船スルメイカ釣りの基本
 仙台湾で丸洋丸がイカ釣りを始めてから早くも十年以上たちます。
最初の年から行っていた私としては船長の苦労に頭のさがる思いです。
いまでは夏の風物詩となったイカ釣りですが、まだまだ初心者には分りづらい釣りのようです。
まだまだ私も下手ですが、分かる範囲で書いてみますのでこれから始めたい方に少しでも役にたてば幸いです。
タックルについて
竿 竿はやはりイカ竿が使いやすいと思います。
長さは1.9〜2.1mがオススメです。
100号のオモリを一晩しゃくる事を考えたら竿は軽くて短い方が圧倒的に楽です。
イカの仕掛けはもともと6〜11m位あるのが普通ですのでメバルみたいに竿で抜くのは物理的に無理です。
たまに3m位の竿に大きい電動リールの人を見ますが
 ガイド付きと中通しと比べた場合は、ガイド付きのほうが感度が良く調子も良いのでガイド付きの竿をオススメします。
幸い最近は絡みずらいタイプのガイドも出てるので予算があればそういうタイプを選んで下さい。
リール 小〜中型電動リールが主流です。ただし手巻きでも全然大丈夫です。
問題はリールが重過ぎると非常に疲れるし誘いも単調になるので小さいのを選ぶ事です。
ダイワなら300〜400番、手巻きで200〜400番
シマノなら電動で600〜1000番、手巻きで800〜2000番を目安に選んで下さい。
ライン PEラインの3〜5号位が良いでしょう。(私は今は3号を使ってます)
あまり太いとオマツリになりやすいので気をつけましょう。
必要な小物類
水中灯 仕掛けの上に付けます。
色々なタイプがありますが最近はLEDを使ったタイプが人気があります。
単色から三色まであるのでお好みで選んで下さい。
専用スナップ 水中灯は普通のスナップが使えないのが多いので専用のスナップが必要です。
はさみ イカ釣りの外道でサバが良く掛かります。
イカ角はサバに飲まれると非常に外しにくいのでサバの口を切る時に使います。
ナイフでも構いません。
歯ブラシ イカ角の掃除に使います。
クラゲの多い年は必需品です。
グローブ イカ角は針がむき出しになっています。
イカ釣りに慣れるまではどうしても刺してしまいます。(結構 痛い!)
ですから手袋は必需品です。特にジギンググローブが一番良いと思います。
ツノマット
もしくは
ショットガン
私が行っている丸洋丸では必要ありませんが(船べりにスポンジが着けてある)
漁船などでは移動中に仕掛けを絡まない様にしなくてはいけません。
そんな時にあると便利な商品です。
仕掛けについて
 仕掛けは最近は仙台湾に向いた物が多く出来ているので市販品で充分でしょう。
ただ初心者はあまり針数が多いと大変なので5〜7本位が良いと思います。
慣れてきたら針数が多い物に挑戦してみて下さい。
針数が多くなると多点掛けの確率も上がりますし棚を広く探れるメリットも出てきます。
 市販品で満足出来ない方は仕掛けを自作してみてはいかがでしょうか。
イカ角は色々多種あるので自分なりに考えた仕掛けで釣れると喜びも倍増です。
角の種類は布巻スッテ、オッパイ針(ゴム製)、プラスチック針の三種類がメインです。
多い組み合わせはスッテにオッパイ針か、スッテにプラスチック針を合わせるのが多いです。
角の大きさはシーズン初めはイカが小さいので角も小さめを選びます。
シーズン後半はイカが大きくなるので大きめの角を選ぶのが基本です。
 仕掛けの長さは針間は長く、ハリスは短くが基本です。
針間の目安は大体1〜1.2mが目安です。長い方が仕掛けを長く出来るので棚を広く探れます。
ハリスは大体1〜3cm位が目安です。
前に爆釣時に実験してみたんですがハリスを一本だけ長くしていくとその針だけ乗らなくなっていきました。
ハリスを元の長さに直すとまた乗るようになるので角の動きになんらかの変化があるようです。
それから角は基本的に直結です。接続具を使うとオマツリした時に非常に外れにくくなります。
どうしても釣りの最中に色々角を試してみたい方は左の写真の様にチチ輪でつなぐのをオススメします。
(分かりづらい時は画面をクリックして下さい)
基本的な釣り方
 さて実釣の話をする前に仕掛けの持ち方を説明します。
前に書いた通りイカの仕掛けは大体6〜11mあります。
ですからまず仕掛けを絡ませず手返しを良くするのが上達のコツです。
基本はまず親指と人差し指の間に順番に並べていきます。
それで入りきらなくなったら次は人差し指と中指の間に並べていきます。
その次は中指と薬指、最後に薬指と小指の間に並べていきます。
(分かりずらい時は画面をクリックしてください)
投入は仕掛けを持つ手の反対の手で一本づつ落としていきます。
 仕掛けを落とす時は必ずサミング(指で軽く糸を押さえる)をするようにして下さい。
サミングのメリットは二つあります。
軽く指でブレーキをかける事により常に糸がまっすぐになり隣とのオマツリが減ります。
それとイカは落ち込みに乗る事が結構あります。
常に糸を張った状態で落とし込む事によりイカのアタリに早く気づきます。
仕掛けが水の中に入った瞬間からイカが乗る可能性はあります。集中して釣りをしましょう。
 あと船長が棚を指示した場合それに従ってください。
必要以上に棚より下に仕掛けを落とすとイカの棚が下がってしまいます。
指示がなければ底まで落とすのが普通です。
 仕掛けを落としたら次はシャクリ(誘い)に移ります。
最初は大きく動かして棚を広く探る釣り方でいいでしょう。
そのうちイカが学習して乗りが悪くなる前に反応の良い棚を探しておきましょう。
反応の良い棚が分かったらそこを集中して攻めると無駄がありません。
ただし新しい群れが入ったり、イカが上ずってくる時もあるので棚の前後5〜10mも時折攻めてください。
 イカ角の誘い方は私にとってもまだまだ解らない部分が多々あります。
ただ電動リールのシャクリ機能だけでは人より釣るのは無理だと思っています。
自分の手でイカ角を生きた魚の様に演出してみて下さい。
大変かもしれませんがその方が釣ったという満足感が大きくなるはずです。
 イカが乗るとかなり重くなるので誰でも分かると思います。
問題はいかに絡ませずに取り込むかでしょう。
私の場合イカが乗った際竿掛けに掛けた状態で巻き上げをします。
水面に水中灯が出る位で竿を立て水中灯をつかみ、そこから仕掛けを手繰っていきます。
右利きなので左手は針を持つだけで、ほとんど右手で取り込みを行います。
イカ角は針にカエシが無いのでイカ角を逆さにして揺すれば簡単に外れます。
(分かりずらい時は画面をクリックして下さい)
外し終わったらまた針を一本ずつ落として釣再開の流れとなります。
 大体以上がスルメイカ釣りの大まかな説明になります。
あと沖上がりの際道具をかたずける時は仕掛け巻きがあると非常に便利です。
たいして高い物ではないので一個位あったほうが良いでしょう。
それからイカを詰める発泡スチロールの箱は必ず水抜きの穴が開いています。
車に積む際は大きめのビニール袋で包んでください。
 以上でスルメイカ釣りの説明は終わりますが説明の足りない部分も多々有ると思います。
分からない事がありましたら店でどんどん聞いて下さい。
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