海タナゴのかかり釣り

 冬の風物詩の釣りと知られる海タナゴのかかり釣りは、大体12月頃から志津川湾や女川湾など静かな湾内で行われます。
ただ寒い時期に行われるのとあまり流行っていないせいか初心者に分かりづらい釣りに思われているようです。
確かに最初に経験者に教えてもらわないとタナやアタリの取り方は分かりづらい面もあります。
ただしこの時期の海タナゴは食べても非常に美味しく、繊細な面が多い魚との駆け引きは非常に釣り人の心をくすぐる魅力のある釣りですので、寒いのを我慢して始めてみてはいかがでしょうか。

海タナゴ釣りの道具
   竿

 竿はKT関東やサクラなどから専用の竿が何種類か出ているのでその中から選びます。
最初の1本には2,1〜2,4メートルのあまり硬くないのが良いでしょう。
(志津川湾がメインの人は2,4メートルがオススメです。

  リール  

 リールは定番が2つ有ります。
ダイワの棚ハンターGSミニとシマノのカルカッタチヌ1000の2機種です。
どちらも長所と短所があるので説明しておきます。

ダイワの棚ハンターの長所はなんと言ってもカウンターが装備されているので細かいタナ取りが出来るのと糸の選択が自由な事です。
短所は糸落ちが悪いのと、ドラグが無い事です。
あと下巻きをちゃんとしないとカウンターの誤差がとても大きいです。

シマノのカルカッタチヌは精度が非常に高く剛性もありますので力も有り糸落ちもスムーズです。
ドラグも滑りが良く大物とのやり取りも有利です。
ただしカウンターが無いのでワカサギ5のような水深の分かる糸しか使えないのが短所です。
ちなみに私は糸の選択を優先しているので、ダイワの棚ハンターを愛用しています。
ただしノーマルでは不満なのでスプール軸の横にベアリングを2個追加して使っています。
(ダイワの仙台営業所に聞けばパーツbヘ分かるはずです)
ドラグはありませんが大物が掛かった時はとっさにオフにして対処しています。
(慣れないとちょっと難しいです)


左端ワカサギ5
中央バス用フロロカーボン
右端 バス用ナイロン
(低伸度ナイロン)
  
   道糸
 

 道糸は基本的にPE以外を使います。
なぜPEを使わないかというと、PEは糸の影がはっきり出る欠点がありタナゴの食いが極端に落ちてしまいます。
ですからナイロンかフロロを使うのが一般的です。
ただ糸の選択でアタリの出方も変わりますので糸の特徴と一緒に説明して置きます。
まずはタナゴ釣りで一番メジャーなワカサギ5ですが主に1,2〜1,5号を使います。
カルカッタチヌを使う方は100%この糸を使っています。
最大の特徴は5メートルおきに色が変えているので深さが分かる事です。
ただ寒い所で使うのを前提に通常より柔らかく作っているので伸びが大きくアタリの出方も最初の食い下げは出ずその後の食い上げを取っていく釣り方になります。
魚の食いは伸びがあるので良い糸だと思います。
 フロロカーボンは水切りが良くアタリの伝達性は一番良いと思います。
ただ比重が水より重く伸びもあまり無いので魚の食いは若干悪いかもしれません。
私は風が強い日に手でアタリを取っていく時に使います。
アタリの出方は最初の食い下げでアタリが出て魚がそのまま針をくわえていると食い上げに変わっていきます。

低伸度ナイロンはワカサギ5とフロロカーボンの中間的な存在になりますが最近のナイロンは昔のに比べるとかなり出来が良くフロロカーボンなみにアタリが良く出ます。
アタリの出方はフロロカーボンと同じです。魚の食いも良いです。


 タナゴ釣りでは主に活きエビをエサにしています。
酸素を与えないとすぐに活きが悪くなってしまうのでエアーポンプとエビクーラーは必需品です。
種類も色々ありますがエアーポンプはナショナルの白いボディーのものが何年も使えて丈夫でオススメです。
エビクーラーはビニール製ですと寒い時期にはすぐ壊れてしまうのでプラスチック製のを選んだ方が良いです。
少々高い組み合わせですが何回も買い換えるよりは良いと思います。


