なかなか全員集まれなくなっているので、参加できた人だけで形になるシナリオをモットーに 作っています。場合によっては単発になったりする可能性もあり。
街中に奇病が流行します。
いくら食べても食べずにはいられなくなるという病で、食料店の襲撃まで起こります。
ノニは旅の剣士ガトーと意気投合して龍の灰皿亭でのんだくれていますが、
その頃、ダレスはノームが配る無料配布のタルトを口にして、
クレマティオスもシェリルがお茶のお菓子に出したタルトを口にしてしまいます。
これこそが、飢餓の病の元凶でした。
街の中央広場に奇妙なモニュメントが立ちました。
その告知文によると「我は新しき領主ズリトロー。この度の奇病を憂い、食料の配給を行う」
とあります。領主なき街グリスリムに領主とはおかしな話です。
ガトーを加えた一行は配給場所の食料庫に向かいます。
食料庫前には飢えたる群集が群がっていました。倉庫への侵入は群集にはばまれますが、
そこはノニの理をもった説得によってさばくことが出来ました。
倉庫内にはタルトを作っているノームや、魔術師ズリトローがいました。
クレマティオスの調べたところによると、ズリトローは悪徳魔術師目録で危険度Aにランクされている、悪人です。
相手が魔法を使うことを嫌うとの噂通り、怪しい白黒の床上では魔法がかならず致命的な失敗になります。
髪も青くなりしっぽも生えたクレマティオスは別として、ズリトローは倒されます。
呪いを解く本を見つけた勝利の凱旋の帰路、ガトーが襲い掛かってきます。
ガトーは戦に明け暮れるブライス国のスパイでした。
他国の領主なき街は、大勢の兵士の駐屯場所としてとても都合のよいもの・・・とクレマティオスは推察します。
呪文の失敗でクレマティオスが気絶して大ピンチの総力戦。
なんとかガトーを倒すことができました。
ガトーはブライス印の白紙の紙を渡して生き絶えます。
ブライスへの通信文を踏んだノニは、「この街は領主なきものの盤石な支配体制がひかれているため攻略は困難」
としたためて使者に渡します。
クレマティオスの師匠によって飢餓の呪いは解けましたが、ブライス侵攻を未然に食い止めたのは、
それ以上に価値あることでしょう。敵とはいえ飲み友達だったガトーをノニは埋めてやるのでした。
GMのおもわく |
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そろそろ悪の魔法使いの大げさな陰謀を叩き潰してもらおうかと思ったので、このような形になりました。
ただ戦うだけでは勝てないように、呪文ファンブルの部屋や落とし穴を利用するガトーなど、
凝ったつもり。事前の情報収集はしないだろうと思うけど用意はしておいた。
ただちょっと準備不足の感あり。
結果: そろそろ「領主のいない街」という設定くらいは覚えておいて欲しいぞ。 情報収集は珍しくクレマティオスが行っていた。 魔法使いのクレマティオスが戦闘不能であったため、対ガトー戦はかなりつらかったようだけど、 手は抜かなかった。戦闘での運だめしだってあるしね。 ノニのブライスへの返答は百点満点でしょう。ストーリーが頭に入っている証拠。 最後にガトーを弔ってくれたのは嬉しかった。 +4点なので武器技能が伸ばせないとダレスから不満あり。 「だって他の技能使えないし」・・・戦闘しかない印象なのかなあ。 |
プレイヤーの感想 |
あえてコメントはいたしません。
クレマティオス「えーとどんな話だったっけ?直後に聞いてくれなきゃ」 ダレス「最後の隊列でいつのまにかガトーが最後尾になっていのが不満」 ノニ「敵魔術師とガトーが組んでいるのではないかと思った」 |
前回報酬を断ったことで、一行の生活費は底をついています、ひさしぶりに顔を見せたナムルにたかることで、
なんとか餓死することは免れました。一行に残されているのはラットマンから奪ったライフル4丁のみ。
なんとかこれを売りたいところですが、街の武器屋はそもそも銃など縁がないので買いとってくれません。
