AFFリプレイ 第一話「忘れられた神殿」


by RJ last update:1998/09/01

●冒険の始まり


ミスル・リファード‥‥森の住人エルフの遊び人。幸運の女神を信じる魔法戦士。
ラナ‥‥冒険を夢見る13歳のウェイトレスの女の子。慈悲の神を信じる盗賊。
フェルデン・バールベック‥‥秘密の多い占い師。知識がうりのまじない使い。


GM:では背景世界について説明させていただくっす。そこにアランシアって地図があるでしょ。まぁ典型的なファンタジー世界なんだけど。あまり文明化されていない土地で、ここでは「三国志」にあるような国家間の策略策謀を巡らした陰謀よりも、世界征服という世迷い言たくらむ連中の方が多いんだ。

 背景の説明っていうのは聞き流されることが多いから、こんなに短くしたのに、これだけ言う間にも、いろいろなちゃちゃが入ったことを記しておこう。とほほほ。

フェルデン:地図がすごく見にくいな。
ラナ:すごい意見だなー。
ミスル:逆さに見ているからじゃないの?
GM:じゃあ、デジタル化されていないやつを。(さっきの地図はスキャナーで取り込んだものだった)

GM:‥‥それで、この世界に冒険者ギルドなんていうお子さまランチ的な組織はないので、そこらへんは覚えておいてね。
ラナ:ちょいちょいちょい、ないの?
GM:冒険者ギルドはないよ。盗賊ギルドとか職人ギルドとか魔術師ギルドとかはあるよ。
ラナ:なるほどね。
フェルデン:じゃあ、わたくしは占い師だから占いのギルドに入るだす。
GM:それはあるよ。
ミスル:じゃあ、遊び人だから遊び人のギルドに‥‥
GM:ねぇよ!そういうのに入りたくないから遊び人なんじゃないの?
ミスル:ごもっともです。
ラナ:群をなす遊び人?
GM:じゃあ、みんなの背景が煮詰まったところで‥‥
ラナ:煮詰まってないよー。
GM:まぁ野蛮なファンタジー世界であることだけ覚えておいてね。


GM:このファングの街はね。河に位置しているでしょ。その黒いのは河だよ。
ラナ:今ファング探しているー。
ミスル:ここだ。
GM:ここは河に位置しているから貿易港として‥‥
ラナ:ねえ、ここ文字があるだけで河はつながっているの?(地図を指す)
GM:文字があるだけで河はつながっております。‥‥この街は毎年5月1日になると「迷宮探検競技」というものが開かれてね。
ラナ:ひまだなー。
ミスル:うん。
GM:ここの領主サカムビット公というのが‥‥
ラナ:覚えられん。
GM:覚えなくていいよ。‥‥少々サディスティックな趣味を持っていて、自分の造らせた迷宮に次々と戦士を投げ込んで、出てこれたら金貨1万枚をあげるという仕組みになっている。今まで出てきた人はいないそうだよ。
ラナ:そんなのになんで行くんだろう?
ミスル:金貨1万枚だもん。
ラナ:えー、どうもシナリオの流れからするとボクたちが行くことになるのだろうと思いつつ。
GM:行かないよ。(←ばらすなよ)
ラナ:そうなの?
GM:で、これが始まるといつもお祭り騒ぎに‥‥
フェルデン:たとえ行っても一階で全滅だ。
GM:多分そうだね。‥‥お祭り騒ぎになるんだ。それで君たちがいるのは探検競技の始まる日だね。街中お祭り騒ぎなのでー。
フェルデン:稼ぎ時だね。
GM:そうだね。うー、最初この街に流れ着いた戦士という設定を考えていたからな。みんなこの街の出身とは‥‥。
ラナ:みんな?二人だけじゃないの?
ミスル:俺はもうとっくに森を追い出されているからな。とっくにここが住処になっているでしょ。
ラナ:じゃあ、きっと「わぁー稼ぎ時だねお父ちゃん」とか言っているんだ。
GM:じゃああんたの店にいるんだね。このラナの店に占い師がいるのか。
ラナ:フェルデンさんも稼ぎ時だね。
フェルデン:あなたの今日の運勢は良くないです。
ラナ:えーっ!
GM:エルフはなんでここにいるんでしょう?
ミスル:はい? 私のことですね。やあー良く行く店なんじゃないんですか?
ラナ:ちなみにお父ちゃんは冒険者なのだ。引退して酒場を経営しているんだ。だから盗賊技能を教えてもらっているんだよ。
GM:で、君たちの仲間の僧侶だが。
ラナ:へ?
ミスル:そういえば仲間いたんだね。
ラナ:その人はなんで?
GM:その人はクーガの僧侶だし、ラナもクーガだからきっと飯でも喰っているんでしょう。
ミスル:ははは、そればっか。
GM:で、君たちはいろいろ冒険しているという設定はある?それとも今日初めて冒険に出るの?
ラナ:初めて。
ミスル:いやぁ、私はいろいろ冒険していますよ。
GM:おお!じゃあ、ミスルとこの僧侶の出会いは、袋叩きにされているところを君に助けられたってことでよろしいね。
ミスル:よろしいんじゃないですか。
GM:ルックストンっていう名前だからね。
ラナ:(聞いていない)きっといろいろ外に行きたくてたまらない年頃なんだ。
GM:名前覚えなくてもいいから、体力回復したいときは言ってね。
ラナ:ひどい。あ、一応名前だけ教えて。(←今言っただろ!)
ミスル:ルックストンだって。
GM:慈悲の神クーガの僧侶だから。
フェルデン:(唐突にサイコロを振り)あ、6ゾロだ。6ゾロを振ると魔法が暴走するですよ。
GM:君持っているのは「まじない」でしょ。まじないは暴走しないよ。
ミスル:いいなぁ。
フェルデン:うん。まじないは暴走しない。
ミスル:(簡易ルール表を見て)「まじないは6ゾロを振ると逆効果になります」(←まあ、暴走の一種かな?)
フェルデン:だから<魅惑>とか失敗すると嫌われちゃうんだ。

GM:さてそろそろ依頼人の登場と願おう。ところでここは何という名前の酒場なんでしょう?
みんな:‥‥
フェルデン:やっぱここは‥‥
ラナ:名字も何もないただのラナだから‥‥
GM:じゃあ、ここは「ひとすくいのシチュー亭」という名前にいま決定しました。
ラナ:ああ、はい。ありがとうございます。もともと用意されてたんですね?
GM:そうですそうです。
ラナ:(ミスルに)なんて呼べばいいの?
ミスル:ミスルでいいんじゃないの?
GM:みなさん。自己紹介はいいでしょうか?お互いの名前は知っていますね?
ミスル:えっとラナに、フェルデンに‥‥
ラナ:ボクはいつも紙に書いておくんだ。
GM:ルックストンは覚えなくてもいいです。
フェルデン:ルックストンの技能は?
GM:技能?[魔法(僧侶)][ウォーハンマー]と[回避]に[世界の知識]
ミスル:結構強いじゃん。
ラナ:前に出せるわ。
ミスル:同じ意見ですね。
GM:戦闘中に戦わないなーって人いる?
ラナ:はい。
GM:じゃああんたこれ管理して。(と記録用紙を渡す)

GM:それでこの「ひとすくいのシチュー亭」には常連さんの魔法使いがいるんだねぇ。
ラナ:占い師だよ。
GM:いやこっちの方のキャラクターだ。
ミスル:常連がずいぶんいるなぁ。
ラナ:結構繁盛しているなあ。だからお金持っているんだ。
フェルデン:13歳に体力負けしているわ。
ラナ:若いから
ミスル:210歳はどうなるんだ。
GM:で、君たちきちがいじみたパーティは何故か気が合うので、いつも一緒にいるの。それで冒険を求めているという設定でよろしいね。
ミスル:どうぞどうぞ。そこで止めたらどうなるんだろう。
フェルデン:どうもあれだね。隊商の護衛とかできないねぇ。
ラナ:だってあんまり店を開けるとお父ちゃんが‥‥
GM:でここで青いローブを身につけた典型的魔術師、スペンサー・スパインドっていうんだけど。かれとラナは知り合いなわけっすよ。
ラナ:(小声で)あらまあ。
GM:どんどん設定が決まっていくねぇ。もうラナは日頃から「何かもめごとがあったら教えてね」とかれに言っているわけですねぇ。
ラナ:そうだったんだー。
GM:そうだったんだねぇ。
ラナ:好奇心旺盛だなぁ。
GM:好奇心旺盛なんだけど、君たちは何故か今年開かれている「迷宮探検競技」には出場しそこねてしまった。
ミスル:うーん。
GM:受付の期間が終わっていたんだねぇ。きっと。
ラナ:きっとお父ちゃんが策略して教えなかったに違いない。
GM:ありがちな話だねぇ、多分そうなんでしょう。で、君たちはお祭り騒ぎにちょっと取り残されている感じ。そこで魔術師スペンサー・スパインドが依頼に来たわけなんだねぇ。
ラナ:どんな人?
GM:貧乏性でそそくさしているというのが君の印象だった。
ラナ:ふーん。
GM:「君たちは迷宮探検競技に出場しないのかぁ」と意外そうだね。「それならちょうど良い。ちょっと私の学術調査の手伝いをしてくれないか」と言い出したわけ。
ラナ:学術調査?なになにー?
GM:かれが何をしているのかどうかというのは判定させるべきなのかね?しなくていいのかな?(←プレイヤーに聞くんじゃない)
ラナ:うーん。知り合いなの?
GM:うん。でも個人的な仕事の話までしていたかは定かではないんだね。
ラナ:なるほどね。
GM:実は私は名前を売るために各地の封印を調べた本を書いているんだが、その入魂の一作「各地の封印あれこれ」がもうすぐ書きあがるんだ。ところがいまになってこのファングの街の近くに未踏の封印の神殿があることがわかったんだ。そこで君たちにちょとそこを調べてきて欲し
いんだ。もちろんお金は払う。多少持ち合わせがあるそこで3人で‥‥て4人か、自分でも忘れていたよ‥‥金貨180枚程度でどう?
ラナとフェルデン:(いそいで)えーっとえーと180枚を4で割って‥‥
みんな:(どよめく)
フェルデン:45枚だ。45っていうとすごい額だぞ。そんなんでいいのか?
ラナ:すごい!どう考えても。

 鎖かたびらも満足に買えないんだけど。そんなに高額かな?もしやルール的に防具が無意味だからって買わない気なのでは‥‥

GM:じゃ、値段交渉はなしだね。
フェルデン:何日ぐらい拘束されるんだ?
ミスル:金欠だからすぐだまされます。
ラナ:ちなみにねー、前人未踏の遺跡ってだけでわくわくします。わー、どうなっているんだろう?いってみたいなー。
フェルデン:やっぱ、とりあえず必要経費は向こう持ちで。食費とかそういうのは。
ラナ:ぜんぜんそんなの気にしてない。
GM:会計係が存在するのかー。
フェルデン:ぼく[取引]とか[口先]持っているから。そういうところはきっちりしておかないと。
ラナ:細かいことはやってね。
フェルデン:1日2食ぐらいは付けてもらわないと‥‥
ラナ:ねーねー行ってみようよフェルデンさん。もーわくわくしながら。
GM:占い技能のない占い師ごときが‥‥
フェルデン:[まじない]技能があるもん。

GM:じゃあ、まあ190枚位なら出せるかもしれない。
フェルデン:180でいいから1日2食。
GM:2食?じゃあそれでいいよ。「助かるよ。でもいまは買い出しの途中だから、祭りでもうろつきながらうちに来てくれ。」
フェルデン:ちなみにこの世界は1日2食でいいのかな。
GM:うん。まあ自分次第だけど2食だね。
フェルデン:昔のお百姓さんもそうだったし。
GM:では君たちは祭りをうろつきながら‥‥
ラナ:でもちょっと待って、お店忙しいから閉まってからじゃないと‥‥。

GM:あ、そうですか。じゃあ夜遅くになってからだね。この街の祭りは一晩中続いているからいつでもいいんだけどね。
GM:じゃあ、「後でいいから来てくれ」だって。ラナはかれの家を知っていていいか。
ラナ:ま、そうだね。
GM:何でも知っているなぁ。
ミスル:あははは。
フェルデン:さすが盗賊。
GM:だってフェルデンとかって、あんまり動きまわらなそうだもん。
フェルデン:店の一角で占っているから。
GM:遊び人もなんか魔術師の家とは縁がなさそうだし。
ラナ:きっと魔術師だって聞いたときに、「おもしろそうだ見せて見せて!」ってせがんで行ったんだ。きっと。
GM:きっとそうなんでしょう。
フェルデン:(唐突に)最終的にどこかの大きな家の専属占い師なって引退。

GM:どうでもいいんだけど、ここで何か食べますか?
ラナ:それはリアルタイムのお話でしょうか?
GM:いやいや。この食堂のお話です。でも何か食べようか?本当に。
ラナ:うちのシチューおいしいんだよ。
GM:(スナックの袋を引き寄せつつ)うん、そうだね。この店の丘キツネのスープといえばちょっとしたもんだね。
ミスル:毎度おなじみツケにしといてねってとこだね。
ラナ:なんでこの人「おなじみ」なの?
ミスル:いやーここの常連じゃないと関係がないじゃん。
フェルデン:ぼくは下宿代払ってるっスよ。

GM:いつ行くの?
ラナ:お店すいたら行くよ。
GM:夕方すいたことにしよう。で、街の地図は用意してないんだけど。
ラナ:いいよ適当で。
GM:じゃあ道なりに歩いていくのね。
ラナ:こっちこっちっていいながら歩いていくのね。
GM:芸人なんかがいるけど見ていく?
ラナ:当然!
GM:それだけじゃなくていくつか隊商のテントが並んでいたり、賭事なんかをやっているところもあるんだけど。
ミスル:うわー。
ラナ:もう、いちいちすべて見ていく。「ああ、あれおもしろそう!買って買って」っていいながら。
GM:おお、実はサーベルタイガーの見せ物をしているドワーフなんかがいるんだけど。黒山の人だかりで。
ラナ:みるみる。「わーあんなちっちゃなおじちゃんがいるよー」って言いながら。
GM:で、君が見とれているとき‥‥えー、見とれていたのはラナだけ?
ラナ:知らない。ぼくはとりあえず見ています。
ミスル:私も多分見ています。
GM:じゃあ、自分で見ていたなーと思う人は運だめしもしくは[感知]のロールをしてください。
ミスル:そういうことですか。
ラナ:[感知]ってなあに?
GM:[感知]技能ある?
ラナ:ないよ。運だめしをすると運が減っちゃうんだもん。
GM:なかったら技術点チェックでいいんだけどね。
フェルデン:なに?これは全員ついていっていることになっているの?
GM:なっているよ。君も。
フェルデン:そうか、酒場でずっと占いをしていると思っていたんだが。
GM:技能ロールか運だめし。
ラナ:で技能なしの素点でやれってこと?
GM:そうそう。君なら、サイコロ2個で8個以下の目が出れば成功。
ラナ:そっちのほうがいいよ。運だめしすると運が減っちゃうじゃん。(ころころ)2。
GM:おお!クリティカル成功だ。
ラナ:そうなの?1ゾロは自動的成功なの?
フェルデン:(ころころ)9
ミスル:(ころころ)9
GM:失敗した人はいますかぁ?
ミスル:うんにゃ。でも運点でチェックしたな。もったいないから技術点でやればよかったな。
GM:そうだね。それでクリティカル成功したラナにはわかったけどね。君のポケットに手を突っ込んでいるやつがいたんだねぇ。
ラナ:むむ。
フェルデン:ただの成功じゃわかんないの?
GM:それはお金を取られなかっただけ。実はこのドワーフは手を突っ込んでいるスリの片棒を担いでみんなの注目を引きつけておいたんだね。で、何かそのスリにしたいことはありますかね?
ラナ:わたし‥‥じゃなかったボクのポケットになんか入ってた?
みんな:ボクなのか‥‥?
ラナ:ボク。
GM:スリは脱兎のごとく逃げ出した。追いかけるとかはしないね。
ラナ:ああして脅しておけば十分だと思う。
フェルデン:取られなかったから追いかける必要もないだろう。

GM:じゃあ次は賭事のテントなんだけど。
ラナ:いくいく!
GM:賭けるだけのお金を持っているのかね。
ラナ:ううん。見るだけ。
フェルデン:行かない。
GM:行かない?ミスルは?
ミスル:とりあえず「見る」と「賭ける」がいるからOKだよ。
GM:では、こんなゲームをやっていますよ。(と紙を取り出す)

テン・テン
 8×8のマス目に1から9間での数字が振られている。マス目の半分は白で半分が黒である。プレイヤーはこのボードに向かって交互にダーツを投げる(サイコロを振る)。黒に刺さればそのマスの点を加え、白ならばその点を引く。合計点がさきに10点もしくは−10点になった方
が勝ち。この世界(タイタン)の文明的な都市ではどこでもやっているゲームなのだ!

フェルデン:賭事ってのは必ず元締めが儲かるようになっているんだよ。
ラナ:これは元締めは関係ないんじゃない?ポーカーと同じだね。
ミスル:賭け金って普通どのくらい?
GM:そうだねぇ。君が賭け狂いなら10‥‥
ラナ:10、20?
フェルデン:12面体で決める?
GM:まぁ、8から12枚かな。ほとんど選択の余地がない金額だね。所場代として8枚を出して。勝てば16になって戻ってくる。

ミスル:(ころころ)8の8で‥‥5点。
GM:(ころころ)7の6‥‥−1点
ラナ:これ‥‥終わる?
フェルデン:かなり長引きそうだね。
GM:わかんない。
ラナ:君テストした?(←いいえ)
ミスル:7の1‥‥6点だから11
GM:5回やって決着がつかなかったら、点数の多い方が勝ちとしまーす。
ミスル:じゃあ点数上げておこうかー。
GM:5点だから計4点。

 やっぱり決着がつかなくて−4点対25点でミスルは金貨8枚をせしめたのだった。
 ところで、後日このルールを確認したところ、点数はプレイヤーA、Bで共通の点を加えたり引いたりするのだった。どうりで決着がつかないわけだ。

フェルデン、ラナ:なんかこの賭事は間違っているような‥‥。
ミスル:得したってことだね。
ラナ:すごいすごいミスルさんツケ払ってよー。
ミスル:ぎく。ツケいくらあることにする?
GM:えー、そんなこんなで、スペンサーの家につきます。
ミスル:それだけのために‥‥。誰もやらなくてもよかったのでは?

