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平成25年（2013）11月28日、埼玉県合唱連盟顧問・元理事長小髙秀一先生が旅立たれました。川越市民聖苑におき、12月6日通夜、7日告別式がそれぞれ執り行われました。
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小髙先生は、埼玉大学教育学部音楽科を卒業し、教職に携わるかたわら、学生や一般合唱団の指導を長きにわたって続けてこられました。県立川越高校音楽部を全日本合唱コンクール全国大会・NHK合唱コンクール全国大会において銀賞に、混声合唱団川越牧声会を全日本合唱コンクール全国大会において銀賞に導く、という実績を残しています。
指導されていた合唱団のなかで唯一の男声合唱団であるイル・カンパニーレは、男声合唱プロジェクトYARO会でも中心的な存在となっています。そして2011年、YARO会メンバーからなるVive la Compagnieヴィヴ・ラ・コンパニーを全日本合唱コンクール関東大会（※）銀賞へと導くなど埼玉の男声合唱興隆に多大の貢献をされました。
 葬儀は、穏やかな冬の日差しのもと、多くの合唱や学校関係者が参列するなか、しめやかに執り行われました。先生は生前、冗談めかして、オレが死んだらオマエタチ歌を歌ってくれよなと漏らしておられました。YARO会メンバーからは小髙親分と慕われ、つねにメンバーの力を最大に引き出し良い演奏へ繋げるかに苦心されていました。ともすれば高い音が苦しくてファルセットで凌ごうとするときには
「逃げるナ！」 の一喝、まずはしっかり発声をしろとのお叱りでした。もちろん実声で出せても音楽的でない声はだめに決まっています。その兼ね合いが難しい。厳しさの中にも
「いいか、頑張れよ！」 と、どこか包み込むような優しさで鍛えて頂きました。
告別式では、先生を偲んで男声合唱曲、多田武彦作曲 『雨』、磯部俶作曲 『遥かな友に』 を歌いながらお別れを告げました。
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私が平成5年（1993）埼玉県合唱連盟理事に就任したまさにその年、小髙先生は田尻明規理事長のあとを引き継ぎ理事長に就任されました。
就任間もなくの正月、小髙先生は連盟理事をご自宅に集めて餅つき大会を催してくれました。その時はまだ現在の新しい住居になる前の古いものでしたが、広い庭でみんなでわいわいと餅をつき、出来たての餅を楽しんだものでした。
小髙先生は餅をいじるわれわれに 「お前ら、手洗ったかよ！」 といいながら上機嫌で世話をやいてくれました。
左端が小髙先生
2002年、埼玉県の男声合唱5団体で立ち上げた“男声合唱プロジェクトYARO会”のファーストコンサート、合同演奏曲、多田武彦作曲『富士山』の指揮は一も二もなく小髙先生にお願しました。
小髙先生にはまだまだ教えて頂きたいことがたくさんありましたが、これもやむを得ません。
亡くなる前日にご自宅にお見舞いに行ったとき、思いのほか安らかなお顔でおられたことがせめてもの慰めです。その時点で既になすすべもない状態でした。奥様とご家族は無理な延命処置などせず、静かに見守ると決めておられました。奥様はそのことが少々気がかりで、私がどう感じるか問いかけてこられました。私は自分自身が尊厳死
Living Will を望んでいることもあり、これで良いのです、何もご心配には及びませんとお伝えしたところ、涙を滲ませてご安心されたのが印象的でした。
小髙先生、安らかにお休みください。ありがとうございました。
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