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ゴーストハンターRPG02

シナリオの記録

GM(RJ)
ジョージ・ワシントン (「シカゴ・アドバタイザー」誌の記者 男、ジャーナリスト/サイエンティスト
ヴィルヘルム・ステックマイヤー (非常勤講師 男、エクスプローラ
ウィル・ペッカー (ホガート探偵事務所の助手 男、ディティクティブ
エルンスト・バルクマン (軍人 男、ミスティック/ディティクティブ
ジャック・コーウェン (教授 男、ディレッタント


――悪夢の大恐慌から数年。シカゴはいまだギャングの銃弾が飛び交う危険な街だった。
そんな退廃の街にも容赦なしに奇怪な現象は人々を脅かし、悲劇を撒き散らす。

心霊調査機関は闇を討ち払う専門家たちをバックアップする私的な組織。
そのシカゴ支部に座るは著名なる鉄鋼王ミスター・レミントン。
彼がいざない、異界の事件は幕を開ける。

それぞれの思惑を秘めて、怪奇事件へと身を投じる彼らを人は呼ぶ。
恐怖を狩りとる者ゴーストハンターと。

2006/04/09

第六話 「嘲笑の王」(最終回)

GMのおもわく
どうしたら意外な敵を演出できるかなと考えた。
ボスであるミスター・レミントンというのは結構ありがちだし、 あまりPCの属している組織に不信感を持って欲しくないのでありえない(それにレミントンは結構気に入っている)。
となると、ホガート?いや、PCのほとんどは彼のことは忘れているだろう(現に忘れていた)。
ステラさん?確かに元PCだし意外性はあるだけどなあ。
‥‥いや、そんなに悪くないかも。こういうオチをつければ‥‥。
と、考えたのが数回前。このクライマックスに合わせるため、結構つじつまあわせに困ったけど、 まあなんとか形にする。多分、実際の市長選とは違うと思うけど、そこまであわせていられないので、ここは好きなようにした。
さらに、ピータージャクソンの「キングコング」のクライマックスで、イメージが固まった。

前回のシナリオで秘密結社編はケリをつけたので、 欠席したメンバーでもついていけるようにしなくちゃ。

結果
前回の事件は関係ないよ〜と言っても、やはり参加メンバーはそちらから洗いたくなってしまうのは仕方なかったかな。 もっと強くアピールしてもよかったか。 このメンバーだともっと無謀にステラさんに直接問いただすかと思ったけど、今回は結構慎重にわきから攻めて行った。 最終回だし、さすがに日記にべらべら書いたりはしないぞ(笑)。
ステラさんの行動は詳しく決めていなかったけど、今回の計画を考えると呪いをかけたりしているんだろうなあと、自然にアドリブで合わせられた。 ちなみに、「夢の国への鍵」もアドリブだ。

クライマックス。ウィル・ペッカーが気がついてくれたけど、ちょっとヒント出しすぎだったかも。
いや、もう少しうまい出し方をするべきだったか。「この手の精神支配は、感情を強く揺さぶると打ち破ることができる‥‥」とかね。
しかし、やっぱり、クトゥルフ神話のキャラクターはぴりっとしているのでサマになるな。 ゴーストハンターのルールブックだけだと今回の話なんかはちょっとしまらない。
プレイヤーの感想
ヴィルヘルム「切り札使い忘れた。さすがに前回のストーリーは覚えていた。」
エルンスト「間が短かったからなあ」
ジョージ「ストーリーを結構忘れていた」
ウィル・ペッカー「これできっと10年後にはこのシナリオも‥。前半わからなかった。」


2006/01/29

第五話 「漂う記憶」

大不況から抜け出せぬ中、就任したローズベルト大統領は人望はあるものの、小粒な不況対策が多く有効打を打てません。 ストライキの影響で暴動やら停電がしばしばおこります。
そんな中、前回のトリビューンタワー事件でシカゴ市長が「病死」したため、市長選挙が始まりました。 秘密結社「愛しきメルクリウス」の選挙への介入を危惧する政府は、彼らを掃討する時期だと考え、 ミスターレミントンを通じて、一行に本拠地の探索を依頼してきました。 政府は奇現象を認めていない、つまり対処できないので、突入前に感づかれる可能性があるのです。
エルンストは、依頼を受ける前提条件に、前回の事件で起訴されたヴィルヘルム教授の釈放を要求し、認められます。
所要で参加できないものを除いて、ジョージを加えた三人で偵察を行うことになりました。

政府から、本拠地の疑いがある数箇所を提示されます。 三人は、それぞれのコネクションを駆使して、 占い師の爺さんからの情報、結社員の住所録、過去の新聞記事など事前の情報を詳細に分析します。

狼男のアパート
やることを終えた一行は、さらなる情報を求めて「狼男」ドーセットが住んでいたアパートに向かいます。
すでに数年前から使われた形跡がありませんが、電機技術者としての生活を思わせる蔵書などを見つけました。 さらに見つけた十字架は、どうやら結社が収集していた心霊アイテムのひとつのようで、 心がくじけがちなヴィルヘルムをこれから何度か助けることになります。

そのとき、電話が鳴り響きました。 出ると相手はすでに亡くなっているはずの結社メンバー。まさしく奇現象です。 陽気な男が相手です。知り合いを装って情報を引き出そうとする教授ですが、 精神構造の異なる相手との会話は神経を激しく消耗します。 「マンションで」という言葉を掴むのが精一杯でした。