武器屋の助言に従って、魔法の道具を集めているという魔法使いユージーンの塔を訪れます。
過去奥さんに逃げられた男やもめのユージーンは引越しの最中でしたが、一行を快く迎え入れます。ライフルに関しては、自分は興味がないが、
時々会うハマカイ族に売れるかもしれないということで、条件付きの購入を提示してきました。
その条件とは十年間封印したきりの封印の間の掃除でした。
「ライフルの購入と仕事は別にして欲しい」とこだわるノニと、相変わらず自分勝手な値段を提示するダレスの交渉が入り交じり、
なんとか話しは収まります。
封印の間は巨大な棚が互い違いに並ぶ、巨大な異空間でした。
一行は重労働をしつつ、はびこる鉄食いやガーゴイルをあしらい進みます。
(ナムルの弓の腕前がなければ危ないところでした)
本棚のしゃべる本にみなまで言わせず、吸引機に放り込んで最後の棚まで来たとき、
新鮮な女性の死体を発見します。
そのとき、ダレスの背後に死霊が現れます。「ユージーンに閉じ込められた」と主張する死霊はあきらかにその死体の主のようです。
女性の死体に指輪があることに気がついたノニは、幽体離脱の指輪と看破したクレマティオスの助言に従い、
指輪を抜き、死体は息を吹き返しました。
ユージーンの正体を危ぶむ一行ですが、目を覚ました奥さんの話しで事情があきらかになりました。
十年前、倉庫の奥で掃除をしているときに、ユージーンは奥さんに気がつかないまま封印をしてしまったのです。
奥さんは餓死を避けるため、そこにあった幽体離脱の指輪を使ったものの、死霊としての長い歳月の間に記憶はおぼろになってしまったのでした。
脱力した一行ですが、ライフルを売り、報酬を手にしてなんとか人心地つきました。
GMのおもわく |
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今回は2人しか参加者がいない予定だったので、息抜きのショートシナリオのつもりで作った。
ところがフルメンバーで参加ということになった。
ガーゴイルは参加者数だけ登場するようになっていて、ここだけで調節している。 結果: 2回攻撃を当てると武器が壊れてしまう能力は結構強かったようだ。 でも、弓兵のナムル君の見せ場もあったし、まあよかったのではないかな。 死霊の説得には、ストーリーを理解したキーワードをつけないと−4の修正がつくようにしていた。 結果的にサイコロの力押しで行ってしまったけど、一行は戦いを避けたいという姿勢だったので、 ま、いいでしょう。キーワードは「ユージーンは結婚していない」か「奥さんに逃げられたと思い込んでいる」 でした。 おまけ: クレマティオス「師匠、この短剣を鑑定してください!」 師匠「私の名前を言えたらな」 |
前回から一ヶ月。フェンタンティの街を後にして、一行はグリスリムの街に落ち着いていました。ある日、クレマティオスはこの街で知り合いになった女性シェリルに頼まれます。街の一画に館を構える叔母の家までの護衛をして欲しい。なんでも、その一画への唯一の入口は通行止めになっているらしいのです。依頼とばかりに一行はその一画へと向かいます。衛兵の話から、ここに踏み込んだ者が皆帰ってこないことを聞き出します。
踏み込んだ一行は早速“見えない攻撃”を受けます。透明には透明とばかりに透明薬を使って攻撃者に接近するノニが見た者は、全身包帯姿の生き物が構えたライフルとう火器でした。なんとかこの狙撃手を撃退する一行ですが、叔母イクシア夫人の屋敷はさらにおかしなことになっていました。イクシア夫人がシェリルを覚えていないのを始めとして、ガスタンクを背負ったラットマンや、武芸者ラットマンが襲いかかってきます。
問いただすダレスに、
ラットマンが語るには、この街は有史以来、ラットマン一族と人間とで土地をめぐる争いが定期的に行われていたのでした。街が支配者のいない街になって以来そのことも忘れられてしまったのでした。そこでラットマンは精鋭部隊を送り込み、長年の不毛な戦いに終止符を打つべく侵略を開始したとのことです。
