Novel 6
《最終決戦後@》
「戦いが終わっても、やるべきことは残っている、か。誰かさんにはどうも虫が好かないが、ま、確かに一理あるよな。」
ゼネテスが、戦いの後に獅子帝ネメアが残した言葉に触れる。
「それで、ゼネテスさんはこれからどうなさるんですか。」
「ん〜。ま、またしばらく一人で冒険でも続けるつもりだ。闇との戦いが終わったっつっても、まだあちこちに強力な怪物が残ってるらしいしな。」
エンシャント陥落時にシャリが召還した怪物は、全てが退治されないままに各地に散り、人々を襲っているらしい。闇の王女が召還した闇の巨人が各都市に残した傷跡も深い。戦いが終わっても、バイアシオン大陸が戦乱前の姿を取り戻すまでに時間がかかるだろう。
それでも、街道や都市で復興に取り組む人々の顔には、未来への希望が浮かんでいる。
ここロストールのギルド前の大通りも、闇の巨人が街道や家々に傷跡を残しているが、多くの人々が笑い、賑わい、活気に溢れている。
「そうですか。」
ゼネテスは、出会ったときから一人で冒険する姿しか目にしたことがない。時に冒険の途中で出会い、ともに旅をすることがあり、闇の王女やエルファスとの戦闘ではジルに力を貸してくれたが、それはやむをえず節を曲げた、というところかもしれない。
誰にも背を託すことなく生きてゆく理由を聞いてみたいような気がしながら、ジルは頷く。
「で、お前さん達はどうするんだ?」
「え・・・。」
ゼネテスが、ジルとその隣に立つレムオンを交互に眺める。冒険の合間に聞きたいと思いながら、結局、聞けずにいたことだった。これから、どうするつもりなのだろう。期待と不安が混じる気持ちで、ジルは傍らのレムオンに視線を送る。
「・・・すまないが、俺は人と会う約束がある。すぐに済むはずだが。」
レムオンの言葉に、ジルの胸がちくりと痛む。一体、誰に会うのか。そんな簡単な疑問を口に出せずにいる。
「へぇ。で、お前さんは?」
「え、と。実はさっきギルドで急な用事を頼まれて。何でも、ロストール街道沿いで失踪した人がいるらしいんです。それで、すぐに調査に向かってもらえないかって。それを引き受けようと思っているの。」
「そうか、ま、そういうことなら早い方がいいんだろうが。誰を連れて行くんだい?」
「猫屋敷に向かうと時間がかかってしまうから、一人で行こうと思って。」
「世界を救った勇者ジルに心配は無用だろうが、気をつけろよ。」
「そ、その呼び方は、本当にやめて下さいって何度も言っているじゃないですか〜。」
「いてて。」
むくれたジルがゼネテスを殴りつけるのに、ゼネテスが大げさに痛がってみせる。
「・・・ジル。」
「え?」
「自分を過信して、あまり無理をするな。・・・闇との戦いに勝って、ギルドの依頼で失敗したのではいい笑いものだからな。」
レムオンの言葉に、ゼネテスが片眉を上げる。
「素直じゃないねぇ。心配だ、くれぐれも危ないことはするなって言えばいいだろう。」
にやにやとからかうのに、レムオンが憤然と食って掛かる。
「それはお前の方だろう。昔、あの少女と一緒に冒険をしていた頃のお前は・・・。」
レムオンが言いかけて、自分の言葉に混乱したように黙り込む。ゼネテスの顔に、普段は見られない真剣な色が浮かぶ。
「・・・おいおい、何を言っているんだ。俺は誰かと冒険をしていたことなんてないぜ・・・。」
「・・・そうだな。俺らしくもない、どうかしていたようだ。」
「ま、いいさ。じゃ、俺は先に行くぜ。またな。」
あっさりと手を振って、ぶらぶらと立ち去るゼネテスを、二人で見送る。
「ジル。」
「はい?」
「用事が片付き次第、すぐに後を追う。・・・本当に気をつけるのだぞ。もし、お前に何かあったら、俺は・・・。いや、何でもない。」
彼らしい口調に微笑みながら、ジルが答える。
「貴方も・・・。じゃ、早く来てくださいね。」
大通りに立ち尽くすレムオンを何度か振り返りながら、ジルはロストールの門に向かって歩き始めた。
生い茂る草木を踏みしめるごとに、緑のにおいが鼻孔をくすぐる。新たな生命が萌え出る春を祝福するように、大空を飛び囀る小鳥たち。ロストールからリベンダムへと向かう街道は、まさに春爛漫といった様相を呈している。
世界は美しいと、ふと思う。
こんな世界は、滅びてしまえばいいと。
そう口にしたアトレイアを思い出して、悲しい気持ちになる。彼女の気持ちは、理解できる気がした。闇の島に向かう前日に見た夢の中で、消えてゆくレムオンを見ながら、彼女は同じことを思った。
起こらなかったもう一つの現実。
