Novel 5


《リューガの変後〜最終決戦まで》


かつて魔王バロルが君臨したという、エンシャントの廃城。その最深部に位置する、かつての王座の間は不思議と穏やかな静寂で満ちていた。石で作られた玉座に、巨大なステンドグラスから差し込む光が燦然と降り注いでいる。

その前に立つアトレイアは、初めて会った時と同じように、少し恥じらいと戸惑いを含んだ微笑を浮かべている。

世界の存亡をかけた戦いがこれから始まるなど、間違いに違いない。そんな錯覚に囚われかける。

「いかがですか、全ての人が消えた静かな世界は。このどうしようもない静寂・・・。これは私の人生そのものです。」

柔らかな声が、鼓膜を優しくくすぐる。

「あなたも、この永遠の寂真の中で死んでいくがいいわ。息吹も鼓動も止めて、静寂の一部として溶け込むのよ。それが運命・・・。」

「それが運命というのであれば、あらがうまで。」

静かな声に隠れた絶望と悲哀とに侵食されそうになる心を、力強いネメアの声が目覚めさせる。

「あらがっても苦しむだけなのに。いらっしゃい、かわいい人形達。」

笑いながら手を振り上げると、暗い闇がアトレイアの前に現れる。闇が晴れるにつれ、あらわれる人影。その人影が誰であるかに気が付いて、ジルの全身が冷たく痺れる。

「レ・・・ムオン様・・・。な・・・んで。」

衝撃に、口の中で乾いた舌を懸命に動かす。

その声が耳に届いてはいないのか。レムオンは表情も変えず、生気のない瞳で見返す。

「あなたにとってはさしずめ、感動の再会というところですか?」

残酷な言葉が、怒りとともに言葉を紡ぐ力を与える。

「レムオン様!私よ、私がわからないの!?」

必死で語りかけるジルの様子にも、立ち尽くしたまま反応する様子はない。

「レムオン!!」

最後には半ば胸のうちから絞り出すような叫びに、アトレイアの笑い声が重なる。

「何を言ってもムダですよ。魂の窓はすべてふさがれています。まるで以前の私がそうだったようにね。私の人形たち。ジルを倒し、無限のソウルをささげるのです。」

アトレイアの言葉に、レムオンが軽く頭を下げると剣を構える。

名匠デルガドが二刀流を操る剣の達人のために作らせたという、この世に二対しかないバトルブレード。その刃が、血に飢えて怪しい煌きを放つ。



以前にもこんなことがあったような気が、した。



レムオンに剣を向けられながら、ジルは動かない頭で考える。

「ジル!」

腰に差した剣を構えることもできず、ぼんやりと立ち尽くすジルの前に、ネメアが立ちふさがる。常人離れした速度で二人の元に駆け寄ったレムオンが、バトルブレードを振り上げると、ジルをかばおうとしたネメアに切りかかる。

鋭い刃が鎧を貫き肉と骨を絶つ嫌な音が、二度、ジルの鼓膜をふるわせる。

「・・・。」

小さく呻いたネメアが、膝をついて、やがて地に崩れる。



一人となってレムオンと対峙しながら、それでもジルは剣を構えることができずにいた。絶望に食い尽くされていく心の中で、レムオンがジルに向かう様子をただ凝視する。

二刀流を難なく滑らかに扱う様は、まるで舞踏のように華麗だ。まるでこの場面にそぐわない感想が頭を掠める。

振り上げられた死の刃が、不気味に光る。目に留まらぬ速さで振り下ろされた剣が、ジルの体を深く抉る。

一度。

二度。

三度。

切り付けられるたびに、灼熱の痛みがジルを襲う。

四度目の剣が、鎧の継ぎ目から心臓を深々と貫く。



間近に迫るレムオンの顔を眺めながら、ジルはかつて王宮でレムオンと踊ったときのことを思い出していた。



「レ・・ムオ・・・。」

名を呼ぼうと開いた口に、鉄の味が広がる。それが血の味だと気付くまでに、時間がかかった。空気を求めて吸い込んだ途端に、胸に激痛が走り、咳き込む。



感情のない閉ざされた瞳が、ジルを見つめる。遠くなりつつある意識を繋ぎとめて、必死に硝子のような瞳を見つめ返す。

「・・・・・・。」

名を呼ぼうと開いた口からは、言葉ではなく血が溢れる。それでも、ジルの口が弱々しく開き、音のない言葉を紡ぐ。

―――レ・・ム・・オ・・ン・・・。

空を閉ざす暗雲の隙間から日差しが覗くように、レムオンの瞳に次第に光が戻る。



胸に突き立てられた剣を抜かれて、支えのなくなった体が崩れ落ちる。

「ジル。」

懐かしい声に名を呼ばれて、ジルは力なく微笑みながら、レムオンの腕の中に崩れ落ちた。





「お前・・・ジル?ジル・・・なのか?」

意識が、死の静寂へと落ちてゆく。必死で呼びかけながら体をゆするレムオンの存在を感じて、静かな不思議な安らぎがジルを満たしてゆく。その耳に、遠くからかすかにアトレイアの声が届く。