廃マンションにて
得られた情報を吟味すると、郊外にあるマンションの地下がもっとも怪しそうです。
地下入口が監視できる部屋を借りて張り込むこと数時間。確かにドーセットが出入りをしているのことが判明しました。 偵察目的の自分達がどこまでのことをするべきか悩みつつ、 エルンストが狼男を追跡、その間にヴィルヘルムとジョージが中を調べることになります。

ドーセットはどうやら食料の買出しに出かけているようです。 気づかれぬようにエルンストは車で尾行を続けます。そして尾行を続けて、二人に遅れてマンション地下へと入るのでした。

先行する二人はすでに地下です。 地下はかつては集会所や避難場所目的で使われていたのでしょうが、マンションが打ち捨てられた今では、土嚢がうずたかく詰まれ、 入り組んだ壁を形成しています。高い天井のせいでかたちばかりの明かりは十分には届かず、ちょっとした迷路のようになっていました。
ヴィルヘルムとジョージは、笑い声を耳にしたり、赤子の鳴き声を発する不気味なラルヴァに遭遇したりして、 慎重な足取りで進んでいきます。

空間記憶
教授が開けたところに出ると、そこには打ち捨てられた巨大な機械の残骸がありました。 机や椅子が転がっており、集会の場所でもあったようです。 一方、ドーセットを追跡していたエルンストも、壁となっている土嚢をつたい、この場所に来ていました。
ヴィルヘルムが足を踏み入れた瞬間。状況は一変します。
突如周囲は明るくなり、人々の話声が聞こえます。作業着を着た男たちが、一行が目に入らないかのようにせわしなく動き回っています。 これは、場所が記憶している過去の光景が映し出される空間記憶の再生です。

──倒産した電機会社で、起死回生の試みとして作成された フリーエネルギー転換装置。しかし、それは巨大な心霊機械として暴走。 光を浴びたものを狼男や化け物に変えてしまう。 結果、彼らは世に背を向け秘密結社として暗躍を始める。

哀しい結社誕生の秘密を一行は知るのでした。

しかし、一行の前に姿を現した狼男ドーセットは語ります。 数日前の停電により、心霊機械はエネルギーを求め結社員の生命を次々と吸収しさらに暴走。現在は完全に壊れ、 結社も数名を残して壊滅したと。

突如、巨大な蔦がのび始め一行の周囲を覆い始めます。 あわてて飛びのきましたが、蔓は丸太ほどの大きさになって、半径五メートルほどの緑の牢獄を形成します。 前回盗まれた種だとエルンストは思い出しました。
闇からさらに奇怪な化け物、クリストファーが現れ、結社との最後の戦いです。

──そして、辛くも一行は勝利しました。 狼男は「技術者のままでいたかったが、化け物として暴れるのも悪くはなかった」と笑って息絶えます。

結末!?
こうして事件は解決しました。政府からの報酬を受け取り祝杯を挙げる一行です。 しかし、結社の残したアラビア語の資料を解読していたミスターレミントンは、消息の判明していない結社員がまだ一名いると声をあげます。 その名は「エリサ・シェルフォード」。どこかで聞いたイントネーションです。 さらにジョージも、この書類のサインは、自分が記事のダメ出しにくらうものによく似ているともらします。 ジョージの上司ステラ・フィルフィードに。

おりしも市長選の候補者が選出され、ラジオからはアナウンサーの興奮した声が響きます。
「第一候補者はエドワード・ケリー候補、有力な対立候補としてクローネン・フィルフィードの名が挙がっています。 新聞社を経営し経済に明るい点が労働層の支持を集めることでしょう‥‥」

GMのおもわく
秘密結社と一行をいかに対峙させるか。
そして、いかにホラーのテイストを出すようにするか。
そのあたりに苦労した。単に結社が化け物を呼び出す儀式をする‥ファンタジーならともかくあまりひねりがない。 ここは素直にルールブックに記載されているネタをいくつか活用させてもらうことにした。
幸いにして市長選になりそうな流れなのでこれを活用して、結社と対抗してもらうことにした。
四つの候補地は間違えると、恐怖体験か戦闘のペナルティ。
「あの世からの電話」は電話のあるところではどこでも発生してヒントにすることもできる。

結果
いや、まさか参加者が二人だとは思わなかったよ。 でも、このシナリオは10月に考えたもの。さすがにひっぱりすぎなので、やってしまった。 このキャラ性能とプレイヤーならなんとかなるでしょ。
ジョージをNPCとして担当。いつもと性格が違うだろうけど、結構楽しかったね。
狼男の攻撃回数以外はあまり手を抜いていない。 発明家ジョージの怪光線が強すぎるんだな。
ラルヴァは気持ち悪がってくれたみたいでよしよし。 ただ、高いレベルなので戦わなくてもよかったんだけどね。 マンション地下のGM描写がいまいちわかりにくかったかもしれない。 空間記憶の説明はしゃべりすぎだとわかっていたけど、まあ、結社もこれで最後なので一気に説明させてもらいました。

