
全景 建物越しに山田湾を見る

外観詳細 外壁は海をテーマにした
マリンホワイトと打放しでまとめた
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プロムナード内観
鯨の実物大の模型が泳ぐ
戦前より捕鯨基地として栄えてきた山田町が、国際的な捕鯨禁止にともない、その歴史・文化を後世に伝えるべく当館は計画されました。
敷地は山田湾に面し、後ろに森を控えた、広大な土地です。
周囲の美しい環境に映え、海の町「山田」のシンボル的な存在となるよう計画を進めました。
構成は、円筒形大空間「海中プロムナード」を中心に、エントランス、常設展示室、シアター、事務室、収蔵庫などを、動線に配慮し、機能的に外周部に配置しています。
「海中プロムナード」は、海底をゆっくり潜って行くイメージを、螺旋スロープの動線とすることで表現しています。
直径25m、高さ22mの巨大な吹抜け空間は、実物大(全長18m)の鯨模型が泳ぎ、グラデーションのかかったマリンブルーで彩色され、ダイナミックに三陸の海を体現しています。
球体のドーム屋根は、中心にシリンダーをもつテンションワイヤー構造で支えられ、柱のない大空間が実現しました。さらにシリンダー上部はトップライトになっていて、深海に光が注ぎ込むような幻想的な空間を演出しています。
常設展示室は、螺旋スロープの動線に絡むように配され、山田で捕れた鯨の骨格標本が展示されています。
外壁は、海をテーマにしたマリンホワイト色の吹付けと、打放しでリズムをつくり、屋根は軽やかにシルバーの金属板葺きとし、鯨の骨格をイメージした避雷針で頂部をまとめました。
私にとっては、初めての常駐監理の物件で、7ヶ月に及ぶ期間、生活の拠点を東京以外の場所に移し、現場に毎日通い詰めた経験は、その後の貴重な財産となりました。
概要
所在地 岩手県山田町
延床面積 1,937.11u
構造 RC造 一部S造 地上2階建
施工 山善・貫洞・陸中JV

常設展示室 鯨の骨格標本
が並ぶ

鯨をデザインした避雷針

航空撮影

<螺旋スロープのダイナミック・ドーム>

プロムナード上部より 螺旋状のスロープで
回遊する動線となっている