「・・・まさか。ありえないわ・・・。正気を取り戻すなんて。」



冷たい暗闇に閉ざされようとした瞬間に、体中が暖かい光に包まれる。肩をゆすられる感触に、ゆっくりと目を開ける。いつの間にか、傷はすべて癒されている。

「レムオン・・・。やっと貴方に会えて・・・よかった。」

レムオンに支えられて、床に横たえられていた体を起こす。その顔を覗き込む、銀の髪と真紅の瞳のレムオン。ダルケニス姿であっても、その瞳に宿る優しい光は変わっていない。

「すまん。俺の・・・大事なジル・・・。俺は、お前を守りたか・・・ったのに・・・。」

レムオンの言葉に、ジルは小さく首を振る。

「いいの・・・だって。」

触れようと伸ばした手が、むなしく宙をかく。レムオンの体を取り囲む闇が、次第にその密度を濃くしていく。

「ジル・・・。」

黒い闇に完全に包まれようとした瞬間に、レムオンがジルに向けて指先を伸ばす。



二人の指先が触れようとした、まさにその瞬間に。

かき消すように闇が消える。

広々とした広間には、茫寂とした無人の空間が広がっていた。



「心温まる展開というやつなのかしら?・・・そんなの・・ただ虫唾が走るだけよ。」

アトレイアの凍りつくような冷たい声が、頭上から聞こえる。



何が起きたのかようやく理解して、ジルは言葉もなく震える手で口を抑える。

悲しみ、苦しみ、そして絶望がじわじわと心に入り込み、蝕んでいく。足元から崩れ落ちそうになる感覚の中で、とめどない言葉が浮かんでは消えてゆく。



戦うことなんて出来ない。

貴方がいないこの世界など、滅んでしまっても構わない。

こんな、せかいは、キエテ、シマエバイイ・・・。





「ジル。おい、ジル。」

頬に感じる痛みに、ジルはつぶっていた目を開ける。どこかで、誰かの絶叫が聞こえた気がした。それが自分の口から漏れるものだと気が付いて、ジルはあわてて身を起こす。

「・・・え!ええ!?わ、私・・・。」

何の飾りもない狭く質素な部屋。並んだ簡素な寝台と清潔だが古くなった薄い掛け布団。見覚えのある部屋がエンシャントの宿屋の一室だと気が付いて、ジルは必死で記憶をたどる。

「ようやく目が覚めたのか。」

寝台に腰掛けて左右を見渡すジルに、片膝をついて覗き込んでいたレムオンが、ほっとしたように溜息をつく。

「レ、レムオン?」

聞き覚えのある声と顔を目にして、ジルはまじまじと彼の顔を見つめる。銀の髪と赤の瞳。もはや隠すこともなくダルケニス姿を晒すレムオンに、次第に彼女の記憶が呼び覚まされる。

カルラのロストール侵攻を再び退けたゼネテスは、戦場から物資横領の罪で連行された。彼の後を追ったジルは、レムオンが貴族をまとめて反逆の罪でエリスを叛殺したことを知る。レムオンが、まさに大広間でゼネテスをも反逆罪で手をかけようとした瞬間に、ジルが救出に飛び込んだ。

そして、あの大広間での出来事。

後にリューガの変と呼ばれるその政変に、闇の者が深く関与していたことを理解するものは少ない。闇に王女として覚醒したアトレイアと、その背後ですべてを操るシャリの手から、レムオンとゼネテスを救い出せたことは奇跡だった。