使わなかった候補地の現象は次回使えるかな。
プレイヤーの感想
ヴィルヘルム「昔の自分のPCと対立しそうでイヤだなあ。四箇所の候補地からいかに絞るか苦労した。」
エルンスト「NPCが活躍したような気もするけど、二人でもなんとかなった。前回市長が死んだのも伏線だったのか」


2005/09/11

第四話 「彼方からの贈り物」

■南米にて
ヴィルヘルムの仕事仲間であるエヴァンスに言いくるめられ、気がつけば一行は南米ジャングル奥地にいました。 いまは碑文に名を残すだけというダグバ族の村落跡を見つけるのが目的です。
首長竜を信奉するというダグバ族はある時、歴史から忽然と姿を消した謎多き種族です。
猿人にエルンストのリュックを盗まれ追いかけっこをしているうちに、偶然にも村跡にたどり着きます。
そこで、甲虫の文様が描かれた壷を見つけます。中には黒い石のようなものが入っていました。
「我々の目的は調査だけだ。遺物を持ち帰るわけにはいかないよ」と正論で諭すエヴァンスですが、 結局ジョージは機械に隠して石をひとつ持ち帰ってしまいました。

■一ヶ月後
ある日ヴィルヘルムは、エヴァンスが南米での調査旅行で新種の蓮を発見し、脚光を浴びているという一報を耳にします。 一行にそんな記憶はありません。 ヴィルヘルムはエヴァンスが成果を必要としてあせっていたことを思い出します。 そこでエヴァンスを問い詰めますが、のらりくらりと云いぬけるばかりです。 ジョージが心霊調査機関に提出した石から、それが実は植物の種であることが判明しました。
エヴァンスが村の遺物を無断で持ち帰り(ジョージも同罪ですが)、ジャングル奥地で見つけた新種と偽っているのではないかと一行は考えます。 ジャングルで見つけた新種と、遺跡からくすねてきた遺物の植物では、意味がまったく違ってきます。

■襲撃
大学から調査機関へと向かう途中、 一行は、白いスーツの男たちから、マシンガンの一斉掃射という洗礼を浴びました。
ひとりをとりおさえます。「路地裏で」というジョージの提案を採用して、 興奮したヴィルヘルムから足を撃ちぬくなどの手洗い仕打ちを受けた男は、あらいざらい白状します。 その男はマフィア・ロンディーロ一家の手下でした。 一家は禁酒法廃止で打撃を受けた収入源を探していましたが、ある日訪れた「作業服の男」が、 高純度の麻薬が栽培できる「種」を一行が所持しているとボスに吹き込んだそうです。 作業服の男の人相を問いただしてみると、前回、一行とやりあった狼男ドーセットの特徴と一致します。

業を煮やしたヴィルヘルムは、仲間の静止にもかかわらず、 ロンディーロ一家の根城へ単身向かいます(「止めはしない」「同行はしない」「近くまで車に乗せていってやろう」)。 入口から面会を申し込むのですが、運悪く(あるいは運良く)若い衆の気に触ったらしく、手洗い応対を受け叩き出されます。

■博覧会の惨劇
シカゴ最大の新聞社トリビューンの象徴的なビル、トリビューンタワー。 同社が主催する「世界の花博覧会」。ここで、エヴァンスの新種の花を手に公演することになっています。 これにはシカゴ市長も出席するとのことで、近頃のマフィアの騒動を心配した当局は、エルンストに市長の警護を命じます。 入場者を厳しくチェックするエルンスト。これによりロンディーロ一家の乱入は防ぐことができました。 続いてエルンストは配電盤を検査しますが、その隙を見計らってあまりにもすばやい狼男が進入してしまいました。

エヴァンスから招かれたヴィルヘルムとコーウェン、記者として参加するジョージ。 なにごともなく式が進みます。やがてエヴァンスが壇上にあがります。 熱弁の途中で彼は苦しみ始めます。そして体中から緑色の蔓がすさまじい勢いで何本も飛び出し、 気の毒なエヴァンスの身体は四散してしまいました。
彼は種を密輸する際に、それを飲み込んでいたらしく、身体に種がひとつ残っていたようです。 種は人の身体で発芽するとき、霊的なエネルギーを吸収して、本来の姿をあらわします。

エヴァンスが死んでも、緑色の本流はとまらず、蔓は配水管の水分も利用して、丸太のような大きさに成長しうねります。 あたりは一面緑色の滝に飲み込まれたような惨劇に見舞われます。
ほとんどの観客は逃げのびましたが、市長は飲み込まれました。コーウェンの黒魔術やエルンストの苦労にもかかわらず、 残念ながら市長は助け出せませんでした。 やがてトリビューンタワーを覆う蔦は一箇所に収束しはじめ、まるで首長竜のような姿になりました。
首長竜を崇めるダグバ族は、種に心霊的改良をほどこし、その対象を発現させていたのでした

そこへ現れた狼男はこの状態を見て、マフィアを焚きつけてまで行っていた「種」の全部の回収をあきらめます。 ヴィルヘルムが共闘を呼びかけ、ジョージが「Win-to-Winの精神」をもって説得しますが、エルンストの読みどおり、 彼は応じずに逃げてゆきます。

いまや擬似恐竜と化した首長竜の襲撃に、たまらず退却する一行ですが、 種が収められていた壷に、甲虫の文様が描かれていたことを、ジョージの写真から思い出します。 それは種の効果を抑える呪術的効果があったはず。もしや‥‥。
大学周辺で、南米調査旅行から持ち帰った植物に変わった虫がついていたらしく構内で繁殖していたとことを思い出します。

