「戦時船舶と徴用船・戦没船名簿」について
 
  先の太平洋戦争(1941年12月8日〜1945年8月15日)では、6万余人の船員が戦死し、1万5千余隻の
船が戦没したとされており(詳細は本HP「資料」欄参照)、その記録は、商船を主とした大型船については
本会その他関係団体・個人の努力により相当程度まとめられているものの、300総トン未満の小型船につ
いては、一部船舶・一部地域を除きあまり進んでいないのが実状である。
  本会はそれらの記録をできるだけ残そうと努力中であるが、この度その一部である「海軍徴用船を主とし
た戦没船」の実状を中間的まとめとして公表する。海軍関係については6割方把握できたのではないかと思
われる。小型船については、地方(県または船主・業種団体)の徴用・扱い部分も相当あったようなので、「都
道府県別の船名録」の形とした。居住地あるいは故郷の当時の状況把握の一助となれば幸い。
 お気づきの点、関係資料(資料存在の事実のみでも結構です)等をご連絡いただければ幸いです。 

<凡例>

 1、 対象船=20〜299総トンの汽船および機関を有する帆船
 2、 対象期間=太平洋戦争中(1941.12.08〜1945.08.15)を主体とした。

 3、収録項目=戦没船の記録を主眼としているが、今後の陸軍関係の資料収集、地方からの資料収集、
      紙幅等を勘案した項目とした。

 4、配列=都道府県別に区分し、船籍港・船名を50音順に配列した。
 5、桃色書=不確な記述部分
 6、在県隻数(No)=在県隻数把握、今後の記録・連絡上での確度・利便性を考慮し設定した。
 7、船籍地・区分船籍港=年度により船籍港変動の船もあったが、区分上「昭和18年度船名録」を主体
      とした。「徴用船」については、状況分析の上徴用時の船籍港とした船もある。

 8、在船籍隻数=船籍港名は戦時中の市町村名した。
 9、 船名=船籍港別に50音順配列、船名変更のあった船は下欄に併記、戦没船は朱書した。
10、 船舶番号=船籍地が「朝鮮」「台湾」「関東州」の船は、それぞれの地で付与された番号。従って各地
     間で重複番号が存在する。 同一地域内での重複番号は青書した。
11、舶所有者=「徴用船名簿」と異なる船があったが、「各年度船名録」を基準とした。

12、 総トン数=「各年度船名録」により異なる船もあったが、「18年版」を基準とし、相異があまりにも大き
     い船については併記した。
13、 製造年=本資料の目的から「年」にとどめた。昭和20年のみ、終戦前後の区分のため「月」を記載した。
14、 18年・22年増減=今後の資料収集と分析の観点から設定。 登録上のものであり、必ずしも新造・喪失
     とは限らない。
15、 船種=@「汽」は「船名録」で「汽船」とされ、他に明確な区分資料がない船。
     A 「漁」は「徴用船名簿」その他で「漁船」であることが確認された船。
     B 「機帆」は「徴用船名簿」その他で「機関を有する漁船以外の帆船」であることが確認された船。
     C 「貨」は「徴用船名簿」その他で「貨物船(貨客船・油槽船・曳船含む)」とされた船。
     D 「官」は行政官庁所属船
     E 「空欄」は「船名録」で「機関を有する帆船」とされた@〜D以外の船。
16、 用船先= A=陸軍徴用船   B=海軍徴用船
17、 徴用区分= 特=特設艦船   一=一般徴用船
18、 配属= Y=横須賀   M=舞鶴、 K=呉  S=佐世保  鎮=鎮守府  警=警備府  
     根=根拠地隊  F=艦隊  遣支=遣支艦隊  南遣=南遣艦隊  支那方面=支那方面艦隊 
     北東方面=北東方面艦隊  南西方面=南西方面艦隊  南東方面=南東方面艦隊 
     湾糖=台湾砂糖
19、 行動=B=朝鮮漁船90隻の進出(昭和18年3〜11月)
     C=40トン漁船100隻徴用(昭和18年8〜11月)
     D=南方産油還送機帆船(昭和18年1月、18年8月)
     G=大湊漁船北洋進出(18年3〜9月)
     H=漁船290隻・機帆船150隻徴用(昭和18年12月)
     I=未稼働新造機帆船作戦(昭和19年2〜6月)
     J=機帆船・漁船<比島・北洋進出作戦>(昭和19年3月)
     K=機帆船・漁船<南西諸島輸送作戦>(昭和19年6月〜20年5月)
     L=機帆船<台湾砂糖還送作戦> (昭和19年10月〜20年4月)
20、 戦没原因= S=潜水艦魚雷・砲撃  E=航空機爆撃  G=機動部隊砲撃  M=機雷接触
     J=事故(火災・時化)、 Z=座礁  ?=行方不明
21、 戦没場所緑書は米軍資料 (参考文献No46)
22、 戦没船員数=小型船に於ける船別の員数を記録した公式資料は極めて少なく、本名簿に掲載し
      たものも少ないが、今後把握し得たものを一定の段階で掲載してゆく予定。     
     