しらみつぶしに館を調査する一行。二階座敷牢に閉じ込められていたラットマンはどうやらイクシア夫人だったようで、最後のラットマン「ディスガイズのメギド」が<身体交換>の使い手であることを知ります。それさえわかってしまえば多勢に無勢。クレマティオスの師匠ランドバックに呪文を破ってもらい、イクシア夫人は元の姿に戻れました。
感謝の言葉とともに宝石を手渡そうとするイクシア夫人ですが、クレマティオスは「館の復興に役立ててください」と、受け取りを拒否するのでした。生活費が尽きつつある仲間の視線を受けつつ。
GMのおもわく |
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シティアドベンチャーも疲れてきたかもしれないので、
今回は純粋に戦略を練って闘ってもらう方針で行くことにした。
幸い、前回下水に爆弾をしかけようとするラットマンのテロリストというイベントを用意したものの発生していなかったので、これをベースにしよう。 で、個性ある傭兵たちと闘うという「メタルギアソリッド」のようなスパイ物にしようと考えた。ただ、設定的にテロリストのラットマン以外のモンスターはまず出ないのがまずかったかな。 街や館の地図はウォーハンマーの「MIDDENHEIM:CITY of CHAOS」から流用した。 ゲームは違えど有効活用だ。あと、用意した敵データはゲーム中変更しないことと、オープンダイスでやることを心がけた。 結果: スナイパーの攻撃は街の地図まで用意して戦略を練ってもらいたかったが、 ちょっと準備不足だったのと、前回渡した「見えなくなる薬」のおかげで簡単に攻略されてしまった。 あと、ダレスが結構尋問する内容に困っていたのがおかしい。 今回から成長するにはきちんと師匠を見つけてもらうことにした。 クレマティオスが報酬を断ったのは意外だったなあ。 |
一行が落ち着いた街フェンタンティ。
その領主は過去、隣街グリスリムに真紅の太陽石なる赤いオーブを貸したとのことで、そのオーブの回収を一行に依頼しました。
今やグリスリム領主は行方不明で、街は誰が支配しているのかもわからぬ混沌の街なのです。
グリスリムに潜入した一行ですが、街は迷路のように狭く入り組んでいて、手当たり次第に探っていくしか方法はありませんでした。
気の短い自称賢者アバディエンや、ノームの商人、悪徳芸術家シュバンツなどを適当にあしらいます。
老人を襲っていた赤目との戦いは熾烈なものでした、一行の連携の乱れ(=仲間をおいて逃げる)をつかれて、
クレマティオスが瀕死の重傷を負いました。しかし頑固なドワーフ医者のおかげでなんとか命を取り留めました。
探索の過程で、「この街に多くかかわったものこそが、不可侵の倉庫を開けることができる」ちょっぴり悲しい街の歴史を知った一行は、
これまで会った連中から魚系のアイテムを回収します。
そして倉庫は開きました。太陽石を回収することができた一行ですが、
乱暴な赤目を退治し、街の行き来をさまたげる裂け目にもロープをかけたことも素敵な成果だと言えるでしょう。
GMのおもわく |
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何人参加できるかわからなかったので、何人でもOKで短めなシナリオを心がけた。
用意したイベントをいくつかクリアするとゴールへの道が開かれる構成。
この「いくつか」は参加プレイヤー数によって増減する。
シティアドベンチャーはだれがちなのでこれを打破しようと、
