●雨宮智子についての二、三の事柄…


 大した事もしていないので、取り立てて書く事もないのですが現在入手不可能と言うか、まぁ、一生お目にかからないのでは…な事柄を中心に記載しておきます。

 ただ、何分物持ちが悪い上、過去の原稿や扉を人にあげてしまったり…と、漫画家の風上にも置けないやつなので、唯一手元にあるもので正視に耐えられる(私的には、つ、つらいんですが…)範囲のものを御紹介致します。



 漫画家になる以前は、全く関係のない仕事に就いておりました。…とは言っても紙関係ではあったので、もしかしたらお手元に漫画家名義ではない「雨宮智子」の名前の入った紙類を、手にされている方もいらっしゃるかもしれません。

 ただ、映画が好きだったので、そういうのを生業に出来ないもんかなぁと思ってはいたのですが、映画製作に必要な経済力、統率力全てに関して持ち合わせていなかった為、「最も近そうで、今すぐ出来そうな事…」で思い浮かんだのが漫画でした。そうは言っても、殆どまともに読んでいない状況でしたから、描いたところで何所へ持っていって良いのやら…で。

 仕事の合間にB4の商業用原稿用紙に初めて描き(いや、これがデカイのなんのって)、「女が描いたんだから、少女雑誌だろ?」で2本程描いて某少女誌に持ち込み…玉砕。

 もちろん、最大の理由は「ヘタ」だったからですが、仕事先で漫画に詳しい方がいたので伺った所「これは、青年誌でしょ…」と言われ、ひどくショックを受けた記憶があります。何だって本当に知らなくて、青年誌=いわゆる劇画(?)、もしくはHなの、程度の認識しかなかったものでした…それでも自分なりにベタな少女漫画ではなさそうだなぁ…とは、ウスウス感じてはいたのですが。でも、やっぱショックでした(まぁ、もう当然「少女」ではなかったですけど…)。

 ややあって、4本目に持ち込んだ作品「FLOWERS−フラワーズ−(講談社刊、週刊モーニング)」でデビュー(下記参照)。上で「Hなの」とか、言ってますが今読めば↑も、Hなのかも知れません…あはは。
 って、これも実はコピーなんですが…同期の受賞者(一応、賞とか頂きました)に配られる受賞作品集からの抜粋です。
ゲラ(製本前に頂く刷り出し見本)も、どっかいっちゃってて…(あっても見れないし…目から火が出ます)。
FLOWERS EX. FLOWERS
 幸せになればなる程、死期が早まる奇病「幸福不全症候群」に罹った女房を持つ生物学者のお話です。ついでに同時に持ち込んだ3作目も載せておきます。多分、一生陽の目を見る事はないと思いますので…
POSSESION
←タイトルは「POSSESION−ポゼション−」です。アジャーニ(映画)も良かったですが、コステロ(歌)から来てます。

 離婚した女房に子供を取られた男が、残業中の会社で強盗まがいのイカれた女に軟禁され、一晩過ごすという室内劇(?)です。結末はメチャクチャ救いがないんですが、個人的にはその「救いの無さ」加減が好きでした…(妙な話、私の場合アン・ハッピーなものを描いていればいる程、ペンが進みます。性ですかねぇ…売れないけど)

 現在の作品をお読みになって下さった方は、お気付きかと思いますが、原点からして「かぶれモノ(デビュー作までの4本全て。一本60年代イギリス…ってのもありましたが、これがまたしみったれた話で(笑)。)」でした。

 その後、ながら漫画家だったのですが、その辺要領悪く連載話が浮上して来た頃、渋谷でぶっ倒れたりして「ああ、これはもうどっちかにしないとダメだわ…」で、一本に絞ったのが運の尽き…(笑)。それが「見つめていたい」です(ポリスだと思いますよね…やっぱり。これはほんとパッと出しタイトルでした)。

 これ、実は私も探しているんですけど…古本屋さんで。
 
 主に、モーニング系(アフタヌーンなど)で単発、連作など描いていました(和モノ中心です)。何を描いて何が載ったのか、お蔵になったのか、申し訳ないんですがほとんど記録(ゲラ等)が手元にありません(平謝り…)。手帳もガンガン捨ててっちゃうわ、持ち込んで連絡ない原稿は「また、新しいの描きゃいいや」で取りに行かないわで…(実はそれもあって、こうしてHPを作った…っていうのも理由の一つなんですが、記録として)

 そんな感じでタラタラ、描いております。
現在、比較的入手可能な書籍は短編集「RHINO−ライノ−(ソニーマガジンズ刊絶版。ここも色々ありました…現在は電子書籍にて発売)」と、単行本形式なので多分大きな本屋さんに行けば手に入ると思われますアンソロジー本「Bstreet(ソニーマガジンズ版は絶版。幻冬舎コミックス刊)」で「虹の彼方に」(連作、完結)が手に入ると思います。

 あ、後、漫画家になる前からの友達が作った音楽雑誌「米国音楽(もう、その手じゃ老舗っすね)」で創刊から現在まで「CAMP COMICS」という1ページを頂いて、好き勝手な事やってます。これが一番長いなぁ…(笑)。ちなみにライノの装幀は、ここ(ブラッディー・ドルフィンズ)の川崎氏にやって頂きました(その節はお世話様でした)。

 このサイトを御覧になって、興味を持たれた方は頑張って探してみて下さい(ウォリーより大変だよ<脱力)。

 以上、やる気のない紹介ページでした。

追記:「見つめていたい」は、お陰さまで手に入りましたm(_ _)mぎゃ〜って感じですが(笑)。

追記の追記: 「FLOWERS」は現在合同誌『四人一首』にて収録されております。在庫がなくなり次第絶版です(笑)。



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