散歩の途中で
誰もぼくらのためにうたわない ほとんど信じきった問いが 幾度となく繰りかえされ 青空はますます拡がってゆく ぼくらの足音は高く低く 拒まれるままに明日へ向けられ 約束のように歩調を合わせ 小鳥の声に立ち止まったりした 油絵のような風景は まぶしくキラキラ輝きながら やさしく語りかけようとしたが ぼくらは気づかぬふりをして歩いた 幸福や不幸よりも希薄な 静寂が見え隠れするほうへ