2世帯の和モダン
LDKを見る
開放的な吹抜空間
2階より吹抜を見る
引込障子でLDKと繋がる
表しの勾配天井で吹抜的な空間に
キッチンカウンターより見る
お爺様思いのご主人を中心に、奥様と3人のお子様とのこれからの拠点となる住宅です。既存家屋の老朽化、高齢のお爺様お一人の生活サポート、近所にお住いのご両親との将来的な同居も視野に入れ、2世帯住宅としての立替え計画となりました。
500坪超えの広大な敷地は、南側にのどかな田園風景を望み、東側は緑豊かな森林に囲まれた、昔から変わらないであろうのどかな風情を呈しています。既存家屋が間口8間×奥行4間と比較的大きかったのと、勾配が多く平地が限られた敷地条件より、ごく自然に既存の大きさを踏襲する形になりました。計画は、ご主人が考えられたプランをもとに、機能的・合理的に平面を整理し、環境に調和した美しい「和モダンの家」を目指しました。
構成は、房総民家の「田の字」プランを現代的に解釈したプランを心掛けました。「田の字」の南前面に、奥行1間分の縁側的な空間を設け、のどかな田園風景に向かって開放、夏涼しく冬暖かいパッシブソーラー的機能も加味しました。2世帯は玄関空間で連結し、プライバシーの確保を図ると共に、アプローチ機能の共用を計りました。
若い世帯の住居は、リビング吹抜けに面してキッチン・和室を配置、和室は間仕切りを総引き込みとすることで、一続きの開放的な空間になりました。また、和室上部を開放することで、建具を閉めても空気感が連続するように配慮しました。2階部分も、ファミリースペースを中心に、引込みの障子等で、各居室が有機的につながるように配慮し、リビング空間との一体感が味わえる構成にしました。水廻りは北西側にコンパクトにまとめ、キッチンとの連携に留意しました。
お爺様の住居は、1LDKタイプの使い易いプランに腐心、ダイニングコーナーを小屋裏表しの勾配天井にすることで、吹抜け的な解放感を演出し、暖かい空間を目指しました。寝室となる洋室は、間仕切りを総引き込みとし、普段はLDKと一続き空間として利用できるようにしました。家事動線に配慮し、キッチンの後部に水廻りをまとめました。
外部は、白壁に黒を印象的に配置、列柱でアクセントをつけ、シックで飽きのこないファサードにしました。内部は白壁と木をバランスよく配置し、モダンでありながらどこか懐かしい住まいに仕上がりました。
外観 モノトーンでシックにまとめた 奥行1間分の縁側的な空間