■終局
大学で虫を捕まえ、全力でトリビューンタワーへ駆け戻り、放します。 効果はてきめんでした。緑色の首長竜は目に見えて枯れ始めます。 心霊的要素によって異常成長をしていたものは、強大な力を奮う反面、 弱点を攻められると物質界のもの以上に効果を表す。そんな文献の一説をコーウェンは思い出します。
こうして弱体化した怪奇植物は、ゴーストハンターたちにとどめをさされ、騒動は収まりました。

ミスターレミントンは、未知の植物にうかつにも手を出したエヴァンスの気の毒さを嘆く一方、
「──我々西洋人は他の民族を軽視しがちだが、文明にさらされていないからといって、 知識や哲学が我々に劣るわけではないのだということを忘れないようにしたいね」
と言わずにはいられないのでした。

GMのおもわく
オリジナルとかいいつつも、最近読んだ「レリック」あたりの影響を大きく受けている。 秘境探検の結果が近代都市で惨劇を巻き起こすという、定番のストーリー。

どうせなら技能を使う機会の少ないヴィルヘルム教授を活躍させるために、 序盤はシカゴ近郊の遺跡かどこかにしよう。‥‥しかし彼、<フィールドワーク>技能を持っているわけでもないし、 特に野外向きでもないな。まあ、いいや。序盤はいっそ南米にでも飛ばせば驚くだろう。

クライマックスは、摩天楼に植物が巻きつくという図が美しいなあと思い、 「地球の歩き方〜シカゴ」で見たトリビューンタワーを舞台にすることにした。 そのままでは面白くないので、植物が固まって動物のようになるという風にしてみる。 力押しにならないように、最初の方で渋い複線をはっておくか。

史実のシカゴ市長の名前を調べるのにかなり時間を費やした。 カポネから賄賂をもらっていた二〜三代前の市長が有名すぎてなかなか見つからなかった。 多分、プレイ中では役に立たないな。

結果
いきなり南米は驚いてくれたのだが、大猿が取り囲んだ状態で帰国させたので、ちょっとひっかかってしまったみたいだ。 一応、インディジョーンズなどの「いきなり最初からクライマックス!」を目指したつもりなんだけどね。
まさかジョージが種をくすねていくとは思わなかったけど、これは面白い行動だ。
話的には税関で止めるべきだったかな〜、でないと苦労してエヴァンスが持ち運んだ意味がない。

気がつけば、尋問に夢中。それはさておき、マフィアの事務所に乗り込むヴィルヘルム教授。 仲間もついてきてくれないのがポイントだ(苦笑)。
確かにリスクも覚悟しなければ見返りもないけど、自分達を殺そうとしたマフィアの巣窟に行くなら、 切り札(←トランプじゃなくて)があればよかったね。新聞記者によるのインタビューという形をとるとか。

狼男ドーセットへの交渉。ジョージとヴィルヘルムが、「共闘しよう」と提案。
その姿勢はほめられるべきだけど、こいつに手伝う義理はないので残念ながらそのまま退場。 「種が手に入るよ」とか言えばよかったかも。
でも、確かに今回のシナリオは説得できるやつが少なかったかな。ここは反省。

プレイヤーの感想
ヴィルヘルム「南米の流れはちょとはやすぎない。遺跡探索がメインだと思った」
ジョージ「猿が謎のままだった」
エルンスト「いきなり南米でおどろいた。あの猿はなんだったんだろう」
コーウェン「猿、再登場すると思ったんだけどな」


2005/07/24

第三話 「邪悪を呼ぶ降霊」

(「モーガン・レポート」収録のシナリオより)

ボストンに降り立った一行は心霊調査機関ボストン支部に足を伸ばします。 そこで出迎えたのはネセサリウス博士と名乗るかっぷくのよい英国人でした。 彼は早速事件について語り始めます。

■降霊会の惨劇
さる老婦人の屋敷で、亡き主人の霊を降ろすという集まりがあり、それが始まる前のことです。 懐疑主義者ワンダーの主張により、霊媒の少女アリエス立会いの元、降霊に使う部屋を二人きりで調べることになりました。 鋭い悲鳴が聞こえ、皆が駆けつけてみると、首をねじ切られたワンダーと気絶したアリエスの姿がそこにあったというものです。 警察もさすがにか細いアリエスは疑いませんでしたが、うさんくさい集会に印象も悪く、 居直り強盗の仕業と決め付けてしまいました。
不安な老婦人が真相の究明を依頼してきたというわけです。

破格の調査費が提示されます。にもかかわらず、経費込みの交渉をしようとするジョージ・ワシントンを諌め、 一行は早速、老婦人ミセス・ベネスターの屋敷へと向かいます。 高級住宅街ビーコン・ヒルは名士たちの住まう石畳の街です。

一行は部屋が事実上の密室であることと、心霊知識をぺらぺらしゃべるネセサリウス博士がその方面ではド素人であることに気がつきます。 当然、少女アリエスを呼びつけ、その指導霊(霊媒に死者の言葉を伝える霊)を出現させることになりました。