 実はスペンサーの家につく前に、ある重要な登場人物と一行が出会う予定だったのに、GMはすっかり忘れていたのだった。そのため後であわてることに‥‥。

ラナ:スペンサーって「スポンサー」からとったんだよね。
GM:うむ。祭りはどうだった?いまリンゴのジュースでも出すから。

フェルデン:オレンジジュースしか買ってきてないのに‥‥。
GM:じゃあオレンジのジュースにしよう。‥‥そうしてスペンサーは地図で洞窟の場所を教えまーす。(地図の上にあったNPC記録用紙をつかんで)誰これ?‥‥
ミスル:ちょっと、ひどい。
ラナ:ふふふふ。
GM:(地図を示して)このあたりにあるからねー。書物を調べてたら、古い神様の神殿ってことまではわかったんだけど。
ラナ:わー神殿?
フェルデン:何神だよー。
GM:でも封印を解いちゃいけないよー。これは「各地の封印あれこれ」という書物を記すための調査なんだから。魔法陣の円に書かれた文字を書き写してくるだけでいいんだよー。絶対触れちゃだめだよー。
ラナ:えー触れちゃだめなのー。
ミスル:絶対触れる。
GM:というわけで前金払って欲しいかな。
フェルデン:うん当然。
ミスル:あたりまえ。
ラナ:お金は気にしていないからここらへんにまかせている。
GM:というわけで金貨90枚と食料2つを払いました。
フェルデン:おかしいな。お金は95枚じゃないのか。お金は190枚じゃなかったか。
GM:そうだっけ、180枚と食事付きじゃなかったっけ?まあ、そういってみるのなら[口先]ロールを。
フェルデン:いいっすよ。ぼくはそんなひどい人間じゃないですから。
ラナ:お金90枚持たせたらすごいんですけど。
フェルデン:90じゃなくてそれを4で割るんだよ。
ミスル:一人90枚と思っている人間がいるー。
GM:ルックストンのお金も修正しておいてね。かれは良くできた人間だから、端数をちょろまかされても文句は言わないよ。
ミスル:なんかずいぶん金持ち。
GM:本当だね。のちのちのキャンペーンになったら困るんじゃないかな。
フェルデン:38枚。
ミスル:48枚も持っているんですけど。
GM:金を削る手段をこうじなくては‥‥。

●神殿へ


GM:さて、この忘れられた神殿に行くには一晩夜更かしすれば――しなくてもいいけど――行ける位置にあります。
ラナ:ふーん
フェルデン:近いじゃん。
GM:で、夜になったんですけど。寝ますか?
ラナ:へ?行こうよ行こうよ!
GM:いや、もうファングの街を出て野営をしているんだけど。
ミスル:即断即決だな。
GM:ところでその日の夜になったんですけど、食料を一つ減らしておいてください。体力回復するんだけど減ってないよね。
ラナ:何でさ?
GM:スリと戦っていたりしたら、減ったかもしれないねー。
ミスル:運が減ったなー。

 これはスリの能力値を決めていなかったのとは、別の問題である。

GM:夜更かしする?
ミスル、ラナ:寝まーす。
フェルデン:見張りをたてないと。
ラナ:見張りを立てるんですか?多分しないよ。
GM:速くもパーティ内の結束が‥‥ところで聞いておきたいんですけど、リーダーは誰?
ミスル:ルックストンじゃない?
GM:NPCがリーダー?
フェルデン:サイコロで決めよう(ころころ)

 サイコロの目はミスルがリーダーだと決めた。

ラナ:妥当と言えば妥当だな。
ミスル:うっそー、俺がリーダー?俺引っ張らないタイプだと思うのに‥‥
GM:そうだね、どっちかっていうと流されるタイプだね。
ミスル:絶対引っ張っているのはラナじゃん。
GM:そうだね。ところで見張りを立てる順番を決めてもらおう。ところで忘れている方もいるかもしれませんが、いまは夜です。
みんな:うん。
ラナ、ミスル:寝ます!
GM:みんないっぺんに寝るの?全然かまわないけど。
ミスル:さあ?
ラナ:ラナの意見としてはその方が楽しいけど。
フェルデン:あれだっけ?仕事依頼してきた人は一緒にいるんだっけ?
GM:ああ、それは言ってなかったね。かれは今執筆が佳境に入っているのでいません。ラナ:来ないんだ。何だつまんないなー面白いのに。
GM:(ルックストンの記録用紙をつまんで)こいつはしゃべるのかなー?血肉がついていないキャラクターのような気がする。
ミスル:はははは。
フェルデン:だってここ(能力値とか技能)しか書いていないもんね。
GM:かれとしては最初に寝たいと言っているんだけど?
ミスル:遊び人も眠いから。
GM:じゃあ寝ますか。
ラナ:みんなで寝ようよ、「川」の字、「川」の字。なんでもいいからー。
フェルデン:「川」の字っていうと見張りはルックストンだけ?
GM:ひどすぎる‥‥
ラナ:違うよ。この世界の「川」は縦四つ線を引くの。
ミスル:そうだよ。ほら四本じゃん。(と、地図を指さす。確かに主な河川が四本平行に並んでいる。)
GM:なるほど、知らなかったなー。ところで何回当直制にする?
ラナ:寝ようよ。
ミスル:俺も寝ちゃっているし。
フェルデン:何か明日になると死体が四つ転がっていそうな‥‥
GM:そうだね。誰か一人でいいから運だめしをしてくれるかな。
ラナ:えっ、ほんとにみんなで寝ちゃうの?
GM:そうでしょ。このパーティは何にも考えないのがウリでは?
ラナ:とりあえず、ラナはほんとに寝ちゃうけど?
ミスル:俺も見張りはしないけど誰かにさせようとはする。
フェルデン:俺も誰かしてくれると嬉しい気がする。
GM:NPCは後で誰か起こしてくれると思って最初に寝ちゃったけど。これはもう運だめしでしょう。
ラナ:えっ、ボクが振るの?運低いよ、一応振るけど(ころころ)おお、2
フェルデン:運だめしってどうやるんだっけ?
ラナ:運点以下の目を出す。
ミスル:成功だ。
GM:成功だね。この夜は奇跡的に何も出ませんでした。
ラナ:(ケラケラ笑っている)
GM:ただこの世界、こういうことを長くやっていると長生きできないことだけは覚えておい欲しいなー。
ラナ:なんせ街から出たことなんて数えるほどしかないから。
ミスル:俺は一応プロなんだけど‥‥ちょっと遊び人が長くて堕落しちゃったな。
フェルデン:俺らは一般市民だから。

 野営の順番を決めるのに時間がかかりすぎだ。

●「偉大なる金切り声」


GM:さて忘れられた神殿(仮名)につきましたよー。
ラナ:わーここだここだ。
GM:えー洞窟って言うかきちんとした古代遺跡みたいな入口がついているんですけどね。
ラナ:わー立派。早く入ろうよー。
GM:よく見ると入口の横に何かプレートがあるんですが。
ラナ:むむむ。
GM:プレートっていうか羊皮紙が上に張り付けてあるんだけど。
ラナ:なんだろなんだろ。
GM:見に行く?
ラナ:見に行く。他の人が何も言わないのなら。
フェルデン:待ってるっスよ。
GM:じゃあ技術点チェックでいいよ。[感知]はないから。
ラナ:はーい(ころころ)失敗。
GM:なんとなくゴブリン臭いなーってことだけわかった。
ラナ:どういうこと?紙にゴブリンが描いてあるの?
GM:洞窟の入口からなんとなくにおいが漂ってきたんだね。
ラナ:なるほど。
GM:入口には羊皮紙で「偉大なる金切り声」中隊の駐屯所と書かれている。
ラナ:はあー?
GM:ゴブリンは大げさな名前をつけるので有名だと言うことを、君は常識的に知っている。
ラナ:まあ重要じゃないと思うんだけど書いてしまう私。
GM:その下になにやらプレートがあるけど見る?
ラナ:見る!
GM:するとこんな図が描いてありました。(といって神殿の白地図を渡す)
ラナ:わぁー親切に地図が描いてあるよー。
GM:そう、どうやらこの迷宮は地図つきらしい。
ミスル:そんなばかな!でも駐屯所かぁ‥‥。
GM:駐屯所というよりここは昔は神殿‥‥
ラナ:ねぇねぇ!ここは「偉大なる金切り声」の中隊だってー!って叫ぶ。
GM:叫ぶ?
フェルデン:ここはあれですか。入口に若木を燃やして煙でいぶすという‥‥
GM:すばらしいなー。(←本当にやられたら、ちょっと困ったぞ!)
フェルデン:これは古来より決まっている方法だ、これで出てきたところで弓を射かければ完璧っスよー。
ミスル:それより誰か火種を持っているの?
フェルデン:<着火>の呪文があるよ。
ミスル:おおー。
ラナ:ボクたちも名前をつけようよー。「偉大なる二枚卸中隊」ってー。
フェルデン:この構造だと煙が中まで届かないな‥‥。
GM:この地図の一ブロック(方眼紙の一マス)がね、四人横に並んでも歩けるぐらいだから。(いま考えついた設定。でも神殿ということを考えると妥当かな)
ラナ:ふーん。
フェルデン:でかいじゃん。いぶし計画はだめ!中にはいると弓が使えない。
GM:そうだねーそうかもしれないねー。
ラナ:撃ちながら歩くっていうのはどう?
GM:弓は本数制限があるんだから。
フェルデン:矢の本数は決めてないぞ。
GM:そうだね、じゃあ30本。
フェルデン:すげえ、30本なんて動けないぞ。
ミスル:カーボン30本かー。
GM:あのね、この世界では矢は安いんだから。
ラナ:やっぱりやっている人はうるさいですね。こんなにあったらどうだとか、ぐちぐちと。

 では、今度から矢は1ダースしか持てないと言うことにしよう。

GM:で、進むんでしょうか。
ラナ:「入ろうよ入ろうよー」って言うけど。
GM:そう言う前に麦茶を。
ミスル:ウーロン茶ならあるな。
フェルデン:麦茶はないな。「そうけんび茶」ならあるけど。
GM:いじわるはやめてくれー。
ミスル:(わざとらしく)どこのプレイヤーの声だ、今のは?
ラナ:ボクも欲しいー。

GM:ルックストン氏が控えめに言うには「ここは昔何らかの神の神殿だったのだから案内図があるのではないか」と、か細そうな声で言う。
ラナ:「うん、だってここにあるもん。」偉そうに言ってみる。
ミスル:ルックストン気の毒。
GM:「はあ」と生真面目に応対する。何となくキャラクターが決まってきたな。
フェルデン:ミスルとルックストンが前列でフェルデンとラナが後列。
ミスル:妥当なとこじゃない。
フェルデン:でも後ろから強襲されたら何もできない。
ミスル、ラナ:逃げる!
ラナ:入ろうよ入ろうよ!どうせこんな入口に罠なんてないからさぁ。(←うむ、GMに聞こえるように言うと効果的だぞ。罠を出すわけにはいかなくなるからな)
ミスル:そうは思わないけど‥‥。
ラナ:だって駐屯所に使われている入口に罠なんか仕掛けてあったらゴブリンもひっかっちゃうと思うけど。(←でも鳴子ぐらいは考えようね)
ミスル:うーん。
ラナ:自分の住処の入口に罠かけないって。
ミスル:じゃあ行って。
ラナ:うん、いいよ!とことことこ。
ミスル:怖い。
GM:元冒険者はどっちだ?
ミスル:冗談がそのまま通じてしまうー。
ラナ:13歳、13歳。
フェルデン:じゃあ隊列としては前がこっちだとすると‥‥こんなふうに決まったんですが。
GM:前に出ろと言われれば出ますが‥‥体力回復係がけがをすると困るのでは。
ミスル:うーん、じゃあラナの隣がミスル。一人で飛び出させると危険すぎる。
ラナ:ねぇ、扉があるよ!
GM:どっちの扉?‥‥Aだね。(GMの方の地図には部屋に記号が振ってある)
ラナ:Aとか言わないで欲しい。
GM:頑丈そうな木の扉。
ラナ:ふーん。木なんだー。こんこんこん、堅ーい。
ミスル:(笑っている)
GM:‥‥とりあえずすることがそれだけならば、なんとなくホコリが出てきた程度だね。
GM:(ささやくように)開けてみる?
ミスル:誘いかけるような口調だなー。
ラナ:開けていいの?
フェルデン:とりあえず3人は後ろに下がっている。
ラナ:じゃあとりあえず罠がないか見る。
ミスル:さっきの発言からすると罠はないのでは?
GM:じゃあサイコロ2個で[罠の知識]+技術点以下の目を出して。修正はないよ。
ラナ:(ころころ)8、9以下だから成功だよ。
GM:罠はないなーと思った。って、ホントはGMが振るんじゃないのか?これ。
ラナ:そう思った。
ミスル:「ないなーと思った」ってあんた。
GM:まあいいや。
ラナ:扉を開けてみよう。ガチャ
GM:すると部屋の中は、雑多なものがいろいろ放り込まれた物置だったようだよ。
ラナ:うわーいろいろあるよ。なんだろうねー。
GM:ホコリっぽいね。
ラナ:調べてみようよー。
ミスル:とりあえず金目のものを探します。
GM:うん、金目のものはなかったけどねー。
ラナ:おもしろいものない?
GM:おもしろいもの?錆びた短剣ぐらいかなー。あと壊れた椅子、割れたテーブル。あと腐った食料があるけど持っていく?
ミスル:いらん。
ラナ:割れたテーブルって大きいんですか?
GM:うん。
ラナ:うわー、このテーブル直したら家で使えそう。
GM:なんか汚そうだけどね。
ミスル:金目のものが無いとわかるや否や出ていく。
GM:そのまま出ていくんですねー。
ラナ:私はしばらく騒いでいく。
フェルデン:私はここに行くべきだと思うですよ。(地図の最奧の部屋を指す)
GM:うーむ、一応順番に進んで行かないと、どこで何があるかわからないからね。
ラナ:わきゃわきゃと騒いでいる。
ミスル:俺はキャラクターを捨てたくなるなー。誰か「調べる」してくれー。
GM:なんかそれらしい技能持っている?ないね。これはGMが技術点チェックをするよ。(ころころ)む!えーっと「錆びた短剣に気を引かれたような気がした」
ミスル:き、気がした?
GM:魔法使いだったよね、君は。
ミスル:そのとおーり。気がしたものは取っておく。
GM:記録用紙に書いておいてくれる。1本だよー。
ラナ:「何取っているの?」って聞いてみる。
ミスル:それは私はケチだから、さっと取って知らないふりして。
ラナ:なるほどー。じゃあ、わきゃわきゃと見ている。
GM:わきゃわきゃと見ている?盗賊らしい仕事はしているけど、相手には気づかれているという点もあるんだね。
ミスル:はははは。
フェルデン:よく考えたら<聞き耳>の呪文持っているんじゃないか。
ミスル、ラナ:(けらけら笑っている)
GM:最初に使え!
ラナ:ボクもまあ[暗視]技能とかあったりするし。
ミスル:私は攻撃呪文だし。
GM:その前に薄暗いんですけど、誰か<光>の呪文使った?
ラナ:(けらけら笑って)大丈夫![暗視]があるから。
ミスル:俺、どうやって歩いてきたんだろう?
GM:じゃあ魔法を練習程度に使ってみようか。
ミスル:えーっと。
GM:[魔法]+技術点(ミスルの記録用紙を見て)12点か、まず失敗しないなあ。
ラナ:ようするに6ゾロがでなければ成功だね。
ミスル:(ころころ)成功。
GM:いやー、やっと<光>を使ってくれましたね。
ミスル:すっかり忘れてましたよ。
GM:次、両側に部屋があるね。
ラナ:どっちも部屋があるよー!
ミスル:とりあえず調べてみよう。
GM:どっち開ける?