イベントはカードを引いて決めるようにした。 このシステムを正当化するために、「街に多くかかわったものが倉庫を開ける」という話を思い付いたんだけど、 わりといい話じゃないかな〜。 結果: なかなか効果的に働いたと思う。ところでこのパーティ。接近戦型は剛力を持ち、 魔法使いは回復魔法をひとそろい用意している(今回<全回復>まで覚えた)というちょっと味気ない面もある。 戦闘で活躍できないからかな。あまったイベントは次回以降に繰り越し。 クレマティオス「えーと、ああして、こうして、このロープを魔法で向こう側まで動かして‥‥」 GM「ねえ、向こう側にも街の人がいるんだから、受け取ってもらったら?」 クレマティオス「‥‥」 ちょっと面白かった。 |
酒場で一服盛られて、または安宿の主人にだまされて、気がついたら牢屋に閉じ込められていたノニ、ナムル、クリスティスの三人。
連れ去られた同室の囚人が帰ってこないことを知り、脱出を決意します。いつも牢の隅に座っていた「スミの男」と
ともに牢を出るのでした。そこは絶えず奇怪な叫び声などが響く研究所でした。武器のない一行は衛兵の隙を
うかがい、あちこちの部屋で装備を整えます。衛兵の口をわらせて知った出口は、固く施錠されていました。
さらにかつての同室の囚人たちはおぞましい化け物に変えられていたのを知り、一行はここがまともな場所では
ないことに気がつきます。
元凶は、魔法手術マランハを極めようとする研究所の主Dr.ナイジェストでした。
ナイジェストを屠った一行は、その居室に外へ通じる抜け道を見つけました。厨房のフライヤーを脅して、
食料を確保した三人と「スミの男」、案内役の衛兵は、街を目指して砂漠を渡るのでした。
GMのおもわく |
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ゲーム展開がだれるのを避けるために、常にちょっとした緊迫感を持たせようと、
武器を取り上げていろいろ試行錯誤してもらおうとしてみた。
さらに、看守が見回りに来るまでの行動回数を制限して、全員が動こうとするように
という配慮つき。 結果: それなりに緊迫感はあったものの、ロープとか木槌はあんまり活用されなかったなあ。 素手戦闘の戦士がいたり、魔法使いがおあつらえ向きな呪文をとっていたせいもあるかな。 研究所の中ということで、あまりとっぴな怪物とかが出せなかったのが残念。 あとこっそり牢屋の隅で外壁を掘っている「スミの男」の設定は、<開錠>一発で無駄になってしまった。 まあ、GMの予想通りの展開じゃつまらないし、これはいいけど。 あと、ミニシナリオならでの短めの展開がナムル君にうけていた。 |
集団戦闘をやるために考えたシナリオです。参加者の評価はイマイチでしたが、 四人の騎士隊長をそれぞれ説得するという、交渉も含んだ結構お気に入りのシナリオです。 ややボードゲーム風かな。
ようやく四王国戦争の調印を終えたガランタリア国。しかし、国の内外にあふれ出る難問の数々は、王の代行者である魔術師タンタロンをしだいにむしばんでいきました。十二の難題を解決した英雄に、次なる王の座を渡すことを決意したタンタロンでしたが、ガランタリアにさらなる危機が迫ります。敵国ブライスの姦計によるものと思われるトロールの軍勢が、王都ロイヤル・レンドルを目指して進軍を始めたのです。
急ぎ四人の騎士隊長に討伐を命ずる使者を送ったタンタロンですが、それぞれの思惑から騎士隊長は腰を上げません。魔術師は最後の頼みと、過去ガランタリアに貢献した四人を呼び出したのでした。
四人の英雄はそれぞれが騎士隊長を説得すべく、四手に分かれます。身を落して諸国を救いたい騎士、ブライスに内通していた騎士、とにかく儲けを欲する騎士など、思惑の違う四人をどうにか説得して、軍勢は英雄たちの指揮のもと、トロールの襲撃を迎え撃ちます。
トロールの祈祷師カウバ率いる呪術部隊に、フレネル率いる歯車の騎士隊は敗走寸前まで追い込まれますが、狡猾なる策略で隊の士気を高めたミドリ隊が窮地を救います。そして最後には騎士団の力を結集して、敵将軍マクダミッツを討ち果たしたのでした。
