇場所 | 32列中央(C席) |
芝居の方は、谷作品だけに、例のごとく脚本に修正を加えて東京に持ってきた。
大劇場では、殺された3人の遺体を足下に、トップコンビがとラブラブ芝居を展開しするという、とんでもないもの。この場面を見て、谷氏の常識をかなり疑ったものだ。
今回、修正が入ったのもこの場面。さすがに大劇場での不評がこたえたか……。
海人が隆邑に、殺された3人を日本の土に葬ってやってほしいと頼む。隆邑は、海人の頼み通り、家臣に3人の遺体を手厚く葬ってやれと命じて引き揚げていく。そして家臣たちが遺体に駆け寄り、丁寧にかつぎ上げていく。
これで、ラストシーンに暖かみが加わった。そして、運ばれていく遺体に語りかける海人と由布姫の言葉には、大劇場版と違って、何か迫るものを感じさせてくれた。
恐るべし、谷マジック。僕まで不覚にも泣かされてしまった。
ただ、泣かされたからいいというものでもない。むしろ、泣いてしまったことに悔しさを感じたほどだ(笑)。うまく谷氏にハメられたという悔しさを。
しかし、素直に認めよう。今回は負けましたと(なぜ谷氏と勝負している(^^;)。
ということで、この1000days版は、大劇場版よりは少し高い評価をしたいと思っている。「大駄作」が「普通の駄作」になった程度ではあるが(笑)。
しかし、大劇場公演は谷氏にとって何なのか。いつも、脚本に大幅な修正を加えて東京に来て、大劇場よりはマシな舞台を見せる。
雪組の「バッカスと呼ばれた男」の時もそうだった。東京に来て、場面追加で物語の背景や人間関係がわかりやすい脚本になっていた。
まさかと思うが、大劇場公演を、東京で上演するための試演の場と思っていないだろうか……。最近の谷作品の傾向を見ていると、そう思えてくるものがあるのだが。
新専科制度に伴う役替わりも印象的だった。
「望郷は海を越えて」での彩輝直の蔵人。大劇場の湖月わたるを意識せずに、独自の役作りをしていたのには好感が持てる。かなり耽美な雰囲気の漂う蔵人だが、これはこれでいい雰囲気があった。
「ミレニアム・チャレンジャー」での、湖月わたるの位置に樹里咲穂が。こちらにも、見る者を圧倒させる雰囲気があって、非常によかった。
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