それでは、議長のお許しを得まして、アクティブいながわを代表し、平成24年度町長施政方針に対して質問をしてまいります。
 23年3月11日に発生しました東日本大震災では、阪神・淡路大震災を大きく上回る方々が犠牲となられました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 地震により、安全と信じられていた防潮堤をはるかに越えて大きな津波が襲い、海岸線から何キロも人、家屋、家畜等を押し流した惨劇は、目を覆うばかりでした。加えて、福島第一原子力発電所も壊滅的な被害に遭い、放射性物質が広範囲に放出したため、周辺地域に大きな被害をもたらし、立入禁止となっており、いまだに避難生活を余儀なくされております。
 東日本大震災の復興には莫大な国家財政が必要となり、世界から、そして日本全国から義援金が寄せられ、猪名川町民はもとより、町議会でも一日も早い復興を願い、日本赤十字社を通して寄附をさせていただきました。
 国では、震災復興費を賄う臨時増税案を提案していたり、国会議員の歳費の削減、公務員の人件費を見直し、2年間で約6,000億円を捻出することが決定しました。
 また、宮城県南三陸町では、住民初め多くの職員が犠牲になったため、役場が壊滅状態となり、猪名川町を初め全国の自治体が機能回復のため交代で現地入りし、協力されました。
 防災、減災の取り組みがさらに重要となり、第5次総合計画では新たに危機管理室を設置し、まちづくりの基盤である安全・安心の専任部署を設置し、危機管理の情報集約、組織の横断的な連絡調整、各種システムの活用などを総合的に行い、速やかに対応していくとのことですが、町内各団体も高齢化しており、いざといったときの連携が万全にできるのか懸念されております。
 東日本大震災の少し前、23年2月22日、ニュージーランドの美しい観光地、クラストチャーチ市でマグニチュード6.3の地震が発生し、多くの日本人の方々も犠牲になってしまいました。また、23年9月5日に発生した台風12号では、和歌山県の熊野古道、那智大社初め各地で大きな被害が発生し、犠牲者も多数となりました。猪名川町の対策として、土砂災害等により孤立の可能性がある集落との通信手段を確保するとのことです。
 災害は忘れたころにやってくると言われていますが、今では忘れていないのに襲ってきます。災害を忘れない、風化させない、そして日ごろから備えておくことがいかに重要かと痛感いたしました。
 悲惨な大震災に沈んでいた日本に、23年7月、女子サッカーチームなでしこジャパンがドイツで開催された女子ワールドカップで優勝したことは、国民にとって大きな励みとなりました。
 原広根線の桜並木が年々美しさを増し、町内外の話題となっております。本年4月8日に美しい桜並木のもとで開催されるいながわ桜まつりの準備として、猪名川高等学校の生徒が菜の花の種まきを協力してくれたとのことであります。静思館で開催されるひな祭りとともに、当日が楽しみでございます。当日は歩行者天国にはならないとのこと。事故対策を万全にし、楽しいお祭りになることを願っております。
 また、再生可能エネルギーである木質バイオマス燃料の利用促進を図るため、まきストーブ、ペレットストーブを24年度には町役場1階ロビーに、大島小学校の各普通教室に設置するとのこと。道の駅、六瀬連絡所にはモデルを設置したとのことです。森林資源を見直し、伐採木を利用することで森林を良好に保全することは、水、河川、やがては海の環境保全へとつながってまいります。
 では、第5次総合計画の施策の大綱に沿って質問させていただきます。
 第1、「笑顔あふれるふれあいのまち 猪名川」に関する施策についてお伺いいたします。
 新年度から第2次男女共同参画行動計画がスタートし、男女とも個性輝き未来をつくる猪名川町の実現に向け取り組んでいくということですが、実情は余り改善されておりません。22年12月に閣議決定された第3次男女共同参画基本計画では、政治分野、司法分野、行政分野、雇用分野、その他の分野に一律30%の女性枠を与え、32年度をめどに達成させようとしております。22年度の国家公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合が26.1%になり、着実にその成果が見られるとのことです。猪名川町としては、新年度どのようなところから改善していくのかお伺いします。
