AFFリプレイ 第2話「盗賊都市の魔女」

by RJ last update: 1998/10/28

 さて、今回はプレイヤーが新たに二人参加してくれました。


D君‥‥前回のリプレイを読まされて、気がついたら参加することになっていそうな。でもTRPGは初心者じゃないみたいです。
Eさん‥‥この人もTRPGにはずいぶん造詣が深いそうです。このリプレイの背景世界も結構知っているようです。

 彼らは以下のようなキャラクターになりました。

ノジェ‥‥シルバートン出身の傭兵。見た目は優しげなだが、好戦的で無計画。
グレンデル‥‥大地の女神スロッフを崇めるドワーフの僧侶。ラナの父親に大きな借りがあるらしい。

 しかし、問題がひとつあります。なんとプレイの録音ができなかったのです。そのためこのリプレイは記憶をもとに書き起こしました。もし、あまりにスムーズすぎる展開だと感じたり、GMの話だけが長いと思ったら、そういう理由だとご容赦ください。


GM:あ、新しいキャラクターの二人はしばらく登場を待っていてね。さて、前回の確認をすると、君たちはファングの街にいたのは覚えているよね。街では迷宮探検競技が終わったばかりだった。
ラナ:うん、それは覚えている。
GM:君たちは魔術師スペンサーに依頼されて、混沌の神殿の魔法陣を調べた。
グレンデルの人:リプレイは途中まで読ませてもらいました。
GM:あ、どうも。えーっと、いきなりだけどラナは所持金を半額にしてください。
ラナ:えーっ、なんで?
GM:それはラナの父親が「これはお前が将来必要になったときのためだ」と言って没収してしまったから。
みんな:(笑う)
フェルデン:その手できたか。
GM:あ、ミスルは店のつけ金貨10枚を払ってね。
ミスル:うーっ、俺金ができたからって店のつけ払うのかなあ?
GM:(確かに。)ラナはそのかわりに父親が使い古しの「鍵あけセット」をくれたから。
ラナ:はいはい、前回は素手で開けていたからね。(ごそごそと書き込む)
GM:さてフェルデン、君は自分でもわかっていると思うがインチキ占い師だ。だけど、今日に限ってこんな占いが出た。(と、メモを渡す)

●フェルデンの占い

「二人の仲間に災いが降りかかる。一人は自分がいることで防げるもの、一人は災いの後、それを解決するしかないもの」

 ラナ、ミスル、ルックストンの誰についているか決めて。
(「誰にもついていない」でもOK)


フェルデン:ふーん。
GM:みんなに言ってもいいけど。
ラナ:例によってだまっているんだよね。
フェルデン:もちろん。
GM:じゃあ、印をつけて返して。

 ラナとルックストンに○がつけられていた。

GM:あ、一人にしてよ。
フェルデン:一人なの?じゃあ印つけていない奴。(←なんでだ!)

GM:一方その頃、ミスルは悪夢にうなされて、飛び起きると‥‥(メモを渡す)

●ミスルの変化


「悪夢を視て飛び起きると、背中が異様にかゆいことに気がついた。手をあててみるとなにやらヒレのようなものがあるようだ。服を着ていれば他人にはわからないが言うべきだろうか」

ミスル:ほお。でもわからないなら黙っていよう。
GM:フェルデンはミスルが汗をかいて飛び起きたのに気がついた。
フェルデン:ふーん。
GM:例によって何もしないのね(何か積極的な行動を!)。
フェルデン:うん。
GM:じゃあ、ミスルは起きてラナの店の一階に降りてきた。

GM:さて(ああいそがしい)、その前にラナは父親ラナックに「ラナ、ちょっと使いに行ってきておくれ」と頼まれる。
ラナ:その名前やだ(笑う)。「いいよー、どんな用事ー」
GM:いや、用事はもうすんでしまって(笑う)その帰り道。
ラナ:あ、そう。