闇に堕ちたアトレイアに立ち向かうことになったエンシャントの廃城の大広間で、彼女はその言葉が正しいことを知った。レムオンを救うことができたのは、小さな運命の選択が偶然正しかったからに過ぎないのかもしれない。
「きゃっ。」
不意に草むらから飛び出した兎に驚いて、彼女は声を上げる。考えに沈むあまり、いつのまにか注意が疎かになっている。
「いけない、気を引き締めなきゃね・・・。」
呟きながら、周囲を見渡す。一人で冒険をするのは、これが初めてだ。考え始めると、少し不安になる。それを振り払うように頭を振ると、依頼の内容を頭に浮かべる。
失踪したのは、17歳になるパティという名の少女だという。ロストールとリベンダムのほぼ中間に位置する村の親戚を訪ねてロストールを後にしたが、一週間待っても親戚の元に辿り着いたという連絡がない。親戚が街道沿いを探したところ、彼女の荷物がセクレトという村近くの街道で見つかった。だが、本人と護衛の姿はない。心配した家族が、ギルドに捜索を願い出たということだった。
セクレト。ノーブルからそう遠くないため、その名を耳にしたことはある。月神セリューンを奉る小さな神殿がある村だ。月神セリューンは、ノトゥーンとアスラータが生んだ最後の神であり、善と悪の二面性を持つ神だ。月が善悪を問わず地上を映し出す鏡とされており、月を見れば世界の様子をうかがうことができると考えられているため、占い師や呪術師などに信仰されている。街道沿いを約一日歩いている。おそらく、あと半日足らずで村に辿り着くだろう。
その村に何が待ち受けているのかはわからないが、夜になるまで待って闇の中から様子を見るほうが得策かもしれない。時間をつぶそうと周囲を見渡したジルは、街道沿いの林の中に足を踏み入れた。
鬱蒼と茂る木々が光を遮り、まだ昼だというのに林の中は薄暗い。倒木に腰を下ろして、腰に下げた袋から乾燥した肉と木の実を取り出す。味気のない肉を噛みながら、ジルはちらりと火を起こそうかと考える。鳥や兎といった小動物の気配はいたるところで感じている。火を起こすことができれば、たっぷりと香草を利かせた美味しいシチューが作れるだろう。
その考えを、頭を振って追い払う。
何があるかはわからないが、あるいはセクレトに敵が待ち受けていることもありえる。誘拐や強盗は、ここバイアシオン大陸では決して珍しい話ではない。万が一を考えて注意を惹くことは避けた方がいい。密集した木の枝が煙を薄めるとはいえ、野営の火が街道から見つかる可能性もある。
「・・・?」
何かがうめくような声がして、ジルは素早く立ち上がると、腰の短剣を構える。モンスターか、あるいは敵だろうか?
そろそろと声がした方に進む。小高くなった山の中腹に、洞窟というにはあまりにも小さい窪みがあった。声はその中から聞こえてくるようだ。
モンスターではない。女性のようだ。あるいは、パティかもしれない。用心しながら、そろそろと奥に進む。
半ば倒れるように壁に寄りかかる少女の姿が目に入り、ジルはその傍らに駆け寄る。
「大丈夫?」
「・・あ・・・。」
ジルに向かって上げた顔は、土と血で汚れている。服もあちこちが破れ、ひどい有様だ。怪我をしているのだろうか。足首に巻かれた布に、赤黒い染みが広がっている。
「パティ?」
「・・・ええ。あなたは・・・?」
弱々しい言葉に返事をしながら、てきぱきと傷口を調べ、薬草を塗り手当をする。
「私はジル。ギルドの依頼であなたを救出に来たの。」
「・・・良かった。」
安心したように目を瞑るパティに、ジルは腰に下げた皮で作った水筒の水を布に浸し、パティの顔を拭いてやる。
「大丈夫?」
「・・・ありがとう。もう大丈夫。」
汚れを落としたパティは、短い髪の可愛らしい少女だ。水筒の水を口にすると、ようやく安心したように深い溜息をつく。
「何があったのか、話してもらえる?」
ジルが、パティの顔を覗き込みながら尋ねる。
「・・・私、護衛の方とロストールの街道沿いを旅していて。そうしたら、あの村の近くの街道で・・・。」
パティが、恐怖を思い出したように体を震わせる。その肩を優しく撫でて落ち着かせながら、パティが再び口を開くのを待つ。
「ぼろぼろの服を着た男の人が、助けを求めてきて・・・。あの村、セクレト村にはセリューン神を奉った神殿があるんだけど、その神官達が村の人達を無理やり神殿のために働かせているらしいの。・・・それでその人が逃げてきて。後を追ってきた神官と兵士が・・・。」