 国際交流について。中学生の国際理解教育や高校生の英会話教室開催など、多彩な事業を展開している等、国際交流協会の活動について支援を行うとのことですが、国際交流をするには生徒のさらなる語学力が必要と考えます。現状をさらに改善していくために、どのように進めていくのかお伺いします。
 消費生活について。先日も若い女性が、買えば幸せになるとマインドコントロールされ、宝石まがいの石を次々に買わされてしまい、約300万円もの被害に遭ったと報道されておりました。大人だけでなく、いまも子供たちまで、親が知らない間に携帯電話やインターネットで巧みにだまされるケースが後を絶ちません。人の弱みにつけ込んで、あの手この手でだます手口が多様になってきており、被害者が後を絶ちません。だましたお金は暴力団の資金源になるケースもあると報道されていました。何より、だまされることを未然に防ぐことが大切です。消費生活について、多種多様な消費者トラブルに的確に対応するとともに、専用相談室で細やかな相談に努めることはプライバシーに配慮することになり、大切なことです。消費生活センターひょうご・こうべ・はんしんネットを活用し、複雑化する消費者トラブルに対応していくとのことですが、具体的な取り組みをお伺いします。
 安全な住民生活を確保するために、新たに(仮称)暴力団排除に関する条例の制定を進めるとありますが、暴力団に対して毅然とした姿勢を求めますが、対応をお伺いします。
 第2、「こころ安らぐ自然に育まれたまち 猪名川」に関する施策についてお伺いします。
 北プールを活用し、メダカの里構想を推進し、生物多様性の保全に取り組んでいくとのことです。メダカについて少し調べてみました。
 メダカは、北海道から琉球列島まで広い範囲に分布している。もともと水田とそれにつながる用水路、ため池などに多く生息し、流れのある場所であっても、水草の多い比較的穏やかな水域を好む。近年では、メダカが生活できる環境が都市化と水田を乾かしたり小川の消失などにより著しく減少したため、日本全体での分布域が減少し続けている。現状では、分布域が確認できない県も生じている。メダカの存続を図るためには、遺伝学的地理変異を考慮しながら、地域個体群の保護と生息環境の保全と復元が早急に必要とされるとのことです。
 猪名川町には、メダカ以外にも特別天然記念物のオオサンショウウオや希少生物も生息しております。メダカが生息できるということは、これらの生物にとっても生息できる環境だと言えます。それらの保全、環境の復元も含めて、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
 緊急雇用就業機会創出事業を活用して、不法投棄の根絶を目指すとあります。新年度には国からの補助金が大幅に減額となっております。まだ不法投棄の根絶には至っていないということですが、抜本的な対処をどうしていかれるのかお伺いします。
 ごみ収集について。軽量化した資源ごみ回収容器を一部の地域において試行的に配布し、検証を進めてまいりますとのことです。今まで町民の皆様方が重い資源ごみ回収容器で大変困っておられました。軽量の容器を提案してきましたので、これでほっとしております。それでは、どこの地域から配布し、検証後に全町に配布する時期はいつになるのかお伺いいたします。
 第3、「いきいきと暮らせる健康長寿のまち 猪名川」についてお伺いします。
 阪神間の自治体の中には、保育所の待機児童が多いため、働きたくても働けない若い人が多くおられます。猪名川町では、新年度に白金地区のYMCA幼稚園においてゼロ歳から2歳児を対象とした保育園が整備され、新たに認定こども園として開設されることになり、待機児童がゼロ人となることは子育て支援につながり、まことに喜ばしいことです。今後、幼保連携し、さらなる子育て支援の充実に向けた取り組みをお伺いします。
 地域における子育て世代のふれあいと交流の身近な相談の場となるつどいの広場事業を子育て支援センターにおいては開設日数を拡充し、また、白金のYMCA認定こども園でも開始し、安心して子育てができる環境づくりを進めていくとのことです。一人でも多くの方々に参加していただきたいと思いますので、PRはどのようにされるのかお伺いします。
