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宙組 宝塚大劇場公演
「望郷は海を越えて」/
「ミレニアム・チャレンジャー!」
「ミレニアム・チャレンジャー」編
観劇日 | 2000年9月15日 |
観劇時刻 | 午前11時の部 |
観劇場所 | 2階17列下手端(B席) |
ミレニアム・チャレンジャー!
石田 昌也 作・演出
今回はかなり石田氏のことを見直した。
石田氏でこのタイトルだから、「スナイパー」(1989年花組)の二の舞を予想していたが、そんなことはなかった。実際に観劇してみると、あの作品の演出家とは思えぬ好場面の連続、相も変わらぬ谷芝居でゲンナリしていた気分を立ち直らせてくれた。
自ら「宝塚の異端児」を名乗る石田氏。それだけにアクが強く、とんでもない場面を作ってしまうことが多い。「スナイパー」などはその典型。しかし、今回はそのアクの強さがいい方に作用している。観客を引きつける鮮烈さが感じられる場面が多く、見応えがあった。例えば「大漁ソーラン節」。法被姿の生徒が、ロック調のソーラン節で踊る場面など、石田氏だからこそ見せられる場面。演出家自身の個性をうまく舞台に出せていて、好感が持てた。
また、外部招聘の振付師も起用し、新鮮味を持たせているのも非常によかった。SAM氏振付による「辰の刻」は気に入った。宝塚とヒップホップは相容れないように思えるのだが、実際に見てみると、それほど違和感が感じられない。むしろ新鮮さを楽しめたほどだ。もちろん、脚本や振付だけでなく、十二支ダンサーたちも非常によかった。
妙な制服やコスプレが登場しなかったのも嬉しい。石田氏の作品で心配な点の一つが制服とかコスプレの悪趣味衣装の多さ。特に娘役の衣装に関しては、石田氏の趣味を垣間見ているようで、同じ男として非常に気恥ずかしくなることが時々あるのだが、今回はそれもなくて安心してみられた。
和央ようかのトップもいい出来だった。
今回のトップ就任には色々な経緯があったらしい。別の生徒をトップにすることも検討され、その末にやはり和央ようかでという展開。だが、この選択は間違っていなかったと思う。
今回の舞台で和央ようかに感じていたのが、舞台を引っ張る力。何気に、この力がしっかりしている。頼もしさがあった。十分期待できるトップだと思う。
テーマ曲に「ミレニアム・チャレンジャー WAO WAO」などというベタネタがあって、少し脱力した点もあったが(笑)、全体的には満足度の高いショーだった。時間と体調の都合で、大劇場では1回しか観劇できなかったが、1000daysではもう少し見てみたいと思っている。
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