パティがそのまま口を閉じる。神殿内での強制労働と脱走者。その後の運命は想像に難くない。痛ましさに眉を寄せて、ジルは小さく罪無き死者の魂に祈りを捧げる。
「・・・わかったわ。それで、あなたと護衛はどうしたの?」
「それで、護衛の方は私を助けるためにあの人達と戦って・・・。わ、私、助けを呼ぼうと必死で逃げてきたの。で、でも途中で・・・獣に襲われて、護身用の剣があったから・・・。」
酷い足や服の状態から、どのような戦闘だったかは想像がつく。
「・・・よくがんばったわね。」
ジルの言葉に、パティがわっと泣き崩れる。肩を抱いて、しゃくりあげるパティの頭を軽く叩く。しばらくそうしていると、パティの嗚咽が細くなり、やがて消えていった。
一旦ロストールに戻るため、街道沿いの道を進む。兵士達が目撃者であるパティを探していることは想像に難くない。ジルは、街道のわきを平行して走る林道を選んだ。片足を引きずるパティを連れての旅は、遅々としてはかどらない。
パティの言葉が、ジルを焦りへと導いていた。
「・・・月神の降臨?」
「えぇ。何でも、神殿長は月神の杖という強い魔法の道具を持っていて。さらに強い魔力を得るために、月神を降臨させる儀式をしようとしているらしいんです。」
「それは、いつ?」
「はっきりとは。でも数日以内とか・・・。」
パティの言葉に眉を寄せる。何か嫌な予感がする。一度セクレトの村に行くべきかもしれない。だがパティをそのままにするわけにもいかなかった。
街道に人影を認めて、ジルがパティとともにさりげなく木立に身を隠す。よく見ようと目を凝らしたジルは、思わぬ幸運に目を疑った。
街道をのんびりと歩く、見覚えのある冒険者。エステルが誘拐されたことを教えてくれた冒険者だ。それ以前に、ドワーフ王国の酒場でデルガドに不用意な言葉をかけて殴られているのも目撃したことがある。うっかり者だが、それなりに名のとおった冒険者だったはずだ。
パティを連れて、ジルは街道へと姿を現す。
「おっ!?ああ、あんた!ジル!!」
うっかり者の冒険者が、親しげに挨拶をする。
「こんにちは。急で申し訳ないんだけど、彼女をロストールまで護衛してもらえないかしら。」
これまでの出来事をかいつまんで話すと、力強く頷く。
「わかった。必ず安全に送るよ。」
「ありがとう。あと、もう一つこれを届けてもらいたいの。」
ジルが、腰に下げた皮袋から出した紙に、救援を求める伝言を書いて渡す。
「わかった。じゃ、あんたはセクレト村に向かうんだな。気をつけろよ。」
「えぇ、ありがとう。あなたも。」
手を振る二人の様子を見届けると、ジルはセクレト村へと街道を急いだ。
日は落ち、ひんやりとした空気が肌に触れる。街道から道を外れて数刻の場所に、その村はあった。闇の中、黒々とした家々の輪郭が浮かび上がっている。中央にひときわ高くそびえるのが、神殿だろう。村の入り口には、鎧をまとった兵士が二人、いかめしい姿で槍を構えて立ちながら、あたりを睥睨している。兵士の奥で、肩を落とし疲れきった様子でとぼとぼと歩く村人の姿が目に入った。希望もなく、虐げられ、ただ苦痛の日々が過ぎることだけを願う無力な人々。その痛ましい姿に、かつてのノーブルの村人達を思い出して、ジルの胸が怒りに燃える。だが、正面から立ち向かってもこの人数では勝ち目はないだろう。深呼吸をすると、ジルは闇に紛れて周囲を窺う。警備の手薄な場所を見つけると、ジルは兵士の目を盗んでこっそりと村に忍び込んだ。
人目を惹かぬように気を配りながら、暗がりの中を進んでゆく。捕らわれているとすれば、神殿だろうか。ジルは月明かりを背に、黒々とそびえる尖塔を持つ神殿を目指し、注意深く進んでいく。村の中をまっすぐに進み、家々が途切れたその先に、神殿はあった。神殿からやや離れた場所に、神官の住まいらしき建物が目に入る。神殿の入り口に二人。住まいの入り口に二人。通りを歩く兵士が数人。とても街道から離れた寒村にはふさわしくない警戒ぶりだ。
住まいに近づくと、壁に張り付いて中を窺う。壁に耳をつけると、人の話し声が小さく聞こえる。
「・・・まだ、あの逃げ出した娘は見つからないのか。」
「は、四方探しているのですが・・・。」
尊大そうな中年の男の声に、恐縮して答える声が続く。どうやら、パティは無事に逃げているようだ。ジルが小さく安堵の溜息をつく。
「・・・あの娘が、王宮にでも届け出れば、大変なことだ。」
「領主様!」
乱暴にドアが開く音と、駆け込む足音に、呼びかけが続いた。
「あの娘の情報がありました。名前はパティ。ロストール王国のギルドでこの近くの村までの護衛を依頼していました。ですが、まだロストールには戻っていないようです。」