GM:えっと、前回のこの街は迷宮探検競技のお祭りがあって、それが終わったばかりというのは覚えているよね。
ラナ:うん、覚えている。
GM:ラナが帰りに路地裏を歩いているとき、「試練の迷宮から怪物が逃げたぞー」という声が聞こえてくる。
ラナ:「どこどこ?」
GM:どこもなにも、あんためがけて突進してくるよ。緑色のヒキガエルのような顔をした長い爪を持った怪物だ。[怪物の知識]はないから技術点ロールをして。
ラナ:(ころころ)成功。
GM:こいつはタラトールという怪物だ。技能がないからわかるのはそれぐらいだね。
ラナ:ラナの性格だとぼーっと立っていると思う。
GM:タラトールはラナを襲うんだけど,そこに歴戦の傭兵ノジェが通りかかる。
ノジェ:え?俺。
GM:うん、ラナに降りかかる一撃を受け止めてもいいよ。
 傭兵ノジェはさくさくとタラトールを切り刻みます。

GM:というわけで、ラナとノジェは知り合った。
ノジェ:人生の目的もないまま一行に加わってしまった(ちょっと、とまどってる)。

 適当に出会いのシーンを作ったけど、もしかしてノジェも一行に加わる理由を考えていたのかな?もしそうならごめんね。

GM:ラナが帰ってきた頃、ミスルも階下の酒場にいる。ルックストンさんは、「私はちょっと神殿から用事を頼まれたので‥‥」と出かけてしまう。
ラナ:「ねえねえ、ルックストンさんどこにいくの〜」
GM:「ちょっと神殿から用事を言いつけられたので」
ラナ:「どこの神殿?」
GM:「あなたも、慈悲の神の信者でしょう」
ラナ:「ぼくも、いく〜」
ミスル:行きたがっているんだから、引き止めるなよ(参加者が2人増えたバランスをとるため、というのに気がついている)。

GM:それで、みんな思い思いに過ごしているわけだけど‥‥。突然、怪物事典のモックが騒ぎ出す。「この近くに混沌の怪物がおるぞ!」
ラナ:「え、混沌の怪物ってなあに?ばたばた」
GM:はい、ミスル君(またメモを渡す)。
ミスル:また〜

●ミスルの変化


「今度は利き腕が痛む。手がやけどをしたようにただれて、力が入らないので剣を持つことができない(呪文は使えそうだ)。痛みはあるが、不思議と安らぐような気がする」

GM:これは、みんなにわかっちゃうよね。
ミスル:そうだね。
GM:ミスルの腕がやけどをしたようにただれている。
ラナ:「わぁ、ミスルさんどうしたの〜手がただれているよ〜」
ミスル:剣が持てないとGMに言われました(笑う)。
GM:ラナの親父さんもいやそうだ。
ラナ:ところでさあ、前回拾ったしゃべる本ってどうなったの?
GM:はぁ!?(さっき「モックがしゃべった」って言ったよね)
ミスル:さっきからしゃべってるじゃん。
GM:‥‥この怪物事典のモックなんだけど。フェルデンのキャラクターシートに書いてあるでしょ。
ラナ:え〜、これ前回のしゃべる本だったの?
フェルデン:そうだったのか。
GM:(こいつら‥‥)
ラナ:だったら、ラナがフェルデンに渡すわけないよ〜。なんでさっきのタラトールのときにはしゃべらなかったの?
GM:(いや、なんでって言われてもね‥‥)

 最初にもっと、強調しておくべきだったかもしれないな。でも前回のリプレイの最後にもちゃんと書いておいたけどなぁ。

GM:‥‥ミスルの手は焼けただれている。
ラナ:「そうだ!あのスペンサーさんに相談してみよう」
GM:(よし、それでいいんだ)じゃあ、君たちはスペンサー・スパインドのいる掘っ建て小屋までやってきた。
フェルデン:あの本が売れたのに、まだ掘っ建て小屋なの。
GM:あれは金もうけじゃなくて、あくまで名を売るためのものだからね。
ラナ:「スペンサーさん、スペンサーさん。ミスルさんの手がただれちゃったの〜」
GM:「うーむ、これはあの黒い剣のせいらしいな。私の手には負えないようだ。ブラックサンドに住むニカデマスという大魔術師に頼むしかないな。私の師匠なんだが。」
グレンデルの人:おお!
フェルデン:あの剣は大丈夫だって鑑定してもらわなかったっけ
GM:「私の見込み違いだったようだな」 あくまで、スペンサーの鑑定だからね。