この事件により団結の力を知った各騎士団は、ガランタリアの混乱をある程度まで収めます。数日後タンタロンが亡くなった時も、その死に顔は安らかであったと新ガランタリア王は語るのでした。
仲間内で行ったAFFのあらすじです。比較的うまくいったキャンペーンだと思います。 単発イベントに困ったら、ゲームブックから適当なエピソードをひっぱって来ました。 AFFは基本となるルールが簡単なので、いろいろ付け加えて遊べます。 「恐怖卿」は日本FFらしいネーミングで気に入っています。
一年に一度、迷宮探検競技で賑わいを見せる街ファング。街が興奮に包まれるなか、迷宮探検競技に出場し損ねた一行はなんとなく退屈していました。そこに現れたのは、知り合いの偏屈魔術師スペンサー・スパインド。彼は執筆中の「世界各地の封印あれこれ」を完成させるために、街の近くにある忘れられた神殿の調査を一行に持ち掛けます。
入り口に案内図があったので、一行は迷うことなく進みます。あちこちにちょっかいをかけるラナを、気弱な僧侶ルックストンがたしなめ、ほらふきフェルデンが嘘を吹き込みます。
囚われたムラディー氏、思索好きのゴブリン・シャーマンとの出会いを続けながら、一行は神殿の最深部で魔法陣を見つけて、その写しを取ります。
ところがここは失われた概念<混沌>を奉じる神殿でした。久しぶりの生者に、活動を再開した<混沌戦士>が襲いかかります。エルフの魔法戦士ミスルがなんとかこれを撃退し、一行はほうほうのていで逃げ出します。
街に帰った一行を待ち受けていたのは、スペンサーではなく、やけに大きな宝箱でした。
首をかしげる一行の前にムラディーが再び現れます。おしゃべりでけむに巻く彼は突如切りかかってきました。白いフードに、鳥類のような顔。ムラディーに化けていたのは<謎かけ盗賊>と名のる怪人でした。
必ず運だめしに成功する、運と偶然の従者をなんとか倒すと、彼はなぞなぞを残して消えてしまいました。
ラナがなぞなぞを解くと、謎の大箱は開き、縛られたスパインドとしゃべる本が出てきました。スパインドの話によると、どうやら<謎かけ盗賊>は一行を混沌にくみするものと勘違いしたようです。
なんとか最初の冒険は上手く行きましたが、さてさてこれからどうなることでしょう。
混沌の戦士が残した剣を持ち歩いていた、エルフ戦士のミスルは、まずい病気にかかってしまいました。これを治せるのは盗賊都市ことポート・ブラックサンドに住む、大魔法使いニカデマスのみ。一行は傭兵のノジェとドワーフの僧侶グレンデルを加えて盗賊都市に向かいます。
ならずものの巣窟で、羽目をはずしすぎるラナを押さえながらも、一行はついにニカデマスの住む掘っ建て小屋を見つけます。ニカデマスは治療を快く(?)承諾するものの、それには「クリル・ガーナッシュの雪花」がなくてはなりません。一行は入荷されているはずの、アーロブの店へ急ぎます。
しかし、雪花はありませんでした。気まぐれな魔女ルピルマが、気に入ったらしく、持っていってしまったのです。
ルピルマの塔で門番の火の精や闇エルフとじゃれあいつつ、雪花を探します。眠っているルピルマを、一行は懸命にも避けて、ついに最上階の雪花を手にしました。
こうしてミスルの危ない病気は治りましたが、ルピルマの塔から持ってきた青い石はいったいどんな力があるのでしょう?また、この街から脱出することはできるのでしょうか?
ブラックサンドの街で殺人事件発生! アズール卿による戒厳令のおかげで一行は街を出れません(出る気もなさそうですが)。そんな雰囲気の中、あの謎かけ盗賊が殺人事件の解決を依頼してきました。事件現場には一行とつながりの深いあの本「世界各地の封印あれこれ」が! 魔女ハンターに追われて謎かけ盗賊は退場しましたが、残されたメッセージ「青い石を調べろ」を手がかりにして調査を開始します。青い石は世にも珍しい、転職の石でしたが、調査は行き詰まってしまいました。
果たして事件は解決できるのか?
各人の願い事はかなうのか?
そして、ラナは転職するのでしょうか?