ラナ:うーん、左側。
ミスル:まかせっきり。すべて従う。
GM:扉を調べるんだね?開けようとしたけど鍵がかかっていた。錆びた錠前がついているのが見えたよ。
フェルデン:蹴るべし。たたき壊せ。
ラナ:まあまあ、ちょっとまってよ。これは自分で振っていいのでしょうか?
ミスル:ま、鍵あけしてもらいましょう。
GM:ん、[開錠]?いいよ。
ラナ:(ころころ)9だからぎりぎり成功。
GM:ぎりぎり成功?ところで針金かなにか持っているんでしょうね。
ラナ:持ってないけどー。
GM:まあ、持っていることにしておこう。錠前はキーンと澄んだ音を立ててとれました、扉は開きそうです。
ラナ:開いたよー!入っていい?と聞きつつ、もう部屋に入っている。
ミスル:こわいー。
GM:ルックストン氏が控えめに「罠は調べた方がいいんじゃないでしょうか」と言う。
ラナ:開けます。
ミスル:(ラナを)持ってます!猪突猛進だなー。
ラナ:もう入っちゃったもん。
GM:(ま、罠はなかったんだけどね)部屋は石造りの頑丈そうな部屋です。村人が一人縛られて転がっているんですね、これが。
ラナ:何しているの?
フェルデン:その辺は今回の依頼とは何も関係がないな。
ミスル:そうだね。
GM:放って起きますか?
ラナ:ねえねえ何しているの?
GM:さるぐつわをかまされているんだけど。
ミスル:とりあえずさるぐつわは取ってみよう。
フェルデン:帰りに拾ってやるからじゃあ、と。
GM:その方がこの人のためでもあるかもしれないね。
ラナ:ねえねえ。
GM:かれは助けを求めています。(←「助けてください!」とか言った方が良かったかな?)
ラナ:どうしたの。
GM:狩りに来た途中、ゴブリンの集団に捕まってここに押し込められているんだ。
ラナ:ゴブリン?わあー見たことない。どんなの?
GM:見たことない?さっき入口でゴブリン臭いってわかったのは何なんだろう?
ミスル:はははは。
ラナ:何かの臭いってのはわかったんだよ。
GM:[動物の知識]か何かで判定させようか。
ラナ:ないもん。
ミスル:街でたことないんじゃねーの?
ラナ:ほとんど街でたことないよ。
フェルデン:[世界の知識]あるよ。
ラナ:どんなのどんなの?
GM:(唐突に)ちょっと普通に判定してみて。
フェルデン:(ころころ)多分成功。
ラナ:「ゴブリンとはね」ってとうとうと説明してくれるの?
GM:これもGMが振るべきだったな。いや、ゴブリンのことじゃなくてここに入る前に神殿のところに書いてあった紋章は見たことないなーってわかっただけ。
ラナ:ん?
フェルデン:そんなのあったのか、俺は見てないぞ。
ミスル:(けらけら笑っている)
GM:見てないの?じゃあゴブリンとはどんな生き物かわかったことにしよう。

GM:ゴブリンとは緑色の肌をした小さい人間型の生き物で‥‥。
ラナ:かわいい?
GM:うーんかわいいかなぁ?
ミスル:呆れてみています。
ラナ:それだけだとピーターパンのようなものを想像しているのかも。
GM:醜い長い鼻が特徴です。
フェルデン:‥‥ピノキオ。

 しばし静寂。

GM:「最後の良心」ルックストン氏はややひかえめに、捕まっている方を早く‥‥
ミスル:‥‥ルックストン
ラナ:(けらけら笑っている)
フェルデン:ここはやっぱりゴブリンが何匹ぐらいいたのかを聞くのが。
ラナ:それを聞くのはボクじゃないな。
フェルデン:俺でもない。まだ街暮らしだし。
GM:ゴブリンぐらい見たことあるんじゃない?
フェルデン:街にいるの?
GM:ああ、この世界では決して珍しいことじゃないよ。
ミスル:じゃあいいじゃん。
フェルデン:なら俺知っているじゃーん。
GM:でも別にお友達ってことじゃないけどね。
ラナ:ゴブリンすなわち「悪」じゃないの?
GM:いや、ゴブリンすなわち「悪」なんだけどね。
ミスル:おいおい。
GM:街自体がね、ごろつきのたまり場みたいな感じなんだね。夜に錦糸町をうろつくみたいな感じかな。
ラナ:夜、新宿をうろつくような感じかな。
GM:そうそう。

ラナ:で、その人は縛られているの?
GM:うん、放っておくならそれはそれで構わないんだけど。
ラナ:「一緒に行く?」って聞いてみる。
GM:「私はできれば家へ帰りたいんだけど‥‥」
ラナ:「折角この先面白いかもしれないのにもったいないよー」と説得をしてみる。この場合どんな技能かな。
フェルデン:[口先]じゃない?
GM:[口先]はないんだね。
ラナ:ないよ。
フェルデン:俺[口先]とか[取引]あるよ。でも俺「転がしておく」って意見だし。
ミスル:放っておくか。
GM:んじゃ振るよ。修正がつくってことは忘れないでね。
ラナ:どうぞ勝手にやればぁ。

 このような非常識な申し出は−10ぐらい修正をつけても当然だと思う。サイコロを振る必要もなかったかもしれない。

GM:(ころころ)ん、「その前に手の戒めを解いて欲しいな」とかれは言っているんだけど。
ラナ:いいよー。
ミスル:絶対逃げるな。
ラナ:止めないなら解くよ。
ミスル:止めるよ。止めるのにサイコロ振る?
ラナ:いいよ別に。
ミスル:だってラナってすごい強引そうだし。(←ラナを怖がってないか?)
ラナ:そんなことないよ。
GM:じゃあ転がしておくんだね。
ラナ:でもなんか可哀想。っていう意見はないのかな。
ミスル:ルックストンさんから、控えめに?
GM:「帰りに本当に助けるのなら、それでも良いのではないでしょうか」とかれは控えめに。
フェルデン:かれも賛成してくれいているようだ。
ラナ:ひどい、それでも慈悲の神様を信仰しているのかなー。
ミスル:(笑いながら)それも慈悲じゃん。
GM:このパーティを刺激するのは得策でないと判断したらしいね。
ラナ:可哀想だよ、転がしておいたらどうなるかわからないじゃん。連れていこうよー。
GM:「では助けましょう」と言ってルックストンは戒めを解くけど誰も止めないね。
ラナ:(笑いながら)‥‥この人すっげー流されやすいんですけど。
ミスル:そこまで言われたら止めるわけにもいかないな。
ラナ:なんか勝手についていくことになっているねこの人。
ミスル:奧に行くのなら縛ったまま連れていった方がいいんじゃないの。
GM:村人は「じゃあ私はこれで」と言って出ていこうとするんだけど。
ラナ:「えー行こうよ行こうよ!」と手をつかむ。
GM:「えー私はちょっと‥‥」
フェルデン:じゃあここで<魅惑>の呪文でも。
ミスル:なんでそんな呪文あるんだよ。
GM:使ってみる?
フェルデン:使ってみる?
ミスル:使って連れていってどうするんだよー。
ラナ:面白いじゃん。
フェルデン:盾だよ。
ミスル:まあ、魅惑しておけば裏切るってこともないな。
ラナ:この人たち‥‥
GM:まあ、魅惑をかけておけば。気がついたらいなかったってことはないね。
GM:魅惑‥‥(ルールブックをぺらぺら)呪文がかかるかどうかのチェックをしておいてくれる?
ラナ:抵抗はないの?
GM:じゃあ−2でもしておいて。
フェルデン:9以下か(ころころ)ぴったり9!かれはパーティの先頭に立ってくれるそうだ。
GM:まだまだかれの抵抗チェックがまだではないか。
ミスル:抵抗したら捨てていくよってのは?
GM:(村人の運点を決めて、運だめしをする。あ、失敗)かれはすっかり魅惑されてしまったようだね。

 ここでGMはなぜか村人氏の抵抗として−2した上に、さらに運だめしで抵抗を調べています。どちらか一方だけでよかったでしょう。なんで間違えたのかな。

フェルデン:じゃあかれは先頭だよ。
GM:それはルックストン氏が止めるんだけど。弾よけに使おうなんて。
ラナ:一緒に行くことに決まっちゃっているんですけど‥‥

 魅惑されたからって、あんたの命令を聞くわけじゃないぞ。あくまでルックストンが好きになっただけだ。

ラナ:とりあえずラナは呪文をかけるところなんて見ていないから。
ミスル:でもなあ、ラナで突っ走るよりはましかなーと思って納得する。

ラナ:じゃあ今度こっちの部屋開けてみようよーってドアに手をかける。
GM:ってドアに手をかける前に。激しい議論の声が聞こえてくる。
フェルデン:向かいの部屋から?
GM:うん、向かいのCの部屋から。
ラナ:だからさあー。
フェルデン:話の内容はわかる?
GM:話の内容を知りたかったら扉に耳をつけて[聞き耳]を。
フェルデン:そのままで聞こえないの。
GM:良く聞こえないんだよ。
フェルデン:<聞き耳>ってこれ?
ラナ:聞き耳って呪文なの?

 [聞き耳]技能もまじない呪文の<聞き耳>もあります。ややこしいから名前変えようかな。

ラナ:まじないって体力減らないの?
GM、フェルデン:失敗すると減るよ。
ラナ:便利だね。
フェルデン:まじない技能が上がった日には、むちゃむちゃ便利。
GM:まじないの方が便利かなーと思うミスル氏であった。
ラナ:(笑っている)
ミスル:ところで<精霊操作>って何ができるの?
GM:<精霊操作>はエレメンタルを呼び出せまーす。
ミスル:呼び出せるの?
GM:何か命令したり、聞いたり。
ラナ:命令を聞くの?(←いや、そうじゃなくて)
GM:原初の八大精霊、地水火風と‥‥
みんな:と?
GM:‥‥氷、金属、植物、石。
みんな:おおー。(なぜか納得している)
GM:別に覚えなくてもいいけどね。
ミスル:あ、そうなの。
フェルデン:ちなみにまじないは成功ですから。
GM:成功?全然失敗しないのね。するとねー人間以外の言語であることがわかった。
ラナ:ふーん、じゃあ[言語]で聞いてみようかな。
GM:それはやっぱり<聞き耳>で聞いている人でないと。(TRPGの入門でよくある問答だなー。まさか本当に起こるとは)
ラナ:ああ、そうかー。
ミスル:俺もそう思うなー。

ミスル:失敗しないと体力を失わないんだもん。いいよなー。
フェルデン:そのかわり、この呪文もう増えないんじゃなかったっけ?
GM:そうだね。(本当はルールブックに書いてないだけだ。このおおざっぱさがAFFの魅力)

ラナ:で、なにが聞こえるの?ってフェルデンに聞く。
GM:で私が今からフェルデンの分をサイコロ振りますよ。(ころころ)うーん、トロールとオークとゴブリンと闇エルフの声だなーっと、占い師フェルデンは直感した。
フェルデン、ミスル:さすが魔法の聞き耳だ。
GM:これは本人の才能だ。ただし、[言語]技能を持っていないので、内容はわかりません。(←我ながらうまい裁量だ)
ミスル:そうだろうなー。
ラナ:何聞こえるのー、何聞こえるのー、何聞こえるのー?
ミスル:だからわからないんだって。
ラナ:一応フェルデンに聞いてみるの。
フェルデン:「世の中には知らなくていいことがいっぱいあるんだよ。」
みんな:(けらけら笑う)
ラナ:えーっ、知りたい知りたい。教えて教えて。
フェルデン:この三人は後ろに下がるんで扉を開けてください。
GM:おいおい、誰に開けろと言っているんだ?
ラナ:要するに村人とラナを残して下がるといっているんでしょ。
GM:フェルデン個人に好意は抱いているけど、他の人に従う義理はないんだけどな。
ミスル:うむ。
フェルデン:なんか(扉の中の奴らは)強そうじゃん。
ラナ:じゃあ、聞き耳を立てていたということは、何か聞こえているんだなぁということを想定して、[言語]で振りたいんですけど。
ミスル:うーん、中にいるんだよなあ。
GM:まあ盗賊だし、では中の内容が聞こえるかどうかチェックしてから[言語]で判定することにしよう。
ラナ:はあーい。
GM:まず技術点−1で判定して。
ラナ:7だね(ころころ)1ゾロ!
GM:大失敗だね、これは。
フェルデン:気づかれちゃったくさいね。
ミスル:やっべー。
ラナ:音立てちゃったんじゃ?がたがたがた。
GM:うん、扉にしたたかに頭を打ち付けたけど、中の議論がおさまった様子はないね。
ラナ:話しているってことはわかったんだ。
GM:何かに夢中になっているってことはわかったね。
ラナ:ねえ、何かいるよー。
ミスル:ん?トロールだっけ。いるのはわかったのかな。
GM:フェルデンがね。
ラナ:教えないんだろうね
フェルデン:私は撤退を提案するんですけど。
GM:じゃあフェルデンに従っている村人は‥‥名前決めていないんだよな。
ラナ:ムラディってのはどうでしょうか。
GM:ではムラディはフェルデンに賛成する。
ラナ:何か知らないけどおじちゃんがそう言うのなら。
フェルデン:戦術的撤退です。
GM:みんなの友達ルックストン氏も賛成する。
ラナ:(けらけら笑う)
GM:「‥‥我々の目的とは違いますし」
ラナ:うん。フェルデンのおじちゃんがそう言うのなら。
ミスル:Aの部屋(物置)の机をここにおもしに乗せておくのは。
GM:良い考えだね、そうする?
ミスル:いや、一人では無理です。
ラナ:提案してくれるのならやるよ。
フェルデン:この扉は外に開くの?
GM:うん。
ミスル:テーブルも。
GM:うーん、何人だっけ?かなり増えたんだよな。
ミスル:5人じゃん。
GM:5人もいれば持ってこれるよな。
ラナ:なんか一般的なパーティの人数になっているね。
フェルデン:でも役に立たないのが3人いる。(自分も含んでいるんでしょうね)
GM:ちなみにムラディ氏の戦闘能力はないとみてもいいからね。あ、体力点も決めておこう。
ラナ:(けらけら笑う)いや、いかに用のないキャラだったのかと思って。

 うむ、ここらへんの予想がつかないところがTRPGの面白いところだね。

ラナ:じゃ、運んできたら先に行こうよ。
GM:さて、ムラディ氏はまだ先頭なんでしょうか?
みんな:(けらけら笑う)
GM:非ヒーロー的な行動と見てよろしいでしょうか?
ラナ:大丈夫だよ。きっとラナが先頭に行っているから。
GM:うむ、ではT字路に来ました。扉が等距離に見えるね。

ラナ:左!何も考えずに、とっとことっとこ。
GM:また扉に来たんだけど、ここには鍵はかかってないとラナは直感した。
ラナ:すごい、直感できるなんて!
GM:ここも、先ほどのCの部屋って言ってもわからないか、
みんな:わかるわかる。
GM:あの会議室ほどの激しさはないけど、話し声が聞こえる。
ラナ:‥‥ここがCだとここはDかな?
ミスル:多分そうだよ。
GM:あってますあってます。向かい側の部屋はDにしておいてくれると助かるなー。

 ここで、地図に記号をふる作業が行われます。最初から振っておけば良かったかな?

GM:声が聞こえるね。
ラナ:聞こえていいのね?じゃあ聞いてみる。
GM:ぴったり耳をつけて。[言語]技能いくつだっけ?
ラナ:9
GM:(ころころ)ごろろろろー。これはゴブリンの声だなあとわかりました。それ以外の声は聞こえません。ただしいびきが聞こえます。
ラナ:ふーん。
フェルデン:ここも無視だね。
ラナ:そう言うならそれで言いよぉ。
GM:ムラディ氏はそわそわしているけどね。
ラナ:じゃあ、向かいの部屋まで突っ走るよ。

 ここらへんで、GMはまじないがそんなに強力でないということを知らしめるため、ムラディ氏の呪文が切れたことにします。

GM:そうだね。引き返したところでちょうどムラディ氏はフェルデンの呪文の効果が解けました。
ミスル:解けたかー。
フェルデン:しまった!またかけなければ。
ラナ:その人はどうしているの?
GM:「じゃあ私はこれで」と言って、てくてくと出口の方に歩き出しているんだけど。
ラナ:どうして言っちゃうのー?
ミスル:うむ。間違いなくラナが止めるだろう。
GM:「私は武器もないんですよぉ」と涙ながらに訴えるよ。
ミスル:狩りに来たんじゃないの。
GM:もちろん捕まったときに没収されているよ。
ミスル:そっかそっか、捕まっていたんだ。
ラナ:「楽しそうに来ていたのになんで急に帰っちゃうの?」って聞いてみるけど。
GM:「私はいま目が覚めたようです」
ミスル:じゃあ、説得しよう。こっちが説得している間に後ろから呪文で。
フェルデン:また呪文かけるの?
ミスル:いいなぁ、体力減らないなんて。
GM:ただ、今のでわかったと思うけどまじないは持続時間が短いんだね。<光>はまだ続いていまーす。
ミスル:ずっととか言っていなかった?(←サービスしたんだい)

 ところが後で調べたところ、<光>は15分間なのに、<魅惑>のまじないは1時間も続くことが判明した。このまじないは強力すぎるぞ! まあ、<魅惑>はほんとうは惚れ薬のイメージだから、異性に使うような呪文なんだけどね。

GM:ところで<光>は何にかけているの?
ミスル:そうだね、どこにかけたんだろう。
GM:杖は持っていないんだよね。じゃあ錆びた短剣にかけたことにしよう。時間が前後するけど。
ミスル:いやあ、あれを見つけた頃に気づいたからいいんじゃないの。
ラナ:手にかけるってのはどう?閉じたり開いたりすればいから便利だよ。

GM:ところでムラディ氏は説得するの?
ミスル:それはそちらにまかせます。
ラナ:どうしてー?
GM:ルックストン氏は「かれの意見を尊重した方が‥‥」と言っているが、君たちの声にかき消されがちだね。
ラナ:(けらけら笑う)
フェルデン:錆びた短剣を持たせればいいんじゃない。
ミスル:そうか、武器がないのが不満なのかー。でもそんなことはしない。
GM:それは秘密なんだもんね。
ミスル:そうそう。
GM:余分な武器はないしー。
フェルデン:じゃあ、どうやって暗闇の中を歩いてきたんだ。
ラナ:(笑いすぎて息も絶え絶えに)ちょっとまって、錆びた短剣に<光>をかけたんじゃあ?
GM:あら?
ミスル:(笑っている)
GM:しょうがないからルックストン氏の戦槌の先端にかけていたことにしよう。