例え、レムオンがダルケニスであることを暴露され、政治の表舞台から退くことになったとしても。



「・・・・・・夢、だったんだ。良かっ・・・た。」

最後の言葉は、涙と一緒にくぐもって口から零れ落ちる。

「ジ、ジル。」

珍しく動揺するレムオンにも構わずに、ジルはしゃくりあげながら彼の肩に頭を乗せる。襟を覆う細工を施した金属の冷たい感触が、ジルの頬に触れる。

「わ、私、夢の中で・・・あ、貴方が。」

「俺が、一体どうしたというのだ。」

困惑する声とともに、背に回った手に優しく撫でられて、ジルの嗚咽が次第に落ち着いた呼吸へと変わっていく。

先ほどまでの絶望と悲しみが癒され、安らかで、幸福な気持ちがジルを満たしてゆく。



「おっと、朝っぱらから、お熱いね。」

突然降りかかる声に、ジルが慌てて体を起こし、レムオンが立ち上がって後ずさる。

「ゼ、ゼ、ゼネテスさん!」

「ち、違う。これは、ジルが寝惚けたのだ。夢で俺が・・・。」

「夢にレムオンが出てきたのか。そりゃうなされる訳だな。」

「ゼネテス!」

語気が荒くなるレムオンに、ゼネテスがなだめるように手を上げる。

「冗談だって。俺は朝飯でも食いに行くから、お前さんはジルを連れてその辺を歩いてきたらどうだ。ちっとは、落ち着くだろう。」

現実的なゼネテスの提案に、レムオンが小さく息をつく。

「・・・あぁ。そうさせてもらおう。」

「じゃ、昼の鐘がなる頃に城門で待ち合わせってのはどうだ?」

「あぁ。」

「んじゃ、な。悪かったな、いいところを邪魔して。」

にやにやと笑いながら出て行こうとするゼネテスの頭に、レムオンが枕を投げつける。それを振り向かずに受け止めて投げ返すと、ゼネテスは口笛とともに姿を消した。





大柄なボルダンが、船の到着を知らせる。波止場に滑り込んだ船に、太いロープが投げられ、鮮やかな手さばきの船員達が慣れた様子で波止場に横付けする。エンシャントの港は、これまでの戦乱も皇帝の不在もなかったかのように、活気に満ちて様々な人々が往来している。だが、顔を近付け、ひそひそと何事かをやりとりする人々の顔には、一様に疲労と不安の色が間違いようもなく浮かんでいた。

その横を並んで歩きながら、ジルはぽつりぽつりと、夢の断片を語り始めた。

全てを覚えているわけではない。だが、喪失の恐怖と苦痛と絶望だけは、消しようもなく鮮烈に彼女の心に刻み込まれている。



「・・・そうか。」

話し終えた時、レムオンがぼそりと呟く。

「あるいは、起こらなかった、もう一つの現実かもしれないな・・・。」

「え?」

「あの大広間で・・・。」

一瞬、レムオンが言いづらそうに言葉を止める。あの政争で傷ついたのは、死者ばかりではない。何事も無いように平静を装いながら、あの時のことを繰り返し思い返し自責の念を感じているに違いない。無言でそっと手を伸ばして、その腕に触れる。その仕草の意味を察したのか、レムオンの表情がふと和らぐ。

「自らの愚かさと頑なさが、多くの無用の流血を招き、ロストール王国を揺るがし、闇の王女を覚醒させたと知ったとき・・・。」

波止場から神殿へと続く階段を上りながら、レムオンが再び黙り込む。

「・・・俺は・・死を覚悟した。死を賭しても、闇の王女を止めようと・・・。それが唯一の償いだと思った。」

階段を上りきると、慈愛の女神ライラネートを奉る神殿に続く道へと至る。

「お前が・・・お前とゼネテスが、助けようとしてくれていることはわかった。それでも・・・。」



起こらなかった、もう一つの現実。



夢の中、目の前で消えていったレムオンを思い出して、ジルは首を振る。

「・・・自らに対する絶望で、心が闇に捕らわれかけていたのだな。」

「心が、闇に・・・。」

冒険の中で。闇に取り込まれ、闇に堕ちる、闇に染まっていく人々を目にしてきた。彼らは、悪であったわけではない。ただ一つの過ちが、自らの弱さに負ける破滅へとつながるのだ。そして、それは他人だけに起こることではない。

理解できるというように頷くと、レムオンが言葉を続ける。



「お前たちに背を向けようとした瞬間に、これが・・・。」

レムオンが片手を挙げて、袖口に光る腕輪を示す。

「これが光を放った。優しく清らかな浄化の光だ。お前も覚えているだろう。」

一瞬、目も眩むほど大広間中をまばゆく照らした光を思い出して、ジルが頷く。

「それが・・・。」

「そうだ。光に触れた瞬間に、心にわだかまる闇が全て溶けていった気がした。・・・お前達が俺を助けようという気持ちを、受け入れられることができた。」

「そうだったんだ・・・。」

「・・・ゼネテスを助けるために出て行ったお前に、裏切られたと思った。」

レムオンが、自嘲を浮かべる。

「それは・・・。」

反論しようと口を開きかけたジルに、レムオンは手を上げる。

「今は、よく分かっている。だが、あの日俺はこの腕輪を置いて王宮に向かうつもりだった。」

「・・・。」

その言葉に少し傷ついて、黙り込む。

「・・・元の持ち主だった騎士団長イグザクスは、この腕輪を外して戦場に立ったその日に命を落としたそうだ。」

「そうだったの?」

「本当に、知らなかったのか。」

驚くジルに、少し呆れたようにレムオンが苦笑する。

「まぁ、お前らしいが。」

「・・・失礼なことを言われている気が・・・。」

「気のせいだ。・・・とにかく、その話を思い出して、この腕輪を身に付け直した。」



ただ一つの選択が、運命を決める。



そんなことを漠然と考えながら、ジルは神殿の前で立ち止まった。

「あ、そうだ・・・。ちょっと待ってて。」

再び考えに沈むレムオンをその場に残し、ジルは神殿の入り口へと駆け出す。やがて、片手に小さな花束を持って、レムオンの前に立つ。

「ねぇ、墓地に行きましょう。」



神殿からわずかに足を伸ばした先に、その墓地はあった。ディンガル帝国、そしてエンシャントと帝都と定めた神聖王国の血を引く者たちがひそやかに眠るその場所は、栄華を誇るこの都市の賑わいが嘘のように静寂に満たされている。