 初老の魔術師スペンサーの話では、大魔法使いニカデマスは、ブラックサンドという街に住んでいるらしい。

GM:「ちょうどいい、紹介状を書いてあげるから、わしのこの本『世界各地の封印あれこれ』を師匠にも持っていってくれないか」
ラナ:そんな名前だっけ?
ルックストン:報酬は?
GM:「だってわし、紹介状を書いてあげるんだよ」
ミスル:「うーん、治ったらこの人を切るのかもしれない‥‥」

 一行はラナの店に戻り、ブラックサンド行きを伝えるのだった。

GM:「うむ、あの無法者の巣窟といわれるブラックサンドに行くには少し心もとないな。わしの知り合いにあの街に行ったことのあるドワーフがいるから、そいつにも同行してもらおう。」
ミスル:おお、ここで出てくるのか。
みんな:(なぜか、大いに納得した様子)

 このようなわけで、大地の女神スロッフの神官ドワーフことグレンデルが一行に加わった。

グレンデル:「グレンデルじゃ」
GM:さてグレンデル。君はブラックサンドに言ったことがあるから、こんな知識がある。(また紙を渡す)
グレンデル:ふむ、まあ隠すようなことではないし、みなにも見せよう。

●ブラックサンドの基礎知識

「ポート・ブラックサンドは別名『盗賊都市』と呼ばれるならず者の巣窟である。住人のほとんどは、靴ひも一本取るために人殺しをするような輩だ。この街を治めるのは元海賊のアズール卿で、卿は恐怖をもってある程度の秩序を維持している。卿が気まぐれで発行する許可証がなければ衛兵にとがめられて、勝手な罪状をつけられるのがオチだ。」

ノジェ:なるほどね。
ミスル:スペンサーは何か薬とかくれないの?
GM:じゃあ、病気の進行を抑える薬を。

GM:「えーと、チャリスの街がここだから、ブラックサンドはここ」
グレンデル:長いな〜。
ミスル:こんなに時間をかけて大丈夫かな、馬も無しで。
GM:(しまった、結構距離があるぞ)「‥‥まあ、スペンサーの薬のおかげで、ミスルの病気もあまり進行せずに、ブラックサンドまでたどり着いた」

 今回、野営はしなかった。

GM:さて、ブラックサンドの街に到着しました。街は高い壁で取り囲まれていて、屋根や塔がひしめき合っている。門の前には二人の衛兵がいる。衛兵のトロールは「通行証を見せてもらおう」と‥‥
ラナ:ないよ。
GM:痛い目を見せてやろうと衛兵は剣を‥‥
グレンデル:「まあまあ、これで勘弁してくれ」と、金貨を渡す。

 このあともグレンデルの賄賂作戦は続きます。


GM:金をばらまいているな。
グレンデル:使いすぎた。
GM:みんな補填してやれよ。
みんな:(聞こえないふり)
GM:脚に鎖のついたおもりを引きずった男が、こちらへやってきて、ラナの腕へ倒れこむ。「お願いです、足かせを切ってください、私は追いはぎにあって税金が払えなかったため、アズール卿に禁固5年を宣言されたんです。」
ラナ:へえ〜、大変だね。どうする?
グレンデル:やめておけ。こっちにきなさい。
GM:じゃあ、衛兵がこちらにやってきて、男を捕まえる。「この殺人犯は二度と脱走させんよ」

このように、ゲームブック「盗賊都市」から抜き出した、いくつかのエピソードで、この街の雰囲気がわかってきたようです。
ラナはあちこちに手をだそうとして、その都度フェルデンにたしなめられます。


●酒場で

しばらくすると、一行は、自分達がニカデマスの住処を知らないことに気が付きます。

グレンデル:やっぱり、こういうときは酒場で調べるのが基本かな。
ラナ:じゃあ、近くの酒場に入ろう。
GM:その酒場はえーっと(酒場の名前を探す)、まあいいや。その酒場のマスターはぎろりとにらむ。
ノジェ:じゃあ、ぼくが聞こう。
ラナ:おじさん、ミルク頂戴。
GM:酒場のマスターはナイフをカウンターに突き立てて、「ここはよそ者のくるところじゃない、とっとと帰りな」と言う。
ノジェ:あははははは(乾いた笑い)、この酒場はやめよう。

