南側夜景 仏間の金色の空間が映える。
仏間 天井高3.5mある金色の大空間
「天守閣」に家紋の窓飾り(※1) ステンドグラスはご来光(※2)
宝珠の城
信心厚く、名車GTRをこよなく愛するご主人と、お洒落好きな奥様のために、ご自宅隣りに計画された、より充実した人生を送るためのセカンドハウスです。
敷地は高級別荘地にあり、基本的になだらかな斜面地で、地区協定によりフェンス等のない、芝生広がるゆったりした景観が広がっています。東南側前面には、別荘地の管理事務所を取り巻く美しい庭園、更に遥か遠くには太平洋を望む絶景が広がります。
「3台分の屋内駐車場、法事にも対応できる簡単なキッチンを併設した仏間、たくさんの衣装を収納するスペース」というかなり具体的なご要望と、ご主人が考えられたプランをもとに、機能的・合理的に平面を整理し、環境に調和した「優雅な住みか」を目指しました。
仏間については「向きを真東に合わせ、方形屋根に宝珠、軒の出は1mで板張り、外壁は黒で」という、リアリティある熱いメッセージを託されました。敷地には比較的余裕がありましたが、3台分の駐車スペースのボリュームと仏間スペースの向きを調整、ベストな配置になるよう尽力しました。
方位の関係で、宝珠を頂く仏間棟を30°角度を振り、駐車スペースの2階に据えた洋室にも宝珠を冠することで、さながら天守閣のある「宝珠の城」ともいえるダブル宝珠のダイナミックなプランニングとなりました。
外装については、宝珠の方形屋根は銅板葺き、軒を白木の板貼り、外壁は黒とダークグレーのガルバリウム鋼板でまとめ、シックで高級感あるファサードを目指しました。また「天守閣」には家紋をデザインした金の窓飾り(※1)を配し、あでやかな表情を加味しました。
※1 制作/アトリエそう
※2 制作/ステンドグラス工房陽華
概要
所在地 千葉県勝浦市
設計 青戸信雄建築研究所
施工 中村住宅
延床面積 134.42u
構造 木造軸組 2階建て
南側ファサード 仏間の振れがダイナミズムを生む
全景 「宝珠の城」ダブル宝珠の印象的な外観