簡素な降霊会ですが、アリエスは本物の霊媒師のようで、指導霊マスター・ルルが出現します。
「ワンダーは霊を信じないので、悪霊に殺されたのだ」「私は13世紀のドルイドの霊である」
などうさんくさい返答ばかりするマスター・ルルにエルンストは疑いを持ちます。 この時、トランス状態のアリエスの手がウィルをひっかきました。思わずひっこめたその腕には、「ルルを‥」とメッセージが途中まで刻まれていました。

■調査開始
ヴィルヘルムは図書館で資料にあたり、 ジョージは新聞社の資料室で事件に関する記事をあさります。 ワンダーの過去を洗うと、マダム・リリという霊媒のインチキを暴いた過去が明らかになりました。 このリリとルルは顔が似ています。 ウィルは上司の探偵チョビ髭ホガートの人脈から、リリがアル中になって死んだことを知りました。 遺族(夫)の住所などがあきらかになり、一行は下町の安アパートへ押しかけます。なんでも運任せのヴィルヘルムは尋問も主張しますが、ここはお金を握らせて、リリの血縁がいないことがはっきりします。

ここまで調べたところでエルンストはアリエスに相談を受けます。
最近、気が遠くなることがあり、いつも同じ街角で目が覚めるとのことです。
一行はその場所へ足を運びます。オバさま受けしたウィルペッカーの聞きこみで、アリエスがいつも入っていくという屋敷を見つけます。30年ほど前に英国にいられなくなったため移住してきたドクターJとか言う医者の屋敷跡らしいのですが・・・。
しかし、エルンストが霊能力を立て続けに失敗。どうも調子がよくないようなので、調査は次の日にということになります。

■ドクターJの屋敷
ボストンにおいても十九世紀の古いたたずまいを残すコモンウェルス通りにその屋敷はありました。
かつては威容を見せたのでしょうが朽ち果てるままになっています。

相談の結果、アリエスを連れて行くことになりました。
アリエスをつれて中に入ると、薄暗くなったため、マスター・ルルが出現します。
ジョージにいたいところを突かれて、悪事をべらべらとしゃべった後、ドクターJの霊に作らせたという霊体用の薬を使い、両腕が異様に肥大し凶暴化します。
厳しい戦いでしたがなんとか倒しました。殺人事件の決着はつけましたが、この屋敷は放置できません。

部屋をのぞいてまわるなか、 かばんを持ったセールスマン風の男が一行に話しかけてきます。
電気工事を依頼されたジェファーソン電器会社のものだと名乗りますが、 前回の列車事件ですでにうさんくさいと判明している固有名詞を耳にし、 エルンストとヴィルヘルムは即判断、「間違っていたら謝る」と発砲します。

非道な攻撃を受けた男は徐々に身体がふくれ形相が変貌。狼男へと姿を変えました。
その眼差しに次々に恐怖で硬直し、大苦戦する一行ですが、彼らをあしらうと狼男は姿を消します。 後には狼男が落としたメモがあり「同志ドーセットへ指令。ボストン、ドクターJの屋敷、薬を入手せよ」とありました。 おぼろげながら全体が見えてきました。

Jの屋敷の使用人たちの霊から、思い出の品があれば狂ったドクターJも自分を取り戻すかもという助言を得て、 屋敷をくまなく探します。二回の部屋や屋根裏からそれらしい品をかきあつめました。 しかし、地下の研究室に突入すると、ドクターJの霊体が倒れています。人格変換の薬はドーセットに奪い去られた後でした。 消滅の間際に自分を取り戻したドクターJの屋敷を後にし、事件はひとまずの決着を見せました。
ヴィルヘルム教授がアリエスをひきとろうという危ない一幕があったものの、 仲間がこれをひきとめて、ネセサリウス博士が面倒を見ることになりました。

GMのおもわく
元のシナリオはロンドンが舞台なんだけど、さすがにそこまでは行くのもおかしいので、 ボストンにした。十九世紀の雰囲気を今も伝える古風な街でぴったりだ。
「地球の歩き方 ボストン」は写真も多く、歴史に触れた記述もありとても参考になった。

結果
ネセサリウス博士のうさんくささを伝えることには見事成功した。 シナリオと自分のメモのくびっぴきなのでちょっともたついたかな、 プレイヤーのするどいつっこみに、余裕で答えたつもりでも結構たじたじの感ありだ。

シナリオ後半、リリは復讐をとげたので、このまま成仏してもらえばそれでよいというプレイヤーたちの方針。 これは確かにそうだね。やや、強引に後半に持っていてしまったかもしれない。
元のシナリオでは、トランス状態のアリエスを一行がつけると屋敷に向かう‥‥とかいう展開だけど、 そうだよなあ。つけたりしないで、まともな時に一緒に行くよな。

ちなみに心霊グッズを集めるジェファーソン電器会社員はオリジナル。こちらの要素が強くなってきたので、 次回はそろそろ自作のシナリオにするつもりだ。

宿題:オートマチック用の銀の弾丸を作るにはいくらか。
プレイヤーの感想
ウィル「恐怖判定が多いわ!多すぎる登場人物に意味がなかった」
ヴィルヘルム「ちゃんとした推理ものは難しいよね。さすがに市販のシナリオだけあってそこらへんのバランスはとれているなと思った」
ジョージ「もらったカードの枚数からすると、大体期待値どおりかな」
エルンスト「密室ということでくいつきをよくしたということかな。一番重要な登場人物は屋敷近くのオバちゃんだったかなあ」