手がかりを失って立ち尽くす一行の前に、魔女ハンターが再び現れました。彼の背中に貼られていた、謎かけ盗賊からのメッセージにより一行は二冊の本を比べて、地下遺跡への地図を手に入れます。遺跡への入り口である下水道で、突如暗殺されたドワーフに不信を抱きつつも、一行は進みます。にらみ針を撃退しつつ、遺跡地下に広がる大空洞の街。そこには人の社会から隠れてマンオークやノームがひっそりと住んでいたのです。
街外れの廃屋から、あのドワーフにさらわれた、高貴な令嬢カテリーナを偶然助け出した一行は、とりあえず地上に戻ろうとします。しかし、突如、街の中央に空いている大穴から巨大な岩柱がせせりあがってきたのです。その頂上には、かつて忘れられた神殿で出会ったゴブリン・シャーマンが! 好奇心から封印をといた彼は、混沌に魅入られて、ここブラックサンドの封印も解こうとしたのです。いまやケイオス・ソーサラーとなった彼は、混沌にしかわからない論理で、一行にも襲いかかってきました。ラナが猫に変えられて、ノジェが死の縁に追いやられるという総力戦のすえ、かろうじてケイオス・ソーサラーを撃退します。
こうして事件は解決しました(たぶん)。トトル家のカテリーナを送り届けた一行は、「このままお別れするのはさびしいので」というカテリーナと食事を共にします。実はこのカテリーナは謎かけ盗賊でした。一行にさりげなく報酬を手渡した謎かけ盗賊は夕日に去っていきました。
(第一部完)
そろそろブラックサンドでも目立ちはじめた一行は、ニカデマスの助言に従って、街を出ます。
故郷のファングの街へと向かう旅の途中で、「コッペパン亭」に立ち寄った一行の前に、「ミスル様たち御一行」を名乗り、したい放題の連中が現れます。黒エルフの偽ミスル、妖艶な偽ラナといった彼らを、本物の貫禄で叩きのめして今晩の宿代をうかした一行ですが、数刻もたたぬうちに、名高いブラックサンドの冒険者を探す青年が宿を訪れます。
クロトワ青年は一行を街外れの森の中に立つバンフォード邸へと導きます。病弱な主人バンフォードは、食事の席で仕事を依頼するのでした。「数日前に修道士が一夜の宿を求めてきた。ところがその夜、厨房から悲鳴が聞こえ、そこへ駆けつけると、修道士が石像と化していた。この原因を調べて欲しい」
夜中に厨房をはりこむ一行は、突然気分が悪くなります。それを合図にするかのように、屋敷は奇怪な怪物であふれるのでした。まわる歯車、笑う柱、電気人間に鉄製のメデューサヘッド。どうやら屋敷の人たちはみな怪物化しているようです。修道士を石にしたのはメデューサヘッドのようです。
怪物事典のモックから「金属の精霊界からの風を浴び続けると、人間が変異することもある」との情報をなんとか引き出した一行は、風の強くなる方へ進んでゆきます。そこに待ち受けていたのは両開きの扉でした。開いた扉の向こうは青白い異界が広がっており、そこから風が吹き出しています。ロケットパンチを吐き出し、虹色の怪光線で翻弄させる扉をなんとか始末すると、屋敷は次第にもとに戻ってゆきました。
一行はファングへの旅を続けます。
‥‥ところで、石になった修道士は?