 新年度から3カ年の計画で策定する高齢者福祉計画及び第5期介護保険事業計画に基づき、新年度に柏梨田地区で民間事業者による小規模多機能型居宅介護事業所が開設され、また、町北部地域に高齢者福祉サービスの充実に向けた施設の誘致に努めるということは、在宅サービスのさらなる充実になると思います。高齢者が住みなれた地域で継続して生活できるようにしていくとのことですが、高齢者の不安はまだまだ解消されていません。解消に向け、どのように進めていかれるのかお伺いいたします。
 第3期障害福祉計画に基づき、障害のある方が地域で当たり前に暮らし、ともに支え合い、心豊かに暮らせるまちの実現に向け、一層の福祉サービスの充実を図っていくとのことですが、障害者、ご家庭の方々の将来の不安はまだまだ消えておりません。一日でも早く不安を解消するために、具体的にどのように進めていかれるのかお伺いします。
 食育の推進について。おいしいごはんですくすく健康の実現を目指すとありますが、子供たちにとって本当においしいご飯は何かと常に念頭に置いていただいて、具体的にどのように進められるのかお伺いします。
 ふるさとお国自慢料理大会を開催し、食育推進と健康長寿のまちづくりにつなげていくとのことです。ふるさとの味は忘れられません。どこでどのように進められるのかお伺いします。
 肺炎球菌ワクチン接種費用助成を新たに創設し、経済的負担軽減と感染予防に努めるとのことです。日本人の死因は1位がん、2位心臓病、3位脳卒中、4位肺炎です。高齢になると肺炎になっていても熱が余り上がらないため、大したことはないと思い我慢してしまうそうです。手おくれになり、それだけ医療費も高騰してしまうのが現状とのことです。
 肺炎球菌には80種類以上の型があり、肺炎球菌ワクチン接種により、そのうち23種類に対して免疫をつけることができ、肺炎球菌による肺炎の8割に効果があると言われております。1回接種したら5年以上持続し、6日以上あければインフルエンザ予防接種もできるとのことです。一人でも多くの高齢者に接種していただくための具体的な取り組みをお伺いします。
 第4、「こころ豊かな教育・文化のまち 猪名川」についてお伺いします。
 明治6年に開校し、卒業生を1,800人輩出した阿古谷小学校が、PTA、地域、町で協議し、平成25年4月に松尾台小学校へ統合されます。
 本年度、児童が安全に通学できるよう、通学路が整備されます。4キロ以上の児童に対してバス通学も予定されていますが、バスの件はもとより、通学路の見守り等も含め、児童のことを第一に考え、進めていただきたいと思います。
 猪名川町では、子どもを交通事故から守ろうというステッカーが本庁舎に張られています。通学時間帯の安全を図るため、その間の自動車の侵入をどうされるのかお伺いいたします。
 B&G海洋センターが10年を経過し、施設の経年劣化に対応するため、B&G財団の改修助成制度を活用し、施設改修を実施するとのことですが、町税も使うことになりますが、どうしても必要な改修工事なのかどうかお伺いいたします。
 新年度、多田銀銅山の堀家製錬所跡遺跡周辺に、周辺道路の駐車対策として駐車場整備をするとのことですが、この駐車場は少し高いところにあるがため、今の計画ではかえって休館日等に路上駐車がふえるのではと懸念されますが、どのように進めていかれるのかお伺いします。
 静思館のカヤぶきの傷みが激しい北面屋根の修繕を行うとのことですが、富山県五箇山等のカヤぶきの屋根を守るには、必ず下からまきや炭の煙でいぶさないと虫等のすみかになり、カヤぶきが早くだめになるとのことです。以前の私の質問の答弁として、消防法で炭やまきでいぶすことが禁止されているとのことでしたが、これでは将来にわたってカヤぶき屋根の傷みを防ぐことはできません。これ以上住民の血税を投入することはいかがかと思われますが、どのようにお考えですか。
 第5、「活力とにぎわいのあるまち 猪名川」についての施策であります。
 遊休農地の解消が大きな課題となっており、打開することを目的に、農業委員会と連携し、指導などの対策を図っていくとのことです。全国では着実に実績を上げている自治体がありますが、猪名川町ではなかなか解消までには至っていないようです。自然農法では、農薬漬けになった農地よりも、むしろススキや雑草が生い茂った農地の方がいろいろな生物が生息しており、そのことは作物を育てていく上で重要なことなので、大変そちらの方を利用する方がよいとも指摘されております。
 猪名川町の遊休農地の貸し手と借り手の橋渡しと、作物をつくるには長期の貸出期間が必要ですが、迅速な取り組みについてお伺いします。
