% |
区別が付かなくても構わない(気にならない) |
きちんと区別が付く方法を考えた方が良い |
どちらとも言えない |
分からない |
平成22年度 |
14.7 |
76.6 |
5.1 |
3.6 |
平成12年度 |
15.2 |
70.8 |
7.0 |
7.0 |
<神戸>
% |
Kōbe |
Kobe |
Kôbe |
Koobe |
Koube |
Kohbe |
どちらとも言えない |
分からない |
平成22年度 |
56.9 |
10.8 |
8.0 |
1.5 |
11.6 |
3.3 |
2.4 |
5.4 |
平成12年度 |
40.1 |
14.2 |
18.8 |
2.0 |
9.6 |
2.3 |
2.9 |
10.1 |
<大阪>
% |
Ōsaka |
Osaka |
Ôsaka |
Oosaka |
Ohsaka |
どちらとも言えない |
分からない |
平成22年度 |
53.0 |
19.6 |
8.4 |
6.7 |
4.4 |
2.1 |
5.7 |
平成12年度 |
38.0 |
23.3 |
14.9 |
7.3 |
3.5 |
3.0 |
10.0 |
この結果からわかることは、のばす音の上にアクサン(アクセント符号)である「^」あるいは「 ̄」を乗せる書き方が好まれているということです。そもそもOnoやKatoにみられる混乱は、ヘボン式ローマ字では長音に対してとくに何もつけないところから生じた問題であり、よくも長い間放置してきたものだとあらためて思います。
そこで現在、国際日本語学会日本ローマ字会で提唱しているのが、長音を直前の母音字を重ね書きしてあらわすことです。たとえば、バレーボールは「bareebooru」となりますが、これはいかにも冗長な感じが拭えません、いかがでしょうか。また、今回の調査結果をみても、「Koobe」「Oosaka」の支持率は低いのです。日本ローマ字会では、文字の上に「^」や「 ̄」の記号をつけないので、インターネットや携帯メールで便利ではないかと強調していますが、なんとなくピンと来ない感じなんでしょうね。
日本ローマ字会の考え方は、ドイツ語で母音の上に「¨」を付けるウムラウトやエスツェット「ß」を廃止したドイツ語新正書法とも共通するものだと思います。
関連記事 「混乱するドイツ語新正書法」(K-17)
ドイツ語新正書法では、「ß」を「ss」に変更し、また、ウムラウトは母音の上の「¨」を取ってそのあとに「e」を付け加えることで代替してよいとされました。われわれのようにドイツ語のキーを自由に使えない者がワープロを打つときは楽になりました。
通常のアルファベット以外の特殊文字をわざわざ用意するのは経済的ではありません。
K-34
ローマ字表記の揺らぎ
加 藤 良 一 2011年9月27日