「一体・・・。」

先に立って墓地の奥へと迷わず進んでいくジルに、レムオンが疑問を投げる。

墓石もまばらとなり、鬱蒼と茂る木立が影を投げかける。年月と草木が、古い石材を侵食し、ぼろぼろとなった墓石は誰の注意をひくこともなく、幾つかは倒れ、幾つかは割れ、あるいは傾いている。

「ここ。」

ジルが指を指した先に、その墓はあった。刻み込まれた古代文字は、激しく風雨に侵食され、判別がつかないほどとなっている。

「神聖お・・国第二十五代神聖王サ・・ミス・・・。ではこれが。」

レムオンの言葉に、ジルが頷く。

「詳しい人に教えてもらったの。ここが、この腕輪を贈った女王のお墓・・・。」

「よく訪ねていたのか・・・。」

「冒険の合間に、たまに。」

ジルが跪いて、手に持った花を捧げる。大陸に栄華を誇った神聖王国の最高権力者のものとは到底思えぬ、質素で小さな墓だ。



手を組み、心のうちで孤独な女王に感謝の言葉を捧げる。



―――よく来た、我が腕輪を手にせし者よ。



突然、頭の中で響いた声に、ジルが顔を上げて傍らに立つレムオンを見上げる。レムオンが、それに応えるように頷いた。



―――礼を言おう、大いなるソウルを持つ者よ。



首を傾げるジルの頭に、威厳のある力強い声が続く。



―――かつて、イグザクスとわらわは、自らの信じるところに従い、袂を分かつこととなった。別れの日、我らは誓いを交わした。この戦乱の世が明け、再び我らの道が交わるとき、ともに生き、ともに歩もうと。わらわは、かのお方に守護の腕輪を送った。誓いが果たされるその時まで、かのお方の命を守ることができるように・・・。だが・・・かのお方は、誓いが果たされるのを待たずに、命を落とした。その無念は我が心を縛り、その想いは我が魂を地上に留めることとなった・・・。



―――そなたは、わらわを運命の軛より解き放った。ようやく、わらわは逝くことができる。かのお方の待つ地へと・・・。



「・・・サラミス、様・・・。」



―――地上に残りし我が力、そなたに託そう。・・・そなたらの行く手に、神の加護があらんことを。



「・・・。」



ふと、空気を覆っていた何かが消える気配がした。止まっていた時間が、動き出す。春の微風が、墓地の上に影を落とす枯葉を揺らし、かすかな音を立てる。

沈黙を先に破ったのは、レムオンだった。

「・・・騎士団長イグザクスは、神聖王国の女王サラミスに恋をしていた。二人の恋が実ることはなかったが、ただ一度の逢瀬でサラミスはイグザクスの子を宿し、その子が次の神聖王として即位した。」

「・・・悲しい話、ね。」

ジルが立ち上がり、レムオンを見つめる。

夢の中、目の前で消えていく彼になすすべもなく立ち尽くす自分を思い出す。

あの絶望と悲哀。その気持ちを生涯抱えて過ごしたこの腕輪の贈り主は、どれほどの強さを持っていたのか。人に告げることもなく、孤独の中でどれほどの涙を流したのか。

「そうだな。」

「・・・強くて、悲しい方・・・。私は・・・そんな風に生きられるのかしら・・・。」

ジルを見つめ返すレムオンが、ふと視線をそらす。

「・・・オルファウスは言っていたな。闇の島に向かえば、もう後戻りすることはできないと。」

「ええ。」

「この戦いから戻ったら・・・。」

レムオンの言葉を遮るように、晴れ渡った空に正午を告げる鐘の音が響く。

「・・・あ・・・。」

「・・・約束の時間か。」

レムオンが、少し憮然とした面持ちで呟く。

「そろそろ、行かなきゃ。」

「・・・そうだな。あの男が時間通りに来るとも思えんが、こちらが遅れて謝る羽目になるのも癪だ。」

レムオンが墓に背を向けると、確かな足取りで歩き出す。ジルはもう一度墓石に手を合わせ、急いでその後を追う。



墓に捧げられた花が風に吹かれ、無人の墓地に静かに花びらを散らしていた。






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