花の丘陵を越える風が

どこで風ぐるまを回そうと

あなたのひとみはいつも

ぼくの方向をさがしあてた


空がぼくらを指揮する

音楽は決していそがず

あなたの指さすほうには

あてないあこがれが残った


あの日ぼくらが語り合い

林の小道に残した問いは

いまはひっそりと実っているが


ぼくらの移り気に隠れてしまい

ふるさとはどこか遠くへ

追いやられたようだ

丘陵 1

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