2005/06/05

第ニ話 「ゴースト・オン・ザ・レイルズ」

(「ゴーストハンターRPG02」収録のシナリオより)

多忙な心霊調査機関ボストン支部から、降霊会殺人事件の調査を依頼された一行は、 ミスター・レミントンも含めて、長距離列車でボストンまで足を伸ばすことにします。

ギリシャ風エンタシスが立ち並ぶユニオン駅から、シカゴ発のリミテッド号が出発します。 初日は静かに旅を楽しむ一行です。しかし、次の日の深夜、 停車予定の駅をそのまま通過したことにミスター・レミントンが気がつきました。 そのとき、列車は急に加速を始めました。

この急加速でケガをした乗客を介抱をするというレミントンを残して、一行は先頭車両へと急ぎます。 しかし列車全体を、徐々に異変が侵食してゆきます。展望室の窓に映える景色は、もはやデトロイト郊外ではなく、 不浄なピンクの色を帯びた空間でした。

次の食堂車では、事態を把握していない二人のビジネスマンが、深夜の深酒を楽しんでいました。
ヴィルヘルムは自分の感じた恐怖を分け与えようとしてか、二人にわざわざ窓の外を見せますが、 よっぱらいにはこたえた様子はありません。

職員車両では、窓ガラスを突き破って、肉塊のような化け物が一行に襲いかかります。 異界に生息する、さる文献ではデッドリー・スポーンと呼ばれている、食らい尽くすだけの魔物です。 急な襲撃に、ショックを受けた一同ですが、徐々に立ち直り反撃を開始。
図太いジョージは、カメラを構えますが、手先の方は危なっかしくフィルムをだめにしてしまいます。
なんとか肉玉を叩きのめした一行は、車両内に暴走の手がかりを求めます。
日誌から、出発時まで特に異常はなかったことだけがわかりました。
そのとき、ヴィルヘルムは窓から顔を出して、列車の行く先を見てしまいました。 ピンク色の空間が収束するそこは、ビルよりも大きな巨体が横たわっていました。 何本もの触手がうごめく姿がシルエットとなり、その全景は想像したくもありません。 ヴィルヘルムは激しくショックを受けました。暴走を早く止める必要がありそうです。

たどりついた先頭車両では、二人の機関士が、制御の効かない運転席で奮闘していました。 無線も通じていないようです。 ヴィルヘルムから、現状の打開には役立たないことを諭され、なんとか情報をもらいます。
出発前にしたことと言えば、ジェファーソン電器会社が展望室の空調を修理したことぐらいだとのことです。

すでにジョージは、この異界へと移動する現象が、心霊科学学会誌で読んだワームホール発生装置に酷似していることに気がついていました。 どうやら鍵は展望車両にありそうです。急ぐ一行ですが、次の食堂車で異変を感じ取ります。
酔っ払う二人はそのままなのですが、窓は割れていて、若い男のグラスを持つ手が逆でした。 ウィルは思わずそれを指摘してしまいました。すると男は片割れを刺し殺し、青白い肌をした節くれだった関節の化物へと変貌します。
「‥‥密かに隣人とすり替わる異界のサーヴァント、“そこにいるやつら”(ゼイリブ)」
神秘学に造詣の深いエルンストは思わずもらします。恐怖で硬直した一行に対して、 サーヴァント・ゼイリブは、乗客がみな主への生贄となることを感謝しろと笑いながら、窓の外へ消えて行きました。

青ざめたヴィルヘルムとペッカーを落ちつかせながら、展望車両にたどり着きます。 件の空調設備は車両の上部に付いていて、車内からはどうにもできません。 一行は、車両の外に出ることを決意します。
そこで見たモノは、目のようなレンズが病的な青の光りを放ち、むきだしのケーブルが生物のように脈動する心霊機械でした。
ジョージはなんとか停止させようとします。そこへ、先ほどのサーヴァントが再び舞い戻ってきました。
さあ、総力戦です。ヴィルヘルムももうこいつは怖くありません。彼の火力あるライフルが火を吹き、 エルンストの霊能力がそれをサポートします。ゼイリブもアストラル体にダメージを与える刃を放ちますが、抵抗もここまで。 発狂寸前のウィルが投げたナイフが眉間に突き刺さり、どこかへと落ちて行きました。

心霊空調機は動作を停止し、暴走もおさまり、列車は徐々に通常空間へと戻ってきました。 気がつけば深夜、どこかの街の静かな郊外に停車しました。
ミスター・レミントンによると、今回の事件はあきらかに人為的なもので、 秘密結社が高次の存在に生贄を捧げるケースに近いのではないかとコメントします。 そして、未曾有の惨劇を回避した一行の腕前を褒め称えます。
これぞゴーストハンターの醍醐味だろうと。

後日、ジェファーソン電器会社のエンジニアが会社倒産を苦に自殺したというニュースを地方紙が 小さく報じます。しかし電器会社が倒産してからひさしく、いまさら自殺というのが奇妙だと、 記事は結んでいます。

