★実際には本文はタテ書きとなります。「絵本のタイトル」と「メッセージ」はヨコ書きです。 ★赤字の部分がご希望の通りに変わります。 |
ひろくんと むしはともだち |
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さとう ひろゆきくん へ 2020年3月15日 パパ と ママ より |
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しずおかけん いわたしに すむひろくんは むしが だいすきです。 おともだちの かんちゃんと けんちゃんも むしが だいすきです。 カマキリ コオロギ スズムシ クワガタムシ セミのぬけがら・・・・・。 でも いちばん すきなのは やっぱり カブトムシ。 むしたちが あそんでいるのを みると いっしょに あそびたいなと おもいます。 |
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きょうも むしを みつけに のはらに やってきた ひろくん おおきな クヌギのきの じゅえきを すいにきた むしたちに 「おーい きみたちの なかまに いれてよ ともだちに なろうよ。」 と いってみました。 でも クワガタムシは しょくじちゅう。 アゲハチョウは ダンスに むちゅう。 スズムシは リーンリーンと うたっています。 |
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「つまんないな ともだちになって いっしょに あそびたいのに。」 ひろくんは つまらなそうに アリの こうじげんばを みていました。 すると 「そんなに がっかりしないで。」 と くさの なかから こえが きこえました。 それは おおきな カブトムシでした。 「ひろくん いつも ぼくたちに やさしくしてくれて ありがとう ぼくたちの おまつりに こない?」 「やった! でも どうやって いくの?」 |
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「ほら ぼくのせなかに のって!」 ひろくんは みるみるうちに ちいさくなって カブトムシの せなかに またがって つのに しっかり つかまりました。 「さあ しゅっぱつ!」 かたい はねが ひらいて つばさになり クルクル パタパタ ビューン ビューンと エンジンが かかって ひろくんを のせた カブトムシは おおきな にゅうどうぐもの うえまで とびあがりました。 |
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のはらを こえ もりを ぬけ カブトムシの ひこうきだ。 ブーン ビュルルーン スギのき クリのき クヌギのき すりぬけ すいすい ほっぺに かぜが あたって とても いいきもち。 やがて ひこうきは しずおかけん いわたし どんぐりやまの くさむらに ちゃくりく。 |
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どんぐりやまの ひろばでは ピーヒャラ ピーヒャラ ドンドンドン。 クワガタムシが たいこを たたき コオロギが ふえを ふいて そのまわりを いろいろな むしたちが わになって おどって います。 ねんに いちどの おまつりに あかや あおの ちょうちんが ゆらゆら ゆれて あちらも こちらも おおにぎわい。 |
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「さあ ぼくたちの なかまを しょうかい しよう。」 カブトムシは ひろくんを いろいろな むしたちに あわせて くれました。 いつもは こわそうな むしたちだって ニコニコ わらって ひろくんと あくしゅしました。 |
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「ひろくん のどが かわいたね。 カマキリの こおりやさんで あまくて つめたい こおりを たべよう。」 おみせでは アゲハチョウが ながい くちで チュウチュウと こおりいちごを すっています。 むしたちは あまいものが だいすき。 つぎから つぎへと むしの おきゃくで こおりやさんは おおいそがし。 |
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いよいよ おまつり いちばんの すもうたいかいの はじまりです。 「ひろくんなら ゆうしょうを ねらえるよ。 きょうてきは クワガタムシだ。」 どんぐりやまの よこづなには いったい だれが なるのでしょう。 ずらりと ならんだ せんしゅたち じしん たっぷりの ミヤマクワガタ おひげの ながい シロスジカミキリ ふとっちょの コガネムシ。 |
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のこった のこった はっけよい ぎょうじは となりむらの ハナムグリ。 やっぱり クワガタは ちからもち カミキリムシを おしだして コガネムシには したてなげ。 のこるは ひろくん ただひとり。 どひょうの まわりは おおさわぎ。 「がんばれ クワガタ! がんばれ ひろくん!」 「にーし ひろくんやま ひろくんやまー。 ひがーし クワガタやま クワガタやまー。」 ぐんばいが かえって どひょうの まんなかで ちから いっぱいの おしくらべ。 |
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クワガタやま よった よった あぶない ひろくん ゆだんをするな。 そのとき ひろくん とくいの うわてなげ。 クワガタやまは どひょうに ひっくりかえりました。 「やったぜ おうえん ありがとう。」 ひろくんは おおきな こえで おれいを いいました。 |