ラナ:なんか意思が硬いのならそのまま。
GM:じゃあ、急いでてくてくと。街に帰ったら変な噂が広まっていることだけは覚悟しておいた方がいいだろうね。
ラナ:ひどい。ラナは何もしていないのに。
ミスル:別に俺は見て見ぬ振りをしただけだし。
フェルデン:僕はちょっと呪文の練習をしただけッスよ。
GM:じゃあ、みんな問題ないね。(←何が?)じゃあ、こういう雑多なイベントは飛ばして、Eの部屋の前に来まーす。おーっとその前に扉があるけど無視だね。
ラナ:うん、無視。
GM:何かしますか?いきなり開けますか?蹴飛ばしますか?
ラナ:蹴飛ばしはしないけど。
GM:開く扉だってこと忘れないでね。
ラナ:「開けていい?開けていい?」と楽しそうーに、楽しそーに。
ミスル:黙認。
ラナ:じゃあ一応音がしないか耳を澄まして聞いてみて――聞き耳を立てる程じゃないけど――何も音がしなかったら開けるよ。
GM:うん、何も聞こえないよ。厚い扉だしね。
ラナ:じゃあ開けてみる。
GM:部屋の中は本棚がずらーっと並んでいてね‥‥
ラナ:わぁー本だ本だー。
GM:‥‥本を取る前にね、真ん中のテーブルでローブを着たゴブリンが本をめくっていたんですけどねー。
フェルデン:殺すべし。
ラナ:こんにちはー。
ミスル:ちょっとそんなのにまで‥‥。
ラナ:だって見たこと無いんだもの。
GM:見たこと無いの?じゃあサイコロ振ってみよう!(陽気そうに)−1でチェック。
ラナ:(ころころ)1ゾロ。全然失敗。
フェルデン:知らないっすよ、この女。
GM:大失敗だね‥‥じゃあこれがゴブリンだと誰か教えてやってくれ。
GM:ルックストン氏が「あれがゴブリンですよラナさん」と。
ラナ:へぇーあれがゴブリンなんだー。
ミスル:(息も絶え絶えに)怖すぎるー。
フェルデン:とりあえず、呪文一発で無効化を。<魅惑>か<動くな>かな。
ミスル:いや、私は接近戦闘を。
GM:とりあえずゴブリンは知的そうな目を見せているが。
ラナ:話が通じそうならとりあえず‥‥
ミスル:いや殴る!
フェルデン:‥‥いや<着火>がいいかな、服か何かに。
GM:と言うわけで、各自行動は一つずつにしておきましょう。
ミスル:うん。
ラナ:話しかける!
ミスル:えぇー、まあいいや。でも剣ぐらいは構えさせてくれ。
GM:うん、剣の構えと、呪文の発動ぐらいはいいかな。
フェルデン:ちなみに<動くな!>ってどういう呪文?
GM:一瞬だけ!相手の動きを止める。決まればかっこいいね。例えば相手が剣を抜こうとしたとき、<動くな!>ってやられると。
ラナ:動きが止まって、その間に切れると。
フェルデン:じゃあやっぱり<魅惑>の呪文しかないね。

 味をしめたねフェルデン君。でも敵が味方になるほどその呪文は強くないんだよ。あくまでまじないだからね。

ラナ:そういうことをするとだんだんラナが「ゴブリンってお友達」って考え始めるようになると思うぞ。
ミスル:(そんな呪文)効くのかなぁ?
GM:ところでゴブリンは椅子から立とうともせず「武器を納めよ」と言うんだけど。「私は君たちと戦って勝てるとは思っていない」
ミスル:うーん。
ラナ:「ここにある本なんなんですか?」って話の前後脈絡を無視した発言を。
ミスル:まあ一人ぐらい余裕だから剣を納めましょう。
GM:(うなずいて)「ここは神殿にもとからあった図書室だ」
ラナ:へー、読んでいいんですか?
GM:「読めるならな」と生真面目に答える。
ラナ:「わーい」ってとりあえず取ってみるけど。
GM:ルックストン氏は「古代の本には何があるかわからないから、やめた方がいいんじゃないか」と。
ミスル、ラナ:(笑いながら)控えめに?
GM:ほぼ無意味だけどね。
ミスル:さらに探す。
フェルデン:とりあえずバックパックに高そうな本を‥‥
ミスル:そんなところですね。
ラナ:読む。
GM:「私はほとんど読んだが有益な本はなかったぞ」とゴブリンが――これはゴブリン・シャーマンなんだけどね――が言う。
フェルデン:持って行くところに持って行けば高く売れるに違いない。
GM:「私はここで静かに本を読んでいたいから、君たちが何をしようが構わないが」
ラナ:「この本なんだろ?ぺらぺらぺら、わーこの挿し絵きれい!わーこの本面白そう!」とそんなところでどうでしょうか?
フェルデン:「精霊の塔の建造」とかそんな本はないんですか。
GM:じゃあ魔法使いの人、魔法技能でロールしてみましょう。
ミスル:(ころころ)うん、余裕でしょう。
GM:んじゃ「呪文に関係した本はないなー」とわかった。歴史とか地理のあんまり面白そうな本ではないね。
ミスル:なるほどなるほど。
ラナ:ラナでも読める?
GM:[言語]技能持っていたよね。じゃあ−6のチェックに成功すれば。
ラナ:(苦笑する)
フェルデン:2、1の目だね。
ラナ:いや技能が1点あるから3、2、1の目でいいんだよ。
フェルデン:サイコロ2個で1はないぞ。
ラナ:(ころころ)(ころころ)(ころころ)(ころころ)
GM:こらこらこら、情報のロールは一度しかできないんだぞ。
ラナ:ちぇ、あんまり面白くなかったらしい。
GM:とりあえず‥‥
ラナ:聞いてみるよ。「こんな魔法陣みたいなやつ見なかった?探しているの」って。
GM:ゴブリンシャーマン氏によると、ゴブリンはここの神殿が人間が寄りつかないところだと知って、ABCDEの部屋までを使うことにしたらしい。
ラナ:ふんふん。
GM:が、この部屋のすぐ外にある扉の鍵がどうしても開かないので、そこから先は使わないことにしたと言っている。
ラナ:じゃあまだ奧は誰も行ったことがないんだー。わくわく。
フェルデン:何かここ開かないらしいっすね。
GM:「ちなみにゴブリンは私は<鍵あけ>の呪文を持っていないんだ」と言っている。
ラナ:どういう鍵がかかっているんですか?
GM:それもわからないと言っている。
ラナ:単に開かないの?
GM:錠前もないのでゴブリンは興味を失ったそうだ。ちなみにDの部屋は食堂だということも教えてくれた。
ラナ:「食堂なんだ。後で一緒にお食事しませんか?」
ミスル:何喰うんだろう?
GM:今もお食事中らしいよ。
フェルデン:Cは?
GM:Cは会議室らしい。ここでは「偉大なる金切り声」隊だっけ?それの遠征先をめぐてけんけんがくがくの論争が行われているそうだ。
ラナ:遠征って何するんですか?
GM:「戦争だ」
ラナ:鍵かぁ?とりあえずボク見に行ってくるね。
フェルデン:(なんか壁が薄そうなところを指して)こっちは開かないのかな?
ミスル:それはなんなのかな?
GM:先に扉の方に行くのね。ちょっと材質が違うかなって感じ。いままでは木だったけどこれは石。どんな石かは聞かないでね。
ミスル:(苦笑する)
ラナ:とりあえずたたいてみる。
GM:手が痛かった。
ミスル:はははは。
ラナ:すきまないのかなぁ?
GM:隙間?鍵を差し込むような隙間はないね。
ラナ:取っ手は?
GM:取っ手はあるんだけど回らないんだね。
ラナ:実はこれ引き戸っていうオチはないよね。
みんな:(笑う)
GM:いくらゴブリンでも引いただろ!
ミスル:で。
GM:ルックストン氏は「力技という手もありますよ。我々はゴブリンより力はあるんですから」と。
ラナ:でもラナ13歳の女の子だから。‥‥体力点20の。
ミスル:一番力あるくせに何言っているんだよ。
GM:かなり頑丈そうだね、もろ体育会系なんだけど。
ミスル:実はルックストン氏のほうが強い?
ラナ:強い。しかも[竿上武器]が4。
GM:でもかれ運がないんだよ。

 この扉は<鍵あけ>の呪文で簡単に開くんだよ。ゴブリン・シャーマンは<鍵あけ>の呪文がないから入れなかったんだ。あれ?ミスルも持っていないぞ‥‥。しょうがない、あとで使うはずだったあのアイテムをここの鍵にしちゃおーっと。


ラナ:うーんどうやって開くのかなぁ。わからないからこっちも見てみよう。壁
GM:まあ地図があるからこの壁の後ろに通路があるってわかったんだけどね。
ミスル:そりゃそうだ。
ラナ:何の壁?何の変哲もない。
フェルデン:蹴るべし、蹴るべし。
ミスル:調べろー、シーフ。
ラナ:昔観た「じゃぽーねー」っていうところの映画だとここがぐるって回るんだどねー。
GM:(笑いながら)どこで観た?世界観が‥‥

 ちなみにこのタイタン世界にも日本風の国「八幡国」があります。だからファンタジー風に言うのなら、「前にうちの酒場で吟遊詩人が唄った八幡国ってところの物語では‥‥」って感じでしょうね。

フェルデン:ここを背にするとぐるっと回るんだね。
ラナ:(壁によりかかって)やってみようとする。
GM:うん、すると君たちの騒ぎを聞きつけたのかDの部屋の扉が開いたんですけどね。
ラナ:ふーん。
GM:ゴブリンが口に何かくわえながらきゃーきゃーとわめいている。
ラナ:あ食べ物だ。おなか減っていないからまだいいや。
ミスル:(ゴブリンは)何喰ってると思ってんだよ。
GM:何の肉かは考えない方が良さそうだ。ここでゴブリンはあわてつつも手近な武器を持って襲いかかって来るんですけどね。
フェルデン:あ、ピーンチ。
ラナ:あらまあ、この人たち凶暴なんだー。
ミスル:は、反応が。
GM:ラナはきゃーきゃーわめいているんだね。
ラナ:わめきながら逃げるよ。
フェルデン:ここは逃げるべし。
ミスル:えー、逃げるの?
フェルデン:出口へダーッシュ。
ラナ:Eの部屋へ逃げようと思っていたんだけど。
フェルデン:こっちへ逃げるんですか?いざというとき逃げられなくなってしまいますよ。
ラナ:お友達もいたしー。(ゴブリン・シャーマンのこと)
GM:ゴブリンの数言ったっけ?
ラナ:言ってないよ。
GM:四匹です。
ミスル:うーん。
フェルデン:なかなかきつい数字だ。(←ホントか?)
ミスル:Eの部屋の奴の方が偉いのかな?
みんな:(しばし悩む)
ラナ:単なる変わり者のような気もしたけど。
ミスル:そうかもしんない。
GM:よくいるよね、そういう奴。みんなにつまはじきにされる人。
フェルデン:今なら出口に行けば逃げられるけど、ゴブリン・シャーマンの部屋に行って合流されると多分皆殺しだと思うんですが。
GM:ああ、この方眼紙の1ブロックはかなり広いんで。
フェルデン:じゃあ殺してしまえばOKかもしれない。
GM:ルックストン氏は「決める時間はあと2秒ぐらいしかありませんよ」と。
ミスル:まあいいんじゃない?逃げても。どちらです?
GM:リーダー!
ミスル:えっ?俺リーダーか。じゃあEの部屋へ。
GM:Eの部屋ね。じゃあそちらへ行って扉を開けようとしたら鍵がかかっているんですけど。
ミスル:なるほどねぇー。
フェルデン:蹴るべし。
ラナ:えっ、鍵?鍵なのね?
ミスル:がんばれ。そんな時間あるのかな?
ラナ:(サイコロを)振っていいの?
GM:鍵をあける時間は‥‥あるね。扉を開ける時間があるかはわからないけど。
ラナ:なだれ込めばいいんだから。
GM:[開錠]技能はあったよね。修正は−1。
ラナ:(ころころ)失敗。
ミスル:おい!これは戦闘ですな。
GM:ゴブリンはもう接敵というかエンゲージしたんですが。
ミスル:魔法もかけられないね。

●初めての戦闘


GM:ここで戦闘が始まってしまうんですけど。
ラナ:初めてだよ。
GM:こんなに緊迫感のない戦闘があるのだろうか?
ラナ:森から出てきてあらこんにちわって感じだね。
GM:まず、戦闘に積極的に参加する人としない人に分かれましょう。
ラナ:しない。
ミスル:する。
フェルデン:しないー。後ろで応援しています。
ミスル:いやなやつらだなー。
GM:じゃあ戦闘に参加するのは二人か。(ミスルとルックストン)
フェルデン:僕の武器はねーはずれると味方に当たるんですよ。
GM:確か戦闘中のところに弓を撃ち込むと−5の修正がかかるんだったな。
フェルデン:その上はずすと近くにいる人に当たるんですよ。
GM:鍵なんか開けるのを見ていないで弓でも射った方がよかったんじゃないか?
ミスル:確かに。魔法の一つでも唱えた方が‥‥。
GM:後悔もむなしく戦闘は始まります。
ミスル:まあ、今回はしょうがないね。
GM:くそー、ルックストン氏は使い倒される運命だな。
ミスル:村人がいればおとりぐらいにはなっただろうに。
GM:えー使う武器を決めて。ミスルは剣だね。
ミスル:はいはい。
GM:ルックストンは戦槌っと。そして使う技能+技術点だから、ルックストンは[竿状武器]+技術点=11でしょ。ラナ聞いてる?君がルックストン氏を動かすんだよ。
ラナ:あ、そうなの。
フェルデン:じゃあ僕が呪文でサポートしてあげよう。
ミスル:[剣]+技術点=12
GM:おお、強いね。
ミスル:だから強いっていったじゃん。
GM:じゃあ、それにサイコロ2個を足して。こっちもゴブリンの攻撃力を決めるから。
ラナ:ようするに[技能]+技術点+サイコロ2個でしょ。
GM:そうでーす。

ルックストン(ラナの人):(ころころ)18。
ミスル:(ころころ)20!強いなこの二人。
GM:うん、強いね。(ころころ)こちらは14と9。攻撃力が上回った方が勝ちだから、どっちがどちらに飛びかかっても勝てないね。というわけでダメージを決めて。
ルックストン:ダメージ表ってどう振るの?
GM:サイコロ1個だよ。
ルックストン:どうして7の欄があるの?
GM:魔法の武器とかで+1されることもあるからね。
ルックストン:(ころころ)2。
ミスル:(ころころ)2。
GM:ミスルに飛びかかっていったのがゴブリンA、ルックストンにいったのがゴブリンB(それぞれ体力点を2点づつ減らす)。あとの二匹はもたついて襲ってきませーん。
フェルデン:援護の呪文はいらなそうだな。でも戦闘中に使えるのは<高揚>ぐらいだな。でも<転がし>もあるし。
GM:果たして、まじないは戦闘中に使えるほど強力でしょうか。
ミスル:あーあ攻撃呪文があるのに。
ラナ:使えばいいじゃん。
ミスル:いや戦闘中は呪文は使えないんだ。
GM:そうだね、戦闘離脱すれば使えるけど、君が抜けるときついんじゃないかな。
ミスル:(苦笑しながら)そうだな。
GM:では次のターン。
ラナ:あ、単にこうやって振りあうだけんだ。

 そう、わかりやすいよね。攻撃が成功したか?相手の防御は失敗したか?っていうちまたのシステムよりも手間がかからないでしょ。攻撃力の比べ合い!でいかにも戦いという感じだしね。

GM:(ころころ)えーっとゴブリンAが11‥‥
ミスル:(ころころ)勝ちました。11って振らなくても勝ちだな。1ゾロ振るっていうのもあるか。(←戦闘での1ゾロはファンブルなのだ)
ルックストン:(ころころ)9ならこっちも振らなくても勝てるよ。
GM:それでも失敗があるから振ってね。ではダメージを決めて。
ミスル:(ころころ)2です。
ルックストン:(ころころ)2。
GM:(ごそごそと紙に書き込む)ゴブリンA、Bは半死半生だけど、君たちが1回しか攻撃できないところをゴブリンC、Dが狙って‥‥
ルックストン:来るわけだ。
GM:(ころころ)あ、ゴブリンDはファンブルだ。
みんな:(くすくすと笑う)
GM:悲しいね。でもゴブリンCの攻撃が来るわけだ。
ミスル:Cだからきっと俺になんだろうな。
GM:わかっているじゃん。ミスルはもういちど攻撃力を算出して。勝ってもダメージは与えられないけれど、攻撃は防げる。
ミスル:なるほど(ころころ)17。
GM:こっちの15に勝ったね。
ラナ:[手技]で何かできないかなぁ。石をぴゅっと投げて注意力をそらすとか。
GM:運だめしに成功したら石があったことにしてもいいよ。
ラナ:よし。(ころころ)‥‥。
ミスル:じゃ。
GM:無情に戦闘を続けていいですねー。
ラナ:いやあ、なんか参加したいじゃん、ラナとしても。
フェルデン:僕は後ろで応援しているよ。
ミスル:(笑いながら)ラナは参加したいだろうねー。
GM:サイコロいっぱいあるからいっぺんに振っちゃおーっと(ごろごろごろ)半死半生のゴブリンAの攻撃力は14、勝てないなー。
ルックストン:(嬉しそうに)こっち19。
ミスル:(にこやかに)21です。
ミスル:ダメージは2。
ルックストン:ダメージは1。
GM:ゴブリンA、Bは口から泡をはいて死亡。ゴブリンCは13、Dは15。
ルックストン:あ、まずいかも。
GM:初のダメージか?(←嬉しそうだが、ダメージを受けるのはNPCのルックストンだぞ)
ルックストン:えーっと‥‥14、大丈夫。
ミスル:こっちは余裕で勝っています。
GM:うー、もう勝てないなー。

 次のターン

ルックストン:(ころころ)あ!
GM:ファンブルした?(嬉しそうに)。じゃあダメージ1点ね。
ルックストン:いたぁ。自分に刺さっちゃったー。(←それではラナの性格だってば)
GM:NPCを殺さないでよー。

 次のターン

GM:(投げやりに)ファンブルした人は言ってー。

 はっきり言ってゴブリンはミスルたちの敵ではなかった。もうちょっと強かった方が良かったかなー。

GM:えー、ゴブリンは短剣を捨てて降伏の意思を見せるけど?
ラナ:じゃあ、ラナは話かける。
ミスル:いやー、ひと思いに。
フェルデン:そんなひとたび切り結んだ相手に降伏など許すほど甘いパーティでは‥‥
GM:(けらけら笑っている)
ミスル:そうだね、俺も。
ラナ:ちょっと待ってよ、ラナとルックストンは一応‥‥(←慈悲の神クーガの信者なんだからね)
GM:そうだね。ルックストンは戦闘をやめた。
ミスル:ミスルは斬りかかると思う。そんな甘いことをやっては生きていけない。
GM:リーダーとしてパーティ内の意見を統一してくださーい。
フェルデン:リーダーが攻撃と言っているんだから攻撃だね。
ラナ:やだ!ラナは止めに入る。
GM:互いに戦って決めるというのはどう?
フェルデン:それだとリーダーの意見が通りそうだね。
ラナ:軽業を駆使して逃げる!(←攻撃を避けるのは[回避]だね)
ミスル:慈悲の神の信者二人で押さえつけられそうだな、ルックストンはなかなか強いじゃん。
ラナ:ルックストンは意見が食い違ったからと言って戦わないだろう。
ミスル:(笑いながら)そうだねー。
ラナ:この人(ルックストン)意志弱いぞ。
GM:(笑いながら)うん意志弱いからね、どなりつけると言うこと聞くんじゃない。

ミスル:敵は殺す!
ラナ:痛そうだよ、だめだよー。
ミスル:「これが冒険というものだ」と説得してみる。
ラナ:んー‥‥や!
みんな:(けらけら笑う)
ミスル:負けた‥‥
ラナ:勝った!
ミスル:せめて縛るくらいは‥‥でも結構傷つけたんだよな、ほおっておいても死ぬかも。
ラナ:ロープないよ。
ミスル:ロープなしで縛るのかー。
GM:ロープ買った人は?
フェルデン:(呪文リストを見ながら)ねぇ、この”enhance”の<高揚>って訳は間違っていると思うんですけど。
GM:(また話の腰を折りやがって)何か良い訳があったら教えてねー。
フェルデン:物を本来の価値以上の物に見せるっていうのは「高揚」じゃないだろ。
ラナ:「高揚」じゃないねー。じゃあ「見かけ倒し」っていうのはどう?