「さあ、諸君。ボストンで怪奇事件が待っているぞ」

GMのおもわく
キャラクターシートを確認したら、四人中三人がディテクティブだったね‥‥。多すぎるなあ。 おまけに<資料検索>や<神秘学>スキルはパーティで一人しか持っていないので、情報収集は運だめしだ。

表題のシナリオから、列車ものという発想はいただいているけど、一から作ったのでかなり違うもの。
ゾンビとか悪魔はちょっとありそうなので、心霊機械の方が新鮮味があるかなと。 その上で、列車をどう止めるかを考えてもらおう。

当時の列車の資料が見つからず困った。 当初は心霊パンタグラフで列車が暴走するという展開を考えていたのだけど、 この時期アメリカの列車にパンタグラフってあったのかなあ。 しかし当日の朝、そのものずばりのサイトを見つけたので参考にさせてもらった。 この時代は電車は主流じゃないようだ。パンタグラフはおかしいから空調でいいや。
一点心配だったのは、題材が現実の事件を彷彿とさせるので、不快感を示すプレイヤーがいるかもしれないということ。 (幸いにして、ここで懸念を示す仲間はいなかったので一安心)

結果
実際のプレイは、想定していたよりも時間がかからなかった。 行きと帰りがあるとは言え、一本道だからなあ。 事件発生前に食堂のシーンがあるとよかったかも、というヴィルヘルムのプレイヤー氏の意見はなるほどと思った。
プレイを始めて気がついたけど(←遅い)、 ヴィルヘルムの抵抗力が25%と少なすぎて、ジョージが50%と高すぎる〜。 化け物に遭遇するとヴィルヘルムは硬直する可能性が高く、 エクスプローラの彼は見せ場がなくなってしまうなあ。
逆に、ジョージはMPも高いのであんまり怖くないはず。
普段ならステータスが低いところは役割分担やら作戦でのりきってもらいたいけど、 列車内という閉鎖空間だからちょっと難しいね(時間制限もあるし)。

シナリオ中一回遭遇した敵にもう一回会えば判定しなくてもよいので、最後の戦闘はヴィルヘルムも参加できてよかったかな。 本当は機械を停止させればそれで終わりでよいかなと考えていたんだけど、 まあ、時間も早かったし。

応接室の新聞の束を調べると、いくばくかの手がかりが入手できたんだけど、気がつかなかったようだ。 まあ、これは仕方ないか。
プレイヤーの感想
ヴィルヘルム「帰りの職員車両にいた化物はなに?(←肉玉です)、昼間、食堂でのロールプレイがあったほうがよかったかも」
ウィル「MPがやばかったのに仲間に回復してもらえなかった。ロールプレイがまずかったかなあ」
ジョージ「これは前半で次(ボストンで)のシナリオがあると思った」
エルンスト「世界観的に怪物と戦って勝てるゲームなのか迷った」


2005/03/27

第一話 「ホラー・オブ・ホラーハウス」

(「13の幽霊屋敷」収録のシナリオより)

ある日、ミスターレミントンに呼び出された一行は、応接室に座る一人の少女を紹介されます。 彼女の名はアリス・ワンダー。ミスターレミントンは事情をかいつまんで説明します。 彼女は姉さんとその二人の友達に連れられて、街外れの遊園地ダンテ・パークに遊びに行ったこと、 三人がホラーハウスに入ったきり、いくら待っても出てこなかったこと、 しかし、ホラーハウスは以前から閉鎖中で、警官が入ってもなにもなかったこと。
警察が、家出少女の狂言として片付ける前に、ミスターレミントンはコネを利用してアリスの身柄を保護したのでした。
「何もないならそれでいい。しかし、これが奇現象なら警察の手には余るでしょう。君たちの出番です」

ウィルのオンボロ自動車が、さびれたダンテ・パークに到着します。 気がつけばアリスもついてきていました。
「だって、お姉ちゃんたちの顔をおじさんたちは知らないでしょ」

まずはヴィルヘルムが係の人たちに訪ねて回りますが、うまいいいわけを思いつかないせいか、 おびえる彼らの口を開くのはなかなか難儀なようです。 閉鎖中のホラーハウスは、何やらいわくがあるというのがわかった程度でした。

記者のジョージははしゃいでジェットコースターにのり、余分な神経をすり減らしていました。そんな大人にあきれたせいか、気がつくとアリスの姿が消えています。

あせる一行がホラーハウスにたどり着くと、閉鎖されたはずのそこには受けつけ嬢が座り、チケットを販売していました。 ただし、あまりチケットを売りたくはないようです。アリスがここに入ったことを告げ、彼女はすうっと姿が消えました。 これはまさしく幽体、奇現象です。それはそれとしてジョージはチケット代を回収します。

正攻法を望まない一行は、ホラーハウスの周囲を丹念に探索し、裏口を見つけます。 ホラーハウス内は奇怪現象の巣窟となっていました。 暗闇に動くあれはロウ人形なのか、それともまぎれもない怪異なのか。 虚実入り交じり錯綜する感覚が、一行の精神を徐々に蝕んでゆきます。