てっきり、いきり立って、酒場のケンカになるものと思ったら、そうはならなかった。

ノジェ:今度はおとなしめの酒場を。
GM:はいはい、あったよ。静かな酒場。
ノジェ:「ニカデマスの居場所を知らない?」
GM:「奴に何の用なんですか?」
ノジェ:「うん、ちょっと野暮用があってね」
グレンデル:また、お金をちょっと渡そう。
GM:じゃあ酒場のマスターは揉め事を恐れてか、教えてくれた。「奴は、歌う橋のたもとに住んでいますよ」

●歌う橋のたもとで

GM:汚らしい河のすぐ近くに、掘っ建て小屋がある。
フェルデン:また、掘っ建て小屋か。
GM:扉には立ち入り禁止とはっきり書かれている。
ラナ:でも、おかまいなしに、「ねえねえ、誰かいないの〜」
GM:しばらくすると、扉が開いて、こんな老人が出てくる(「ダンジョニア」の挿し絵を見せる)。「何のようじゃ」
ラナ:「えっーと、スペンサーさんにに紹介されて来たんだけど、ミスルさんがこんな風になってしまったんで、助けてください」
GM:「おお、あいつか。じゃあ、入りなさい」

ニカデマスはもっと偏屈だと思うんだけど、ここで偏屈老人の機嫌をとらせるのもなんだったので、すんなり一行を中に入れてくれた。

GM:中に入ると、小屋はそれほど狭くなくて、すぐに人数ぶんの椅子が現れる。
ミスル:どうやって、みんな入るのかなと思ってたとこなんだ。
フェルデン:やるじゃん。
GM:ニカデマスは「これは混沌の影響を受けているな、その両手剣が原因のようじゃ、早めに手当てをする必要があるじゃろう」
「幸いにして初期なので治療することはできる。手持ちの材料と、あとクリル・ガーナッシュの雪花があればな」
みんな:くりるがーなっしゅ?
GM:「ガーナッシュの雪花はちょうど切らしていたんで、ここ(地図で示す)にすむアーロブに取り寄せてもらっておる。3ヶ月前の話だから、そろそろつくじゃろう。もらってきてくれんか」

ニカデマスから金貨の袋を受け取って、一行はアーロブの店に行きます。
アーロブは商人地区に店をかまえる、何でも取り寄せてくれる男です。

GM:「昼頃入荷したんですけどね、あの性質の悪い魔女ルピルマに、さらわれちまいました。すいません、もう一回取り寄せるんで一月待ってください」
ミスル:待てるか!
ラナ:ルピルナ?
GM:ル・ピ・ル・マ

 このあとも何度「ルピルマ」と言ってもラナのプレイヤーは覚えてくれなかった。口で言うとわかりにくいのかな?

GM:「魔法使いにゃさからえませんよ、アズールに訴えても、逆になんくせつけられるのがオチですからね。」と、アーロブは魔女ルピルマの住居を教えてくれた。金持ちの住む庭園地区に立つ塔だ。

●ルピルマの塔

 一度ニカデマスの家に寄って、鋭気をやしない、日没後に出かけます。ルピルマの搭は、庭園地区の一角にこじんまりと立っている、直径7m程の小さな搭なのです。

GM:はい、ミスル君(また紙を渡す)
ミスル:また〜

「もう一方の手のひらが裂けて、眼のようなものが出てくる。急いだ方が良さそうだ。」

ミスル:うわ〜
ラナ:ほうっておくと、どうなるのかな。
みんな:うん。
GM:さて、高い塔がそびえている。扉は当然閉まっているようだ。
ミスル:窓はないの?
GM:え〜っと、二階に窓があるね。
ミスル:じゃあ、<飛行>の呪文で飛んで、中から開けてくるよ。
GM:(なるほど)二階は暗くてよく分からないけど、とりあえず一階に降りるんだね。
ミスル:うん、
GM:一階は暖炉がある応接間のような部屋だ。