エビクーラー

仕掛けについて




 仕掛けは3本針か4本針が主流です。ただし針数が多くなるとヨレやすいのと初心者には扱いづらいので最初は3本針が良いでしょう。
ちなみに針数が多いのはダブルやトリプルを狙っているのではなくてタナを広く探るためです。
1匹掛かったらすぐに上げてしまったほうがバラシは減りますよ。
最初は市販の仕掛けでも構いませんが人より釣りたいと思っている人は自作したほうが絶対いいでしょう。
そのほうが必ず釣果が伸びます。
(正直どのメーカーの商品もイマイチです)ただしバランスの悪い仕掛けを作っても釣れないので簡単に説明しておきます。
仕掛けの長さは広くタナを探るため長くしたいのですが、手返しや移動中の絡みも考えて全長で1.5〜2.0m位で良いでしょう。

糸の太さはシーズン前半が0.8〜1.0号後半は0.6〜0.8号を目安にして下さい。
幹糸とハリスは同じ太さで良いです。
ハリスの長さは1〜3センチと短くします接続は面倒ですが、直接結びます。
クロスビーズ等はアタリがボケやすいのであまりお薦めしません。
サルカンもなるべく小さいのを選んでください。
 


針は各メーカーから色々出ていますが淡水用の針を使ったほうが絶対釣れます。理由は海用の針は必ずメッキをかけていて光るからです。
タナゴは光る針を嫌う様でアタリの数が全然違ってきます。
ですから面倒ですが仕掛けは自分で作ったほうが満足のゆく釣りが出来るはずです。
 仕掛けに使う糸はヘラブナや渓流釣りに使うナイロンが無難でしょう。
なるべくチヂレにくい物を選んで下さい。
ホンテロンなどポリエステル系の糸も悪くはありませんが少し強度が落ちるので糸の号数を少し上げて使ってください。
フロロカーボンは強度はありますがチヂレに対して復元力がまったく無いので使い物になりません。
 オモリはナスおもりの3〜8号が一般的によく使われています(私は2〜4号がほとんどです)
色は何種類も出てますが普通の色無しが無難でしょう。

基本的な釣り方

次はタナゴの釣り方を書いて行きます。
まず釣り場に着いて1回目の投入は底まで落として水深を測ります。
(2回目以降は底まで落としません。理由は後で書きます)
水深が分かったら仕掛けを上に上げて魚がアタリを待ちます。
タナは大体底から1〜3m位上が多いです(底に固まっている時は1m位、回遊待ちの時は3m位が多いです)ただし日によってタナは変わるので積極的に動かしてください。
そのうちかならずアタリが有りますので大きく合わせて下さい。
大きく合わせないと道糸がPEと違ってかなり伸びるため合わせが効きづらいためです。画像で説明します。

左の様に腕を伸ばした状態でこの位大きく合わせます。
大げさに思われるかもしれませんが伸びの多いナイロンだとこの角度でも魚の重さが掛からず、魚が釣れてるかどうかいまいち分から無い時もありますんで遠慮しないでドンドン大きく合わせて下さい。
ただ魚が掛からなかった時は活きエビの頭を取られてる可能性が高いので針の数だけ当たったら仕掛けを回収してエサの状態を確認して下さい。
 ちなみに腕を伸ばさないで左の様に合わせるとアワセが効かない上に穂先だけに負担が掛かって竿が折れやすいので必ず腕を伸ばして大きく合わせましょう。
 
 魚が掛かったら後は慎重にやり取りをして取り込んで下さい。
大きいのはちゃんとタモを使ったほうが無難です。
(自分用に持参したほうが手返しが速くなります。1000円以内で買える安いので充分です)
魚を取り込んだら後はドンドン釣るだけです。
繊細なアタリも慣れれば分かります数を釣って覚えるしかないので頑張って下さい。

 最後に水深を測ったらその後は仕掛けを底につけない理由を書いておきます。
これはもしアイナメが掛かった場合柔らかいタナゴ竿では大暴れされるのは誰でも想像つくと思いますが、実はタナゴの群れを散らす可能性が非常に高いのです。
ですからタナゴだけを狙う場合はなるべくオモリを下につけないのがコツです。
もちろん同船者の同意があればアイナメを狙っても構いません、皆で話し合って決めてください。
 以上でタナゴ釣りの説明は終わります、もし分からない事があったら店に来て聞いて下さい。
(電話は御遠慮下さい)



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