館の主人バンフォードに、石と化した修道士を寺院に運んで欲しいと頼まれて一行は旅立ちます。カアドの街で、修道士を寺院に連れて行き石化を解いてもらいましたが、彼はしばらく目を覚ましそうにありません。街を散策する一行に、怪しげなホビットの売り子が声をかけてきました。「宿敵の絵札」やお守りといった魔法の道具を見せられたラナやフェルデンはここぞとばかりに散財します。
街を出発してファングへ向かうと、霧が立ち込めてきました。しばらく歩いても霧は一行に晴れず、ますます濃くなるばかりです。その日の夜、ネズミを見かけたラナは柄でもなく悲鳴をあげました。どうも、この霧の中にいると、とてもショックを受けやすくなってしまうようです。(意志力点を設定)
やがて、名もない村についた一行を亡者の群れが襲います。狂気のさなか、亡者を蹴散らす一行の前に、偽ミスルこと黒キノコと、偽ノジェことクラップルが表れました。黒キノコによると、この亡者は疫病で死んだ人々が霧の影響でよみがえったものだそうです。黒キノコ達と一行はなんとか村を脱出しました。
彼らとの戦いは熾烈を極めるものでしたが、突如、クラップルは叫び声を挙げ、ピンク色の不浄な肉塊におおわれて巨大化します。この戦いの鍵を握ったのは、やはり「宿敵のカード」でした。カードの力により一時的にライバル達の力を借りることができるのです。謎かけ盗賊、ゴブリンシャーマンの幽霊、魔女ルピルマらの助けをかりて、最後はラナが、不死身のクラップル・ホラーにとどめをさしました。囚われの黒キノコの話によると、クラップルの怪物化は彼も知らないことで、依頼主だった「恐怖卿」の仕業に違いないと力説します。
日が沈む頃、一行はついにファングの街に着きました。
街はかつての面影をなくし、中心部からは濃い霧が絶え間なく吹き出しています。あの霧はファングから出ていたのです!
さあ、一行は「恐怖卿」の手からファングの街をとりもどすことができるのでしょうか。
街からあふれ出る化け物を食い止めるため門は閉ざされていました。
「一度入ったら出すわけにはいかない」と衛兵に念を押されましたが、自分たちの街を救うため、一行は霧の街に足を踏み出します。
「ひとすくいのシチュー亭」では、ラナの父親が家に閉じこもっていました。父親を心配するラナですが、この霧をどうにかしなければなりません。
クーガ寺院では、あの僧侶ルックストンと再開することができました。霧のために信仰心をくもらせた高司祭たちに憤る彼は、こころよく同行を承知します。
恐怖卿の手がかりをつかむため、無人の図書館で調査をした一行は、恐怖卿の本名が、ファングの没落貴族ドルゲ・ヴァンシュタインであること、ドルゲには歪んだ性向があること、魔界には恐怖をつかさどる魔人がいることを掴みます。
それを証明するかのように、図書館の窓を突き破って、角魔人が襲って来ます。
恐怖卿ことドルゲは一行を待ち構えていました。ドルゲは生まれつき感情を持っていなかったのです。自分の生きている意義を感じられないドルゲは、恐怖という感情を知りたいために、「各地の封印あれこれ」に記されていた恐怖の魔人の封印をとき、魔人の持ちかけた賭けにのります。
それは、「魔人がドルゲを恐怖させることができなかったら、ドルゲの望みをかなえる」というものでした。恐怖を知らぬドルゲは賭けに勝ち、父親の望んでいた支配者になろうとしたのでした。ドルゲはためらうことなく、自らを怪物に変えて一行に襲いかかります。
恐怖卿を倒しても霧は晴れませんでした。サカムビット公宮殿にある霧発生装置を止めなければならないのです。
装置のパネルにある三つの穴の秘密を解くため、一行は街を再び調査します。
その結果、
スペンサー・スパインドが魔人の死体から見つけた「魔人」の玉を、
ミスル、フェルデン、ラナ、ルックストンを第一話へと誘うオペラの男を倒して「恐怖」の玉を、
邪神スラングの伝道師の謎を解いたラナは「解放」の玉を、
それぞれ見つけます。
パネルにはめ込んだ三つの玉は、ドルゲの声で「恐怖」「魔人」「解放」と呼ばわり、霧発生装置は恐怖の魔人へと姿を変えるのでした。
この言霊の玉は、恐怖の魔人がドルゲの声を溜めていたもので、契約に逆らわずに自分を解放するための保険であったと魔人は語ります。
アランシアを支配するのは人間ではなく我々だと言い残して、魔人は消えて行きました。
一行はファングの街を救ったのです。
じきに街に人々も戻ってくることでしょう。
サカムビット公から莫大な報酬をもらえるかもしれません。
でも一行はひとまず「ひとすくいのシチュー亭」へと帰るのでした。
(第二部完)