「そうか、よくやった。捜索している兵を集めて、至急ロストール王国に向かわせるのだ。・・・もっとも、月神の力さえ手に入れば、弱体化したロストール王国の軍隊など怖くもないがな。それも、明日までのことだ。」
続く言葉が、考え込むジルの心臓をわしづかみにする。
「・・・どうやら、鼠が入り込んだようだな。衛兵、この家の裏だ。」
素早く立ち上がると、ジルは腰に差した破邪の剣を構えた。
月明かりすら差さぬ牢屋の中は、暗く、湿気を帯び、嫌な臭気に満ちている。時折、小動物が走りぬける気配がすることを除いては、人の声も物音も聞こえない静寂の世界だ。溜息をついて壁に背を預ける。パティは無事にロストールに辿り着いただろうか。それにしても、あれが月神の杖とやらの力なのだろうか。数人の兵士を倒したところまでは順調だった。そのまま逃走しかけたところで、現れた神官らしき男が唱えた束縛の呪文。戦うことも逃げることもできなかった。
本当に、世界を救ったなどといっても、一人ではこんなに無力だ。助けは来るのだろうか。・・・レムオンは、助けに来てくれるのだろうか。
誰かと会う約束があると言っていた。結局、その相手を聞けなかったことを思い出す。もしかすると、ティアナ王女かもしれない。仲の良い二人の様子を思い出しながら、ジルはちくりとするような胸の痛みを覚える。レムオンは、再びロストール王宮に戻るのだろうか。エリスがいない今、彼女がノーブル伯でいる必要はない。ノーブルの、あの黄金に輝く畑に戻ることになるのだろうか。全てが動き出す前の、静かな小さな村での暮らしに。
扉が開く小さな軋みに、ジルが顔を上げる。豪華な飾りをつけ、派手な神官服を着た中年の男が、二人の兵士に付き従って牢に入ると、鉄格子越しに見下ろす。
「無限のソウルを持つもの、か。まさに機は満ちたということだな。」
傲慢と尊大さが滲み出るその口調には、聞き覚えがある。
「あなたは・・・。」
「この村の神殿長、そして、この村の領主でもある。」
「月神の杖を手にして、村人を無理やり働かせて、神殿の神からさらなる力を得ようとしているそうね。一体、どうしてそんなことを?」
「強制労働など、どこの神殿でもやっていることだ。奴らは、神に仕える者を助けることで、神の栄光に触れることができるのだ。」
あまりにも傲慢な言葉に、ジルが怒りのあまり立ち上がる。思わず体をのけぞらせた男の顔に、小さな怯えの表情が浮かぶ。両脇の兵士が、手に持った槍を向けて前に進み出る。
「・・・き、気が短い娘だな。」
ようやく余裕を取り戻したらしい男が、侮蔑的な笑みを浮かべる。
「だが無駄だ。魔封じの首輪が、そなたの魔力を封じている。」
「!」
ジルが、とっさに自分の首に手を伸ばす。冷たい金属が指先に触れた。うなだれるジルを、男が愉快そうに笑う。
「闇を倒し世界を救った勇者か。月神に捧げる命に、これ以上に相応しい者はおるまいな。」
「・・・命を捧げる?」
「怖がることはない、そう長くは苦しまぬ。」
「怖がってなどいないわ。思い通りにはさせないもの。」
「その強がりが、いつまで続くことか。明日の夜には、泣きべそをかいて命乞いをすることになるだろう。」
捨て台詞を残して去っていく足音に、扉が再び閉められる音が続く。
―――明日の夜。
パティがロストールに戻るまでに、早くて一日。パティに託した手紙を読んですぐに救援が来たとしても、さらに一日はかかるだろう。自力で逃げ出すしかないということだ。
だが、魔力が封じられ、剣も取り上げられている。
絶望的な気持ちになって、目を瞑る。
―――闇との戦いに勝って、ギルドの依頼に失敗したらいい笑いものだ。
別れ際の言葉が思い出される。無性に、その声が恋しかった。もう一度、その姿を見たかった。
「・・・とにかく、まずは体力を回復して、逃げ出す方法を考えなきゃ・・・。」
敷かれた藁の上に横になる。重苦しい気持ちにさいなまれながら、ジルは安らぎのないつかの間の眠りへと落ちていった。
窓のない闇に閉ざされた牢が、時間の感覚を失わせる。横たわったままのジルの耳に、乱暴に扉が開く音と、荒い足音が届く。二人、いや三人だ。扉の隙間から漏れる光から、時刻はすでに夕刻を回っていることがわかる。
「おい、起きろ。」
格子の向こうから、横柄な兵士の声が聞こえる。
「・・・。」
ジルは、横たわったまま何も答えない。
「具合でも悪いのか?」
「怯えているんだろう。何しろ今日がこの世での最後の一日になるんだからな。」