<参考文献>
1. 戦没船員名簿 (厚生省援護局・殉職船員顕彰会)
2. 漁船の太平洋戦争 (服部雅徳著・殉国漁船顕彰委員会)
3. 焼津市史−漁業編 (焼津市史編さん委員会)
4. 焼津市史−資料編 (焼津市史編さん委員会)
5. 焼津漁業史 (焼津漁業協同組合)
6. 静岡県榛原郡誌 (静岡県榛原郡誌町村会)
7. 静岡県近代史研究−第16号 (静岡県近代史研究会)
8. 15年戦争期における焼津市の漁船 (高橋鑛逸著)
9. 知られざる漁船の戦い−宮城の徴用漁船群−(新関昌利著)
10. 続 知られざる漁船の戦い−宮城の徴用漁船群−(新関昌利著)
11. 柴山漁業協同組合史
12. 室戸岬遠洋漁業六十年の歩み (室戸岬鰹鮪船主組合)
13. 串木野漁業史 (串木野漁業協同組合)
14. 広島県内各市町村史−海運・造船・船舶・船員関係部分
15. 昭和17年度日本船名録 (運輸通信省海運総局)
16. 昭和18年度日本船名録 (    〃    )
17. 昭和22年度日本船名録 (    〃    )
18. 日本船舶局々局名録−昭和18年版 (無線通信社)
19. 第2次世界大戦艦船遺柱総覧 ((財)公益推進機構)
20. 日本商船隊戦時遭難史 ((財)海上労働協会)
21. 戦時船舶史 (駒宮真七郎著)
22. 戦時輸送船団史 (駒宮真七郎著)
23. 昭和18年版日本海軍徴用船舶原簿 (海軍省兵備局)
24. 昭和19年版徴用船舶名簿 (海軍省兵備局)
25. 海軍一般徴用船明細 (正岡勝直作成)
26. 一般徴用船配属状況綴―昭和20年3月1日現在 (海軍省軍務局調整)
27. 旧海軍徴用船舶等恩給加算調書 (厚生省援護局)
28. 海軍徴用船舶整理綴 (防衛庁戦史室)
29. 特設監視艇明細表・配置・行動綴 (正岡勝直作成)
30. 日本海軍特設艦船正史 (正岡勝直著・戦前船舶研究会)
31. 第1〜6監視艇隊戦時日誌・戦闘詳報 (防衛研究所)
32. 海軍各部隊戦時日誌・戦闘詳報(防衛研究所)
33. 台湾砂糖還送記録−船舶明細・動静 (正岡勝直作成)
34. 機帆船による南方産油還送記録−船舶明細・動静 (正岡勝直作成)
35. 特殊漁船戦闘詳報・作戦記録 (防衛研究所)
36. 未稼働新造機帆船徴用作戦記録 (正岡勝直作成)
37. 第11航空艦隊に機帆船の配属 (正岡勝直作成)
38. 機帆船・漁船の南西諸島輸送作戦 (正岡勝直作成)
39. 機帆船・漁船の比島進出作戦記録 (正岡勝直作成)
40. 漁船・機帆船の徴用・配備記録 (正岡勝直作成)
41. 北洋方面に進出の漁船団 (正岡勝直作成)
42. 戦没船を記録する会会報-1〜43号 (戦没船を記録する会)
43. 知られざる戦没船の記録 上・下巻 (戦没船を記録する会)
44. 戦没船を記録する会10年史 (戦没船を記録する会)
45. 海なお深くT・U(全日本海員組合)
46. The OFFICIAL CHRONOLOGY of the U.S. Navy in WORLD WAR U(ROBERT J. CRESSMAN 著)
47. 戦史叢書−海軍関係 (朝雲新聞社)
48. 昭和造船史 (原書房)
49. 逓信事業史 (逓信省)
50. ぽすたるガイド−全国郵便番号簿 (郵便局)