社会人入学や学士・編入学試験について

高校卒業から大学へ(社会人)入学する場合と、大学や短大卒業から再度大学や短大へ入学(学士入学・社会人学士入学・編入学)に分けて紹介します。

(1)高校卒業から大学・短大へ入学する(社会人入試)
主に夜間のある大学で実施されている事が多い制度で、多くの大学では書類選考や論文(小論文)・面接で合否が決まり、一般入試のための受験勉強の負担がない
事から比較的受験がしやすいです。
受験資格は大学の募集条件にもよりますが、概ね以下の3通りの募集の仕方があり、かつては下記の(a)や(b)が対象でした。

(a)来年卒業見込で就職が内定していること
(b)上記(b)に加え、高校成績の評定平均が3.5以上(B段階以上) ― この数値は一例ですが、過去にこの評定平均が条件の大学・学部もありました。
(c)社会人であること ― これは常勤の人や主婦の人が対象でアルバイトやパートは含まれない場合が多いです。
(d)一定の年齢に達している場合 ― この場合は社会人であるか否かを問われませんが、浪人生の受験が出来ないようにしているためか、年齢設定が、23歳以上
が大半です。
(e)一定の社会人経験がある場合

(2)大学・短大卒から大学へ学士入学・大学へ編入学する(通学)
 A.大学を卒業後、再度大学へ入学する
大学を卒業し、社会人になった後にも再度大学へ行きたいと思う方も少なくないと思います。また、短大を卒業後に社会人になり、大学へ行きたいという方も同様だと
思います。
この場合は高校卒業から大学への社会人入学とは異なるのですが、こちらでは大学を卒業後、もしくは短大を卒業後に夜間の大学へ行くという前提で記載をさせて
戴きます。
まず、大卒から大学へ入学する場合は学士入学や社会人学士入学、もしくは編入学等と言われるのですが、学士入学といった募集の形が多いです。逆に学士入学と
いう募集がなく、編入学という募集のみの大学もあります。
基本的にはこれらの違いは募集の名称が違うだけで編入学と同じ意味です。
そして、合格すれば3年次への編入となりますが、但し、単位認定の関係で、3年次への編入を希望しても2年次への編入の場合もあり、もしくは受験時に第2希望と称
して2年次の編入も希望した場合に2年次への編入となる大学もあります。
試験内容ですが、ここでは3年次編入を前提としまして、多くの大学では語学・専門科目・面接がありまして、大学によっては専門科目が1科目、ないしは2科目の場合
があります。
なお、夜間の大学によっては論文の内容は専門科目の出題とまではいかず、新聞やニュースで取り上げられる内容の場合があります。

 B.短大を卒業後、大学へ編入学する
短大から大学へ進学することを編入学と言いますが、大学によっては社会人編入学といった名称や募集の形があります。そして、合格後は上述と同じく3年次、もしく
は2年次の場合があります。
試験内容は学士入学とあまり変わりませんが、社会人編入学という募集をしている大学では試験の負担が軽い大学もあります。また、現在、短大へ在学されている
方に限られるのですが、大学から大学の編入にはない、短大から大学への編入には「指定校推薦」という制度(特権)がある短大があり、この場合、上述のような試験
はなく、書類選考や面接を実施し、大抵は合格します。
この「指定校推薦」を利用されるにはまずは在学されている短大にて選抜をされ、これに合格(認められた)人が受験出来るのです。そのためもあって合格の確立が
高いですし、逆に言えば、「指定校推薦」は「学内で選抜した学生」である事から余程でない限りは不合格になる事は極めて少ないのです。
但し、一つだけ注意点があります。それは「指定校推薦」で編入された以上、編入先の大学では「良好な成績を修めなければならない」と言われています。なぜなら、
「指定校である短大」と「編入先の大学」との間に「信頼関係がある」からです。
もし、成績不良であったり、留年した場合は編入元の短大は優秀な学生を推薦した事にならず、最悪の場合は「指定校推薦」の「取り消し」にもなりかねないのです。