「世話の焼ける娘だ。」
鍵を開ける金属が触れ合う音に、鉄格子を動かす耳障りなきしむような音が続く。兵士の一人が、かがみこんでジルの様子を覗き込もうとするのがわかった。
「おい、娘・・・。」
兵士がジルの肩に手をかけようとした瞬間に、ジルが体を起こす。兵士が腰元に差している短刀を引き抜くと、その首に刃を押し当てる。
「う・・・!」
素早い行動に身動きのとれない兵士が、うめき声を上げる。異変に気付いた後ろの二人の兵士が槍を構えるのを、ジルに捕らえられている兵士が手と言葉で制した。
「武器を捨てて、牢の中に入りなさい。」
「こ、この・・・。」
「早く!!」
怒りと当惑の表情を浮かべる兵士が、ジルの語調に押されてのろのろとその言葉に従う。
「さて・・・。」
ジルの代わりに牢の中に入れられて意気消沈して座り込む兵士たちを、鉄格子越しに見下ろす。
「神殿長はどこにいるの?」
「そんなこと、誰が・・・。」
年嵩の兵士が、不快そうに答える。
「・・・あなたたちがこの神殿で強制労働をさせていることは、ロストール王国の耳に届くわ。そうなれば、自分たちがどうなるかわかるでしょう。」
「・・・。」
ジルの言葉に、兵士たちの顔に不安が浮かぶ。
「もしも協力してくれるのであれば、助命を嘆願するわ。」
「・・・本当か。」
今度は若々しい顔をした兵士が、顔を上げる。
「ええ。」
年嵩の兵士が止めようとするのも関わらず、若い兵士が口を開く。
「神殿長は、神殿で儀式の準備をしている。あんたを連れてくるように命令したのも奴だ。」
「それで、儀式はいつ始まるのかしら。」
「わからん、俺たちにはそういうことは知らされないんだ。だが、準備は整っているみたいだった。」
「わかったわ。ありがとう。」
「あ、あぁ。必ず助命を嘆願してくれよ。」
「えぇ。」
牢を後にしかけたジルの背に、年嵩の兵士の声が届く。
「娘、いい気になるなよ。神殿長様がセリューン様のお力を得られたら、お前などひとたまりもない。何しろこの村人のソウルを・・・。」
「何ですって!?」
兵士の言葉に、ジルが慌てて振り返る。だが、たしかに十分にありえることだ。ソウルイーターが復活したシルヴィ、死都となったエンシャント、そして神となったエルファスのために無人となった世界・・・魔人や神を復活させるためには莫大なソウルを必要とする。月神の力を手にするために、村人達のソウルが捧げられることは、十分にありえることだ。考えが至らなかったのは迂闊だった。
「・・・。」
ジルが、唇を噛み締める。儀式は間もなく執り行われる。救援は間に合いそうもない。
兵士が持っていた槍を手にすると、穂先を確かめる。手入れを怠っているのだろう、刃の部分が磨り減って欠け、ないよりマシという程度の代物だ。
「・・・やるしかないわね。」
神殿長だけならば、彼女一人で倒すことができるだろう。自らを奮い立たせるように槍の柄を握りなおすと、決意に満ちた足取りで建物を後にした。
神殿内は、焚かれた香木から立ち上る独特のにおいと、神官たちが捧げる詠唱で満ちている。一段高くなった祭壇には、禍々しい魔法陣が描かれ、中央に白い炎が上がっている。
「遅いぞ!あの娘はどうした!一体何をしているのだ!!」
祭壇の傍らに立つ神殿長が、祭壇の下に立つ兵士を怒鳴りつける。
「は・・・。様子を見てまいります。」
兵士が慌てて駆け去っていくのに、ようやく満足げな表情が浮かぶ。
「ん?」
神殿の幕の影に立つもう一人の兵士が動かないのをみて、苛立ったような足取りで近づく。
「お前も何をのんびりしている、さっさと・・・。」
兵士に槍を突きつけられて、言いかけた言葉が止まる。
「お、お前は・・・。」
「私なら、ここにいるわ。」
ジルの言葉に、神殿長が助けを求めるように左右に視線を走らせる。
「・・・声を上げたら、すぐに殺すわ。」
押し殺した声に潜む殺意を感じて、神殿長が生唾を飲み込む。
「その杖を渡して。」
「・・・。」
神殿長が、しぶしぶと月神の杖をジルに手渡す。これがなければ、ただの無力な男でしかないはずだ。杖を神殿長の手の届かない場所に立てかけると、ジルは低い声で命じる。
「周りに気付かれないように、神殿から出なさい。」
しきりに頷くと、そろそろと祭壇の裏の出口へと向かう。ジルが、槍を首元に突きつけたまま後に続いた。祭壇側の出口は、人工の迷宮へと続いている。
神殿長を前に、迷宮を進む。
「わ、わしをどうする気だ。」
「・・・。」
神殿長が、怯えと苛立ちの混じる声で問いかける。その言葉に、迷った。目的は、儀式を止めることだ。一体、この男をどうすればいいのだろう。逡巡が、一瞬の隙を作った。
