ディスクワールドの世界

by RJ last update:2004/12/15

「ディスクワールド」はテリー・プラチェット作の、ベストセラー小説シリーズです。
既存のファンタジーを皮肉めかした設定や、独特の語り口が特徴です。 何度かコンピュータゲーム化されたこともあります。
ちなみに絵は私RJが描いたものです。

では、ディスクをちょっと歩いてみましょう‥‥

世界

宇宙を泳ぐ巨大な亀<偉大なるア・テューン>。ア・テューンの上にはベリリア、 テューバル、テュ・フォン、ジェラーキンの四頭の巨象が乗り、 さらに象は平たい世界ディスクワールドを支えています。
ア・テューンはゆっくりと星界を歩みます。

ディスクの回転によって魔法が産み出されます。光は魔法を通りぬけるために、 それほど速くはならないのです。
ただ単に神々のジョークで成り立っているこのような世界が存在する確立は、 科学者の計算では100万分の1以下ですが、魔道士の計算では90%以上になります。



アンク・モルポーク

ディスク中央部に位置する街。双子都市アンクとモルポーク。 誇り高き街アンクと、やっかいものの街モルポークからなります。

魔道士たちの住む「見えざる大学」、近づかぬ方が良い「暗がり」、酒場「破れ太鼓亭」、 ディスクの神々を祭る「小神の寺院」など数々の名所があります。

アンク・モルポークは多くのギルドの本拠地でもあり、乞食ギルド(最古かつ最も豊か)、 暗殺者ギルド(かっこいい)、盗賊ギルド(最大の規模)、商人ギルド、 霊媒師ギルド(墓場のあとも面倒を見てくれる)などがひしめいています。

見えざる大学

魔道士(Wizard)たちの高等教育機関。さまざまな時空に存在しているのと、 大学は必要な者にしか扉を開かないので、この名を掲げています。

ディスクでは魔法の粒子オクタラインを操って魔法をかけます。 8という数字は魔法に関係するものとして、あまり口にされません。

例えどんなおちこぼれの魔道士でも、死ぬときには<死神>が自ら現れて魂を刈っていくという、 職業上のエチケットをはらってもらえます。

大学図書館

ディスク最大の図書館で、貴重で危険な魔法の書が保管されています。
魔法は揮発性で、あちこちにある呪文の本は知覚を持ったものもあるので、 逃げ出さないように鎖で繋がれていることもあります。

図書館司書にしか、どこになにがあるのかわりません。 その司書もあるとき魔法によってオランウータンになってしまったので、 ここに行くときはバナナがかかせません。

有名人

小説での常連のキャラクターです。 ディスクを旅すると、出会うことがあるかもしれません。

リンスウィンド

落ちこぼれ魔道士。<創世の八つ折り呪文>のひとつが頭にこびりついたせいで、 他の呪文を一つも覚えられなくなってしまったのです。
語学の才と、仲間をも見捨てる逃げ足の速さで、トラブルを生き延びています。
ゲーム化されたとき声は高田純二さんでした。ぴったり。
*「こら、リンスィー、お前も煙草を吸うのか?」
*「いいえっ、決して。忌まわしい習慣です」

グラニー・ウェザワックス

ラムトップという山岳地帯に住んでいる魔女のおばさん。 無教養で知ったかぶりをするところもあるけど、面倒見のよさと、 押しの強さで事件を解決します。
女魔道士の入学を認めさせるために、 見えざる大学の学長と魔法合戦をしたこともあります(普通、女は魔道士になれない)。 学長とはいい感じの時もあったり。
うかつに手をだすとすばやいハットピンで刺されます。

死神

大鎌を持ち、黒いフードをかぶった骸骨です。死すべき者のところに来て、 魂を刈り取っていきます。その姿は猫や魔道士にしか見えません。カレーが好物。 意外と人間味があったりします。
しゃべるときは字体がかわります。「カレーは好きか」

人間以外の生き物

トロール

岩そのものといった風体の珪素生物です。口より先に手が出る性格で、 アンク・モルポークでも酒場の用心棒や、要人の護衛といった仕事についています。

ドワーフ

まじめで忍耐強い、身長4フィートの小人です。 ひげがあり、長命で、炭坑や山中に住んでいます。
アルコールが大好き。

エルフ

高貴な妖精族。エルフは超能力を使います。

ドラゴン

ドラゴンは二種類います。ドラコニス・ノビリス(高貴なるドラゴン)と ドラコニス・ヴァルガリス(卑しきドラゴン)がそれで、高貴なるドラゴンは、 あまりにも高潔なので、ドラゴンの存在を心から信じる者がいないかぎり存在しません。 沼ドラゴンは、現実の存在で、もっとあちこちにいるトカゲの化物にすぎないのです。 ワームバーグという空中都市は、想像がドラゴンになりやすい土地です。

その職業

魔道士

ディスクの生の魔法を使いこなす者です。 常人には無い感覚器官で、死神やオクティロンを感じることが出来ます。 八人兄弟の八番目の息子は魔道士になれます。

魔女

魔道士とは違い、「自然法則の流れに沿った」魔法を使います。小さな村で相談役だったり、 街で媚薬を売ったりしています。
誘心学(Headlogy)という人をうまく誘導する手管を身につけています。
魔女は尊敬されつつ、恐れられてもいます。

暗殺者

暗殺者ギルドで、その術(暗殺術から楽器の演奏まで)を叩き込まれた、 エリート中のエリートです。

錬金術師

宝石の鑑定をしたり、小鬼内蔵の写真機や、シネマを作ったりする人たちです。
小鬼はこの世界で様々な機器に使われるデバイスです。 もちろん、ちゃんとえさをあげなくてはなりません。

旅行者

観光旅行という概念がまだ根づいていない世界で、世界を見てまわろうとする者です。
余暇とお金がなくてはなりません。あるいは、物語の神に気に入られるか。

乞食

かなり裕福な職業です。ギルドに保護されているうえ、必要なものは人からもらうので、 お金は溜まる一方だからです。
わざと不具になる連中さえ出てくる始末です。

英雄(蛮人)

魔法の剣を振りかざして、囚われの乙女を助け出し、宝を捜し求める連中です。 「素面のときは自殺しそうなほど陰気で、よっぱらったときは人を殺しそうなほど暴れる」そうです。

盗賊

盗賊ギルドから免許をもらっているので、公に認められた職業です。

道化

愚かに振る舞って、人々に劣等感を抱かせず、主人に最後まで忠誠を誓う者です。 道化ほど修行が厳しく、辛い仕事はなく、ギルド公認のジョーク以外は口にすることすら許されません。
宮廷道化師は、だじゃれと警句で主人をいさめます。
「道化なんて、やな仕事だよな」「だが、誰かがやらなきゃな」

書籍ほか