前回の忍者くんが長い話だったので、今回は軽めに。 ゲーム中に出てくる食べ物(主に野菜)のお話です。
ゲーム中、キャラクターがとると得点が加算されるアイテムがあります。 普通、ゲームの目的には直接関係ないものですが、これが野菜であることが 結構多い時代がありました(ここでは果物も野菜にしておきましょう)。 パックマンのボーナスターゲットからはじまって、なんと言っても ディグダグのベジタブル・ターゲットが印象的です。このゲームには敵を潰せる岩が フィールドに設置されていますが、これを二個落下させると、画面中央に 高得点の野菜が現われます。これがベジタブル・ターゲットです。 時間が経つと消えてしまうので、急いでとらないと高得点は得られません。 ありがたみある存在と、大きめのドット絵がなんとも言えずゲームを楽しくさせてくれます。
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ディグダグ(ナムコ) 地面の中を掘り進んで、地中を荒らしまわる二種類のモンスターを退治すると一面クリア。 手にしたポンプでモンスターをパンクさせるというかなり強烈な退治方法。 だけど、膨らんでいるモンスターをすりぬけたり、足止めして岩で潰したり、さまざまな テクニックに溢れた秀作ゲーム。余談だけど敵キャラのプーカァはむちゃくちゃかわいい。 |
ナムコのゲームだけではありません。任天堂の氷山登頂ゲーム、アイスクライマーも
そうでした。天上を砕いて岩山を登るストイックなゲームですが、ボーナスステージは、
岩山に落ちないように、野菜を採ってジャンプしていきます(難しい!)。
この野菜キャラは、ナス、人参、キャベツと、みんな目がついているのがかわいい。
これらのベジタブル・ターゲット。野菜だけかというとそうではなく、鍵とか
ギャルボス(ギャラクシアンの敵キャラ)とか、結構関係ないものも混じっているのが
特徴です。
そしてしばらくして、ゲームも表現力がアップします。原色の派手な野菜に頼らなくても
よい時代になり、さまざまなキャラクターが溢れます。得点にこだわらないゲームも増え、
ベジタブル・ターゲットはほとんど見なくなりました。ターゲットが登場するゲームにも、
新たな特徴が付け加わっていました。野菜に限らず、お団子やケーキなど食べ物がゲーム画面を埋め尽くさんばかりに登場します。
今度はフードの時代がやってきたのです。
コミカルシューティングゲームのはしり、「エグゼド・エグゼス」や、
カプコンのこれまた西遊記シューティング「ソンソン」がそうです。
しかしなんと言っても、フードの代表作品と言えば「バブルボブル」とその続編「レインボーアイランド」に尽きるでしょう。
このゲームはフードの種類が尋常ではありません。しかもひとつひとつのドット絵にかなり気合が入っています。
「バブルボブル」は画面上の敵を倒したとき、点数を合わせると、画面上に残っているバブルがすべて一種類の食べ物に変わります。
場合によっては、巨大なフードもひとつ降ってきます。
これがまた嬉しくて、得点はさておいても回収したくなるのが哀しいゲーマーの性。
レインボーアイランド(タイトー) 虹の魔法を使うバビーくん(2Pはボビーくん)を操って、縦長の画面を登って行く ゲーム。虹の魔法は、敵をやっつけるだけでなく、まとめて崩したり、登ったりと 様々なテクが使える。あと、なくても大丈夫だけど、「ドルアーガの塔ばり」にアイテムが たくさん登場する。登場キャラクターや各アイランドは、タイトーの過去のゲームに 登場したものが数多く採用されていて、ファンサービスとともに歴史を感じさせてくれる。 |
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「レインボーアイランド」はゲームフィールドのいたるところにフードがばらまかれています。 さらに虹の魔法で探ると、隠れたフードがまた出てきます。 なぜこんなにフードに溢れているのかはよくわかりませんが、ゲームの主目的とは別の楽しみ方が できることも確かです。
最近、ベジタブル・ターゲットはすっかりゲームに登場しなくなってしまいましたが、
グラフィックデザイナーが、野菜作りに血道をあげていた時代があったのです。
『氷山の登頂や、両親を助けようと必死になっているときに、そんなに食べ物食べるわけが
ないじゃない!』とか言ってはいけません。
こういう一見して不条理な設定が、これらのゲームを謎めいた奥深いものに見せていたことも
また確かなのです。
この記事は下記の資料を参考にさせていただきました。