神殿長が彼女に向き直ると、素早く呪文の詠唱を始める。
「・・・汝、灼熱より生を受けし炎の精霊よ、敵を貫く矢とならん。ファイア」
「きゃっ!!」
伸ばした掌から、火の玉が飛び出し、体を直撃する。兵士から奪った鎧を着ているとはいえ、至近距離で攻撃を受けて、たまらず体を二つに折る。ばたばたと駆けていく足音が耳に届く。
「・・・っ!」
後を追おうと走り出すと、傷を受けたわき腹が痛んだ。薬草もなく、治癒の魔法も使うことができない。諦めるように頭を振ると、ジルは男の後を追って走り出した。
迷宮を抜けた先は、一軒の粗末な小屋に続く。
「・・・。」
肩で荒く息をつきながら、神殿長は小屋の中を見渡す。
「な、なんとか逃げ延びたか。しかし、小娘め・・・一体どうしてくれよう・・・。」
「どうすることもできないわ。」
階段を上ってくる足音とともに、鋭い声が飛んだ。
「ひ、ひぃ・・・。」
声にこもる気迫に、声が上擦る。階段を上り終えたジルが、神殿長の前に立つ。
「わ、わしを殺すつもりか。た、助けてくれ!見逃してくれ!!」
「・・・。」
何も答えず、ジルは槍を構える。
「わ、わしは悪くない!強制労働など、どこでもやっていることだ!!」
これまでの尊大な態度が嘘のように、取り乱した様子を見せる神官を見上げながら、ジルはまだどうしようか心を決めかねていた。命を奪うことは簡単だ。少しこの手を動かせば、終わる。だが、命を奪うことが何かを解決するわけではないことも、よくわかっていた。一度、壊れたものを元にもどすことはできない。一瞬で誰かの命を奪うことではなく、長い時間をかけて誰かの命を救うことだけが、この世界のどうしようもない悲しみや苦しみを解決することもあるのだ。
どすどすと階段を駆け上がる足音が、ジルを考えから引き戻した。階段を一気に駆け上がった二人の兵士が、ジルに向けて剣を構える。
「いいところに来た、お前たち。この娘を捕らえろ!褒美ははずんでやるぞ。」
生気を取り戻したように叫ぶ神官に、兵士達が興奮した面持ちで頷きあう。
魔力も封じられた状態で、前後から挟まれる。冷たい汗が、背筋を流れた。
―――そうはさせん。
言葉とともに、ジルと神官の間に闇が現れる。みるみるとその密度を増し、中に人の姿が現れる。
「レムオン!」
銀の髪に赤の瞳。間違いようもない姿に、ジルの声が弾む。会えなかったほんの数日が、無限のように長く感じた。
「この・・・。」
レムオンの出現にたじろぎながらも兵士が必死で切りかかる。レムオンが片手を挙げると、不思議な光が兵士を包んだ。
時を早送りするように。兵士の顔や体が見る間から生気が消えうせ、ひからびてゆく。やがて、兵士の体はぼろぼろとくずれ、床に落ちた。剣と鎧が大きな音を立てる。あとに残された灰のような粉が、空中に舞った。
「ひ、ひぃぃ!!」
恐怖の叫びを上げて背を向けた兵士に、再びレムオンが手を向ける。ほどなく、二人目の兵士が同じ運命を辿った。神殿長の方に振り向いたレムオンが、両手剣を構える。
「あ・・・あ・・・。」
恐怖のあまり言葉すらも忘れた神殿長が、じりじりと後ろに下がる。バトルブレードの刃が二閃して、神殿長の体が地に崩れ落ちた。
「・・・無茶をするなと言ったはずだ。」
「レムオン!」
気が付くと、腕の中に飛び込んでいた。
「ジ、ジル。」
あせる声に、自分の行動に気が付いて慌てて体を離す。
「あ、あ、あの、ありがとう、助けに来てくれて。こんなに早く来てもらえると思わなかったから。」
「ロストールのギルドに届いた手紙を見て、すぐにこちらに向かったのだ。」
「じゃ、あの娘は。」
「あぁ、無事だ。お前のことをずいぶん心配していたぞ。」
「良かった・・・。」
心に気にかかっていたことが片付いて、ほっと胸を撫で下ろす。
「・・・そういえば。・・・さっきの力は・・・。」
安心した途端に、頭に一つに疑問が浮かぶ。闇の中からの出現。そして生気を吸い取られてぼろぼろになった兵士。最後の決戦に向かうまでは、そんな力を目にしたことはない。
「・・・ロストールのギルドでお前と別れてから、俺はカフィンに会いに行った。」
「カフィンに・・・。」
ようやく、もう一つの気懸かりが消える。軽くなった心で、ジルはレムオンに答える。
「そういえば、ノエルがあなたのお祖母様だと言っていたわね。」
「もちろん、そんな風に呼びかけたりはしなかったが、な。」
颯爽とした美貌の冒険者に、お祖母様と呼びかけたときの反応を想像してジルがくすりと笑みを漏らす。