 町の活性化に向けた商工業の振興を促進するとのことですが、長期的な展望に立っての施策をお伺いします。
 観光客の誘致拡大を図っていきますとのことですが、猪名川町には京都や奈良、北海道や長野県のような有名な観光資源は乏しいと思いますが、猪名川町らしい観光資源を見つけ出すことは大切なことと思います。例えば、屏風岩の前の川では以前、屋形船やボートが浮かび、恋人たちの憩いの場でもあったと宝塚市の方にお伺いしました。今ある観光資源を生かす具体的な施策をお伺いいたします。
 河川は、人と自然が共生することで日々の生活に潤いと憩いをもたらす大切な共有の財産です。地域の皆様はもとより、多くの人が自然と触れ合い、心を豊かにできる場所として、集中豪雨や台風などによる災害を減らし、安心して利用できるよう、河川の良好な環境を保全し、維持していく必要があるということですが、現実の河川は余り魅力を感じません。コンクリート三面張りの河川改修であったり、下水道工事が完了し、ほとんどのご家庭等では水洗化されていますが、いまだに未接続家庭があるため、まだまだ上流から洗剤の泡が流れてきております。そんな中でも、メダカやオオサンショウウオ等、けなげに生息しております。しかし、昔はもっと多種類の魚が生息していたのにと、地元の方々は嘆いておられます。一日も早く真の清流を取り戻す強力な取り組みをお伺いいたします。
 第6、「人びとと行政がともに歩むまち 猪名川」についての施策をお伺いします。
 広報いながわをA4冊子版にリニューアルし、全戸に配布することは大きな前進です。議会だよりは平成8年4月にA4冊子版に改善されております。当時、広報いながわも冊子型にと提案しましたが、これで住民の方々もより読みやすく、ファイルしやすくなります。
 紙面内容を充実させ、わかりやすい広報紙を目指すとのことですが、文字よりも写真や図等を多用し、読みやすい広報紙の発行をしている自治体がありますが、具体的な取り組みをお伺いします。
 転入者向けの配布冊子「くらしのインフォメーション」を民間活力を取り入れ刷新し、「い〜なガイドブック」として発刊し、全戸配布することも期待するところですが、なるべく写真等を多用し、親しみが持てるようにと思います。どのように改善されるのかお伺いします。
 職員の資質向上のため、新たに兵庫県へ職場研修生派遣を実施するとのことですが、民間企業で研修する方が住民サービスにとって有益と思いますが、検討されたかお伺いします。
 猪名川町のふるさと納税が人気を呼んでいます。1万円以上を寄附した町外在住者に対し、23年度からぼたん鍋セットなど地元特産品のプレゼントを始めたところ、22年度に3件だった寄附が82件となったと、24年1月の神戸新聞に掲載されておりました。これはとても魅力的なので、これからもぜひ続けていただきたいと思います。これからも、より多くの町外にお住まいの方々に納税をしていただけるよう、さらなる魅力的なプレゼント開発に向けた取り組みをお伺いいたします。
 さて、世界に目を向けると、ギリシャ等に端を発した欧州危機、イラン制裁によるホルムズ海峡の緊張、世界的な金融緩和に伴う投機的資金流入等で原油価格の高騰が続き、世界経済の懸念材料となっております。日本では世界に類を見ないと少子高齢化に突入し、年金、医療、子育て支援等を維持するため、国においては消費税を現行の5%を10%にする法案を国会に提出しようとしております。専門家の試算では、将来的には消費税を30%以上に上げないと今のサービスは維持できないと言われております。世界情勢や日本の実情を考え、国、自治体挙げて政策の優先順位を考えない限り、スウェーデンやデンマークより消費税が高額になり、国民サービスは現状のままという大変な国になってしまいます。
 猪名川町も退職された人がふえ、所得税の落ち込みが加速し、不況で税収も落ち込んでおり、厳しい財政状況が続いております。若い人の働き口が少ないため、町外へ流出し、さらなる税収の落ち込みともなっているのが現状です。若い人が安心して働ける雇用の創出も近々に取り組む事項と考えます。猪名川町にずっと住み続けたいと真に住民の皆様方から言葉が返ってくるまで、行政と町議会が住民サービス向上のために、すべての施策に優先順位をつけて、今以上に真剣に取り組んでいかなければなりません。大変な生活の中から納めてくださった血税をむだにすることなく施策を展開していかれることをお願いいたしまして、アクティブいながわを代表して、私の代表質問を終わります。