 ええ、確かにユーモア感があっていいんですが、あまり原語からはずれたのはちょっと。でもT&Tって言うゲームなら即採用していましたよ。

フェルデン:どっちかっていうと<誇張>の方がいいんじゃないの。

 「高める、強化する」って意味だからそれでいいね。じゃあそれにするから、もう話の腰は折るんじゃないぞ。

ラナ:「ねえねえ、ここの扉の開け方知らない?」って聞いてみる。
ミスル:あのおっさん(ゴブリン・シャーマン)が知らないんだからしらねぇだろ。
ラナ:言葉が通じるかわからないけど。
GM:「知らない」と言って‥‥そうか!言葉が通じるかどうかわからないんだ。
ラナ:そもそも「助けてくれ」ってどうしてわかったの?あ、剣を捨てたのか。
GM:そうそう。
フェルデン:‥‥この<動くな!>ってかなり強そうなんですけど。
GM:そうだね、戦闘中に使ってみると面白かったかもね。でも弱い物いじめっていう気もするけどね。

GM:さてゴブリン二匹は許してくれるのなら、すごすごと立ち去って行くけど。
ラナ:うーん。
ミスル:仲間呼ばれた日には‥‥
ラナ:とりあえずEの部屋をこんこん。
ミスル:意見が食い違っている!
みんな:(笑う)
GM:えーっと、こんこんと叩くのなら、中から鍵を開けてゴブリン・シャーマン氏が出てくるけど。
ラナ:さっきここでこういうことがあってさあ‥‥と話す。
ミスル:‥‥叩けばよかったのか。
GM:「だから私としては仲間を殺されていい気はしないが、君たちに勝てるとも思っていないのでこうして思索を続けているのだよ」と言う。
ミスル:後で仕返しが怖そう。
GM:「ここはもう開けないでくれ」と言って扉を閉めてしまった。
ラナ:うう。
ミスル:すでに俺は強いって言うことがわかったから、これでいいような気がする。
ラナ:はははは。
GM:ところでねー、この開け放したDの部屋からはねー。奧で誰かが眠りこけているような様子が見えます。
ラナ:そういえばさっきいびきが聞こえるって言っていたよね。じゃあ言ってみようかなー。
フェルデン:なるほど、大体わかった。
ミスル:誰も止めない。
ラナ:行ってみる、行ってみる。
GM:ではその怪物を見ていると宣言している人は、「動物の知識」で。
みんな:持ってなーい。
GM:ううっ、では[世界の知識]−1でロールを。
フェルデン:あー(ころころ)クリティカルで失敗。
ラナ:とうとうと得意がって変なことを話すんだ、きっと。
フェルデン:(笑いながら)あれはドラゴンに違いない。
ラナ:ラナはそれを信じるんだ。「え、あれがドラゴンなんだ!すっごーい」
GM:「あれはホブゴブリンではないでしょうか?」とルックストン氏。
ラナ:ドラゴンじゃないの?
GM:「いやそうではなくドラゴンというのはトカゲの化け物のようなもので‥‥」
ラナ:ねえねえホブゴブリンさん、ホブゴブリンさんって話しかける。
フェルデン:ドラゴンは高位になると姿を変えることもできる。あれはドラゴンが変身したものに違いない!
ミスル:呆然と呆れて見ている。
ラナ:ミスルはわかるのかな?
ミスル:わかんないのかな。
ラナ:誰かラナに本当のことを教えてあげてよ。
フェルデン:教える気はないらしい。
ミスル:きっとドラゴンではないだろうなーと思いつつも、なんだかわからないで見ている。
GM:まあ見ればわかるんだけど、胸に何かホブゴブリンには似つかわしくない印しのついた首飾りを下げているんだけど。
フェルデン:やっぱりドラゴンだ!
ラナ:「わーい、なんだろなんだろ」って取ろうと[手技]で取っていい?
GM:いいよ。
ラナ:一応振ってみるね(ころころ)4
GM:おお、それは成功だね。
ラナ:わーいわーい見てみて、きれいきれい!
GM:ひもを切れば取れたような気もするけど、切らずにさっと取れました。
ミスル:なるほどね。
ラナ:自分で首にかけてみる。きっとおへそのあたりまで来ちゃうんだろうけど。
フェルデン:これできっとあそこのドアが開くに違いない。
GM:「そうかもしれませんよ」とルックストン氏も。
ラナ:なんでこのホブゴブリン行けなかったんだよー。
ラナ:まあいいとしておこう。(←いや、用心棒のホブゴブリンだからふんぞり返っていて、そんな扉には近づきもしなかったっていう理由があるんだけど)
GM:「ここは早く出てドアを閉めておいた方がいいでしょう」と。
ミスル:うん、あんまり騒いでいると‥‥
ラナ:ドラゴンは怖いって話だしね。
フェルデン:我々なんか一吹きですよ。
ラナ:「ブレスとか言うんだよね」って昔おとぎ話で聞いたことをラナが。
GM:ルックストン氏がうしろでため息をついているけど、みんなには見えないのでした。
ラナ:(けらけら笑っている)じゃあ(開かなかった)Eの扉に行ってみようか。
GM:そうするとなんとなくカチャっていう音がして、開きそうな気がしてみた。
ラナ:押してみる。
GM:たてつけが悪くて開かない。
ラナ:引いてみる。
GM:やっぱりたてつけが悪くて開かない。
ラナ:やっぱり引き戸だったんだ!
GM:「単に何かが詰まっているのかもしれません。ここは力技でしょう」とルックストン氏が言う。
ラナ:(笑いながら)控えめに?
GM:(笑いながら)説明的な口調で。
ミスル:力技といったらラナじゃないの。
ラナ:やっぱりルックストンでしょう。
GM:ミスルじゃないの?一番強そうだよ。
ミスル:強いけどね。
フェルデン:強いけど力はないんだ。
GM:それより一人でやる必要があるの?
ミスル:そうですねー。
GM:「みんなで押しましょう」
ラナ:せーの。
GM:うん、開いたね。
ラナ:わあ開いたー。さっそくさっきの人に教えに行ってあげようよ。
ミスル:いや、無視したい。(一行へのうらみより)開いた方の興味の方が大きいのかな?
ラナ:だって喜びはわかちあわなきゃ。
GM:扉が開くと異様な空気と長い間使われていなかったホコリが舞うんだね。
ラナ:まあいいや、行ってから後で教えてあげよう。

●神殿深部へ


ラナ:Fの部屋へ。
GM:Fの部屋へ行きますか。
ラナ:扉はどうするんだろ。
フェルデン:蹴る。
ミスル:いや、痛いといやだから。
ラナ:少なくとも、ラナは蹴らないよ。
フェルデン:もちろんルックストンだ。
GM:かれはローブを着ているから蹴るような体制じゃないね。
フェルデン:じゃあ戦槌で殴ればいいじゃないか。
GM:そのまえにまず開くかどうか試してみたらどうかね。
ミスル:(大きくうなずく)
フェルデン:それは俺の仕事じゃないな。俺は仕事が決まるまでのマネージャーだから。
GM:交渉係なんだね。
ラナ:わー、こっちは誰も来たことがないんだよねー、どきどき、どうなっているのかなー。とりあえずは[罠の知識](ころころ)成功。
GM:「罠はないなと思った」
ラナ:じゃあ開けてみる。

GM:開くと大きな大広間になっていてね。部屋には緑色の水をたたえた大きなたまり池っていうのかな、それがある。
ラナ:わ、緑色の水だってー。
GM:長い間放っておかれた学校の‥‥
ラナ:プールの水みたいなやつかー。
GM:それでどろっとした感じでね。
ラナ:においは?
GM:いい匂いです。
ラナ:本当の意味で?
GM:うん、飲めそうかな。
ラナ:わあ不思議不思議、いい匂いがするよー。飲んでいい?
GM:「こういう得体の知れない物は飲まない方が」とルックストン氏。
フェルデン:いや飲むべきだな。
ミスル:いくらなんでも緑色の水ぐらい知らないのかい!(←いや本当の腐った水ではないんだよ)
ラナ:とりあえずすくってみるぐらいのことはするな。
GM:すくっても別に影響はないよ。
ラナ:透明感は?
GM:透明度50%ってところだね。スライム化はしていないけど、指の間からてろてろてろーってこぼれ落ちるくらいです。
ミスル:うーん。
みんな:(しばし静寂)
ラナ:7以下がでたらのどが渇いているんだな。(ころころ)あ、渇いている。
ミスル:飲むのはとめるわ。
GM:ルックストンも無駄とは知りつつ。
フェルデン:人は飲みたいときに飲む。それが自然な欲求だ。
ラナ:こいつうちの居候だー。
ミスル:俺より危ない奴だな。(←あんた全然危なくないよ)
ラナ:ふーん、こういうの飲むのは危ないんだー。
ミスル:「そうだよ」と遊び人が教えます。
GM:じゃ、どちらへ行きます。
ラナ:左の通路。
GM:垂直に折れている通路だね。突き当たりまで言っちゃう?
ラナ:うん。

 ここはあの回転扉(?)の後ろにあたる壁である。

GM:ではその壁はホコリにまみれているんだけど、なんか文字が書いてあるような気がする。サイコロを振るまでもなく。
ラナ:なんて書いてあるのかなー。
GM:読めない言葉だったので、これ以上解読したければ[言語]技能ロール。
ラナ:(ころころ)6だから成功だよ。
GM:こほん。何故ウエイトレスに古代文字が読めるのかは知らないけど(みんな笑う)、「停滞は永遠の静寂、混沌は進化の可能性」と書かれているぞ。
ラナ:「ふーん、なんか難しくてよくわからないけどこう書いてあるよ」とフェルデンさんに言ってみる。
フェルデン:ぼくは[世界の知識]と[街の知識]しか持っていないんだ。
ミスル:私も[森の知識]しか。
GM:申し訳ないけど今回[森の知識は]使いそうにないね。

GM:ルックストン氏はメモっておこうか迷っているんだけど。
ラナ:じゃあルックストン氏メモっておいてよ。
ミスル:(笑いながら)すばらしい。
GM:「では記録しておきます」。でFの部屋に戻るわけだね。
ラナ:さっきの何だったんだろうね。「静寂はなんとかでー」
GM:ところでさっきの泉は黄色く変わっています。
ラナ:(苦笑して)あ、すごい取っておこうかな。
GM:「やめた方がいいでしょう」

 GMとしては飲んで欲しいんだけど、ルックストン氏の性格なら止めるだろうと思ってつい言ってしまう。プレイヤーのみんなは「GMが止めているのだから‥‥」とやめてしまうかもしれないので、難しいところでもあるね。

ラナ:うー、とりあえず革袋に汲んでおこうとするんだけど。
ミスル:およし。
ラナ:(へらへらしながら)突然持ち物の「その他」から「水袋」へと変化するんだけど。
GM:まあ、今回はいいでしょう。
フェルデン:俺はちゃんと水袋を持っているぜ!
GM:それは水がちゃんと入っているんだろ。
フェルデン:当然。そこでラナに「これはカメレオン・ジュースといって世界七大珍味の一つなんだよ」と。
みんな:(笑う)
ラナ:また、嘘を。
GM:ラナの店には出さないでね。
ラナ:とりあえず面白いから汲んで帰る。
フェルデン:飲むと身体の色が自由に変えられるジュースなんだよ。
ラナ:へー。じゃあ取っておいて今度フェルデンさんに出してあげるよ。

GM:で、どちらに行きます。
ラナ:とりあえず最後のIの部屋は取っておいて‥‥
ミスル、フェルデン:いや、Iの部屋でしょう。
GM:じゃあIの部屋に行くんだね。すると扉の前にラナのつけているあの紋章と同じ模様の扉があるんですけどね。
ラナ:ふーん。
GM:これは超頑丈そうで未知の金属でできているようです。
ラナ:取っ手、扉その他は?
GM:なし。
ラナ:紋章をかざします。
GM:扉に紋章がはまりそうな気がします。
ラナ:そういうくぼみを聞いたんだよー。
GM:それは失礼。
ラナ:はめてみる。
GM:じゃあ記録用紙から削除しておいてね。
ラナ:(にこやかに)大丈夫。書いていないから。
ミスル:あーあ。
GM:でもとりあえず変化はありません。
ラナ:うーん、じゃあ、あれかなあ。あの変な言葉。
GM:ルックストン氏がメモを探しているんですけど。「あ、落とした」と。
ラナ:(けらけら笑っている)
ミスル:もう一回一人で行って来い!
GM:「でもあれは[言語]技能に成功しないと読めないんですよぉ、一度成功した人なら別ですけど」
ミスル:そっかー。
フェルデン:大丈夫、多分成功するよ。成功率は同じだし。
GM:一人で行かせるわけね。
ラナ:ラナは行くよ。当然。
GM:まあ、曲がり角でメモは見つけたんだけどね。それでFの広間に引き返してきたとき、向かい側の扉から「かしゃーん」という音が聞こえた。
ラナ:扉閉めておこうよ。
GM:もとから閉まっているよ。大きな鎧を着た人が歩いているような音が聞こえる。自分の意志を持たないルックストン氏は「どうしましょう」とラナに聞くけど。
ラナ:うーん、よくわかんない。
フェルデン:ちなみに、私ら二人は‥‥
ミスル:こっちにいるから。
GM:そうだね、知らないんだね。
ラナ:うーん、戻ろうよ、さっきのところに。
GM:「じゃあ急いで行きましょう」

ラナ:合流。
GM:メモを差し出すけど、誰が読むんでしょう?
ミスル:それはラナでしょう。
ラナ:じゃあラナ読む。
GM:「停滞は永遠の静寂、混沌は進化の可能性」だね「共通語で読んでもしょうがないでしょう、古代語で読まなくては」とルックストン。
ラナ:げんご、げんご。
GM:ではロールをしましょう。
ラナ:(ころころ)あ、しゃべれちゃったぞ。
ミスル:なにもんだこいつ。
フェルデン:ウエイトレスじゃないな。
GM:扉はがちゃっと開きました。

GM:魔法陣があります。
ラナ:あ、これだこれだ。
フェルデン:写すべし。
GM:この呪文を書き写すっていう依頼は覚えているね。かろうじて。
みんな:(笑う)
ミスル:当たり前じゃん。
ラナ:なにいってんだよー。魔法陣に乗れっていう依頼じゃないのは覚えているよー。怪しいけど。
GM:ありきたりな五忙星だね。「早く写して帰りましょうよー」とルックストン氏。
ラナ:でも興味ない?
GM:「ここはまだ何の神の神殿かもわかっていないんですよー」
フェルデン:五忙星って言うと一筆書きの方だね。俺六忙星の方が好き。
GM:じゃあそっちにする。
ラナ:おいおいおい。
GM:これは典型的な六忙星です。
ミスル:なんてやつ。
ラナ:六忙星ってことは上向きと下向きの三角形だから上向きが天に向かう精神を表し下向きが地に向かう精神を表し二つ合わせて精神の場を形成するんだよ。(一息で言う)
ミスル:おいおいおい。
GM:「何かがとりついたようですね」
ラナ:くすくす。
GM:「じゃあ私が書き写して持っておきましょう」
ミスル:あんたに書かせるのはいやだ。
ラナ:じゃあお店から持ってきたこのナイフを入れてみる。(←自分の手持ちのナイフにしなさい)
GM:どこにそんなものがある!