つくりものの墓場には本物の死体が横たわっていました。墓石の亀裂から染み出す不浄の粘液が襲いかかります。 遠慮のいらない狩りに、はしゃぐヴィルヘルムですが、いきなりライフルが暴発。丸腰になってしまいます。 幸い物理的なものにはどうにか対処できるメンバーなので、かなりの苦戦の末、粘液を撃退しました。
横たわる死体は、単身乗り込んできたジャーナリストのようです。彼の手帳から、このホラーハウスの設計者ガードナーのことがわかりました。 いきすぎた怪奇愛好家のガードナーは、「本物」を使った理想のホラーハウスを作ることにとりつかれます。 その結果、売り子の女性他数名を殺害し、逮捕されたときは狂気に陥ってそのまま死亡したとのことです。

おぼろげながら事情も見えてきて、一行はアリス捜索を再開します。ハウスをくまなく回った結果、 行方不明の女子高校生を二人見つけ、捕らわれていたパークの園長ダンテから、甦ったガードナーのことを聞き出します。 しかし、度重なる奇怪な現象に遭遇した末、ヴィルヘルムはついに限界を超えてしまいました。壁にある斧を振りまわし、 へらへらとしたその姿は、ハウスの出し物に負けず劣らずの不気味さです。

鍵を見つけだし、最初に通った実験室の柱時計に隠された入口を抜けると、そこは秘密の通廊でした。抜けた先は広い空間になっており、 人間型のウサギのぬいぐるみが、アリスを煮えたぎるロウにつけようとしています。 「ホラーハウスにはもっと惨劇を!本物にまさるリアリティはない」とケタケタと笑う、ふざけたウサギのぬいぐるみこそ、甦ったガードナーです。 鉤爪で襲いかかってきますが、 ジョージの心霊機械は作動不良を起こし、ヴィルヘルムは徒手空拳です。 心身ともに消耗している一行ですが、ウィルのしぶとさと、霊感軍人エルンストのバランスのとれた能力が趨勢の決め手でした。 「‥‥そんな!ハッピーエンドなんて、パルプコミックじゃあるまいし」と言う汎用な台詞とともに、ガードナーは再び地獄に送り返されました。

ヴィルヘルムが斧を打ちこんだ人造人間のぬいぐるみの中から、残った女子高生が救出されました。 幸いにして無事でしたが、これは際どいところでした。
(第一話完)

GMのおもわく
前回ガープスでルール運用が重たかったので、 今度はゴーストハンターにしてみた。基本ルールはパーセントなので簡単だし、 トランプを使ったルールも楽しそう。

今回、TRPG暦で初めて、既成のシナリオを使ってみることにした。 ネタにつまったとかではなくて、 結構な出費もしているので元をとってもよいのではないか、 準備時間が余るので細部に凝ることができるのではないかと考えてのことだ。
でも、実際に何冊かチェックしてみると、なかなか適切なシナリオがない〜 描写が少ないとか、舞台が特殊だとか、1レベルにちょっとした交渉と戦闘を含んだシーンがないとか。 作った方が楽だったかなあ。 仕方ないので手直しして使うことにした。

元のシナリオでは、遊園地に遊びに来た一行に、少女が助けを求めるという設定だったのだが、 これだと事前の準備ができないので変更した。いくらなんでも心霊機械を担いで遊園地には来ないでしょう (それともマッドな科学者なら来るかな?)。
あと、戦闘が「避けるべき戦闘」とボスキャラ戦しかなく、初めてのシナリオではちょっと難ありだったので、 ボスキャラを弱くして、小さな戦闘をひとつ入れてみた。
さらに、お化け屋敷の部屋ひとつひとつで、全員ぶんの知覚判定をGMが行う必要があるのだか、 これも面倒すぎるので、ざっくりと判定することにした。さて、どうなるかな。

結果:
「『クトゥルフの呼び声』よりもリアリティ度は低くて『ハムナプトラ』くらい」と説明したらすんなり納得してもらったようだ。 キャラクターメイク。放っておくと、日本人とか中国人とかでやりたがるだろうから、それはなしにしてもらった。 しかし‥‥、ちょっとジョージ・ワシントンって何? そんなにアメリカ人風の名前って思いつかない? マンガからひっぱってきている人もいた。
まあ、いいか。

序盤はスムーズだった。 しかし、気がつかなかったが、おい、裏口があるじゃないか〜。 いきなりボスキャラクターのところに直行できてしまうよお。 アドリブで、隠し部屋へのルートはもう一度来ないと見つからないようにした。このあたりちょっと不満の残る処理だったかもしれない。 ごめんね。
最初の戦闘でいきなり探険家ヴィルヘルムのライフルが暴発。最初ででるか大失敗。 霊感軍人エルンストが物理精神の両方を処置できる万能タイプで助かった。
ホラーハウスはやはり部屋が多過ぎたかもしれないね。 マッピング用メモ用紙を忘れたのは反省。

みな結構ぎりぎりで追い詰められたり、失敗したりで、しかも生還しているので、GMとしてはよいバランスのゲームだったと思う。 プレイヤーたちには、標準的な成功確率が低い(このゲームは冒険で必要な判定ということでワザとそういうバランス)ので、 ちょっと辛かったようだ。そのあたりを次回どうしようかな。

プレイヤーの感想
ヴィルヘルム「予想以上に失敗した。ロールが基本的にきつい。肉弾系はあまり必要ないかも」
ウィル「拳銃があたらない。探偵助手としての能力が発揮できなかった」
ジョージ「最大値が下がるカードがキツイ」
エルンスト「序盤は絵札がなかなか出なかったから」
written by RJ
last update:2005/03/27