<TERA−Cafe>
7寸の「大黒柱」の祭壇
厳かな雰囲気の納骨堂
本施設は、酒々井町の古刹「妙楽寺」の「客殿」の建て替え計画です。
旧客殿は、明治期に古民家を移築したもので、近年著しく老朽化が進み、使い勝手・機能とも、客殿として十分とは言えない状況になっていました。そこに東日本大震災が起こり、大黒柱が若干傾いて構造的にもかなり危険な状態となり、利用者の安全を確保するためにも、一日も早い建て替えが望まれました。
靴のままで利用でき、法要だけでなく様々な集まりやイベント等にも対応できる空間、古い建物のイメージを継承しながらも、誰でも気軽に利用できる、カフェ的なスペース
旧客殿のイメージを継承し、古民家の「田の字」プランを現代的に解釈、使いやすく密度の濃いプランニングを目指しました。
西側半分を開放系空間に設定、ホールとエントランスを一つにまとめ、6枚引込みの可動間仕切りで、いろいろな場面に対応できるように心掛けました。
ホール祭壇は、旧客殿の大黒柱をモチーフに、7寸角の柱2本で支え、祈りの象徴としました。
残りの東側半分は閉鎖系空間とし、寺務所、納骨堂、便所、収納等をコンパクトに配しました。
木部はすべて黒塗装でまとめ、壁は漆喰、床はメンテナンスを考慮し白いビニルタイルとし、白と黒を印象的に配置しました。
軒は前面に1間分張り出し、お寺の軒の出をイメージさせ、パッシブソーラー的機能を加味しました。また、野地板に28mmの構造用合板を使うことで、天井仕上げの手間を省き、力強い木組み空間を表現しました。外壁は、南北面は漆喰塗り、湿気が多く直射光の強い東西面は、対候性の強い窯業系サイディングとし、メリハリを持たせました。また、屋根は遮熱ガルバリウム鋼板仕上げ、軒は野地板現し黒塗装、ポーチ土間は白タイルでまとめ、全体としてモノトーンを基調に、素材本来の色彩でシックにまとめました。
外観 外壁は漆喰と窯業系サイディング、軒は梁・野地板表し
旧客殿外観 旧客殿内部座敷
エントランスよりホールを見る。力強い梁組み
ホールよりエントランスを望む。大きなワンルーム空間
間仕切りで空間が分節する
アプローチ 深い軒の出