夜間(二部)を廃止する前にこうあるべき

夜間(二部)を設置している大学の学部や学科で募集停止が進行し、益々夜間の大学へ行く機会が狭まりつつあります。この募集停止の理由として、勤労学生の減少や受験生の減少
もしくは大学側の運営事情等で嘆いてるケースが目に付くのですが、これについて2点述べたい事があります。

(1)社会人入試の募集人数を増やすべき(なぜか、一般入試の受験者が減った事を廃止の理由の1つにしている)
そもそも、何十年も前から夜間の募集人数の多くは一般入試での合格者で、社会人入試の募集人数はかなり少ないのです。以下にも述べますが、これでは勤労学生が少ないのは
当たり前です。ましてや、夜間といえど、浪人して予備校通いをして受験をしている人も多いくらいなのです。つまり、社会人入試の募集人数を増やす事で勤労学生の割合を増す事が
出来るのです。
よく、勤労学生のための夜間の使命は終えたという事を聞きますが、これは勝手な解釈であり、裏を返せば、社会人をあまり受け入れていないのです。だからこそ、社会人入試の募集
人数が現状もかなり少ないのです。
今日まで夜間の多くの学生は昼間の受験に失敗した人が夜間も受験して入学をする事で、結果的に勤労学生の割合が少ないという事に繋がっているのです。しかし、夜間も多くの人
が受験をしていましたが、今後もさらに全体として受験年齢層の人口が減少する事で、大学全入時代と言われている中では夜間の受験者が減少するのは当然の事です。従って、受験
生が減少したから廃止というのは簡単すぎる決断に過ぎないのです。

当サイトに限りませんが、検索エンジン経由で「夜間」や「二部」というキーワードでのアクセスが少なくないですし、受験者からすればまだまだ夜間の大学の需要はあるにもかかわらず、
募集停止をしてしまうのです。
繰り返しますが、社会人入試の募集枠を増やせば良いのですし、また夜間の編入試験の募集枠も増やしたら良いのです。こうする事で少なくとも勤労学生の割合は増えますし、全体と
して夜間の受験生が減るどころか増えるのです。

(2)授業開始時間や必修科目の時間を変更すべき
多くの大学では平日の授業開始時間が「18時から」で、この「18時から」という時点で仕事を終えてからでは間に合わないために入学を断念されている方が少なくないのです。17時で
仕事を終える人は少ないにしましても、「18時から」では、たとえ、東京都内に在勤していて勤務先の近くの大学へ行くにしても無理なのです。他に大きな問題として、1時限(6時限という
場合もあります)に「必修科目」があればその時点で入学は諦めざるを得ないのです。

これらの事から、私自身も以前から夜間の大学へ行きたいと思いながらもやはり仕事の都合で入学を諦めていたのです。
そこで、もし、授業開始時間を30分遅らせた場合
1時限:18時30分〜20時00分
2時限:20時05分〜21時35分
という事になり、それ程遅くはないように思えます。
また、必修科目を2時限目だけにし、それだけでは足りない場合は土曜日に授業を組めば良いのです。
私自身、土曜日は必修科目はありませんが、土曜日の授業も履修していますし、土曜日の履修も社会人が大学へ行くには納得されるという感じで良いのではないでしょうか?昼間に
授業を受ける機会は本当に貴重です。私は勉強したい科目の都合上、2科目しか履修をしていないのですが、本当はもう少し履修科目を増やしたかったのです。
もっと言えば、土曜日は午前中から授業があっても良いのです。

夜間の募集停止で東京の主要大学だけでなく、東海地方や関西地方の主要な大学もほとんど廃止され、東京近郊に在住・在勤されている方はまだ恵まれているのかもしれませんが、
現状のままでは夜間の大学はあれど、入学出来ないというのが多数です。
最近増えている昼夜開講制のようなシステムは決して否定をするつもりはないのですが、これはほとんどの社会人学生には通えるメリットはほとんどないです。それよりも、社会人が入学し
やすいような入学制度をよく検討されるべきです。

今日も夜間の大学へ行きたいという相談があるのですが、現状では以下のような感じで終わってしまいます。
Aさん:「仕事をしながら夜間の大学へ通いたいのですが、私の住んでいる(勤務先)近くに(その大学が)ありますか?」
私(管理人):「Aさんが通える範囲内に(大学が)ありますし、距離的にも遠くはないですね」
Aさん:「その大学は授業開始時間は何時からですか?」
私:「その大学に限りませんが、多くの大学では平日は18時からです」
Aさん:「18時からでは仕事上間に合いません」

それから、もう1つ加えさせて頂きます。
(3)夜間は経済的困難な人にとってありがたい大学
夜間の場合、昼間に比べて学費が約半分の大学が多数で、これも夜間の大学の魅力でもあるのです。そのため、社会人にとっても負担が軽いですし、そして、現役受験生世代の人達に
とっても昼間にアルバイトをしながら大学へ行きたいという人も少なくないのです。




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