ラナ:ナイフを突っ込んで見るんだけど。
GM:突っ込んでも何も起こらない。ちゃりんとナイフは落ちるけど。拾う?
ラナ:拾うけど。
GM:ナイフは六忙星の中にあるんだけど拾う?
ラナ:そういう意味か。そこら辺にある石を拾って、かーんかーんかーんと。
GM:石は落ちてねぇって。
フェルデン:じゃあ戦槌でぐりぐりと。
ラナ:止めなければ拾うけど。
ミスル:止めない。
GM:止めない。
ラナ:じゃあ取る。
GM:ちなみにルックストン氏は止めるけど。
ラナ:ルックストン氏は止めるの?(けらけら笑う)
GM:「そんなことしなくても戦槌で取れますよ」
ラナ:つまんない。
フェルデン:じゃあ依頼も果たしたし帰りましょう。

●混沌の戦士(ケイオス・ウォリアー)あらわる


ラナ:向こうの部屋にまだ行ってないよ。行ってみようよ。
フェルデン:じゃ、一人で行ってくれ。
ミスル:金目のものがあるかもしれないじゃないか。
フェルデン:(嬉しそうに)このまま安全に帰れば残りの金貨90枚が。
GM:「ところでまだ話していませんでしたが、Fの部屋(大広間)の東の扉から、鎧を引きずるような音が聞こえたんですけど」
ミスル:では帰ろう。
フェルデン:猛ダッシュで帰ろう。
ラナ:でも行ってみたら以外と何かあるかも。
GM:(大広間への)扉を開けると、そんな話し合いは全く無用であることがわかりました。もうすでに黒い鎧の騎士が立っていたのです。
ラナ:ふーん。話しかけてみるけど。
GM:返事はなかった。ぎこちない動きで剣を構え‥‥
ラナ:まあ、そうだと思ったけどー。
フェルデン:ラナが接敵して引き留めてくれている間に。
ミスル:呪文を。
ラナ:ねえ、[軽業]で避けられないのかなー。[回避]じゃないとダメ?
フェルデン:[軽業]というのは高いところから落ちたときなどに使うのです。
GM:そうだね。それから[世界の知識]を持っている人はロールかなんかしてみちゃったら。
フェルデン:そのままでいいの?
GM:いいよ。
フェルデン:(ころころ)すげー、成功だぜ。
GM:するとだね、こいつは<混沌>に仕える戦士、ケイオス・ウォリアーだということがわかった。
ミスル:(驚いたように)強い!(←名前で決めているね)
フェルデン:私は正義の使いです。
みんな:(笑う)
ミスル:こいつにそんなこと言われたくないな。

ミスル:や、やばい。
GM:「かなりの強敵ですよ」
GM:そして、運の悪いことにケイオス・ウォリアーは帰り道の扉の前に立っている。
ラナ:ふーん。
フェルデン:じゃあこっち(パスワードの壁の扉)から帰るか。
GM:帰れないって。
ラナ:でも地図だと壁の厚さ1ミリないよ。
GM:「敵の前で話し合うのはそろそろやめにした方が‥‥」
ミスル:<召還>て何召還するの?
GM:八大精霊のひとつを召還するんだよ。

 ごめん、それは<精霊操作>だった。<召還>は手のひらサイズのアイテムをひとつ呼び出すことができる(ただし品物の一部をもっていること)呪文でした。ま、結局戦闘には使えないからいいよね。

ミスル:<落雷>(←そんな呪文は持ってないだろ)
ラナ:逃げる。
GM:行動が一致してないんですけど‥‥。「弓を撃つなら今しかないのでは」とルックストン。
フェルデン:弓を射ってもあたらないよ。まあやってみるか。(ころころ)
GM:あ、弓は攻撃力比べじゃなくてロールだよ。
フェルデン:そうか(ころころ)成功。
GM:じゃあダメージをください。
フェルデン:(ころころ)2点。
ミスル:2。
ラナ:2。
GM:2だね。

 みんなで言わなくてもよろしい。

GM:ケイオス・ウォリアーは弓を撃たれたので向かってくるよ。
ラナ:きゃあきゃあ。
フェルデン:弓を撃たなければ向かってこなかったのでは?
ミスル:呪文は?
GM:ひとつだけどうぞ。
ミスル:<雷鳴>?
GM:耳をつんざく音。
ミスル:<眠り>は効きそうにないし、<火炎>だね。
ラナ:鎧の騎士に燃えるものあるの?
ミスル:大丈夫?
GM:大丈夫だよ。じゃあカエルにならないか確かめてくれる?
ミスル:カ、カエル?(ころころ)あ、この目は失敗?
GM:12以下でしょ、大丈夫だよ。
ミスル:よく成功したなー。
GM:消費量分だけ体力を引いておいてね。
ミスル:はいはい。
GM:燃えさかるサイコロ1個分の火の玉が相手にぶつかっていきます。
ラナ:このゲームにしたら結構強力だね。
ミスル:(ころころ)3点。
フェルデン:その割にはサイコロの目が走らなかったね。
GM:ケイオス・ウォリアーはかなりひるんだけど、それでも向かってくる。
ラナ:きゃあきゃあ。
GM:武器が無くとも戦えるんだよ。
ラナ:戦わないの。
GM:あ、そう。
ミスル:こいつら‥‥。
フェルデン:いや、弓を撃てっていうのならやるけどさ、はずれると味方に当たるよ‥‥
 フェルデンは弓がはずれたとき味方にどんなダメージがあるのかを楽しそうに話し出す。こいつは‥‥。

GM:ルックストンは<勇気>の呪文を、戦闘中技術点に+2されます。どっちに使おうかな?
ラナ:どっちもなにもミスルしか戦わないよー。
ミスル:なんだって!こいつら‥‥。
GM:じゃあ、自分にしようかな。
ミスル:暗そうなくせして性格悪いなー。
GM:ではミスルにかけよう、これでもうミスルは無敵だな。あ、そのまえにカエルになるかチェックしなきゃ。(ころころ)成功だね。
フェルデン:戦闘中+2ってことは技能14になるのか。
GM:ケイオス・ウォリアーの攻撃‥‥17
ミスル:勝った!
ラナ:だってミスルの武器技能はいま14でしょ。ファンブルしないかぎり成功なんだけど。
GM:ダメージはいくらでしょう。
ミスル:(ころころ)2

 これではクライマックスが盛り上がらないと思ったGMは、ルックストンを戦闘離脱させて、混沌の戦士の技術点を10点から15点に変更してしまいます。ずるいね。


ミスル:で、私一人が戦うの?
フェルデン:弓を使うと‥‥
GM:「私は、呪文を使って疲れました」
ミスル:いいよいいよ、俺一人で戦うよー。

ミスル:(ころころ)24点。
GM:こっちは23点。
ミスル:ダメージは2点。

フェルデン:‥‥で、はずれるとミスルに矢がざくざく当たるんだよ。(←まだ言っているのかフェルデン)

ミスル:22。
GM:25です。両手剣のダメージは3点。
ミスル:負けたー!
GM:「体力回復の呪文ならいつでもかけますからー」とルックストン氏。
ラナ:のんきだねー、そんなこと言っているなら戦闘に参加しろよなー。
ミスル:ルックストンも結構強いじゃないかー。

 戦闘は続きます。

GM:(いきいきと)こっちの勝ち!3点。
ミスル:つ、強い。体力回復してくれー
ラナ:まだ、大丈夫じゃないの。

GM:18。
ミスル:18。
ラナ:同点の場合は?
GM:このターンは引き分け。
ミスル:俺一人で戦っているのバカみたい。

ミスル:がんばれミスル!あ、6ゾロ。
GM:それは必ず攻撃成功だね。ダメージをください。
ラナ:クリティカルって意味があるの?
フェルデン:クリティカル表とかなかったっけ?
GM:ないけどまあダメージダイスに+2ぐらいしてもいいよ。
ミスル:(苦笑して)それでも2点。
GM:ケイオス・ウォリアーの動きは大分鈍ってきました。
ミスル:弱い‥‥17。
GM:あ、こっちも6ゾロ。ダメージは3点。
フェルデン:そろそろ体力回復したほうが。
GM:ラナのプレイヤーにまかせるよ。
ルックストン(ラナの人):戦ってもいいんだけどな。
ミスル:(ころころ)21。
GM:(ころころ)9+15だから‥‥あ、言ってしまった。
ラナ:24だね。
ミスル:つ、つえー。

ルックストン:じゃあ、体力回復させよう。どうやるの?
GM:[魔法]+技術点以下の目を出せばいいんだよ。
ミスル:失敗するんじゃないぞ!
ルックストン:(ころころ)あ、失敗した。
ミスル:おおーい、死ぬぞー。
ルックストン:大丈夫、あと一回猶予があるよ。体力は減らすんだよね。
GM:うん。

 次のターン。またもやミスルはダメージを受けてしまいます。

GM:ダメージは2点。
ミスル:でも次のターンダメージを受ければどっちみち死ぬんだよな。
ルックストン:大丈夫、10以下だから普通にやれば失敗しないって、(ころころ)ほら成功!
ミスル:まさか回復量はサイコロで決めるんじゃないだろうな。
みんな:(笑う)
GM:(ごそごそと資料を探して)このゲームならありえるなー。ああ、6点回復だって。
ラナ:よかったね固定値で。

ミスル:(かっこよく)そろそろ決めてやる!23。
GM:(申し訳なさそうに)えー、24です。
フェルデン:やたらサイの目が爆発しているようだね。さっきから9以下の目を出していないんじゃないの。
GM:うん、いま9だった。

フェルデン:このパーティは打撃に弱いようだな。
GM:協力体制に問題があるんじゃないの?

ミスル:こっちの勝ち!2点。
GM:それで、ぷしゅーと動きを止めました。
ミスル:よかったー。

●帰宅の途


GM:「では使命も果たしたし、帰りましょうか」
ラナ、ミスル:えーっ。
ミスル:あんなのが出てきたってことは何か金目のものが‥‥
ラナ:何か面白いものがあるかもしれないから。
フェルデン:でも、もう一体でてきたらしゃれにならないんですけど。
ラナ:大丈夫。ミスルさん強いもん。
ミスル:わははははは、殴るぞ。
フェルデン:でもこれで経験点をもらって武器技能が上がると、もう無敵の魔法戦士だね。
ミスル:でもさっきは<勇気>の+2があったから。
ラナ:ラナのミスルに対する信頼感はフェルデンさんより上かも。
ミスル:(笑いながら)フェルデンって信頼できねー。
GM:「ところでこのケイオス・ウォリアーの持っている武器はどうしますか?」って聞いてくるけど。
ミスル:何持っているの?
GM:両手剣。
ミスル:両手剣かぁ、技能持っていないもの持ってもしょうがないんだけどなぁ。
フェルデン:持っていけば売れる。確か武器はかなり高かったような気がするぞ。
ミスル:両手剣持ち歩くのは‥‥。
GM:「混沌の戦士が使っていたものなので、呪われているかもしれませんが、誰が持ちます?」とあきらめきったようにルックストンが。
ラナ、ミスル:じゃあ‥‥
ミスル:ルックストンに持ってもらって、戦った俺が売ったお金を全部。
GM:ルックストンが呪われるとしゃれにならないけどね。富山の薬売りがいなくなるから。
ラナ:(けたたましく笑う)
フェルデン:じゃあサイコロで、1・2ラナ、3・4フェルデン、5・6ミスルで決めよう。
ラナ:1・2・3ラナでもいいよ、どう考えても持ちたがりそうだから。
フェルデン:次から両手剣の技能を伸ばしてくれればかまわないけど。
ラナ:ううん。全然そんなことしないよ、店のおやじに見せるの。「ねえねえこんなの拾っちゃったよ」って。売るっていう発想もないから。
フェルデン:ぼくは売るっていう発想しかないけど。
ミスル:間違いなく売る。
フェルデン:じゃあここは公平に三等分ということで。俺らが勝ったら売る。
ラナ:ラナが勝ったら店の看板になるよ。
フェルデン:君が勝ったら、多分剣が手から離れなくなるよ。俺たちは布にくるんでつるしていくけど、君の場合は問答無用でつかみそうだからね。
ラナ:そんな。
フェルデン:財宝山分けロール(ころころ)5。布に包んで持っていく。
ミスル:両手剣を持って戦うのー。
ラナ:置かなきゃ戦えませんがな。
GM:こういうのは非戦闘員が持つのが常識だね。

ラナ:質問だけど、ルックストンが自分に<体力増強>の呪文をかけることはできるの?
GM:うん、できるよ。
ラナ:すごいね、僧侶って無敵じゃん。
フェルデン:強いじゃん。
GM:そのかわり6ゾロ目が出てカエルになる確率も高いんだけどね。
フェルデン:いや、カエルになる確率は6ゾロ目がでてさらに36分の1で‥‥
ラナ:いいんだよ、いいんだよ、NPCなんだから。
ミスル:ひ、ひどい!ラナって慈悲の神の信者では‥‥
ラナ:違うよ、「NPCなんだから」っていうんだからプレイヤーの発言だよ。

 ちなみに<体力増強>は魔法使いでも使えます。

GM:えー、Hの部屋を見ると、扉が開け放たれている。ここから(混沌の戦士が)出てきたようだ。
ラナ:じゃあ、もう一人いるのかな。
フェルデン:向かいにもう一体いるに違いない。
ラナ:開けてみようよ。
ミスル:Hからでいいんじゃない?
GM:この部屋には、かれが練習に使ったと思われる木のサンドバックが吊されていた。
みんな:(くすくす)
GM:そういえば絵を見せていなかったっけ、絵があるんだけど。
ミスル:なんも。
GM:こんなやつ。(絵を掲げる)
ミスル:こんなやつ見たら一目散に逃げそうだな。
ラナ:質問、何からとった絵?
フェルデン:これはインターネットから落としてきたやつでは‥‥
GM:いや、これは(ゲームブックの)原書からもってきたやつ。
ミスル:よくこんなのに勝てたな‥‥。
フェルデン:これ中身詰まっているの?
GM:サンドバックの中身?
フェルデン:いや、この騎士。
GM:じゃあ(死体の)マスクとって見てみます?
ラナ:見る、見る。
GM:(のんびりと)じゃあ、もとは人間だったと思われる顔があります、ただ眼が4つついていたり口が縦に割れていたりします。

●宝箱発見


GM:じゃあHの部屋を見ましょうか。
ラナ:ところでサンドバックなんて(キャラクターには)わかるのかな。
GM:まあ、あんま一般的ではないけどね。
フェルデン:じゃあ、また私が知識を披露して。
ラナ:うそつきかー。
GM:ところでその部屋にはあやしい木の箱がさりげなーく置かれています。
ラナ:箱があるの?じゃあ寄っていく。
ミスル:(笑いながら)速いな。
ラナ:盗賊としての義務感が。
GM:古ぼけた箱なんだけど‥‥
ラナ:罠をチェックしてみよう。
GM:おお、ルックストン氏はそれを言おうとしたけれど思いとどまりました。
ミスル:だんだん成長してきているな。
ラナ:一応頭に引っかかったらしい。
GM:ラナの[罠の知識]はいくつだっけ?
ラナ:9だよ。
GM:(ころころ)んー、罠はないなと思った。
ラナ:罠はないって。開けてもいい?(←罠がないと判断したのはラナだよ)
GM:開ける。
ラナ:うん。
ミスル:見守る。
GM:(いきなり)[回避]技能持ってる?
ラナ:ううん。
GM:じゃあ、すの技術点か運だめしの好きな方で振って。
ラナ:もちろん技術点。(ころころ)成功。
GM:じゃあラナの脇をかすめて‥‥
フェルデン:ぴゅっと矢が。
GM:そうだね、クロズボウの矢が飛んでゆきました。
ラナ:いつも思うんだけど、その手の罠って当たったらダメージじゃなくって、死ぬんじゃないかな。
GM:そうだね。でもまあラナは一行の中で一番体力があるし、おまけに減ってもいないから大丈夫じゃないの。
ミスル:(笑いながら)戦えよな。
GM:で、中には何が入っていたかというと。サイコロを振ってみて。
ラナ:はーい(ころころ)4
フェルデン:腐ったリンゴだったりして。
ラナ:4なら何が出ても人数分だ。
GM:(あ、金貨だ。これ以上あげたくないから表をひとつずらそう)では今度はサイコロを二つ振ってみて。
ラナ:(ころころ)4。どっちみち4だ。
GM:ん、何か怪しい薬が一瓶ありました、透明感のある。
ラナ:なにかなこれ。
フェルデン:[世界の知識]ではわからないのではないかな。
GM:そうだね。
ラナ:怪しい知識を披露してくれるかと思ったのにー。
みんな:(笑う)
ラナ:じゃあ、ボクが持っているね。
GM:怪しい知識の披露もなかったわけだね。
フェルデン:知識の分野が違うもんですから。
GM:(陽気に)じゃあこの部屋はもう何もありません。
ラナ:じゃあ向かいの部屋。

ラナ:鍵かかっているのかな?
ミスル:聞き耳ぐらいしろー
ラナ:鎧って音立てるのかな?
GM:だんだん冒険者らしくなってきたね。
フェルデン:しょうがない、ぼくが<聞き耳>のまじないを。(ころころ)成功。
GM:成功?では部屋の中はしーんとしている。
ラナ:じゃあ開けるよー。
フェルデン:何もいないに違いない。
GM:鍵もかかってなさそうだ。
ラナ:じゃあ開けるよ、かちゃ。
GM:そこには、ぬるぬるとした固まりが置いてあった。つんと鼻につく腐臭もする。
ラナ:これやだー、なにこれ。
フェルデン:「これは“ねるねるめいと”と言って‥‥」
GM:いや、さっき混沌の戦士のマスクをとったでしょう、あれが溶けるとこんな感じかな。
ラナ:やだこの部屋。とFの部屋に行きかかる。
GM:「早く出た方がいいでしょう」とルックストン氏が言っている。
フェルデン:パーティの良心が何か言っているよ。
みんな:(笑う)
フェルデン:もう目的は果たしたし。
ミスル:金目のものもないし。
ラナ:じゃあEの(ゴブリン・シャーマンのいた)部屋に戻ろうよ。
フェルデン:いや、とりあえず出口だろ。
ラナ:ラナはここに行くと主張する。と言うか、ここに来たら扉をノックしてしまう。
ミスル:それは止められないな。
GM:あそう、じゃあ(ゴブリン・シャーマン)はまた出てくるけど。
ラナ:ねえねえ扉が開いたよー。
GM:「なんとそこの扉は開いてしまったのか。これで我々の住居も広がるだろう」
フェルデン:これでゴブリンが空からテレポートして襲ってくるんだ。
ラナ:違うよ、ゴブリンがみんなあの泉の水飲んでばたばた死んじゃうんだよ。
フェルデン:あれは「カメレオン・ジュース」といって‥‥

ラナ:いろいろお話をする。「あそこにあれがあってー」とか。
フェルデン:じゃあ、私たちは先に帰るから。
GM:確かここにゴブリンの仲間の死体が2つ転がっていたんじゃなかったっけ。この状況で友好的な反応を期待するのは無理というものでは。
みんな:(笑う)
フェルデン:わかった。じゃあ私が<着火>で火葬を。いや、ゴブリンは土葬かな。
ラナ:(笑いながら)土葬の習慣の人に、火葬は神経逆なでしていると思う。
GM:食べちゃうかもしれないよ。

●帰宅の途(その2)


GM:では、ゴブリンシャーマンはそのまま引きこもります。鍵をかけてね。
ラナ:じゃあねー。
GM:‥‥「さ、早く帰りましょう」
ラナ、ミスル:(笑う)
ミスル:もういいよ、帰る。
ラナ:もういい加減いいよ。
GM:で、この寺院の出口を出たときに‥‥サイコロをみんな振ってみよう。
ラナ:サイコロいくつ?
GM:[感知]持っていないんだよね。みんなで振ってOKです。技術点ロールを。
ラナ:成功。
フェルデン:成功。
ミスル:成功。
ラナ:ルックストンも成功。
GM:じゃあちらりとフード姿の人影が見えました。
フェルデン:どこに?

