1995 ミシガン観戦記  その1 アクセス/周辺情報

 

 1995.7.30 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ(以下MIS)で行われたインディカー・ワールドシリーズ第13戦に行ってきました。観戦記第1弾はアクセス方法、周辺情報を中心としたものにしたいと思います。第2弾でサポートレースとして行われたオールスターレース、IROC(アイロック)を、第3弾でメインイベント、マルボロ500についてレポートします。

 


 MISはデトロイトから西へ約70マイル(約113km)、ミシガン州中央部の小さな街ブルックリンにある。レース関係者はデトロイトとMISの中間にあるann arbor(アン・ナーバー)に宿泊することが多いらしいが、私が頼んだ旅行会社はブルックリン近辺に日本から予約できるホテルが無いとのことで、デトロイトに宿泊することにする。そこからレンタカーで土、日と通うつもり。

 デトロイト・メトロポリタン・エアポートからデトロイトのダウンタウンまでは、インターステイト94号線とU.S.12号線を乗り継いで東へ約16〜17マイル、20分程。

 デトロイトは、行く前に何人かの人から「治安が悪いから気を付けろ」と脅されたが、たしかに廃墟やホームレスが多く、ビジネスマンや観光客の姿は少ない。用心に越したことは無いと思い、私は必要の無いかぎり車からは降りなかった。他の都市と違い街から数マイル離れたほうが安心できる雰囲気。

 

 デトロイトの街からMISへは西(シカゴ方面)へ。U.S.12号線からインターステイト94号線(I-94)に入り、空港方面へ戻る格好になる。ちなみにダウンタウンから5分程のとこに、当時デトロイトタイガースの本拠地だったタイガースタジアムがあった。(タイガースは2000年、コメリカ・パークに本拠地を移転)

 I-94はいわゆるフリーウェイで2〜3車線あり、時速65マイル(約105km/h)で飛ばせる。30マイル程走って再びU.S.12号に合流。こちらはほとんど1車線で、信号はほとんど無いものの、あまり速度は出せない。ここからまだ35マイルはあるので後1時間だ。小さな街を3つ通過すると右側にMISの案内の看板がでている。結局片道2時間弱かかった。

 距離だけで1時間ちょっとと考えていたので誤算だった。つくづく日本から自分のカセットを持ってきて良かったと思う。フリーウェイで"Long Train Runnin'"や"Born to be Wild"を聞きたかったもんで...

 それにしてもフリーウェイの路面は轍や穴だらけで走りにくい。慣れるのに半日かかった。書き忘れたけどアメリカで自分で運転するのはこの時が初めて。さすがに左車線は走らなかったけど、道が単調で眠かった。

 

 行き返りの渋滞はほとんど無いに等しい。MISの出入り口でも5分ほど。アメリカではこうしたイベントの時には地元の警察が協力して通行制限や交通整理をするので、多少渋滞しても整然としている。たださすがに決勝日の帰りはノロノロ運転が1時間ほど続いた。とはいってもホテルまで2時間半だったから土曜より3〜40分余計にかかっただけ。

 

 チケットは当日でも十分あるとは思ったけど(実際十分席はあった)、連戦観客動員の記録を更新しているという95年のインディカー・ワールドシリーズ。念のために日本から席を予約していた。私の英語では電話ではつらいのでファクシミリで注文。日が無いので現地で受けとってもいいよと書いておいたら、「当日チケット売り場で受け取れ」と予約が取れた旨のファックスに書いてあった。ちなみに返事は1日できた。(どこのサーキットでも現地の受取り窓口は"Will Call"と表記のある所。チケット売り場は通常複数あるが、たいていメインの売り場にあるはず。)

 スタートの時に迫力があるかと思って第1ターン付近を指定した。取れた席はVISTA29というブロック。メインのグランドスタンドでなく第1ターン側に7つある小さいブロックのうちグランドスタンドの方から数えて3つめ。思ったよりピットから遠くてピットの作業があんまり見えない。グランドスタンドのピットレーン出口付近が良かったかと思う。値段は土曜の予選&IROCが全席自由で15ドル、日曜の決勝が上記の指定席で50ドル、手数料が2ドルで合計67ドル。パドックパスは現地で買って35ドル。

 インフィールドでキャンピングカーなどを停めて見るには20ドル。グランドスタンドの上の方の席だともっと高いけど一番高くて70ドルくらい。

 

<ベルアイル・パークのスタートライン>

 宿泊したデトロイトは、この年のインディカー第8戦が開催されたところでもある。会場となったベルアイル・パークにも行ってみた。ここは普段本当にただの公園で、噴水や運動場、動物園などがあり、サーキットの面影はスタート/フィニッシュ・ラインぐらいしかない。土曜の午後6時ぐらいに行ったが(まだ明るい)、目付きの悪いティーンエイジャーやホームレスも多く、街と同様あまり治安が良いとは思えなかった。ちなみに公園内の道は、普段はレースの時とは逆回りの一方通行。いちおう一回りしてスタートラインの写真を取る。

 

 ベルアイル・パークの南側、デトロイト川の対岸はカナダ、ウィンザー市。カナダが南側に? そう、ここはそんなふうに土地が回り込んでいる。近くにトンネルと橋がありこれを渡るとカナダ。簡単な税関がありアメリカかカナダ国籍以外の人は通過するのにパスポートが必要。パスポートにスタンプを押してもらおうと行ってみる。デトロイトとはうって変わってこじんまりとしたきれいな街。カジノがあり観光客向けに馬車が走ってたりする。米ドルで買い物が出来るが、お釣りはカナダドルで返ってくる。カナダドルの方が安いので、お釣りの方が多かったりすることもあるが、計算が合っているのかどうかとっさには判らない。

<ウィンザー側から見たデトロイト、ルネサンス・センター>

 

 その他、アメリカのこの近辺にはインディカーの開催地が集中している。ミシガンの他にインディアナポリス、ウェストアリス、デトロイト、エルクハート・レイク、クリーブランド、ミド-オハイオ等がデトロイトやシカゴあたりから行ける範囲にある。頑張ればトロント、モントリオールぐらいまでは行けそうなので、この辺りに住んでる人はモータースポーツ三昧だ。

 

 デトロイトから西10マイルぐらいのところ(空港への途中)にヘンリー・フォード博物館がある。T型フォードや歴代大統領が使用したリムジン、蒸気機関車、航空機等の交通機関のほかに、ミシンや蓄音機などの生活機器の展示がある。ただし、残念ながらレーシングカーはほとんど無かった。

<ヘンリー・フォード・ミュージアム>

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