 残りのみんなも塔の中に入ります。

GM:暖炉には火が突然現れる。
ラナ:怪物だ!
フェルデン:魔法の武器でないと通用しないのかな?
ミスル:なら<呪文変化>で、剣に炎の魔法をかけよう。

 多分できないでしょう。<呪文変化>は火の玉をナイフの形に変えたりする呪文だったから。

GM:ラナの背負い袋から声が聞こえる、「そいつは炎の精だ! 魔法の剣でも二回も切りつければナマクラになってしまうぞ」、あ、もっとじじいの口調ね。
フェルデン:げーっ
グレンデル:それは強いな〜

 結局、炎の精は相手にしないで、一行は二階への階段を上ります。

GM:ミスルが駆け足で、降りた部屋だね。薬ビンの棚と実験器具が散らかっていて、部屋の隅にはガーゴイルの像がある。
フェルデン:あの像は動くのかな。
ミスル:と、思わせて実は動かないんだよ。(←正解)
ラナ:薬ビンは何かな?
GM:ふふふ、「さわるな危険」って書いてあるけど、飲んでみる〜?
グレンデル:やめんか。
ラナ:じゃあ、とっておこう。あれ、このジュースってなんだろう。
GM:それは前回、神殿から持ってきたカメレオン・ジュースだ。もう、くさっているだろうから、用紙から消しておいて。

GM:三階はジオラマのようなものがテーブルに乗っている。[世界の知識]ロールしてみて。
フェルデン:(ころころ)成功。
GM:アランシアの模型だね。壁に張ってある羊皮紙には「アランシア征服計画」と書かれている。
グレンデル:なんか、話が大きくなってきたな。
GM:模型はほこりをかぶっていて、最近は使われていないようだね。
ラナ:飽きたのかな?
みんな:‥‥

●緊迫の戦闘シーン

GM:この部屋は真っ暗で何も見えない。そこで、何者かが襲ってくるんだけど‥‥[暗視]技能持っている人いたよね。
グレンデル、ラナ:はーい。
GM:その人は普通に戦闘ができる。相手は黒エルフだよ。

戦闘は続きます。

GM:黒エルフは呪文を唱えた。
フェルデン:いま、そいつは攻撃をくらったぞ、戦闘中は呪文が使えないんじゃなかったっけ(戦闘離脱していると呪文が使えるというルールにしていた)。
GM:うっ、攻撃をくらうのを覚悟すれば、呪文を使うことはできるのだ。

 この辺のルールがあいまいなので、次回までに決めてこようということになります。

GM:(とにかく今は)ミスルに<火炎>だ。
ミスル:あ、くらった。

GM:みんな自由に攻撃していいよ。
ラナ:あれ、暗いんじゃなかったの?
GM:いや、そこでミスルが松明がわりに燃えているから(笑)

 こうして黒エルフは袋叩きにあってあえなく死亡。

フェルデン:奴の身体を探るです。
GM:彼は何も持っていなかったけど、部屋には飲みかけの酒瓶があったよ。
ラナ:わ〜い、もらうもらう。
GM:(なんでも持っていくなよ)

●ついに出た魔女

GM:ここは寝室のようだね、部屋の隅にあるベッドでは、とんがり帽子を帽子かけにかけたまま、人がすやすやと眠っている。
グレンデル:こいつが魔女なんじゃろうか?
ラナ:そうだ!モック(怪物事典)を使ってみようよ。
GM:「これは人間のようじゃな」
ラナ:どんな人間かは分かんないのか‥‥
ノジェ:あははは。
ラナ:でも、こんなところで寝ているんだから魔女でしょ。
フェルデン:いまのうちに、なんとかしてしまおう。
GM:ベッドの周りには見えない壁があるらしくて、近づけないよ。
ミスル:そう言えば、そんな呪文があったな。
ラナ:「お〜い、起きろ〜」って叫んでみる。
GM:(おいおい、起こしたら、戦わなきゃならないんだぞ!)魔女は起きなかった。
フェルデン:本当にその呪文は音も通さないのか?(にやり)

