Top
index

ベジタブル・ターゲットを追え!


書いた人:RJ(文と絵)
初稿:2001年5月31日
更新:2001年6月8日

前回の忍者くんが長い話だったので、今回は軽めに。 ゲーム中に出てくる食べ物(主に野菜)のお話です。

その1 ベジタブル・ターゲット

ゲーム中、キャラクターがとると得点が加算されるアイテムがあります。 普通、ゲームの目的には直接関係ないものですが、これが野菜であることが 結構多い時代がありました(ここでは果物も野菜にしておきましょう)。 パックマンのボーナスターゲットからはじまって、なんと言っても ディグダグのベジタブル・ターゲットが印象的です。このゲームには敵を潰せる岩が フィールドに設置されていますが、これを二個落下させると、画面中央に 高得点の野菜が現われます。これがベジタブル・ターゲットです。 時間が経つと消えてしまうので、急いでとらないと高得点は得られません。 ありがたみある存在と、大きめのドット絵がなんとも言えずゲームを楽しくさせてくれます。

 
ディグダグ(ナムコ)
地面の中を掘り進んで、地中を荒らしまわる二種類のモンスターを退治すると一面クリア。 手にしたポンプでモンスターをパンクさせるというかなり強烈な退治方法。 だけど、膨らんでいるモンスターをすりぬけたり、足止めして岩で潰したり、さまざまな テクニックに溢れた秀作ゲーム。余談だけど敵キャラのプーカァはむちゃくちゃかわいい。

ナムコのゲームだけではありません。任天堂の氷山登頂ゲーム、アイスクライマーも そうでした。天上を砕いて岩山を登るストイックなゲームですが、ボーナスステージは、 岩山に落ちないように、野菜を採ってジャンプしていきます(難しい!)。 この野菜キャラは、ナス、人参、キャベツと、みんな目がついているのがかわいい。

これらのベジタブル・ターゲット。野菜だけかというとそうではなく、鍵とか ギャルボス(ギャラクシアンの敵キャラ)とか、結構関係ないものも混じっているのが 特徴です。

その2 フードの時代

そしてしばらくして、ゲームも表現力がアップします。原色の派手な野菜に頼らなくても よい時代になり、さまざまなキャラクターが溢れます。得点にこだわらないゲームも増え、 ベジタブル・ターゲットはほとんど見なくなりました。ターゲットが登場するゲームにも、 新たな特徴が付け加わっていました。野菜に限らず、お団子やケーキなど食べ物がゲーム画面を埋め尽くさんばかりに登場します。 今度はフードの時代がやってきたのです。
コミカルシューティングゲームのはしり、「エグゼド・エグゼス」や、 カプコンのこれまた西遊記シューティング「ソンソン」がそうです。 しかしなんと言っても、フードの代表作品と言えば「バブルボブル」とその続編「レインボーアイランド」に尽きるでしょう。 このゲームはフードの種類が尋常ではありません。しかもひとつひとつのドット絵にかなり気合が入っています。 「バブルボブル」は画面上の敵を倒したとき、点数を合わせると、画面上に残っているバブルがすべて一種類の食べ物に変わります。 場合によっては、巨大なフードもひとつ降ってきます。 これがまた嬉しくて、得点はさておいても回収したくなるのが哀しいゲーマーの性。

 
レインボーアイランド(タイトー)
虹の魔法を使うバビーくん(2Pはボビーくん)を操って、縦長の画面を登って行く ゲーム。虹の魔法は、敵をやっつけるだけでなく、まとめて崩したり、登ったりと 様々なテクが使える。あと、なくても大丈夫だけど、「ドルアーガの塔ばり」にアイテムが たくさん登場する。登場キャラクターや各アイランドは、タイトーの過去のゲームに 登場したものが数多く採用されていて、ファンサービスとともに歴史を感じさせてくれる。

「レインボーアイランド」はゲームフィールドのいたるところにフードがばらまかれています。 さらに虹の魔法で探ると、隠れたフードがまた出てきます。 なぜこんなにフードに溢れているのかはよくわかりませんが、ゲームの主目的とは別の楽しみ方が できることも確かです。

まとめ

最近、ベジタブル・ターゲットはすっかりゲームに登場しなくなってしまいましたが、 グラフィックデザイナーが、野菜作りに血道をあげていた時代があったのです。 『氷山の登頂や、両親を助けようと必死になっているときに、そんなに食べ物食べるわけが ないじゃない!』とか言ってはいけません。
こういう一見して不条理な設定が、これらのゲームを謎めいた奥深いものに見せていたことも また確かなのです。

参考資料

この記事は下記の資料を参考にさせていただきました。