丘陵 2
花吹雪のなかで見上げた空を 季節は風に乗って海をめざし のぞみはいつも薄い上等の羽根を 折りたたんでぼくらの胸にいた 絶え間のない笑い声は きみの心をたかく投げ上げ 陽は誘われるままにあふれ ぼくらの淡い影を映し出した 吹きそよぐ風のまどろみの底へ あの丘陵の日々は くりかえし奪われてゆくのに なぜきみは疲れた生活の部屋へ ヒラヒラと紛れ落ちるはなびらを ためらいもなく拾いつづけるのか