「・・・考えていたのだ。これまでの俺は、ダルケニスであることをひたすら隠し、頑なに人を信じることなく生きてきた。だが、俺は間違いなく闇の眷属、ダルケニスの血を引く者だ。・・・そして、俺の手はすでに血に汚れている。」
レムオンが、自らの手を差し出してみせる。
「・・・その事実を受け入れて初めて、俺はこの力でお前を守ることができると・・・。先程の力は、ダルケニスの能力だ。俺は、もしも、お前が・・・。」
言い淀むレムオンの手に、ジルは自分の手を重ねて頷く。
「昔、王宮の舞踏会で言ったこと。貴方が誰であろうとも、何であろうとも、貴方のことを信じている。」
「・・・ともに歩んで行こうというのか。ダルケニスであるこの俺と。後悔するぞ。」
安堵と自嘲が混ざる微笑。その言葉を否定するように小さく首を振って、ジルはレムオンの腕の中に静かに滑り込む。
「・・・すまない。馬鹿なことを聞いた」
痛いほどの力で、抱き締められる。胸がつまって、何も言葉を口にすることができない。
「この身体が、血と闇で汚されようと、お前を明けない闇に閉じ込めることになろうとも、俺はお前を話さない。決して・・・。」
耳元で囁かれる愛おしい声と言葉に。
ジルはただ、幸福に酔いしれて立ち尽くしていた。
不意に、空気が禍々しく震えた。
ジルが、レムオンの腕の中から顔を上げる。
「・・・これは。」
「神殿、だな。」
ジルから離れて、小屋の窓から外を見たレムオンが呟く。
「月神が・・・?神殿長は・・・。」
「おそらく、神官達が独断で儀式を進めたのだろう。愚かな者どもだ。」
「大変!村人達が・・・。ソウルを・・・。早く止めなきゃ!」
ジルの言葉に、意味を察したレムオンが頷く。
「・・・そうだな。お前は大丈夫なのか?」
ジルが、額を曇らせて、首輪に触れる。
「魔法が封じられて・・・でも。」
レムオンが指先を伸ばすと、首輪に触れる。金属が見る間に劣化し、粉になって散る。
「す、ごい・・・。」
人間離れした能力に、賞賛の声が漏れる。その中に混ざる、微量の不安に気が付いたのかどうか。レムオンは、ジルを一瞥すると前を向く。
「さぁ、急ぐぞ。」
一歩足を踏み入れた瞬間に、神殿内の惨状に息を呑む。床に伏した神官や兵士たち。祭壇に捧げられた、血まみれの少女達。そして、祭壇に在るのは・・・。
姿はなくとも、その存在を感じることはできた。
人にあらざりし者。
この世ならざりし者。
ジルの全身が総毛立つ。戦わなくても、その力の強大さはわかる。隣でレムオンが全身を緊張させるのを感じる。
―――我を呼び出したのは、そなたらか。
声なのか、あるいは思考なのだろうか。その主は明らかだった。
「月神セリューンよ。そなたを呼び出した者は、すでにこの世にはいない。この世は、貴神の存在すべき場所ではない。貴神の世界へ、神々が住まう地にお戻り頂きたい。」
―――契約は、すでに交わされた。我が力と引き換えに、地上に在りしそなたらのソウルを戴こう。
「残念ながら、そうはいかぬ。帰りたくないというならば、力ずくで戻すまでだ。」
レムオンが、両腰のバトルブレードを抜いて構える。ジルがそれにならって、破邪の剣を抜く。
―――くっくっく。
耳障りな笑い声が、神殿に満ちる。
―――威勢が良いことだ、小さき者よ。だが、そなたは気が付いておらぬようだな。そなた、闇の眷属ダルケニスよ。そなたは、月を支配する我に属する種族・・・。
レムオンが息を呑む気配を感じる。
―――我は、善と悪、すべての真実を写す月を司りし者。そなたの真実を暴いてみせよう。
「くっ・・・。」
祭壇に在る空気が一瞬大きくうねり、レムオンを包む。途端に、レムオンが苦しげにうめいて身体を折る。
「うがぁぁぁ・・・。」
俯いたまま、苦悶の声を上げる。姿は変わらなくても、その変貌を感じることができる。身体中に、新たな荒々しい力が巡り、溢れる。
顔を上げたレムオンが、獣のようにすさまじい咆哮を上げた。これまで目にしたことがない姿に、ジルの背筋に悪寒が走る。
―――血を求めて吼え、血を求めて殺戮を繰り返す。それが、そなたの真実だ。ダルケニスよ。
レムオンが、ジルを振り返る。野獣のような殺意の宿る赤い瞳が、ジルをとらえる。思わず後ろに下がりそうな足を、何とかその場に留める。
―――そなたの心の真実を、解放するがよい。その少女の首筋に歯を食い込ませ、血を存分に啜り尽くす。それがそなたの心に潜む真の望みなのだろう・・・。