※参考としまして、現在社会人で短大を通われている方、もしくは短大を卒業後、大学へ編入されるのために、別ページに例として法学部二部への編入を簡単ですが
作成しました。
短大から大学への編入について(法学部二部)

大学・短大、いずれも共通する事ですが、編入学の募集人数は欠員補充の意味合いがあるので、あまり多くはないのと、試験では英語が必須の場合は英語が出来
ないと合格可能性は低い、もしくは不合格になる場合があります。
なお、英語の試験レベルは希望される大学の一般入試レベル、もしくはそれ以上といわれ、対策としましては、独学で勉強をされる他、中央ゼミナール等の編入学向
けの予備校に通う方法があります。
また、これも短大へ在学されている方に限られるのですが、多くの短大では編入学対策(受験勉強)があります。これは併設されている大学への編入学希望に限らず、
他大学への編入学を希望されている場合でもこの対策を受けられますので、このような機会があるようでしたら参加をされる事をお勧めします。
なお、短大にもよるかもしれませんが、短大の一般教養の英語では編入学の対策にはなりません。

(3)高校・大学・短大卒から短大・大学へ入学・大学へ学士入学・大学へ編入学する(※通信制)  3/14:追加
いずれの最終学歴や入学方法であっても、原則として学力試験は課されず、書類選考が多数で、大学によっては面接試験があります。しかし、学力試験がなくても書
類選考として、出願書類に志望動機のような記述を要する大学もあり、重要視をしているといえますのでしっかりと記述をしないと不合格になる場合があります。例えば、
早稲田大学人間科学部eスクールではHP上で2007年度の入学試験の結果が公表されているのですが、各学科に限らず全員の合格はなく、1.24倍〜2倍の競争率でし
た。

(4)面接について
入学試験で面接がある場合、社会人の方でしたら相手が面接官であっても受け答えは大抵は出来るかと思いますが、いくつか注意点を挙げてみます。
面接の内容は事前に提出される願書や志望理由書・入学後の目的や目標(大学によって願書内に記述する場合と別途指定の用紙に記述する場合がある)等を元に
に質問をされます。
そこで、偽りなくかっこつける事なく正直に記述されないと質問された時にその回答がしっかりと出来ずにマイナスの評価になってしまうかもしれません。
例えば、「○○大学へ行きたいから、学部はどこでも良い、この学部はあまり勉強したくはないけど、この大学に行きたい」という気持ちを持ちながら願書を提出された
場合に学部の志望理由が明確でない場合は面接官に突っ込まれてしまうでしょう。
そのため、面接は面接が始まってからではなく、願書等を提出された時から始まっているといっても過言ではないでしょう。つまり、面接官は願書を受け取ったら事前に
目を通しているのです。
また、志望理由書はあまり少なく記述しますとかえって面接官が把握出来ない部分がある事で質問事項が増えてしまうかもしれませんので、特に面接に苦手意識が
ある方は出来るだけ多く記述された方が良いかもしれませんし、あるいは、志望理由書だけでは記述の量が足りない場合は面接の際にその分を表すと良いでしょう。
面接も合否の判断の上で重要な試験ですし、逆に、小論文等の筆記試験がうまくいかない場合でも面接で良い評価となれば挽回ができ、合格へと近づくのではないか
と思います。
他に質問されるものとして、「仕事を終えてから通う事が出来るのか?」、「学費の支払いは大丈夫か?(誰が支払うのか?)」、「これから当大学で勉強する事を今後
仕事にどのように生かすのか?」といった質問をされるかもしれません。
面接の中で「入学の動機や意思・目的」をどれだけうまく表現(主張)出来るかです。
例えば、面接官に質問をされてばかりのペースになってしまうと、そのままの状態で面接の終了時間になってしまいます。
質問をされた場合の回答は短めに終わる事なく、面接官に丁寧に説明をするといった感じにすれば必然的に長くなるのではないかと思います。


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