大英帝国有閑クラブの夕べで、発明家が言います。
「火星に行こうよ!」
見れば彼のかたわらにはベルヌの「月世界旅行」が、どうやら感化されたようです。
聞けば、宇宙船の設計図も出来ているらしく、
かの王立科学協会の長ケルヴィン卿も興味を示してバックアップをしてくれているようです。
それぞれ火星行きの強い理由はなかったのですが、好奇心から同行します。
到着した火星は不毛の大地ではなく、緑なす水の豊かな惑星でした。
一行はジャングル周辺でキャンプをしていましたが、しばらくすると飽きてきます。
そのとき、遠くにたなびく煙が・・・
かの有名な運河を越えたあと、煙の正体を発見します。
カブトガニのような蒸気機械から出ている蒸気でした。それにはサングラスをかけたノッポの男が搭乗し、
かたわらには初老の男と小太りの青年が歩いています。
初老の男はケルヴィン卿でした。
卿は火星に来た方法と目的をぼかし、「観光目的ならそれを楽しみ給え」と警告します。
やがて、小太り青年バクスター博士の検出計が反応を示す頃、
自然ではありえない知的生命体の街らしきところに到着します。
卿の指示にしたがい、カブトガニマシンは街中央の塔を破壊し掘り始めます。
その周囲には丸い風船のような生命体――火星人です!――が何匹も漂います。
メイリンが接触を試みますが、ことなる思考形態らしく反応はありません。
一行はちょっと離れて傍観を選択しました。
やがてマシンが掘り出したものは、青く光る石――プラトナーライトです。
それを合図としたように、火星人は一斉に攻撃を始めます。
火星人の虹色怪光線によって、乗ってきた宇宙船ブルーウェルズを破壊された一行は、
卿の宇宙船レッドベルヌに乗せてもらおうとしますが、卿はノッポに排除を命じます。
こうなったら宇宙船をとっちゃえと乗り込む一行ですが、入口には人間そっくりの女性型自動人形エイダが
立ちはだかります。頭から飛び出す高速歯車で苦戦するハイマンとバイロンですが、
その間に発明家とメイリンが乗り込み、発射の準備を行います。
カブトガニメカが迫る直前!ハイマンは自動人形の鋭い一撃に倒れました。
バイロンはエイダを倒し、そのままハイマンと一緒にひっぱり宇宙船を出発させます。
機械に詳しいメイリンの解析でエイダの機動を止め倉庫に放り込んでおきました。
こうして火星を後にしましたが、なんと船内には火星人がいました。
メイリン必死の説得でなんとか意志を通じさせることができました。
火星軌道上空で壊れたはずのエイダは隔壁を破壊して火星に戻ります。
宇宙船製造に必要な道具を持って・・・
手元にはエーテルの詰まった瓶と、連れてきてしまった火星人が・・・
GMのおもわく |
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レトロSFでは魅力ある火星を舞台にしたくてこの話にした。
ケルヴィン卿一味は昔小説書こうと設定を考えていたので、すんなり決定。
一味にプラトナーの精製方法を掲示できればめでたしめでたしだけど、まあ、
火星人への乱暴を止めてくれればそれだけでも。 結果: まずハイマンの「GURPSってダイスいくつだっけ?」というマジ台詞に愕然。 さらに三人とも前回の記憶がまったくないのに不安を覚える。カーツさんなんで休みなの?(泣) 実際のプレイではなんだかすんなりとケルヴィン一派と行動を共にしちゃったなあ。 「前回のサングラス男」+「火星人設備の破壊」だけでは敵とみなすには足りなかったかなあ。 いきなり火星に連れて行くだけではちょっとだめだったようだ。 普段からの「どう行動したらよいのかわからない」具合が未知の地だけに拡大してしまったらしい。 始めに火星人たちと仲良くしてもらって、そこにケルヴィン卿の襲撃という形にするべきでした。 これは大いに反省。 頭部を破壊されたエイダがそれでも動けたのはGMの超法規的措置で 申し訳なく思ってます。 戦闘が苦しいのは、PCが発明品を使わないからで、これはGMとしては手加減はできないね〜。 ただ、非公開ダイスの6ゾロはちょっと気まずいかも。 |
プレイヤーの感想 |
ワン・メイリン「探偵ぽく活躍できなくてかなり不満!」 リチャード・ハイマン「二話続けて6ゾロはやめろ」 ジョセフ・バイロン「ケルヴィン卿との妥協が難しかった。襲ってくるまで敵とは認識できなかった」 |