セリューンの言葉に、ジルは内臓が消えるような恐怖を感じる。レムオンが、再び魂が凍る叫びを上げ、一歩踏み出す。思わず目をつぶった瞬間に。
レムオンの身体が、跳躍した。ジルの身体を通り過ぎ、祭壇へと向かう。聖なる光をまとったバトルブレードが、闇の中に閃光を煌かせる。
―――・・・くくく。・・・小さき、者よ。まことに、人とは・・・。愚かしく・・・侮り難い・・・・・・。
消え行く言葉を残して、祭壇にあった異質の存在が弱々しくなる。
ジルは、破邪の剣を下ろして溜息をついた。レムオンがジルを振り返る。
「レム・・・。」
あまりに突然のことで、何が起きたのかを理解することはできなかった。人間離れした速さで近づいたレムオンが、ジルの身体を抱きしめる。その唇が首元に触れた。次の瞬間には、皮膚を食い破られる激痛が身体を走っていた。
歯が食い込んだ首筋から、生命が吸い取られていく感触。身体全ての力が、抜けてゆく。
祭壇から、残像のような小さな念が飛ぶ。
―――・・・・・・この者は、そなたを認識していない。このままいれば、全ての命が吸い尽くされることになろう・・・そなたの真実を、示すがよい。
ジルは、目を閉じる。
怖いと思った。血を求めて咆哮するその姿に。目の前で灰と化した兵士。その人間離れした能力に。それは紛れもない真実だ。それでも・・・。
ジルは、レムオンの背に腕を回して、優しく抱きしめる。
―――・・・まことに、人とは・・・・・・・・。
泡が水面ではじけるように、その存在がふいに消える。
首筋に食い込む歯が、離れるのを感じた。ジルが、顔を上げる。弱々しい、不安げな表情を浮かべたレムオンが見下ろしていた。
「ジル・・・。」
ふらつくジルに、レムオンがその身体を支える。
「お、お前は・・・こんなになってまで、すまん。」
レムオンが、視線を避けるように横を向く。
「俺は、ずっと・・・。不安だった。・・・ダルケニスである俺を受け入れてくれるといお前の言葉にもかかわらず。お前が、その言葉を翻すのではないかと。・・・怖かった。こうして、俺の中のダルケニスの血が、お前を傷つけるのではないかと・・・。俺は・・・。」
「レムオン・・・。」
「・・・。」
「こっちを向いて、私を見て・・・。」
レムオンが、ジルに視線を戻す。真紅の瞳が、ジルを見つめる。まるで、泣いているような、赤の瞳。
「私は、生きているわ。貴方が、守ってくれたの・・・。」
ジルが、手を伸ばしてレムオンの頬に触れる。その手を滑らせると、銀の髪に触れて、その髪を梳く。流れる髪が、月の光のようだ。
「・・・綺麗な髪、大好きよ。貴方が誰であろうと、何であろうと、貴方の側にいる。」
「・・・。」
ジルの手を、レムオンが捕らえる。
「貴方のために、強くなったの。貴方を守るわ。貴方自身からも、貴方を守る。」
「・・・お前はずっと俺の側にいてくれたのだな。だが俺は・・・。」
顔を落とすレムオンに、ジルが手に力を込める。
「・・・愛している、ジル。」
レムオンが、最初は逡巡し、やがて強くジルを抱きしめる。
「・・・俺はもうお前を離したくない。俺は!」
ジルは、レムオンの胸元にそっと頭をもたせる。そして、自らの腕をレムオンの背に回すと、優しく力を込めた。


- 今回「うっかり者の冒険者」を登場させてみました。ちょっとプチ原作ネタってことで(笑)。
- 今回のテーマは、種族間恋愛です(←いや、たまたま書いていたらこうなっただけです(笑))。私としては、金髪のレムオン様も好きなんだけど、何となく「エリエナイ公、金髪、ティアナ(全員ED)」「冒険者レムオン、銀髪、黄金主(レムED)」って感じがしますです。
- 吸血シーンのあとは、レムが妙に艶々してて(VITを吸って)、女主が妙にげっそりしてて(VITを吸い取られて)、ゼネに「・・・お前さんたち、何してたんだ?」「ち、違う!(←何がだ)」とかレムが怒るシーンとか想像するとちょっと笑える。
- レムオン様の救援が早いですが、それは@黄金主が心配で街道を昼夜問わず走ってきた(街道を全力疾走するダルケニス。こ、怖い・・・)。Aダルケニスの能力で、広範囲テレポートをマスターした。Bウマを使った。のいずれかということで(笑)。それにしても、主人公は何でいつも徒歩なのでしょうか?ウマは戦闘専用?
- 月神セリューンはちょっと今回悪者みたいですが、善悪両面を司る神様なので、悪者に呼び出されたから悪者っぽいという設定で・・・(ちょっと苦しいですが(笑))。
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