GM:部屋の反対側には戸棚がある。
ラナ:まず罠を調べてから、本棚を調べるよ。
GM:えっと、(ころころ)罠はないよ。本棚にあるめぼしいものは日記だけだ。
グレンデル:おお、日記!ホラーの定番だ。
ラナ:読んでみよう。
GM:日記をぱらぱらと読むと、数ヶ月前には「世界征服をしようと思った」とか書いてあるけど、後の方には「やっぱり飽きた」と書いてある。
ラナ:やっぱり(笑う)。
GM:さらに読むと「今日、アーロブの店できれいな花を見た。欲しくなったので、そのままとってきた」とか「今日、地下の遺跡で変な石を見つけた。何だろ」とか書いてあった。
グレンデル:そういう性格かい!
ミスル:じゃあ、ここには無いようだから上に行こう。
GM:この部屋はがらんとしている。部屋の隅に宝箱が三つある。
ラナ:開ける開ける。
GM:じゃあ、[開錠]に−5してロールね。

 最初の箱の中には、でっかいエメラルド、次の箱は青い石が入っていました。

ラナ:これが日記にあった、変な石かな〜。
GM:最後の箱は開けるところがないよ。
ラナ:とりあえず、振ってみるけど。
GM:じゃらじゃら鳴るよ。
フェルデン:これはお金かな?
グレンデル:わしの斧で叩き割ろう。
GM:じゃあ、箱は壊れて中から金貨50枚が出てきた。
グレンデル:もらっちゃっていいのかな?

 結局、みんなで分けた。もちろん、グレンデルは賄賂のぶんはもらえなかった。

●最上階で

GM:ここは最上階、つまり屋上だね。植物園になっているらしくて、鉢植えがあちこちに置いてある。
ラナ:クリルガーナッシュの雪花は?(←ちゃんと名称をメモっている)
GM:うん、植木鉢に植えられた白い花があったよ。
ミスル:ここになかったら、どうなってたんだろ(笑う)。
GM:さて、搭の上から観る街の夜景は、それなりにすばらしいので、運点を1点回復していいよ。
ラナ:強引だな〜

 ゲームブックでは、結構そんなことで回復していたけどね。

●エピローグ

GM:さて、掘っ建て小屋に戻ると、ニカデマスは薬を作ってくれた。これでようやくミスルの病気は直りました。
ミスル:やった。
フェルデン:今回は君のためにこんなところまで来たんだからね。ただ働きだよ。
みんな:そうそう。
GM:(‥‥気の毒に)
ラナ:そうだ!ニカデマスさんに鑑定してもらおうよ。この瓶と青い石は何?
ミスル:えーっ、鑑定してもらうの?
GM:ニカデマスは大陸でも有名な魔法使いなんだぞ。スペンサーとは比べものにならないよ。それはともかく、ニカデマスは「なんじゃろうな?」とフラスコの栓を抜くと、煙とともにゾンビが飛び出してきた。
ミスル:おい!
ラナ:うわ〜。
GM:さあ、戦いだね。
ラナ:ニカデマスさんが、簡単にやっつけちゃうんじゃないの?
GM:いや、腰を抜かしているからね(笑う)。

 ゾンビは復活したミスルに簡単にやっつけられてしまいます。

ノジェ:もう一本もゾンビが入ったフラスコなんだろうね。
ラナ:とっておこう。
GM:じゃあ、今回はここまでね。

●GMのお話

 ちょっと強引だったけど、一行をブラックサンドの街に引っ張ってきました。ミスルを病気にしたのは、前回あまりにも剣だけで強かったので、魔法も使ってもらおうと思ったからです。なんで、唯一の魔法使いが、戦士でもあるんだろう?
 今回は、前回と違って早めに終わりました。反省としては、ブラックサンドの街は広くて、宿の名前を探すのにも手間取ったことかな。ちゃんとプレイヤー用とGM用に地図を分けておいたんだけどな(GM用には、いろいろ書きこんである)。
 魔女ルピルマはお気に入りのキャラクターなので、殺されないように、壁で覆ってしまいました。モデルは「タクティクス・オウガ」(コンピュータゲーム)に出てきたカボチャ魔女デネブです。
 彼女の搭は、迷路じゃない搭にしたんだけど、各階をバラエティ豊かにしたので意外と作るのはおもしろい作業でした。
 今回のリプレイは、記憶で書いているからちょっと実際のプレイとは違うところもあります。せりふなんかも大体はこんなやりとりでしたが、誰がどの発言をしたかはラナ以外は適当です。でも、結構覚えているシーンもあったんですよ。ミスルの松明とか。

●おまけ

 ルピルマの搭のマップをおまけにつけておきます。こんなにおおざっぱだったんですね〜。