GM:遠くのほう。そのまま、さささささといなくなりました。
フェルデン:青いフードっすか?
GM:いや、白いフードだった。
ラナ:青いフードって?
フェルデン:依頼主っすよ。
GM:スペンサー・スパインドは青いローブの魔術師だった。
ラナ:すごい!よく覚えていたね。そんな2時間前のことを。
ミスル:<火球>の呪文投げてみようかな。エルフだから森を焼くのはまずいかな。
GM:そうだね。

GM:「なんだったんでしょうね。ムラディかもしれませんよ」
フェルデン:ムラディ?
ラナ:そういえばいたな。
ミスル:悪党すぎる‥‥。
フェルデン:もう少し連れて行けば役に立ったな。
ラナ:そうだねー、プレイヤー発言だけど、ひょっとしたら役に立ったかもね。
ミスル:このパーティ嫌だよー。
ラナ:なに言ってんだよ。ラナがそんなこと言うわけないじゃないか。
GM:「今日は近くの森の入口で休んだ方がいいでしょう。ミスルさんが傷ついているようですしね。」
フェルデン、ラナ:治してやれよ。
ラナ:治したんじゃないの。
ミスル:いやまだ14点。
ラナ:じゃあこの神殿で寝ようよ、でも中の方が暖かいよ。
ミスル:怖い、こわすぎるー。
GM:「どうもここは混沌の神殿だったようですね」
ラナ:「じゃあ進化の可能性なんだね」と、覚えたての言葉を言ってみる。
ミスル:うーん。
GM:「あれはずいぶん混沌よりの言葉でしょう」
ミスル:うーん。
フェルデン:(小声で)こんとーん。
GM:「早く離れるに越したことはないでしょう。」
ラナ:「こんとんこんとん愉快なこんとん」とか唄いたくなるよね。(←ならん)
ミスル:いやーさっさと帰りたいな。

GM:とりあえず食料をひとつ減らしておいてね。
フェルデン:ちょうどもらった分がなくなった。
GM:体力が減っている人は2点回復して結構です。
ミスル:俺にだけ言えばいいよ。
フェルデン:能力値をほとんど書き換えていないな。
ラナ:運ってどうやると回復するの?
GM:あれ?ルックストンは<開運>を呪文を持っていなかったっけ。
ラナ:あるよ、そういう風にして回復するの?
GM:あと、かなりナイスな選択をしたとき。
ラナ:へぇー、ナイスな選択しているよー。
GM:かなりまずい選択をしたときには減るから心しておいてね。
フェルデン:さっきので村人が死んじゃったりすると?
GM:そうだね、あれは減らすべきだったかもね。
ラナ:じゃあ村人を連れていって、盾になってもらって「うわーナイスな選択だー」っていうのは?
ミスル:ひでー。

●消えた依頼人(ありがち)


GM:ところで、ファングの街に帰ってきました。
ミスル:いきなりだな。
GM:祭りは今最高潮で、みんな洞窟の入口の方に集まっているようだけど。君たちはそれを無視してスペンサー・スパインドの家まで行くんだよね。
みんな:うん。
ラナ:問題ない。
ミスル:金よこせー。
GM:でも、家の周りには人だかりができているんだけどね。
ラナ:うん、何だろ何だろ。
GM:するとね、近くにいたかっぷくの良さそうな人がね「いや、あそこのほったて小屋に澄んでいた人のいい爺さんがさらわれたみたいなんだ」という。
フェルデン:じじいだったのか。
GM:あれ?言ってなかったっけ。
ラナ:うん。
フェルデン:青年かと思ってたぞ。だってじじいが青いローブなんか着るか?(←何意味不明なことを言っているのかね。君は)
ミスル:偏見だよ偏見。
ラナ:それで?それで?
フェルデン:がーん、残りがもらえない。
ラナ:がーん、シナリオが終わらない。
ミスル:がーん、金払うまで逃がさない。(←それは「がーん」じゃないぞ)
GM:そうしてほったて小屋の中にはいると、変な2メートル四方くらいの宝箱が置いてあってね。
ミスル:かわりに金品もらって帰ろう。
GM:そこに「冒険者もしくはごろつきの方々へ 謎かけ盗賊」と書かれた紙がピンで留められている。
ラナ:わー謎かけだってー、なんだろなんだろ。
GM:黒山の人だかりの中にね、ラナだけは気づいたけど、さっきのムラディー氏がいることに気がついた。
ラナ:「あ、ムラディーさん。」
ミスル:(笑いながら)やるだろうな。
フェルデン:殺しとくべきだったか。
ミスル:こんな街ならみんな知り合いじゃないのか。
ラナ:「さっきねーさっきねー」と話を。
GM:「いやいや、先ほどは助けていただいてありがとうございます」
ラナ:その先はもっとこうだったんだよ、一緒にくればよかったのに。
ミスル:ついてきてたら死んでた。
GM:「えー実は私、文献調べならアランシア大陸一と自負する男でして」
ミスル:なにもんだよ!
ラナ:普通の村人じゃなかったのかよー。
GM:普通の村人なんだけどね。で、いろいろ話しているんだけど。真相は依然究明されないよね。
ラナ:ふ(鼻で笑う)。何の真相だ、何の。
GM:え、(魔術師が)さらわれた真相だよ。ところでそのことを話す?
ラナ:(唐突に)トイレ借ります。
GM:ではプレイは一時中断だね。
ラナ:やっててもいいけどさ、後で教えてくれるなら。
ミスル:ラナの暴走がないとことが進まないし。
GM:一応話を進める役には立っているのかー。
フェルデン:買ってきたお菓子が減っていないぞ。
GM:じゃあお菓子を減らす?

 ぱくぱく、もぐもぐ。プレイは一時中断。

GM:じゃ、続けよっかー。
GM:で、イーオン氏じゃなかったムラディ氏は‥‥このひとイーオンって名前があったんだ。
ラナ:あったんじゃないかー。
ミスル:ムラディ・イーオンなんだよ。

 実は最初のお祭りで、イーオン氏と出会う予定だったけど、忘れちゃったから同一人物にしちゃいました。ムラディさんがいなかったらどうなっていたんだろうね。

GM:そうそう、この人はぺらぺらしゃべるんだけど、かれの話はいま佳境に入っていてねー。
ラナ:うんうん。
GM:「というわけでそのときは図書館長とやりあっちゃいましてねー」とか話しているわけだ。
ラナ:(何かほおばりながら)なにをやりあったんですか?
GM:ん、まともに聞いている?文献を見せてもらえるかどうかでいろいろやりあったらしい。という話が聞けた。
ラナ:うん。
ミスル:多分まじめに聞いてないな。
GM:そうだろうね。立て板に水とばかりにぺらぺらしゃべるんだけど。
ラナ:多分ラナが興味深げに聞いているんだろうけど。
GM:ここで、‥‥は、誰も[変装]の技能なんて持っていないよね。
ラナ:とろうかとるまいか迷ったんだけどね。
GM:じゃあ運だめし。みんなでやってね。
フェルデン:運だめしってどうなるんだっけ。
ラナ:成功失敗にかかわらず1点減る。
フェルデン:えーそんなのやらなきゃいけないのー。
GM:まだ1点も減っていないのにそんなに嫌か?
ミスル:ははは。
フェルデン:(ころころ)成功だけどさー運が10点になっちゃったよ。
ミスル:(ころころ)はい成功。
ラナ:‥‥(ころころ)←(成功したらしい。)
GM:成功した人にはわかるけど。「ムラディってこんなにしゃべる人だったっけ?」と思った。
ミスル:(なるほどというような感じで)あー。
フェルデン:ムラディさんはきっと陽気になってしまったに違いない。
ラナ:実は病気になってしまって。
GM:で、まだぺらぺらしゃべってるんだね。
ラナ:ラナはしゃべらない人よりしゃべる人の方が好きだから気にしないと思う。
フェルデン:プレイヤーとしてはこれは違う人だなーと思うけど、そんなことは気がつかないに違いない。
ミスル:そうだよなー。
GM:(ころころ)ルックストンは気がつかないね。ふんふんと相づちを打っている。興味はないだろうけど気が弱いからね。
ラナ:ふふふふふ。
ミスル:だめだよ。
フェルデン:俺なんか露骨に横向いているのに。
ラナ:誰もなんにも言わないの?
ミスル:言わない。
ラナ:ラナはずうっと聞いているよ。
GM:で、スペンサースパインドの屋敷じゃなくて、ほったて小屋は調べますか?
ラナ:なにか宝箱があったんじゃないの。
GM:それは覚えていたんだね。
ミスル:料金分のものを探す。
ラナ:それはひどいから止める。「人のものとっちゃいけないって教わらなかったの?」
GM:それより人だかりしているなか物をとったら捕まるのでは?
ラナ:そういうことか、人だかりはここにあるのね。
GM:小屋の周囲にあるんだよ。衛兵たちは君たちを誰何するべきかどうか悩んでいるようだね。かなり怪しげなパーティだし。
フェルデン:ちゃんとここに契約書が。
ミスル:契約書なんかあったのか?
ラナ:パーティなのか、冒険者らしいの2人くらいしかいないんじゃないの。

●唐突に登場、最後の敵


GM:「じゃあ、どこかで休みましょうか」とルックストン氏が言う。
ラナ:でもこの謎っての興味あるよ。
GM:と言っている人は[回避]のロール。
ラナ:え?何度も言っているように[回避]なんて持っていないってば。
GM:(陽気に)じゃあ技術点で振ってみようかー。
ラナ:(ころころ)すてきな値が出ました!
フェルデン:回避失敗です。
GM:じゃあほら、ただ単に背中から斬りつけられて2点のダメージを負っただけです。
ミスル:「単に」って。
フェルデン:やるーう。
ラナ:なんで切りつけられるの?
GM:もちろんイーオン氏が切りつけてきたんじゃないか。
ラナ:「いったー何すんのよー」
フェルデン:人混みのなかで?
GM:人混みのなかで。そうするとイーオン氏は顔をべりべりっとはがしてね、ほらルパン三世がやるようにね。
ラナ:ああ。
GM:そうして怪しいフード姿の怪人が現れました。(←描写が足りないぞ)
ラナ:「ああ、すごい日焼け」ってボケていい?
フェルデン:フードっていうと出口で会ったあれ?
GM:「そうそう、その通り」とその人は言っているぞ。
ラナ:知ってるのかよー。まあいいけど。
GM:だってこの人が見ていたんですもの。「いやいや、変装には自信があったんですけどねー」
フェルデン:近くに衛兵がいるんじゃあー。
ラナ:とりあず、手ではたくけど。
GM:するとこの人は運だめしに成功して回避した。
ラナ:ひどい。
GM:衛兵が近くにいるね。衛兵も駆け寄ってくるけど手を出そうとはしないよ。
ラナ:なんで?
GM:だってみんな事なかれ主義だもーん。
ミスル:まあいいや、とりあえず捕まえよう。
フェルデン:じゃあ、ぼくが<魅惑>の呪文を。
ミスル:そっちが先か。
ラナ:み、みわく?
フェルデン:(ころころ)成功でーす。
GM:(へらへらしながら)成功ですか、(ころころ)運だめしに成功して回避したんですけど。
ミスル:強いなー。
ラナ:いやここで<魅惑>の呪文が効いてもラナは納得しないんですけど。
フェルデン:ここで<魅惑>して後ろにまわって、まず縛ってから煮るなり焼くなりぼこぼこって感じ。
ミスル:うんうん。
ラナ:こういう大人に囲まれて育ってラナは幸せです。
GM:そうだねぇ。
ミスル:210歳ってエルフならまだ子供さ。
GM:そうそう。で、この人が何か言う前に、[世界の知識]を持っている人は−2でロールしてみてください。
フェルデン:(ころころ)成功です。
GM:では「謎かけ盗賊」という言葉に思い当たることがある。策略の神ロガーンに使える従者にそんなのがいたような気がした。

 謎かけ盗賊は、善悪の均衡をとろうとする「策略の神」ロガーン(人間を作った神様でもある)に使える従者の中でも、とりわけユーモアに満ちた存在だ。変装の名人で、行った先々に謎めいた詩をのこして人を惑わす存在でもあるのだ。ちなみに「謎かけ盗賊」「奈落の帝王」といっ
た作品に登場する。GMの創作じゃないよ。

ラナ:それは神話のお話?
GM:おとぎ話によくでてきた。ところでそのことを言うの、フェルデン?
フェルデン:僕は占い師という職業柄、情報はなるたけ秘密にしておかないと商売あがったりなんですよ。
ラナ:(からから笑いながら)小出しにするの?
GM:すると正体を現したムラディ・イーオン氏が「私は運と偶然の神に仕える従者」と言う。
フェルデン:なんだー。
ラナ:言っちゃうんじゃん。
GM:自分で言っちゃったんだね。「謎かけ盗賊とは主が私を呼ぶ名前だが、私は泥棒ではない。君たちのように混沌の神殿の封印を解いて世界のバランスを崩す輩を掃除するのが私の仕事なんですよ」
ラナ:「封印て何よ?」
GM:「忘れられた神殿にある混沌の封印に決まっているではないか」
ラナ:「だってボクたち何も触れてないもん」
GM:とにかく信じてくれた様子はないね。ルックストンも誤解を解こうとしているけど。
ラナ:(笑いながら)ルックストンに話をさせるのは無理でしょう。今までの感じからいって。
GM:そうだね、声に迫力がないからねー。
ラナ:「いえ決して、あのそのような‥‥」(←ルックストンのまね)
ミスル:とりあえず張り倒していい?
GM:いいんじゃない。「もう慈悲の神に誓って」(←ルックストンのまね)
ラナ:ラナは烈火のごとく怒っているんだけどルックストンは治してくれないのね。(←すまん、今クライマックスで忙しくて)
GM:謎かけ盗賊は火の玉の呪文を周りに放つと‥‥
ミスル:うーん、恐ろしい奴だな。
GM:‥‥見物人たちは散会して、衛兵たちはこのまま君たちに任していいんじゃないかなという感じで後ずさりしてゆく。
みんな:(笑っている)
フェルデン:このまま<魅惑>の呪文を振り続ければ、奴の運点は下がってゆく気がしないでもないな。
GM:ルックストン氏が「気をつけてください、奴は運と偶然の神の従者ですから運だめしは絶対に失敗しませんよ!」
ミスル:ここで衛兵に金銭をせびる‥‥まあいいか。
ラナ:(けらけら笑いながら)しかしなんてゲーム的な台詞なんだー。
GM:(笑いながら)そうだね。「運だめしは失敗しません」ってのはね。
フェルデン:運だめしに失敗しないなら攻撃も当たらないんじゃないの?
ラナ:呪文は効かないね。
GM:普通の攻撃は大丈夫。ダメージを減らせるぐらいだね。
フェルデン:運点は減らないの。
GM:うん、運と偶然の神の従者だからね。
フェルデン:やるじゃん。

ラナ:幸運の女神シンドラとは違うんだね。偶然といいつつ。
GM:うん。ミスルちっとも幸運じゃないねー。
ミスル:ははははは。(←幸運の女神を信仰している)
GM:謎かけ盗賊は短剣を抜いて君たちを一掃する自信を見せている。
ミスル:あくまで戦う気なのかー。
ラナ:とりあえず頭に来ているんであまり気にしない。
GM:ルックストンも頭にきたらしく「さっきの剣を使ったらどうですか」とかいっている。
ミスル:ふはははは。
ラナ:ちょっと待って、ルックストンはミスルが剣を持っていることを知らない。
GM:いや、錆びた短剣じゃなくて両手剣のことだよ。
ラナ:ああ、呪われ剣のほうか。
ミスル:まだそうと決まったわけでは‥‥。
フェルデン:(両手剣は)誰も使いこなせない。
GM:というわけで謎かけ盗賊は襲いかかってくるけど、積極的に戦闘に参加する人は?
ラナ:ラナ。
ミスル:私もでますよ。
フェルデン:しょうがないな、僕は弓で援護してあげよう。
GM:それは効くだろうね。
ラナ:味方に?

GM:街中だから味方に当たる危険はともかく、問題はないね。それで戦う前に1回くらい呪文を使う時間があるけど。
フェルデン:<勇気>って技能が2上がるんだっけ。
GM:そうだよ。
フェルデン:それなら(乱戦に弓を撃ち込むペナルティで)−5されても、結構当たるかな。
GM:おお、それはそうだね。
ラナ:僕が振るの?(ころころ)ぴったり成功。
GM:さてさてさて、戦闘を続けましょうか。おそらくこれが最後の戦闘でしょう。
フェルデン:あ、マスターがなんか言っているぞ。
みんな:(笑う)
GM:攻撃力は13です。どうせミスルしか戦わないんでしょ。
ミスル:ラナも戦うんだよ。
ラナ:そうだよ。
GM:あれ、そうだっけ。まあ謎かけ盗賊はすばやいから2回攻撃(二人まで相手にできるってこと、一対一でも2回攻撃できるわけじゃないよ)できるし。

ミスル:(ころころ)16。
ラナ:(ころころ)16。
GM:ラナには攻撃力14だから負けたね、両手剣を使ってるの?
ラナ:ううん。
GM:ではラナは攻撃に成功、フェルデンも成功した?
フェルデン:うん。
GM:ミスルは14と言って勝った?
ミスル:え?勝った。
GM:うう、ではダメージを。
ラナ:素手はどうするの?
GM:ダメージ表の拳(中)を使って。
ラナ:(ころころ)1点。
フェルデン:2点。
ミスル:2点。死ぬんじゃないか?手加減ぐらいはしてやるよ、人の見ている前で殺すのは(いやだし)。
GM:(ころころころ)運だめしに3回成功して、3点ダメージを防ぎました。
ミスル:おいおい。
ラナ:あーん、ボクのダメージがなくなっちゃうじゃん。

 次のターン

フェルデン:今度は弓はずれ。

GM:弓がはずれたらサイコロで誰に当たるか決めよう、偶数奇数で。
ラナ:3分の1じゃないの。
GM:じゃあ、そうしよう。
フェルデン:(ころころ)ミスル、安心しろ1点だ。
GM:ミスルに19、ラナには16。
ミスル:負けたあ。
ラナ:負けたの?
ミスル:19とか言われた日にはね。
GM:この人短剣だからね、それぞれ2点のダメージをどうぞ。
ラナ:あったまきたー、もう2度も傷つけられているー。
GM:(謎かけ盗賊は)そんなに強く無いぞ。
ミスル:うん、あなたのサイコロがおかしい。
GM:運だめし以外はごまかしてないよー。

 次のターン

GM:ミスルには17、ラナには16。
ミスル:余裕っすよー。
ラナ:だめだー。
フェルデン:矢は当たり。
GM:ダメージをください。
フェルデン:矢のダメージ(ころころ)1点。
GM:運だめしに成功してダメージなし。
ミスル:剣のダメージは2点。
GM:運だめしに成功してダメージ減少。
ラナ:こっちにダメージください。
フェルデン:矢のダメージって大きくないんですけど。
GM:ラナには短剣で2点。
ミスル:そろそろあきらめろって言ってみます。
GM:あははははははーと気持ちの悪い叫び声をあげます。
ミスル:まだ勝つ気でいるのか。
ラナ:「もうあったまきたー」とかいって突っ込んでるんだろうな。
ミスル:ラナ‥‥。
GM:謎かけ盗賊は魔法を使う気はないようだね。
ミスル:戦闘中だからあたりまえだー。
GM:そういえばそうか。
ラナ:謎かけ盗賊さんってなんか面白い物持っていないの?
GM:フード姿に短剣だしねー。
ラナ:戦闘中にフードをばっとかやれないのかなー。
GM:いや、顔は見えるんだけどね。なんか鳥と人間の中間みたいな顔をしている。
ラナ:それではあんまり面白くないか。
ミスル:そんなのか。

 次のターン

GM:ミスルには16、ラナには17。
ラナ:そんなの無理だよ。
ミスル:勝ちー。
GM:短剣のダメージは2点
フェルデン:矢のダメージは2点
ラナ:ラナ弾避け。
GM:うん、半分くらい傷ついた感じ。
ミスル:まだ半分かー
ラナ:ちなみにラナも半分くらい傷ついた感じなんですけど。
GM:体力回復した方がいいのでは。
フェルデン:矢だと3以上振らないとダメージが行かないんだけど。
GM:ちなみに運だめしに成功するとダメージに1点追加できるんでけど‥‥言ってなかったっけ?
ラナ:言ってないね。

 でも、運点が減るのを極端にいやがるプレイヤーたちは運だめしを使う気はないようです。わざわざ最後の戦闘って言っているんだからばんばん使っちゃえばいいのに。

 次のターン

GM:ミスルに18、ラナに18。
ミスル:負けたー。
ラナ:あ、勝ってる!
フェルデン:矢は当たりました、矢のダメージは3点。
ラナ:2点。
GM:こっちも(ミスルに)2点。
フェルデン:すごいよ、この人背中に矢が3本も刺さったまま動いているよ。
ミスル:(笑う)
GM:(矢を)ちゃんと減らしている?
フェルデン:あ、そうでした。
GM:まあ、戦闘中は持つだろうけどね。
ラナ:こっち(ミスル)にも1本きているよ。

 そうしてしばらくして

GM:このターンで終わりかな?ミスル18。
ラナ:らなー、らなー
GM:ラナはファンブルだね。じゃこっちのダメージが2点
フェルデン:矢は当たり。しかもダメージ3点です。
ミスル:ダメージくださーい。
GM:いやその必要はないでしょう。矢の一撃で死んだ、そいうよりパンと風船が破裂したように、ぷしゅーっとどこかへ飛んでいってしまった。
ラナ:ひどい、逃げるなんて。
GM:いや、どうも途中で何かと入れ替わっていたようだ。
ミスル:入れ替わっていたのに俺はこんな苦戦をしたのか。
GM:で、その風船が割れた中にこんなのが入っていた。(紙切れを取り出す)
ラナ:見てあげよう。
GM:なんて書いったっけなー。

 その紙切れには丸文字でこう書かれていたのだ。

●謎かけ盗賊からの手紙


私は常に、「運と偶然の神」の従者として、人にチャンスを与えることにしている。機会とはまさに、私を象徴するものだからだ。先ほどの君たちへの贈り物を、

     「風が吹くたび震えるもの、
      重たい荷にもなるもの、
      突いても跡が残らぬもの」

に浸けたまえ。私を打ち負かしたささやかな報酬だ。
さらに、賢きものは

     「私は知恵を与えるもの、
      感動をもたらすもの、
      愛をささやくもの、
      しかし、火は私を焦がし、
      水は私をだめにし、
      風は私を混乱させ、
      土は私を汚す」

を叫べ、さらなる報酬が得られるだろう。
幸運を祈る。不運もを祈る。どちらでも私には同じことだ。


謎かけ盗賊

GM:「この贈り物というのは宝箱のことでしょう」とルックストン。
ラナ:うーん上は「水」かな?下は「文章」か「紙」かなー。
ミスル:ミスルは働きませんから。
ラナ:ラナは謎解き好きだから。
GM:ルックストンが体力を回復しておきます。
ラナ:こっちも回復してくれると嬉しいなあ。
GM:はいはい(ころころ)あ、失敗してる。
ラナ:(ひきつったように)はははは。
GM:よし、(ころころ)成功。
フェルデン:何、この謎を解けっていうの?(←また、ねぼけてるな)
ラナ:ボク上は「水」であっていると思うけど。
GM:「じゃあ水に浸けてみましょうかぁ」。決断するのは君たち次第です。かれに意志はないのだから。
ラナ、ミスル:(笑う)
ラナ:いいキャラだね。
ミスル:ミスルは傍観者だから。
ラナ:ラナはきっと自分の意見に自信を持っているから、「絶対水だよーだってほらほらーだって水じゃん」とわけわかんないことを。
GM:じゃあ水に浸けるんだね。でも開けようともしていなかったね、この箱。
ラナ:だってそんな間もなかったし。
GM:そうすると、箱がぱかっと開いて、中から猿ぐつわをかまされた依頼人スペンサー・スパインドが出てきた。
ラナ:こんにちわー。
GM:猿ぐつわをかまされているんだけど。
ミスル:(笑う)
ラナ:ムラディさんの時もそうだったし、こういうリアクションを。
フェルデン:じゃあ、今度はこの下の謎を解くと猿ぐつわがはずれるんだね。
ラナ:(笑いながら)ないない。
GM:ルックストン氏がそつなくいましめをとくと、スペンサー・スパインドは君たちに感謝の言葉を述べる。
ラナ:だから、私は知恵を与えるもの、感動をもたらすもの、愛をささやくもの、火は私を焦がし、水は私をだめにし、風は私を混乱させ、土は私を汚すんだから書物か紙なんだよ。
GM:そうだねー。
ラナ:そうだよそうだよそうなんだよー、と叫ぶ。
GM:ああ、叫ぶのね。じゃあ「書物」といった瞬間に宝箱の底が上げ底になっていたらしく、かぱっと開きます。
ラナ:ふーん。
ミスル:(一転して興味深く)それは近づくよなー。
GM:文庫本くらいの厚さの革装丁の本が入っていました。
ラナ:本だ本だー、と言って見る。
GM:まあその本のことはひとまず置いておくとして、依頼人の話を聞いてください。
ラナ:置いておかれてしまった。
GM:スペンサーは感謝の言葉を述べて‥‥
ミスル:感謝は金でくれ。
GM:そうだね。「謎かけ盗賊とやらは、私が混沌の封印を解放するものと考えたらしくて、有無を言わさず縛られてあの箱の中に押し込められてしまったよ」
ミスル:こっちは切りかかられたぞ。
ラナ:混沌の封印ってなんですか。
GM:君たちが持ってきた魔法陣のかきつけを渡すと、「これはまさしく混沌の封印」と言う。混沌というのはこの世界にはまだ一般的ではないけど‥‥
ラナ:知らなくて当然だな。
GM:善や悪といったおちゃらけた概念ではなくて‥‥
ラナ:おちゃらけたって‥‥君(GM)の好みが非常によくわかるよ。
GM:そういう甘ったれた概念ではなく、まだこの世界には浸透していない、ぐちょぐちょぬるぬるの世界ということだね。
ラナ:ムアコックを読めと言うことだね。
GM:その混沌の神の封印だったらしい。
ラナ:でも神様なんでしょ。神様なんて封じ込めちゃっていいの?
GM:「うん、混沌の神様自体を封印していたわけじゃなくて、混沌のなにかの封印だったんでしょう。君たちがあの封印を解いていないことを祈るよ」
ラナ:祈られてもなー、どうやって解くのかもわからないし。

●楽しい報酬の時間


GM:そうだね。とりあえずスペンサー・スパインドは報酬に魔法の呪文を2つ追加してくれるよ。
ミスル:すばらしい。
フェルデン:そんなものもらっても使えないよ。
ミスル:いや、すばらしい。
フェルデン:ちなみに僕はもう後金をもらっているけど。
GM:後金もちゃんと渡してくれるよ。
ミスル:金持ちだなー。
ラナ:金持ちになっちゃったよー。
フェルデン:金貨61枚もあるよー。
ミスル:で、魔法くれるって?
フェルデン:それで魔法が2個もついてくるぜー

ラナ:ところでこの人なんでこんなところに住んでいるの?
GM:ほったて小屋に?
ラナ:うん。
GM:お金がないんだよ。
ラナ:うそだよー、お金無くないよー。あるじゃん。
GM:本の執筆がかれの人生なんだよ。
ミスル:変人てのはそんなもんだ。
GM:これで本も完成するでしょう。いやあありがとう。
ラナ:でもでもそんな本書いちゃってさあ、(封印を)解きに行く人とかいないの?
GM:そうだね、大量印刷して売るわけじゃないからね、これで名をあげようというんだから、まあ封印を解くかどうかはその人次第だね。

GM:さっきの書物があったでしょ。
ラナ:何か書いてあるの?
GM:いや、見る前に「こら、もっと丁寧に扱え」という声が本から聞こえてくる。
ラナ:ひでえ!
ミスル:うわー、早速売らなきゃ。高そー、しゃべる本なんて‥‥。
ラナ:「あなた何?」
ミスル:ラナが手放さないな。
GM:‥‥というわけで、次回に続かせていただきます。

●冒険後の後始末


フェルデン:運点はそのまま?
GM:キャンペーンが終わったら、全部回復していいよ。
ミスル:経験点は?
ラナ:このゲームにもあったのか。
GM:経験点はゲーム中の行動を採点して1〜3点なんだ。
ラナ:で、どうなの?
GM:別に問題はなかったよね‥‥あ、そういえば多少ヒーローらしくないふるまいがあったよね。
ミスル:うはははは。
ラナ:(笑って)一部ね。
フェルデン:ヒーローを目指すのだったのか。
GM:うん、一応ヒーロ指向だからね。じゃあ、経験点は2点ということで。
ラナ:ラナはラナらしかったのに。
ミスル:うそお、あんな一生懸命戦ったのに。
フェルデン:やるまえに言ってくれなきゃー、ヒーローを目指すって。
GM:そうだね、言っておけばよかったかな。

 AFFは、ディレクター(GM)とヒーローたちでファンタジー映画を撮るという趣向になっているのだ。だから別に正義の味方でなくともキャラクターらしければいいんだよ。

ラナ:この経験点はどうなるの?
GM:えー経験点は10点ためると技術点が1点増えます。
ラナ、ミスル:へーえ。
GM:でもそんなに待っていられないよね。
ミスル:うん。
GM:今持っている技能なら経験点1点で増えます。持っていない技能は2点で1点買えます。
ミスル:これで[剣]を6点にすれば‥‥。
GM:勝てるものはいなくなるね。ミスル用に戦闘を調整しなければならなくなるね。
フェルデン:そうすると他の人の攻撃は当たらなくなる。
ラナ:確実にラナは当たらなくなるね、戦闘に参加する気はないけどさ。
GM:(小さな声で)次は魔法使いをばんばん出そう。
フェルデン:じゃあ僕は[口先]と[取引」を上げようかな。
ラナ:(笑う)
ミスル:いくら[剣]あげても与えるダメージが2だもんな。次はファイヤーウェポンしてから戦おう。
GM:今日のプレイで[感知]の大切さがわかったでしょ。
フェルデン:奸智っていうのは悪巧みのことだからね。(←いきなり口語で言われてもわかるか!)
ラナ:とりあえずラナが思ったのは[回避]が欲しいってことだね。
GM:そうでしょ。
ラナ:[軽業]と[登坂]があるけど全然使わなかったね。
GM:そうだね、落とし穴でも用意すればよかったかな。
フェルデン:僕は怪しげな[地下の知識]でもとろうかな。
ミスル:[魔法]技能を上げても呪文は増えないの?
GM:ほんとは呪文も経験点で買うんだけど、スペンサー・スパインド氏が特別に2つくれたから。
フェルデン:僕のまじないはもう失敗しないんだけど。
GM:いや、強い相手にかけるときは修正がつくからね。
フェルデン:強い相手にまじない程度じゃ効果ないんじゃないの。
GM:うん、まじないはシティ・アドベンチャー(都市での冒険)に役立つと思うよ。さっきも村人に絶大な効果を発揮してたし。
ミスル:まじない強いなー。
ラナ:思うんだけどラナに技能はいらないような気もする。
ミスル:ひとりでがんがん突っ走るからね。
GM:でも依頼型の話にするときは助かるぞ。
ラナ:うーん、ひさしぶりに無理がなくやれてやっていて楽しかった。
GM:(小さな声で)それはなによりです。(元に戻って)いやあ、あんたが女性キャラをやると聞いて戦慄を覚えたんだけど、結構違和感なかったね。
フェルデン:戦闘は一人戦ってくれる人がいるから、[口先]とかをとろうかな。
ミスル:そろそろ<巨大化>かな。
みんな:(笑う)
ミスル:<全回復>にすれば‥‥
フェルデン:切り合いだけでなく、回復もできる、パーティのかなめ。君の腕を高く売るのが僕の役目だ。
ラナ:ラナはそれをご破算にするんだね。思い出したように罠を調べるけど。
GM:みんな不可欠じゃないかー。
みんな:(笑う)

ラナ:あのカメレオン・ジュースはどうなっているの。
フェルデン:両手剣もあったじゃん。
ラナ:怪しい薬瓶もあった。
GM:じゃあ、みんなスペンサー・スパインド氏に鑑定してもらったことにしよう。
ラナ:お、すごい。
GM:いいコネができちゃったね。
ミスル:あはははは。
GM:両手剣だけど呪われてはいないようです。
ミスル:だけど使えない。
GM:うん、技能がないと技術点−2、魔法の剣らしくダメージ表に+1
ミスル:錆びた短剣は後で聞きに行こう。

 あ、他のアイテムを鑑定していないぞ。ここにまとめて書いておこう。

混沌の戦士の両手剣――「スペンサー氏によると」呪いはなくてダメージ決定のサイコロに+1。
薬瓶――15分間透明になれる。
カメレオン・ジュース――ランダムに効果がある。
錆びた短剣――魔法の短剣。
しゃべる本――?

●GMのお話

 典型的なダンジョンのシナリオだったけど、いろいろな趣向を凝らしてみました、例えば入口に白地図がかかっているとか、「何にもない部屋」をなくしてみたり。過去、自分がプレイヤーだったときに不満だったところなんだけどね。
 やっぱりTRPGってのは実際にやってみないとわからないことが多いね、例えばよくTRPGのシナリオなんかについている宝物表なんてのは、「宝物なんてのはサイコロで決めるもんではない」と思っていたんだけど、アドリブで宝箱を出すため使ったときに、はっとわかりましたよ、あれはアドリブを助けるためにあったんだね。いや勉強になりました。
 プレイヤー3人にも恵まれていたしね、ルールをマスターしておいてくれた人、あちこちに首を突っ込んでくれる人、節度ある行動をとってくれる人、誰が欠けてもバランスが取れなかったと思うよ。私も「生まれて初めての」GMのわりには結構うまく行ったかな?

反省点(GMの)
・呪文をまちがえたこと
・イーオン氏を出し忘れたこと
・予想より3倍は時間がかかったこと
・決めていないところがあったこと(錆びた短剣とか混沌の封印とか)
・技能を幅広く活かせなかったこと

予想外によかった点
・ルックストン氏がかなり個性的なNPCになったこと。
・AFFのルールがうまく働いたこと。(戦闘ルールとか)